初 桜 2      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
対岸へ朝日をつなぐ初ざくら 小野恵美子 馬醉木 200406
岬端の風のみだれや初ざくら 木下玉葉子 酸漿 200406
吹き抜けの梁の美し初桜 川野喜代子 雲の峰 200406
初桜目白十羽を飛ばしけり 青木民子 酸漿 200406
初桜小踊りしつつ見上げけり 大内恵 酸漿 200406
初ざくら太き纜解きにけり 中村雅樹 百鳥 200406
びんざさら弧を保ちをり初桜 柿沼盟子 風土 200406
父在す靖国の初桜かな 密門令子 雨月 200406
攻め窯の炎となれり初ざくら 永井雪狼 200406
遠目にもしかと吉野の初桜 有吉桜雲 200407
さざ波の広がつてゆく初桜 伊藤佳代 対岸 200407
喜びは方寸に秘め初櫻 渡辺民親 遠嶺 200407
師の墓に誰が供へしや初桜 岡本直子 雨月 200407
一書成り更に期すもの初桜 望月晴美 200407
初ざくら昨日の我にあらざりき 大西正栄 雨月 200408
一天の下にほろりと初桜 今井千鶴子 ホトトギス 200408
初桜風は夕べに移りつつ 山田弘子 ホトトギス 200408
校庭にかずを数ふる初桜 武井玲子 八千草 200409
シンポジウム終へたる朝の初桜 稲岡長 ホトトギス 200409
折からの雪飛ぶ眉山初桜 上崎暮潮 ホトトギス 200411
初桜白手袋と短剣と 内藤ゑつ ゑつ 200411
はらからを九段に亡じ初桜 堀内一郎 あを 200504
初桜とはもういへぬ盛りかな 稲畑汀子 ホトトギス 200504
咲き進み咲き止まるも初桜 稲畑汀子 ホトトギス 200504
み吉野の初桜には間に合はず 稲畑汀子 ホトトギス 200504

 「いには」創刊を祝して

ひんがしに日さすと見れば初桜

鷹羽狩行 200504
病室の話それぞれ初桜 大西八洲雄 万象 200505
人は日はいつも鮮らし初桜 辻直美 200505
鎖骨より伸びしうなじや初ざくら 尾堂Y 河鹿 200505
誰も居ぬ児童公園初桜 浅野洋子 春燈 200506
初桜見つむ子の目の濁りなき 足立典子 雨月 200506
神鏡に顔の映れり初ざくら 釜井瞳子 対岸 200506
初ざくら外入の棲む庭にかな 野澤あき 火星 200506
百枚の畳の冷えや初ざくら 黒田咲子 200506
得度して円位上人初桜 山路紀子 風土 200507
何掴むための手のひら初ざくら 倉持梨恵 200507
初桜机の傷の深かりし 大串章 百鳥 200507
初桜社殿まるごと改修中 景山まり子 百鳥 200507
初櫻小江戸生れの妻と来て 関口幹雄 遠嶺 200507
指呼の間の大和三山初桜 河合佳代子 栴檀 200507
鎌倉へ用足しに来て初桜 初瀬啓子 200507
み熊野の空の水いろ初桜 赤松郁代 万象 200507
あけがたのゆあみに雨の初櫻 瀧春一 菜園 200509
初さくら記憶の錠のこつと開く 山元志津香 八千草 200510
初桜児の描く丸はおかあさん 浅田光代 風土 200601
東京の滞在長し初桜 稲畑汀子 ホトトギス 200603
氏神の手水つめたし初ざくら 竹内弘子 あを 200604
厚着して人は行き交ふ初桜 林翔 200605
初ざくらいま乾坤のひとしづく 辻直美 200605
長靴の川藻踏みゆく初ざくら 松たかし 火星 200606
靡きつつ花は散らさず初桜 林翔 馬醉木 200606
故郷のわが句碑に添へ初桜 村越化石 200606
巡り来し一と歳大事初ざくら 中田みなみ 200606
はしなくも句碑建つ朝の初ざくら 北川英子 200606
素甘好みし先師を恋へり初桜 竹中龍青 200606
少女らの肩かけ鞄初桜 渡邉美保 火星 200606
初桜野球の王者帰国せり 池田博子 四葩 200606
尼寺の広き原つぱ初桜 赤尾杉昌子 対岸 200606
地図になき橋のたもとの初櫻 伊藤豊美 遠嶺 200607
初ざくら箸使ふ手のやや冷えて 上林孝子 200607
枝の先にてはにかむよ初ざくら 山口速 200607
猫好きの弟の顔初ざくら 鈴木多枝子 あを 200607
護摩跡の形ありたる初桜 大山文子 火星 200607
初桜刻々夕日刻々と 山田弘子 ホトトギス 200608
初桜夫の情の一枝これ 大橋麻沙子 雨月 200608
夕空は水のごとくに初桜 山田弘子 ホトトギス 200608
母のこゑ聴きたき日なり初櫻 環順子 夢帽子 200608
川沿ひのこの冷や良し初桜 佐藤佐代子 200608
一片を点じそめたる初桜 安原葉 ホトトギス 200608
はぶり火の音のしてゐる初桜 坂口夫佐子 火星 200609
巫女舞の鈴の音すがし初桜 吉田晋 万象 200609
ときめきに齢のあらず初ざくら 久保久子 春燈 200612
杖の頭に顎のせ見たり初桜 藤江昭 万象句集 200703
陸橋を二度渡りけり初ざくら 中村恭子 200705
初桜集乳缶の峠越す 神蔵器 風土 200705
初桜見上げてよりの無口かな 出来由子 200705
兄の手に残る温もり初ざくら 米澤光子 火星 200706
初櫻いそがしきまま日暮かな 佐藤恭子 あを 200706
初ざくら朝の素顔に日の撥ねて 加瀬美代子 200706
初櫻上枝下枝に鵯飛来 佐藤恭子 あを 200706
しののめの空冷えびえと初桜 千手和子 馬醉木 200706
山羊の乳うすくれなゐに初ざくら 代田青鳥 風土 200706
日をこぼす雲に椅子置き初桜 岡野ひろ子 200706
魂のふるへやまざる初桜 市ヶ谷洋子 馬醉木 200706
ふるさとは海山かすみ初桜 川崎俊子 馬醉木 200706
浦賀道十三峠の初桜 平田紀美子 風土 200706
川風の寺田屋あたり初桜 助口弘子 火星 200707
心根のひとつ決まりて初櫻 内田稔 遠嶺 200707
初櫻地下鉄は外へ出でにけり 宮澤さくら 遠嶺 200707
湧水や一鳥啼いて初櫻 中川雄作 遠嶺 200707
祈ぎ事を一つに絞る初桜 望月晴美 200707
白雲に溶け込む富士や初桜 山本とく江 万象 200707
鳶の輪の大きく海へ初ざくら 中村洋子 風土 200707
初桜雲低ければ濃かりけり 山田弘子 ホトトギス 200708
確かめに登り確かに初桜 吉年虹二 ホトトギス 200708
一枚の窓に収まる初桜 有吉桜雲 200708
白装束の杖をふれなば初桜 前田美恵子 200712
この会に見るが慣ひの初桜 稲畑汀子 ホトトギス 200803
風に硬さの残りゐて初ざくら 山仲英子 200803
張りつめし空の一画初ざくら 代田青鳥 風土 200805
翔先生のお声の凛と初桜 宮島宏子 200806
新駅の開業祝ふ初桜 増田一代 200806
無造作な丸太のベンチ初桜 渡邉孝彦 やぶれ傘 200806
野晒しの眼の中の初さくら 栗栖恵通子 200806
舞殿に一面の琴初ざくら 浅田光代 風土 200806
湯の宿へ坂の近道初ざくら 川崎俊子 馬醉木 200806
枝先を特急電車初ざくら 吉沢陽子 200806
初ざくら曜変天目茶碗出づ 林いづみ 風土 200806
ひもろぎの靄のなかより初ざくら 中村恭子 200806
初ざくら「南風一号」折返す 栗栖恵通子 200807
初桜夢のひらきし日の遠く 荻野千枝 京鹿子 200807
老幹の力を見たり初ざくら 村田文一 遠嶺 200807
初桜待たるる窓に顔よせて 松尾緑富 ホトトギス 200807
石段の真中すり減り初桜 荒井千佐代 200807
結願のわれらへ阿波の初ざくら 森脇貞子 雨月 200807
初桜この荒天に咲かずとも 山田弘子 ホトトギス 200808
初桜一花の繋ぐ旅路はも 山田弘子 ホトトギス 200808
古戦場の雨脚ほそし初桜 片山博介 春燈 200812
初桜とてたちまちといふ日数 稲畑汀子 ホトトギス 200904
刻々といふ時間あり初桜 稲畑汀子 ホトトギス 200904
辶に首は黄道初櫻 竹内悦子 200905
初桜死者の体温奪ひ咲く 神蔵器 風土 200905
電動の車椅子行く初桜 中山静枝 200905
われも触れ風も近寄る初櫻 吉野のぶ子 遠嶺 200906
「ふるさと」のメロディ碑あり初桜 鈴木照子 200906
白山の威にはにかめる初ざくら 上谷昌憲 200906
初ざくら骨董市の立ちにけり 近藤牧男 春燈 200906
初桜羅漢の唇がひらきけり 竹生田勝次 風土 200906
教へ子は女ざかりや初桜 長田曄子 火星 200906
地下鉄の一番出口初桜 根岸善行 風土 200906
白き嶺背に安曇野の初桜 宮入河童 200907
真つ黒なロールスロイス初櫻 遠藤和彦 遠嶺 200907
初ざくら風を渡りし鳥の声 大谷茂 遠嶺 200907
回廊の木目蹠に初ざくら 浜口高子 火星 200907
初ざくら嬰の頭を荒撫です 深澤鱶 火星 200907
産衣干す空の向ふに初桜 坂口三保子 ぐろっけ 200907
吾が影に影の寄り添ふ初ざくら 大曽根育代 遠嶺 200907
日本を明るうしたる初桜 宮崎正 ホトトギス 200908
傾ぎたる禿のかつら初桜 村高卯 200909
初桜水の匂ひの離宮山 菊池和子 京鹿子 201001
みよし野の旅の近づく初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201004
咲きそめて咲きためらへる初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201004
初桜咲き進みゐし旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 201004
一竿は赤ん坊のもの初桜 大西八洲雄 万象 201006
初桜母に写メール送信す 島本知子 ぐろっけ 201006
しあはせの色あけぼのの初桜 松本圭司 201006
真空のやうな空間初ざくら 大崎ナツミ 雨月 201006
原つぱの子規記念球場初桜 荒木甫 201006
御影石研く音せる初桜 山本耀子 火星 201006
童顔の円空仏や初ざくら 池園二三江 春燈 201007
奥の間に女杜氏や初桜 小林愛子 万象 201007
入海の紺あざやかに初ざくら 水田壽子 雨月 201007
幹咲きの紋所めく初ざくら 鈴木直枝 ろんど 201007
初ざくら大工道具の黒光り 秋千晴 201007
幹を這ふ苔のさみどり初桜 藤原冬人 火星 201007
洗面の水やはらかし初桜 大野崇文 201007
全容の富士へ一枝の初桜 秋山悌歩 末黒野 201007
窓越しの今朝は東の初ざくら 水田壽子 雨月 201007
天上に音の満ちくる初ざくら 本多俊子 201007
ふと君の在すか風の初桜 河野美奇 ホトトギス 201008
線香の香る背戸道初桜 渡邉孝彦 やぶれ傘 201008
初ざくら高空の藍恋ふやうに 間島あきら 風土 201011
仰ぎ見て又見下ろして初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201103
み吉野の初桜とはもういへぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201104
書初にさくらの文字一度だけ 椿和枝 201104
見慣れたる景色なれども初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201104
大壺の三つ並んで初桜 和田政子 201105
棚にカップ戻さぬままに初桜 森理和 あをかき 201105
幸せの一端にゐて初ざくら 上原恒子 雨月 201105
山里へ祝婚の荷や初ざくら 長坂ヤス子 酸漿 201105
手をつなぐフォークダンスや初桜 中山静枝 201105
露伴の塔礎石のままに初桜 小俣剛哉 雨月 201105
金婚に日時計まぶし初桜 上原重一 201105
尊徳の肩に寄り添ふ初桜 石川かおり 201106
抱き上げし嬰児の笑顔初ざくら 笹井康夫 201106
初桜バス待つ時も華やげり 田中眞由美 ぐろっけ 201106
「がんばれ」の一語が重し初ざくら 河口仁志 201106
茶飯釜の茶とめし分かつ初桜 坂本依誌子 春燈 201106
公園の崖より伸びる初桜 角谷美恵子 ぐろっけ 201106
谷底に耳聡くゐし初ざくら 深澤鱶 火星 201107
初桜島三つ寄る瀬戸田町 黒滝志麻子 末黒野 201107
被災地のひと枝びんに初桜 東秋茄子 京鹿子 201107
初桜赤児の笑みは真珠色 角谷美恵子 ぐろっけ 201107
蒼穹のいよいよ深し初桜 笹村政子 六花 201107
烏跳びの御苑のからす初桜 有賀昌子 やぶれ傘 201108
初桜どつと快晴たまはりし 稻畑汀子 ホトトギス 201204
み吉野のはや帰路となる初桜 稻畑汀子 ホトトギス 201204
婚決めし口下手の子や初ざくら 五十嵐紀子 201205
小声にはこごゑに応ふ初ざくら 中村恭子 201205
老覚ゆ笑み豊かなる初桜 池田光子 201205
メールより文がふさはし初桜 船越和香 馬醉木 201206
大磯の西行の日の初ざくら 川村文英 ろんど 201206
御籤引く音のからころ初桜 大島英昭 やぶれ傘 201207
ととのひし婚の日取や初桜 田山真弓 春燈 201207
初ざくら五つ釦の陸奥訛り 丸井巴水 京鹿子 201207
かんばせは聖者のごとし初桜 雨村敏子 201207
あけぼのの街の静寂や初桜 渡辺絹代 末黒野 201207
初桜 →3

 

2023年3月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。