紅葉 20     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
紅葉かすかに風をいただきぬ 笹村礼子 六花 201512
カレーぐつぐつ初紅葉ぽつぽつ のざきまみこ 201512
誰がために急かせる桜紅葉かな 雨宮桂子 風土 201512
地図だけが頼りの道や櫨紅葉 秋月祐一 船団 201512
木道のつなぎ目弾む草紅葉 中村洋子 風土 201512
蔦紅葉古刹に隣る珈排館 中村洋子 風土 201512
洛北や鷹峰三山紅葉映ゆ 門伝史会 風土 201512
紅葉狩り大友桜にまみえたり 門伝史会 風土 201512
五大堂四方広ごりて夕紅葉 石井秀一 風土 201512
照紅葉鞘払ふべし光堂 石井秀一 風土 201512
三代の霊寺日照雨に濃紅葉 石井秀一 風土 201512
崖紅葉映る紅葉に浮く紅葉 石井秀一 風土 201512
船頭の唄に手拍子峡紅葉 石井秀一 風土 201512
黄葉紅葉はらりひらりと岩撫づる 石井秀一 風土 201512
登りては堂登りては巌紅葉 石井秀一 風土 201512
山寺や濁世を隔つ照紅葉 石井秀一 風土 201512
最上川四十八滝紅葉酒 石井秀一 風土 201512
ワーズワースの詩集にはさむ薄紅葉 津川かほる 風土 201512
山門を入りて紅葉の国となり 中嶋陽子 風土 201512
辿り着く精進ヶ滝初紅葉 鈴木庸子 風土 201512
四方の紅葉わが持ち時間奪ひゆく 西川織子 馬醉木 201601
妣に似し人見失ふ夕紅葉 野坂民子 馬醉木 201601
紅葉狩燃える洛中洛外図 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
ひとひらの紅葉いちまい月墓参 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
せせらぎの一語一音紅葉山 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
瑠璃光の零るきざはし紅葉寺 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
総門の天に瑕なし照紅葉 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
碧雲や寺紋の重み照紅葉 鈴鹿仁 京鹿子 201601
紅葉寒ねむり足りない眠り猫 伊藤希眸 京鹿子 201601
そののちも紅葉かつ散る文殊堂 岸本順子 京鹿子 201601
山鳴動あらはを隠す黄葉紅葉 池永加代 京鹿子 201601
梢より紅葉おりくる峡の里 野村鞆枝 京鹿子 201601
山襞を染めて下りくる紅葉かな 野村鞆枝 京鹿子 201601
紅葉は今年は遅しと榛名富士 東秋茄子 京鹿子 201601
紅葉橋名ばかりの橋渡りけり 遠山みち子 201601
初紅葉鳩追ふ幼児母が追ふ 山内洋光 201601
櫨紅葉そこから海が見えるかい 上原重一 201601
蔦紅葉石の柱をぎゆつと抱き 岡野ひろ子 201601
ペン先に生れし一句紅葉宿 青野安佐子 201601
湯中りに振り返り見る紅葉かな 高橋泰子 201601
閉門を告ぐる魚板や夕紅葉 小川玉泉 末黒野 201601
廃校や門に絡まる蔦紅葉 高橋明 末黒野 201601
嬰の手のパッと開いた紅葉かな 大日向幸江 あを 201601
一人行く雑木紅葉のしゃりちゃりしゃ 七郎衛門吉保 あを 201601
今朝の窓絵画めきたり櫨紅葉 長崎桂子 あを 201601
滑り台だけの公園薄紅葉 森理和 あを 201601
草紅葉高速道の分離帯 廣瀬雅男 やぶれ傘 201601
柵越えで投げる土器(かわらけ)初紅葉 丑久保勲 やぶれ傘 201601
欲張れば紅葉疲れと京なれば 安藤久美子 やぶれ傘 201601
紅葉狩ちりめんの袖ひるがへる 中島陽華 201601
神域の蔦の紅葉やことのほか 近藤紀子 201601
火の山の鎮魂に色づく紅葉 岩月優美子 201601
桂川と識らずに越すや紅葉山 竹中一花 201601
朝風にふるへる紅葉いのち愛し 有松洋子 201601
天ぷらの紅葉食みつつ紅葉狩 江島照美 201601
初紅葉大手門と差し掛る 前田美恵子 201601
雨上り紅葉もみじの深山かな 安野眞澄 201601
入相の鐘や大和の柿紅葉 柳橋繁子 201601
沼に棲む龍はわが考夕紅葉 有松洋子 201601
深々と一寺抱きて紅葉山 栗原完爾 春燈 201601
この年の別れいくつや初紅葉 栗原完爾 春燈 201601
山のこゑ海の光や寺紅葉 田嶋洋子 春燈 201601
薄紅葉古式雅に蹴鞠の儀 川崎雅子 春燈 201601
白樺の点在紅葉濃くしたり 中田みなみ 201601
鉄塔の列が入りゆく紅葉山 柴田志津子 201601
見上げたる橋も渡りて紅葉狩 岸洋子 201601
外輪山ちぎれしままに紅葉せり 吉田葎 201601
湯治場へ一本道や紅葉山 樋口みのぶ 201601
紅葉粲々天海遺構の寺詣 赤岡茂子 春燈 201602
紅葉明りの根本中堂菩提講 赤岡茂子 春燈 201602
二の丸の空堀に散る紅葉かな 山崎刀水 春燈 201602
牧牛の斑のきはやかや草紅葉 久布白文子 馬醉木 201602
鳶上げて青空穿つ紅葉山 高村令子 風土 201602
童謡も出て四五人の紅葉狩 高村令子 風土 201602
一山に名の二つあり山紅葉 高橋まき子 風土 201602
葛紅葉一糸火走る一揆塚 吉永すみれ 風土 201602
「眠り猫」いろは紅葉の彩に覚め 伊藤希眸 京鹿子 201602
淋しさのきはみ紅葉になりすます 直江裕子 京鹿子 201602
情とはこんな水草紅葉草紅葉 直江裕子 京鹿子 201602
舞ながら目前で一枚紅葉散り 水谷直子 京鹿子 201602
夕紅葉日矢揺らしめて風去りぬ 上野紫泉 京鹿子 201602
時が来て前座つとめる初紅葉 丹羽武正 京鹿子 201602
九十九折紅葉山且つ紅葉山 竹内悦子 201602
紅葉狩右京の山のさやさやと 竹中一花 201602
古書市の立ちて紅葉の百万遍 竹中一花 201602
紅葉して桜の幹は紫に 大坪景章 万象 201602
湯煙にうすうす柞紅葉かな 田中道江 万象 201602
晴れて昼黒き鳥居と柿紅葉 渡邊孝彦 やぶれ傘 201602
車窓より手の届きさう蔦紅葉 有賀昌子 やぶれ傘 201602
鼻歌でさくら紅葉の並木道 松村光典 やぶれ傘 201602
山峡の紅葉がくれに川流れ 野口朝世 やぶれ傘 201602
歩の揃ふ千葉の紅葉こんなもの 田部井幸枝 201602
草紅葉まつただ中の合戦碑 甕秀麿 201602
昼酒や隣家の紅葉借り申す 中島芳郎 201602
朝の日の紅葉隠れに沼青む 荒木甫 201602
睡蓮の浮き葉浮き葉に散紅葉 杉山瑞恵 雨月 201602
太鼓橋渡り紅葉の中に入る 手島伸子 雨月 201602
仇討の辻や緋色に散る紅葉 佐藤貞子 雨月 201602
摩尼堂の舞台にかかる照紅葉 蒲田豊彦 雨月 201602
正座して住職を待つ初紅葉 野畑さゆり 201602
燃ゆるほど重き影ひく照紅葉 押田裕見子 201602
紅葉谷見えて湯舟の女身かな 亀井紀子 201602
散紅葉別れ話を切り出され 橋本知笑 201602
外井戸の残るふる里柿紅葉 上川いつ子 201602
千波湖を照らす紅葉や人の波 池田光子 201602
紅葉も綺麗小雨も綺麗なり 黒澤登美枝 201602
忌を修し別れ惜しむや紅葉晴れ 片山民子 201602
夫あらば紅葉日和を旅すべし 岡野ひろ子 201602
紅葉づるや滝離れても滝の音 松本三千夫 末黒野 201602
紅葉散る上総久留里の天守閣 田中臥石 末黒野 201602
一枝のみ紅葉を急ぐ大欅 森清堯 末黒野 201602
峡谷へずり落ちさうや紅葉宿 斉藤マキ子 末黒野 201602
とろり凪ぐ湖に影さす夕紅葉 西川みほ 末黒野 201602
散紅葉大きく開く仁王の手 榎本佐智子 末黒野 201602
膝つきて撫づる仏足散紅葉 榎本佐智子 末黒野 201602
由布岳の裾模様染む柿紅葉 中谷未知 末黒野 201602
柿紅葉物相飯の乗せてあり 田尻勝子 六花 201602
いとほしき一葉となり蔦紅葉 菊谷潔 六花 201602
好いたらしい風に散る気の紅葉かな 菊谷潔 六花 201602
風になりたき旅人紅葉山 福田葉子 201602
柿紅葉桜紅葉とつづく坂 田中藤穂 あを 201602
駅前の足湯にひと息山紅葉 森里和 あを 201602
雨重し駅へ逃れし紅葉狩 佐藤恭子 あを 201602
紅葉かつ散るわが肩に吾が影に 山口順子 馬醉木 201603
紅葉見る落ちて来さうな青空に 湖東紀子 ホトトギス 201603
誰もこぬプルーベリーの紅葉どき 大久保白村 ホトトギス 201603
夜は星の宿ともなりて紅葉狩 今橋眞理子 ホトトギス 201603
神の指先より蔦の紅葉かな 岩町中正 ホトトギス 201603
どことなく煌めいてゐて紅葉冷 和田華凛 ホトトギス 201603
桂川から鴨川へ紅葉川 和田華凛 ホトトギス 201603
ランチの椅子紅葉明かりの湖へ向き 柴崎英子 201603
禁制の火の美しき紅葉狩 伊藤通明 201603
紅葉山下り来て鎖骨すうすうす 井上菜摘子 京鹿子 201603
蔦紅葉昔家具屋を彩りぬ 藤波松山 京鹿子 201603
掠れたる「ふみきりちゆうい」草紅葉 金子正道 京鹿子 201603
忘れじの山のどうだん紅葉かな 中島陽華 201603
櫨紅葉白犬いよよ白きかな 近藤紀子 201603
夕徐々に満天星紅葉きはだてり 荒井和昭 201603
これやこの奈良の郡の紅葉鍋 小林共代 風土 201603
紅葉散る塀を伝ひて海に出づ 中嶋陽子 風土 201603
大玻璃の絵のやう苔に散紅葉 森清信子 末黒野 201603
樹上より地に色移し散紅葉 山咲和雄 末黒野 201603
天主より四囲見渡せり照紅葉 八城洋子 末黒野 201603
紅葉茶屋団子ほほばる異国人 八城洋子 末黒野 201603
太りたる鯉の背鰭に散紅葉 八城洋子 末黒野 201603
丸太橋行きつ戻りつ紅葉川 楠本和弘 201603
大寺の池の四隅を散紅葉 笹村政子 六花 201603
紅葉かつ散る鳥影を目で追へば 渡邊孝彦 やぶれ傘 201604
心字池終の紅葉を沈ませて 上野紫泉 京鹿子 201604
車屋の稼ぎどきなる紅葉晴 志方章子 六花 201604
城の屋根見ゆる紅葉の木立かな 志方章子 六花 201604
二億年前の隆起や山紅葉 竹下陶子 ホトトギス 201605
音もなく老いる水草紅葉かな 直江裕子 京鹿子 201605
干上がりし紅葉湖歩く触れながら 大坪景章 万象 201610
わが墓となる大石に紅葉散る 大坪景章 万象 201610
川沿ひの桜紅葉は海へ伸び 稲畑汀子 ホトトギス 201610
桜紅葉魚塚鳥塚眼鏡塚 都築繁子 201611
雲間日のさっと刷きたり遠紅葉 井上石動 あを 201611
散るための桜紅葉の色尽す 稲畑汀子 ホトトギス 201611
一枚の桜紅葉が海に浮く 大坪景章 椿垣 201612
二天門潜るや境内紅葉映ゆ 鈴木としお 春燈 201612
幹黒し櫻紅葉の朝じめり 井上信子 201612
散り紅葉蟹の逃げ行くかとまがふ 山田六甲 六花 201612
紅葉して桜大樹のねぢれあり 山田六甲 六花 201612
紅葉して一枚岩の切通し 山田六甲 六花 201612
見舞受く峠越えつつある紅葉 山田六甲 六花 201612
岩称へ水棹緩りと渓紅葉 鈴木漱玉 馬醉木 201612
全山の紅葉を正す松の色 能美昌二郎 201612
紅葉谷鎖に縋る奥の院 須賀敏子 あを 201701
紅葉寺外数名で拝観す 中川句寿夫 あを 201701
一回り若き友ゐて紅葉茶屋 須賀敏子 あを 201701
地酒酌む紅葉の下の石に座し 廣瀬雅男 やぶれ傘 201701
風に触れ日に触れ紅葉深みゆく 望月晴美 201701
袈裟がけに劔立山紅葉す 吉田葎 201701
桜紅葉夕日に暗く華やぎぬ 飛高隆夫 万象 201701
遅れゆく桜紅葉を仰ぎては 成田美代 201701
橋詰の桜紅葉に潮満ち来 高田令子 201701
栞なる納経帳の紅葉かな 江見巌 六花 201701
紅葉炎ゆ思考の面舵いつぱいに 鈴鹿呂仁 京鹿子 201701
大らかは百寿の秘訣山紅葉 石田きよし 201701
崖なせる戸隠山や裾紅葉 向井芳子 春燈 201701
風のあと違ふ彩なす紅葉掃く 丸山允男 春燈 201701
書に挿む「愛染かつら」の紅葉かな 鈴木静恵 春燈 201701
焔立つ櫨の紅葉やお七の碑 鈴木静恵 春燈 201701
紅葉晴みかへり茶屋のお薄かな 鈴木静恵 春燈 201701
紅葉づれるものの一つに京干菓子 落合絹代 風土 201701
吊橋に揺れを促す渓紅葉 森屋慶基 風土 201701
要港の桜千本紅葉かな 福田周草 風土 201701
国境うるし紅葉の芯なせる 小林輝子 風土 201701
池の面の紅葉の垂れて万華鏡 荻布貢 201701
海底の都はいまも紅葉づりて 有松洋子 201701
不忍池より桜紅葉かな 福岡かがり 雨月 201701
岸続く限りの紅葉もみぢかな 大橋晄 雨月 201701
道の駅の池に萍紅葉かな 村田武 やぶれ傘 201702
遠く見る桜紅葉の並木かな 久世孝雄 やぶれ傘 201702
紅葉かつ散る夜のバス停留所 安藤久美子 やぶれ傘 201702
老ひらくの紅葉かつ散る湯西川 新倉ゆき江 末黒野 201702
紅葉のなだるる池や神の山 尾崎千代一 末黒野 201702
単線の発車のベルや夕紅葉 伊藤武文 末黒野 201702
故郷の川曲変はらず渓紅葉 木村弓子 末黒野 201702
紅葉 →21      

2021年11月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。