初 桜 3      142句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
堰音の多摩の流れや初ざくら 北崎展江 くりから 201209
坂道の下りにかかり初桜 渡邊孝彦 やぶれ傘 201209
円墳の供花のごときや初桜 小柳千美子 かさね 201305
今年また最後かもねと初ざくら 北川英子 201306
初桜団地に閉づる小学校 山崎郁子 万象 201306
紀伊水道の風あらあらと初桜 西村節子 火星 201306
起き抜けはいつも無口や初ざくら 山田暢子 風土 201306
駐車場よくぞひともと初桜 瀧春一 花石榴 201312
旅終へて家居二日目初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201403
留守の間に咲き切る勿れ初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201404
大甕に水満々と初ざくら 泉本浩子 馬醉木 201406
曇天へ一枝はりだす初桜 上野紫泉 京鹿子 201406
初ざくらのニュースに見上げ高知城 吉田克美 ろんど 201406
その下はをみなごばかり初桜 大坪景章 万象 201406
初さくら一輪入れてエアメール 藤見佳楠子 201406
初桜ひとり待たさる検査室 はしもと風里 201406
新築を決めし子の眼や初ざくら 渡部良子 馬醉木 201406
去年の今日いま眼前の初桜 四條進 201406
現し身は華やぎてこそ初桜 峰崎成規 201406
あえかなる瀬戸の朝風初ざくら 水田壽子 雨月 201407
郵便局に毎年早き初櫻 谷岡尚美 201407
初桜むかしを思ひ出しにけり 松橋利雄 春燈 201407
との曇水辺の道の初桜 和泉道草 末黒野 201407
澄みわたる白球の音初桜 河村啓花 ろんど 201407
わが息のとどくところに初桜 岩岡中正 ホトトギス 201410
初ざくらひた待つ日々の自愛かな 秋葉雅治 201505
バイク屋の小父さんと見る初桜 だいじみどり 201505
このところ涙湧かずよ初桜 辻美奈子 201505
指切を忘れし君よ初桜 宮崎高根 201506
護摩焚きの読経漏るるや初桜 山崎稔子 末黒野 201506
幼児とひと日の旅や初ざくら 安立公彦 春燈 201506
墓山へ風を広ぐる初ざくら 栗山よし子 馬醉木 201506
墓守のこと子に託す初ざくら 杉本光祥 201506
水門に貝の貼りつく初桜 赤松郁代 万象 201507
空青きことも称へて初桜 笹倉さえみ 雨月 201507
閼伽桶を地に置き見上ぐ初桜 小田嶋野笛 末黒野 201507
実習の腕章目立つ初桜 鎌田光恵 201507
鯉の尾の水切る力初桜 黒滝志麻子 末黒野 201507
大空に風荒ぶ日や初桜 宮本加津代 万象 201507
待つ心とはみよし野の初桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
初桜家居の日々とならざりし 稲畑汀子 ホトトギス 201603
雪嶺を見し目に庭の初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201603
初桜庭の春秋くり返す 稲畑汀子 ホトトギス 201604
初桜咲いてをりしと気づくまで 稲畑汀子 ホトトギス 201604
初桜とは忽ちに遠ざかる 稲畑汀子 ホトトギス 201604
初桜もう散ることに執しをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
待つ心とはみよし野の初桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
忌心といふ色に咲く初桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
海鳴りを曳く空揺るる初桜 深川淑枝 201605
予報士を半歩出し抜く初桜 峰崎成規 201605
五羽六羽雀来てゐる初桜 廣瀬雅男 やぶれ傘 201605
初桜杖の暮しに馴れて来し 佐藤淑子 雨月 201606
初桜先駆け関大幼稚園 大橋晄 雨月 201606
初桜酒蔵巡る微酔して 山田由利枝 雨月 201606
女坂登り尽きたり初桜 和泉道草 末黒野 201607
目に近き庭に一本初桜 水野節子 雨月 201607
増築の老人ホーム初桜 瀬島洒望 やぶれ傘 201607
吉祥天開扉待たるる初桜 熊岡俊子 雨月 201607
人と人結ぶも人や初ざくら 間島あきら 風土 201607
一言を添ヘて挨拶初桜 大室恵美子 春燈 201607
木遣歌果つ浮城の初桜 矢崎すみ子 201607
太く長く亭午の汽笛初桜 岡田史女 末黒野 201607
楼門に縁取られたる初桜 藤沢秀永 201607
初桜とはもう咲いてゐる桜 後藤立夫 ホトトギス 201608
楼門に縁取られたる初桜 藤沢秀永 201702
みよし野の旅へいざなふ初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201704
初桜たちまち陽気すすみけり 稲畑汀子 ホトトギス 201704
初桜還付で払ふ入院費 篠田純子 あを 201705
里山の明るくなりぬ初桜 渡たみ 馬醉木 201705
初桜傘かたむけて見上げけり 森なほ子 あを 201705
伊予城下統ぶる天守や初ざくら 尾崎みつ子 雨月 201706
水ありて一枝を映す初櫻 藤岡紫水 京鹿子 201706
初桜よく来る町の知らぬ場所 辻美奈子 201706
初ざくら仰ぎよろめく齢かな 柴田志津子 201707
初桜恋の成就をたくす絵馬 佐藤貞子 雨月 201707
校庭の裏口飾り初桜 早川八重子 末黒野 201707
寺庭の深閑として初桜 吉田きみえ 末黒野 201707
一片の雲のとどまる初桜 山内碧 201707
見上ぐれば喉の冷たき初桜 中村弘 万象 201708
初桜たつた一輪てふ風情 和田華凛 ホトトギス 201708
水よりも雲の濡れゐる初桜 神蔵器 風土 201709
川むかうの声届きけり初桜 天野美登里 やぶれ傘 201805
虹彩のしんしん冷ゆる初ざくら 細川洋子 201805
パウダーに雲母キラリと初桜 はしもと風里 201806
城垣の脇に一輪初桜 赤松赤彦 六花 201806
初桜さざれ石なら撫でておこ 辻水音 201806
久久の顔顔顔や初桜 飯田久美子 末黒野 201806
初ざくら浮き立つものに膝がしら 北川孝子 京鹿子 201806
はじまりは頼りなげなる初桜 江島照美 201807
初桜明日は月命日なりし 和田華凛 ホトトギス 201808
雨上るより初桜初桜 三村純也 ホトトギス 201808
西空の透けて夕くる初桜 児玉充代 201808
探さずも天に光りて初桜 木村享史 ホトトギス 201809
初桜あれよあれよと咲き終る 稲畑汀子 ホトトギス 201904
初桜より旅心添うて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201904
老木の気魂の一枝初桜 小形博子 201906
靖国の御魂鎮むる初ざくら 鈴木鳳来 春燈 201906
初桜手のひら湿りおびてきし 岡田史女 末黒野 201906
師の墓のほとり明るむ初桜 夏生一暁 馬醉木 201906
振袖のうなじ清しき初ざくら 渡部良子 馬醉木 201907
淵のいろきはだつ夕べ初桜 高橋眸 馬醉木 201907
初桜いのちみなぎる白さかな 岡田ちた子 雨月 201907
曾孫這ひ始めしとなり初ざくら 浅井青二 雨月 201907
癒えし身に山河ありけり初桜 小原芙美子 風土 201907
木造復元待たるる天守初桜 浅井青二 雨月 201907
これからは令和を生くる初桜 志方章子 六花 201908
一輪の先に一輪初桜 山田閏子 ホトトギス 201909
初桜泣くのは一度きりとする 仲里奈央 201909
一隻は俳諧舟や初桜 竹下陶子 ホトトギス 201910
千年を微笑む仏初桜 福井ひでとし 雨月 202001
癒えし身に山河ありけり初桜 小原芙美子 風土 202001
海へ向く乙女の像や初桜 岡田史女 末黒野 202006
八十路にて初孫抱く初桜 本田武 やぶれ傘 202006
初桜傘寿を迎ふ日々新た 門伝史会 風土 202006
傘立の信楽焼に初桜 今井充子 202007
ジャグリングの剣空を飛び初桜 佐俣まさを 春燈 202007
初桜笑顔残して逝きし人 渡辺若菜 春燈 202007
久々の園や思はぬ初桜 森清堯 末黒野 202007
水音の束となりゆく初桜 木暮陶句郎 ホトトギス 202008
住みし地はどこも古里初桜 和田啓 末黒野 202008
母存らば卒寿の朝や初桜 池乗恵美子 末黒野 202104
発掘の人の出てゐる初ざくら 根橋宏次 やぶれ傘 202105
糠雨のしづくやきらり初桜 里村梨邨 202106
初桜まだ人声に触れぬ白 高村令子 風土 202106
初桜ひとり占めする誕生日 山下朝香 春燈 202106
初ざくら化粧に疎き吾子なりし 笹村政子 六花 202106
昃ればほのと色あり初桜 三村純也 ホトトギス 202108
まんまるな廟の飛び石初桜 北村操 202110
産声を聞かむと開き初桜 大川ゆかり 202201
自転車の細身の輪つか初ざくら 根橋宏次 やぶれ傘 202205
園児らの曲がる町角初桜 松橋利雄 春燈 202206
渓の音高まり来るや初桜 秋山蔦 春燈 202206
雲ひとつ川面を過ぎて初桜 原口久恵 春燈 202206
何事も常に掛け声初桜 杉山善信 末黒野 202206
慕ふ歩に悼む歩に初桜かな 海輪久子 ホトトギス 202207
初ざくら映して水のあらたまる 南うみを 風土 202207
はらからの同じ笑窪や初桜 池乗恵美子 やぶれ傘 202207
男の子なる隣の産子初桜 小田嶋野笛 やぶれ傘 202207
隠沼や壺中の天の初桜 廣畑育子 六花 202207
孫娘と同じ母校や初桜 深川敏子 春燈 202207
ほのぼのと上野の杜の初ざくら 鈴木崇 202210
山裾にまだ色のなき初桜 押田裕見子 202302
初桜→1

 

2023年3月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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