31      100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夜桜の息づかひあび眠られず 宮川みね子 風土 200607
夜桜や雨の雫に頭垂れ 池崎るり子 六花 200607
夜桜の闇に濃淡ありにけり 大竹淑子 風土 200607
彼岸桜並木一町旧花街 浅井青二 雨月 200607
名桜の一生千年酌みて聴く 泉田秋硯 200607
句読点のやうに咲きけり山桜 田尻勝子 六花 200607
交番に鉛筆借りる桜どき 富沢敏子 200607
墨堤の桜過ぎけり梅若忌 野口みどり 酸漿 200607
縄文の出土刳舟さくら濃き 安達実生子 馬醉木 200607
櫻咲く櫻の国の夜明けかな 松隈絹子 遠嶺 200607
淡墨桜の不撓の幹を鑽仰す 味村志津子 雨月 200607
朝桜浴槽に湯のあふれをり 片山タケ子 200607
走り根に腰掛けてをり山桜 黒坂紫陽子 馬醉木 200607
近く寄り見よとばかりや糸桜 守屋井蛙 酸漿 200607
鐘の音を含みて櫻しだれをり 荒幡美津恵 遠嶺 200607
泣くことの少なくなりて桜咲く 高倉恵美子 200607
神代桜かくも古るるは頼もしき 守屋井蛙 酸漿 200607
真つ青な空にくひこむ八重桜 永田勇 六花 200607
水かさの増えし堤の夕桜 根本ひろ子 火星 200607
一木の桜いちにち了りけり 深澤鱶 火星 200607
磨崖仏遥拝さくら明りかな 溝内健乃 雨月 200607
父母のセピアの写真山櫻 松本静江 遠嶺 200607
制服の紺色の良し桜時 岡久枝 酸漿 200607
丈草の墓のいづくに桜狩 味村志津子 雨月 200607
漢来てしだれ櫻の神籤ひく 桜井葉子 遠嶺 200607
櫻咲く一期一会の吉野山 松隈絹子 遠嶺 200607
山城のライトアップや八重桜 尾崎貞 春燈 200607
夜櫻に茶屋より三味の音流る 秋田直己 ぐろっけ 200607
骨となり戻れる夫へ庭桜 森脇貞子 雨月 200607
応ふるは小江戸の風と舞ふ櫻 堀本祐子 遠嶺 200607
さくらさくら魚のはらわた抜きをれば 城孝子 火星 200607
行き逢ふは美女とかぎらず夕桜 八木柊一郎 ぐろっけ 200607
若桜初々しさを仰ぎゆく 牧原佳代子 酸漿 200607
大雨の本丸跡や八重桜 大西裕 酸漿 200607
白川に触れて枝垂るるさくらかな 大竹淑子 風土 200607
さざ波の近つあふみやさくら咲く 大竹淑子 風土 200607
靖国の桜に我も兵たりし 大澤青霞 四葩 200607
病棟に夫置いてきし夜の桜 北川英子 200607
手を打てばはらりはらりと糸櫻 高尾幸子 遠嶺 200607
人波を見渡して散るさくらかな 内堀京子 河鹿 200607
母病めば桜の花も涙いろ 岩井桂子 四葩 200607
籠りがちの夫を誘ひて夜の桜 上田明子 雨月 200607
花びらをひとねぶりせり桜守 深澤鱶 火星 200607
車窓より残る櫻の夕日映え 松隈絹子 遠嶺 200607
幹うつくし花を了へたる桜の木 久保栞 200607
桜見てその空を見てもどりけり 城孝子 火星 200607
西行の現れさうな夕櫻 鈴木久香 遠嶺 200607
初桜夫の情の一枝これ 大橋麻沙子 雨月 200608
老桜に山の天日惜しみなく 室伏みどり 雨月 200608
夜桜へ懸かつてをりぬ吾妻橋 青山丈 200608
初桜刻々夕日刻々と 山田弘子 ホトトギス 200608
二荒登山口閉ざしあり遅桜 金居欽一 万象 200608
一輪は天上に置く峰桜 矢崎すみ子 200608
一片を点じそめたる初桜 安原葉 ホトトギス 200608
金色のみ仏に散るさくらかな 田所洋子 雨月 200608
千本の桜に千の雨の彩 長山あや ホトトギス 200608
川沿ひのこの冷や良し初桜 佐藤佐代子 200608
山桜野良着を干せり勝手口 林陽子 万象 200608
灯の一つともる夜道や八重桜 青山丈 200608
山桜背にして杣夫鉈を研ぐ 小松敏郎 万象 200608
田楽の舞に吹雪の山桜 阿部月山子 万象 200608
閉ざされし杣小屋沈め山桜 峯高子 万象 200608
白河の関にて桜足止めに 工藤ミネ子 風土 200608
怖きほど桜が咲いて冷えつづく 真保喜代子 200608
はるか来し初瀬の山の夕桜 橋本光子 酸漿 200608
桜咲き人のこころはゆらゆらと 山田弘子 ホトトギス 200608
支へ木が見守られをり老桜 佐原正子 六花 200608
古歌に名の奈良八重桜実となんぬ 山田夏子 雨月 200608
名物の八重桜咲く饅頭屋 岡田房子 酸漿 200608
夕空は水のごとくに初桜 山田弘子 ホトトギス 200608
舟運をしのぶ櫻の絵巻かな 環順子 夢帽子 200608
夜桜や余生の旅の北枕 松田都青 京鹿子 200608
大正の灯のまた一つ消え夕桜 木原紀幸 河鹿 200608
父の忌の櫻吹雪や北の嶺々 山田怜子 遠嶺 200608
漆黒の幹の漲る朝桜 佐藤佐代子 200608
石段をさくらさくらの愛宕山 秋千晴 200608
母のこゑ聴きたき日なり初櫻 環順子 夢帽子 200608
千本の桜の空や塔暮るる 関口英子 河鹿 200608
散るさくら散らぬさくらを胸に抱く 加藤裕子 四葩 200608
み吉野の雨の閑かを散る桜 長山あや ホトトギス 200608
遠にして桜動かぬ水辺あり 木内憲子 200608
散るといふ慣ひ佗しきさくらかな 加地芳女 雨月 200608
さざ波の押し寄せてゐるさくらかな 真保喜代子 200608
遅桜音なく僧とすれ違ひ 木内憲子 200608
さくらさくら指の先まで透きとほる 環順子 夢帽子 200608
山桜己れ律する白をもて 木内憲子 200608
坪庭は神の掌峰桜 矢崎すみ子 200608
大寺の没日に桜吹雪かな 関口英子 河鹿 200608
家光の誕生の間やさくら散る 瀧澤白絣 遠嶺 200608
樹間てふよき距離桜満開に 真保喜代子 200608
花守の去にたるあとの桜の木 雨村敏子 200608
笊をもつ人と見てゐる朝桜 坂口夫佐子 火星 200609
五分咲きの左近の桜間近にす 田中きよ子 酸漿 200609
巫女舞の鈴の音すがし初桜 吉田晋 万象 200609
黄桜の変化宇宙の一変化 桑田青虎 ホトトギス 200609
遊学の地なりし京の桜満つ 田中きよ子 酸漿 200609
シドニー櫻はや新宿を恋ひにけり 堀内一郎 あを 200609
鳥獣は眠り桜は星のもの 山田弘子 ホトトギス 200609
角突きの牛静かなる山桜 深澤鱶 火星 200609
門柱に紙の表札夕桜 大山文子 火星 200609
桜 →32

 

2022年4月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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