19      200句

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜

花疲れ  花守  花の雲  花影   花の影  余花  残花

花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑  花篝

初桜  花筵  花衣  花見酒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
グランドの句碑に雄ごころ花万朶 岡本崇 200506
花に触れ先師まみゆる霊地かな 南敦子 200506
通り抜け花の雑踏途切れなし 塩川雄三 築港 200506
花の雨軒下借りる春谷寺 直田豊人 築港 200506
花三分咲いて一日雨止まず 直田豊人 築港 200506
訪ねたる平家の里も花の雨 直田豊人 築港 200506
首塚に登れず花の雨激し 直田豊人 築港 200506
花二分の並木に出店出てをりぬ 中村好子 築港 200506
満開の花には人の混み合へり 中村好子 築港 200506
花の城人吸ひ込まる登城口 難波澄子 築港 200506
まだ咲かぬ花の雪洞朱色濃し 難波澄子 築港 200506
綻びし蕾に花の色の満つ 難波澄子 築港 200506
蕾固き大樹の下で花の宴 難波澄子 築港 200506
鳥の嘴一足先に花散らす 福嶋紀子 築港 200506
花は未だ蕾白亜の城眩し 藤原一路 築港 200506
満開を待たず繰り込む花の城 藤原一路 築港 200506
手水舎に鳩遊びをり花の昼 西田弘 築港 200506
狛犬も散歩の犬も花の中 西田弘 築港 200506
出会ひたる父似の羅漢花の寺 上石哲男 築港 200506
太閤を偲ぶよすがの花万朶 藤田八重子 築港 200506
花散らす雨の一日をこもりけり 藤田八重子 築港 200506
姫路城ひきもきらずに花の人 竹内紫翠 築港 200506
城巡る花雪洞に導かれ 西畑いすず 築港 200506
花の雨蛇の目傘ゆく五条坂 西畑いすず 築港 200506
綾取りの梯子の出来ず花の雨 竹中昭子 百鳥 200506
花しぐれ五橋の切符うすじめり 松本恒子 ぐろっけ 200506
花満開仏間の夫に開けておく 中野秀子 帆船 200506
花の駅伝言板に大阪弁 堀内千鶴子 帆船 200506
忙しや花を追ひかけあちこちへ 長谷川昌子 帆船 200506
なつかしやみつまたの花遠き頃 長谷川昌子 帆船 200506
花寒や残る四人の同期会 町田喜久 帆船 200506
花ふぶき花の歓声湧くごとし 大橋敦子 雨月 200506

 加藤三七子逝く

今一度逢ひたかりしに花かなし

大橋敦子 雨月 200506

 加藤三七子逝く

淋しさの募るよ遺影花に笑み

大橋敦子 雨月 200506
花は八重半寿祝ぎての誕生日 大橋敦子 雨月 200506
花の誕生日机辺に香炷いて 大橋敦子 雨月 200506
抽んでて青麦の穂が花の籠 大橋敦子 雨月 200506
グライダー低空を航く花霞 若江千萱 雨月 200506
旧伊勢路花曼陀羅の法の庭 福盛悦子 雨月 200506
伶人の笙温むる花の雨 園多佳女 雨月 200506
花に逢ひ花に別るる吉野かな 熊岡俊子 雨月 200506
とめどなく大伽藍花散り来る 熊岡俊子 雨月 200506
散りやまぬ花や風鐸鳴りいづる 熊岡俊子 雨月 200506
花朧そぞろに人を歩ましむ 熊岡俊子 雨月 200506
子規虚子の句碑拝さむと花の須磨 堀田清江 雨月 200506
泥深くひづめの跡や花かがり 南うみを 風土 200506
一門の和す花≠フうた花の宴 中谷葉留 風土 200506
風好きの木五倍子や花の掠れ咲き 岩田都女 風土 200506
花便り信濃に暮らすはらからへ 岩田都女 風土 200506
まち川の花トンネルに照り翳り 岩田都女 風土 200506
ドライバーで締むる握り柄花曇 岩田都女 風土 200506
僧院に人の影なし花の昼 八木岡博江 酸漿 200506
声もなし万朶の花のふところに 清水伊代乃 酸漿 200506
花天上なほその上の夜空かな 和智秀子 酸漿 200506
闊歩する馬や学園の花の奥 古川さかえ 酸漿 200506
花越えて鐘の音里に届きけり 山口秀子 酸漿 200506
大川を空舟くだる花明り 石原光徳 酸漿 200506
父が子に孫に見せたし祖父の花 西塚成代 六花 200506
退職すおにぎり山に花の咲き 西塚成代 六花 200506
庭石に蝋燭の跡花三分 浜田久美子 六花 200506
外人と笑みを交はして花仰ぐ 丸山佳子 京鹿子 200506
湖東路に花恋に晴さづかれり 豊田都峰 京鹿子 200506
信心に登れば花の金剛界 豊田都峰 京鹿子 200506
生身なる秘仏は天の花の中 豊田都峰 京鹿子 200506
花ぐもりかげもつこともなきひと日 豊田都峰 京鹿子 200506
神の裾乱す音痴の花むしろ 宇都宮滴水 京鹿子 200506
花供養祈りすぎたる手のゆくへ 宇都宮滴水 京鹿子 200506
折り返し淡き裏見の花の道 丸井巴水 京鹿子 200506
振り返る齢は多し花まみれ 丸井巴水 京鹿子 200506
花に風鬼籍浅きは生ぬるし 丸井巴水 京鹿子 200506
鯉に花水に屈託あつまれり 伊藤希眸 京鹿子 200506
天蓋の花より入る三次元 伊藤希眸 京鹿子 200506
堰のない人の流れを花三日 伊藤希眸 京鹿子 200506
散る花や一つに上野の彰義隊 伊藤希眸 京鹿子 200506
鸚哥きて花に狼藉龍子の居 原田達夫 虫合せ 200506
花咲いてペイオフといふ雑用増ゆ 松崎鉄之介 200506
花咲くも按針塚に一塵なし 松崎鉄之介 200506
花散るや御苑に添へる雨の道 宮津昭彦 200506
花過ぎの空へ心をひらく木々 宮津昭彦 200506
子午線の上に来て立つ花の旅 古賀寿代 200506
花の夜の障子明りに人住めり 中川芳子 200506
蘭陵王の金の衝立花の宮 今井すえ子 200506
枯るるばかりの身とぞ思ふに花を見る 御橋忠一 200506
ぽつかり空く鬼の窟に花の風 三輪洋子 200506
風の日を花片付けし客の来る 安井和子 200506
胸中に思ひ出絵巻花ふぶく 田中藤穂 あを 200506
花びらと径わたりゆく御苑かな 斉藤裕子 あを 200506
花のとき闇といふものなかりけり 東亜未 あを 200506
大僧正翳す大傘花の雨 森山のりこ あを 200506
花は根に鳥は古巣に我は湯に 芝尚子 あを 200506
一日にて万朶の花の重さかな 赤座典子 あを 200506
ガードもて南北分かつ花の駅 岡本眸 200506
これよりの川逞しや花も過ぎ 岡本眸 200506
散りざまといふもの花のきのふけふ 藤井昌治 200506
み仏の唇厚し飛花白し 植松安子 200506
喪の庭の排水口に立ち花の宵 淵脇護 河鹿 200507
鳥が来て花踏みこぼす生家かな 淵脇護 河鹿 200507
火の島へひとつばたごは花掲ぐ 淵脇護 河鹿 200507
見送りの花のトンネル師は米寿 有島夛美 河鹿 200507
風にゆれ昼の無聊や花雪洞 尾辻のり子 河鹿 200507
雨やみて洗ひざらしの花のいろ 尾辻のり子 河鹿 200507
大風車羽根休めたる花曇 二階堂妙子 河鹿 200507
裁ち屑の縁に散らばる花の昼 濱田萬里子 河鹿 200507
しつけ糸抜くも抜かぬも花の雨 濱田萬里子 河鹿 200507
召命か飛翔か花の散り止まず 得田武市 河鹿 200507
息とめてゐる満開の花の下 田代ヨシ 河鹿 200507
惜しみなく新茣蓙汚す花の宴 高原純徳 河鹿 200507
機関銃撃てぬ若者花も愛でず 泉田秋硯 200507
チマの裾ゆたかに広げ花下に酌む 友田直文 200507
安珍の絵解き説法花万朶 小林成子 200507
浜に建つリゾートホテル花万朶 瀬尾幸代 200507
形見着て母連れ心地花行脚 永井孔雀 200507
花の雨カメラで狙ふひと雫 鎮田紅絲 200507
東山をざわと揺するや花嵐 橋本靖子 200507
舞扇を翳す素踊り花の宴 橋本靖子 200507
久闊の友に呼ばれて花の宴 北川慶子 200507
孝行の死語蘇る花の道 北川慶子 200507
花の頃近づく寿に思ひ馳せ 松尾緑富 ホトトギス 200507
花どきの寿一門の相集ふ 松尾緑富 ホトトギス 200507
都へと出てゆく河や花ぐもり 太田寛郎 200507
花万朶人に遅れてゐるもよし 井上春子 春燈 200507
花枝垂る弘前城の下乗橋 向井芳子 春燈 200507
晩鐘やしづかに花の散りゆきぬ 堂上靖子 春燈 200507
犀川へ花の散りこむ夕べかな 堂上靖子 春燈 200507
人心を浄めて嶺の花北斗 小澤克己 遠嶺 200507
本心は枝垂るる花に隠しをり いしだゆか 遠嶺 200507
嶺々に風を帰して花夕べ いしだゆか 遠嶺 200507
病院の行きも帰りも花の中 高尾幸子 遠嶺 200507
羅漢らと共に行きたし花めぐり 豊田作二 遠嶺 200507
旅の宿妻と二人の花の膳 豊田作二 遠嶺 200507
せがまれて貸し茣蓙かかへ花の下 豊田作二 遠嶺 200507
一花だけ残し草引く祖父の墓 嶋木勝次郎 遠嶺 200507
唇厚き月光菩薩花明り 長志げを 遠嶺 200507
染筆をかかげて待たむ花月夜 横松しげる 遠嶺 200507
銃眼はもう火を噴かず花ふぶき 横松しげる 遠嶺 200507
花明り坂をふたりの白き杖 吉田邦幸 遠嶺 200507
散る花にふれ観音の御手となる 吉澤利治 遠嶺 200507
夢に棲む爺羅漢寺の花のなか 吉澤利治 遠嶺 200507
遠き日の君がいませり花の径 内田稔 遠嶺 200507
花散るやフリードリヒの孤独な木 中村恭子 200507
裸婦のごとデッサンしたり花の幹 出来由子 200507
恩寵のごと玄関の花溜り 出来由子 200507
花の夜や金泉銀泉有馬筆 延広禎一 200507
先生の心色不二や花の山 延広禎一 200507
魂入れの墓明るうて花の山 雨村敏子 200507
花万朶この世かの世のひと続き 近藤喜子 200507
花の風布袋の前の大硯 近藤きくえ 200507
気配してふり向いてをる花の下 近藤紀子 200507
立つ歩く泳ぐペンギン花の昼 杉浦典子 火星 200507
淡海へ石山の花ふぶきけり 奥田順子 火星 200507
懐かしきひとゐて花の峪深し 深澤鱶 火星 200507
花時の象の乳房の淋しかり 山本耀子 火星 200507
夕さりの花のなごりや露天風呂 吉田島江 火星 200507
露座仏の片身湿れる花の昼 西畑敦子 火星 200507
種物屋の角を曲りて花の寺 西畑敦子 火星 200507
地球博花の宿りを子の元に 水野範子 ぐろっけ 200507
外人の挨拶抱擁花の下 宮原利代 ぐろっけ 200507
留守宅は震度五に遭ふ花の雨 三輪慶子 ぐろっけ 200507
待ちてこそ花ひとしおの都なり 三輪慶子 ぐろっけ 200507
花うくる生命線のたしかなり 山本歌子 ぐろっけ 200507
花の下象足あげて薬ぬる 長瀬節子 ぐろっけ 200507
花万朶池は小さくなりにけり 明石文子 ぐろっけ 200507
花に祈る母の病の篤くして 平川倫子 ぐろっけ 200507
母眠る傍に一枝の花褪せし 平川倫子 ぐろっけ 200507
時の鐘一日四回花の昼 佐久間頒 帆船 200507
囀へ花へ窓あけ小学校 山内なつみ 万象 200507
大股に花盗人の去りゆけり 卓田謙一 万象 200507
夕冷えて花の下ゆく水のあり 島谷征良 風土 200507
花ふぶき吹き上げらるる音羽山 山路紀子 風土 200507
咲き満ちて花に重さのなかりけり 柿沼盟子 風土 200507
黒板の猫の落書花の寺 奥田茶々 風土 200507
飛花消えて天へ召されし如くなる 櫻井康敵 200507
豊胸の飛天の舞ふに花も舞ふ 櫻井康敵 200507
開帳の救世観音に花舞へり 櫻井康敵 200507
退院の己を祝ぎて花舞へり 望月ひろゆき 200507
爛漫の花をまぶたに逝かれしか 小谷延子 栴檀 200507
折り畳み自転車寝かせ花の土手 松木元 築港 200507
平坦の道無し花の吉野山 松木元 築港 200507
戦国の陣跡今は花の陣 高田佐土子 築港 200507
せきとめし巡査と濡るる花の雨 中村汀女 200507
ゆで玉子むけばかがやく花曇 中村汀女 200507
八方に根の熱からむ花の闇 中島あきら 200507
花ふぶき誰が指揮棒を振りゐるや 栗原公子 200507
花の寺鶯張りのよく鳴きて 柳川紀子 200507
花万朶一直線のケーブルカー 菊地光子 200507
花の山真向ひにある駐在所 人見靖子 対岸 200507
野に坐して花に力をもらひけり 南洋子 対岸 200507
鉄棒にまだとどかぬ手花の下 南洋子 対岸 200507
手に掬ふひやりと重き花のくづ 南洋子 対岸 200507
花曇り亀の首より波生まれ 鈴木勉 対岸 200507
濠をとびこす花片の一直線 真角多賀子 対岸 200507
東風吹いて十三七つほどの花 吉田多美 京鹿子 200507
乗り違へ又乗り返す花の駅 奥村鷹尾 京鹿子 200507
一山の僧も総出の花の寺 奥村鷹尾 京鹿子 200507
花散るや無欲に生くを惜しまれて 舩越美喜 京鹿子 200507
明暗や法王訃報開花の報 岩崎憲二 京鹿子 200507
枕辺に花のこぼるる夜半の夢 荻野千枝 京鹿子 200507
花の下暗しとも将明しとも 阿部ひろし 酸漿 200507
花の昼やや暗しとも明しとも 阿部ひろし 酸漿 200507
枝をみな延べに延べ散る花もなし 阿部ひろし 酸漿 200507
花→ 20      

 

2021年4月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。