紅葉且つ散る         185句

洒落ていへば紅葉かつ散る齢にて   川崎展宏   ザ・俳句

紅葉 もみぢ 薄紅葉 濃紅葉 初紅葉 紅葉狩 紅葉且つ散

蔦紅葉 散紅葉  紅葉山 紅葉川 照紅葉 櫨紅葉

蔦紅葉 草紅葉 照葉 柿紅葉 冬紅葉 冬もみぢ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
用水路紅葉且つ散る人気なく 若月瑞峰 春耕 199901
紅葉かつ散るや死は死を終らする 小形さとる 199903
紅葉且つ散つて流れを急がせる 中浜菌芽 京鹿子 199904
紅葉かつ散る奥入瀬の九十九折 大場燈児 風土 199911
紅葉かつ散る從者の影ははなやげり 廣嶋美惠子 船団 199912
ベンゼン池縁どる紅葉且つ散りて 品川鈴子 ぐろっけ 199912
紅葉かつ散るしづけさに増上寺 鷹羽狩行 200001
紅葉且つ散る海軍の記念館 水野邦夫 俳句通信 200001
紅葉且つ散る蓄財のかなはざる 峯尾文世 銀化 200001
疎水の水奔るに紅葉且つ散れり 細井隆子 200002
ゆくみちや紅葉且つ散る嵐山 志方桜子 六花 200002
名刹に紅葉かつ散る閑ありぬ 鷹羽狩行 200010
紅葉かつ散りてかつ浮き大正池 鷹羽狩行 200012
紅葉かつ散る卍形ユントンのビスケット 加藤みき 200101
煩悩の紅葉且つ散る旦暮かな 金子兜太 海程 200101
紅葉且つ散る火焔の赤き真昼かな 董振華 海程 200101
紅葉かつ散れり背広のわが肩に 村越化石 200101
延寿寺へ紅葉かつ散る坂一つ 水上陽三 200201
紅葉且つ散る高原のモニュメント 佐藤康子 遠嶺 200201
露天湯は紅葉且つ散るあちちちち 足立浩一 200202
野の寺の紅葉且つ散る日和かな 穴澤光江 遠嶺 200202
紅葉かつ散る流水のあるところ 荒川香代 200203
紅葉且つ散つていよいよ色の濃き 加藤暢一 200204
延命水飲みをり紅葉かつ散れり 八條凛子 銀化 200211
筆買ふや紅葉且つ散る文殊堂 岡田万壽美 雲の峰 200212
洛中に紅葉かつ散る波動かな 天野きく江 200302
紅葉且つ散る看板に熊が出る 木村みかん 200302
紅葉且つ散る六十にあと二歳 加藤暢一 200302
紅葉且つ散るや家族は二人きり 房安栄子 築港 200302
磊落僧在さず紅葉かつ散れり 麻生當子 200302
紅葉且つ散り澄みし川のあり 山田清香 酸漿 200302
紅葉かつ散る源氏香五十二図 河内桜人 京鹿子 200303
紅葉かつ散るただ中のペット吹き 春日久子 八千草 200305
紅葉且つ散るみずうみの高画質 大野里詩 帆船 200312
紅葉且つ散り朱の橋は目の高さ 小山和男 京鹿子 200401
紅葉かつ散る国盗りの夢の跡 大柳篤子 雲の峰 200401
さめざめと紅葉且つ散る橋の上 篠田純子 あを 200401
禅林の紅葉且つ散る野点席 安達加寿子 200402
紅葉且つ散り尼寺の賑はへり 杉田さだ子 対岸 200402
夕凪や紅葉かつ散る海女の墓 近藤幸三郎 風土 200402
紅葉且つ散るや明治の小学舎 小石秀子 酸漿 200406
町石に紅葉且つ散る行者道 安達加寿子 200501
紅葉且つ散る新しき時刻表 後閑達雄 対岸 200501
水上に紅葉且つ散るホテルかな 菊島はな 帆船 200502
紅葉かつ散り喉ごしの谷の水 風間史子 200502
如是我聞紅葉且つ散りちりぢりに 山陰石楠 200503
山里の紅葉かつ散る江戸古道 丸山勝利 遠嶺 200503
紅葉かつ散る霊水の筧鳴る 長沼三津夫 200503
紅葉かつ散敷く桜並木あり 阿部ひろし 酸漿 200512
紅葉かつ散り黄葉かつ散りゐたり 鷹羽狩行 200601
紅葉且つ散るお手植ゑの桜かな 鈴木智子 200601
紅葉且つ散るや秩父の一番寺 木暮剛平 万象 200601
紅葉且つ散るダム底に見えぬ村 山川好美 春潮 200602
紅葉かつ散るデッサンに余念なく 甲斐よしあき 百鳥 200602
ポツダムの宮殿紅葉かつ散りて 伊勢ただし ぐろっけ 200602
紅葉且つ散るはざまより金色堂 遠野萌 200602
紅葉且つ散れる由緒の吉野窓 北村香朗 京鹿子 200603
紅葉かつ散りコーランのたぐひかな 小形さとる 200603
紅葉かつ散る伴大納言絵巻 荻野嘉代子 春燈 200701
紅葉かつ散る鯉の背華やげり 後藤眞由美 春燈 200701
紅葉かつ散る境内に赤子泣く 中山皓雪 200701
天使来る細道紅葉かつ散れり 村越化石 200701
紅葉かつ散る題名の長き本 倉持梨恵 200702
紅葉かつ散る名苑のいはれかな 宮津昭彦 200702
紅葉かつ散りて午前のまたたく間 佐々木幸 200702
紅葉且つ散る中にある小滝かな 工藤美和子 酸漿 200702
紅葉且つ散つて峠の十団子 神蔵器 風土 200712
絢燗と紅葉且つ散る浜離宮 中村悦子 200801
紅葉且つ散りて病後の散歩道 高橋邦夫 風土 200801
恩寵の老いて紅葉のかつ散れり 高橋澄子 200801
紅葉かつ散る瞑想の漢ゐて 水野あき子 遠嶺 200802
護送車に紅葉且散る風のあり 高松由利子 火星 200802
紅葉且つ散れる色即是空かな 井田実代子 雨月 200802
欅道紅葉かつ散り足とどむ 中藤勉 遠嶺 200803
池の面を染めつ紅葉の且つ散れり 梶井和呼 酸漿 200803
紅葉かつ散りゆく中に無言館 鈴木阿久 200901
小雨なる紅葉且つ散る道を行く 筒井八重子 六花 200902
大欅紅葉かつ散る名主門 田中きよ子 酸漿 200902
紅葉かつ散る路地裏のあるがまま 倉持梨恵 200912
紅葉かつ散り梵鐘の龍がしら 遠藤和彦 遠嶺 201001
紅葉且つ散るや鱒二の文学碑 藤村達江 春燈 201001
紅葉且つ散る茶房に憩ふモカの味 村上洋子 201001
紅葉かつ散る一村は陽の窪み 宇都宮敦子 201002
紅葉且つ散り法螺貝の音合はせ 田中貞雄 ろんど 201002
昨日今日紅葉且つ散る無縁坂 岡野イネ子 春燈 201002
紅葉且つ散る山寺の燈上る 岩淵彰 遠嶺 201002
紅葉且つ散るや筒なき万華鏡 小倉正穂 末黒野 201003
阿羅漢の破顔や紅葉かつ散りぬ 岡野里子 末黒野 201003
移り気な日和且つ散る冬紅葉 今村征一 ホトトギス 201004
紅葉且つ散りつつ空の青さかな 木下忠雄 酸漿 201011
乗る馬車に紅葉且つ散る帝釈峡 上甫木伊都子 201101
もみぢかつ散り駅前の大けやき 小川玉泉 末黒野 201101
関趾に且つ散る桜紅葉かな 大竹淑子 風土 201101
古家の紅葉且照り且散れり 東亜未 あを 201101
龍馬伝語るに紅葉且つ散れり 北尾章郎 201102
紅葉且つ散り込む谿のくらさかな 久保東海司 201102
紅葉かつ散る雄心をしなやかに 遠藤真砂明 201201
紅葉かつ散る柔らかき靴音に 風間史子 201202
紅葉且つ散り陶窯を封じをり 久保東海司 201202
紅葉且つ散る遭難の碑の辺り 大橋晄 雨月 201202
天籟に紅葉且つ散る檜皮葺 延広禎一 201204
紅葉かつ散るや輪唱ひびくなり 細野恵久 ぐろっけ 201211
紅葉かつ散る尊氏の隠れ岩 山田春生 万象 201301
紅葉且つ散る津軽峠は風の道 吉田政江 201301
ことり忌や紅葉且つ散る掎鹿寺 藤生不二男 六花 201301
もみぢ且つ散り円墳の匂ひけり 篠田純子 あを 201301
南洲や紅葉且つ散る田原坂 阪本哲弘 201302
紅葉かつ散る晴男晴をんな 高野春子 京鹿子 201303
紅葉かつ散る青空も色変へず 宮川みね子 風土 201303
紅葉かつ散る紅鱒の禁漁区 相澤和子 ろんど 201303
かはたれの紅葉かつ散る道祖神 藤田かもめ ぐろっけ 201303
版画展紅葉且つ散る上野山 松木清川 ぐろっけ 201303
紅葉且散る江戸の世を偲びつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
紅葉且つ散つて分福茶釜かな 神蔵器 風土 201312
紅葉且つ散るや地蔵の赤帽子 田中清秀 かさね 201401
紅葉且つ散る踏まず拾はず城下町 小山繁子 春燈 201401
紅葉且つ散るや奏づる水琴窟 福山和枝 201402
深山寺へ谿の紅葉の且つ散れり 滝澤圭子 雨月 201402
紅葉且つ散る木洩れ日の光堂 福山和枝 201402
太古巖紅葉且つ散る幾そたび 岩崎可代子 ぐろっけ 201403
紅葉且つ散る初めましてがまだ言えず 笹村恵美子 201403
絶え間なく紅葉且つ散る曼殊院 石川かおり 福袋 201404
紅葉且散る地の鼓動受け止めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
早やばやと紅葉かつ散るさくらかな 石田きよし 201411
巫女の鈴紅葉且つ散る宮居かな 宮田香 201501
紅葉且つ散る美しき言の葉選るやうに 千田百里 201501
紅葉且つ散る湾凪のカフェテラス 荒井千佐代 201501
鳥ごゑや紅葉且つ散る巫女溜り 松本三千夫 末黒野 201501
紅葉且つ散る通天橋臥雲橋 岡本尚子 風土 201501
歩を刻む紅葉且つ散る男坂 中野久雄 末黒野 201502
紅葉且つ散り継ぐ中の美術館 岡淑子 雨月 201502
紅葉かつ散る矯声を従へて 荒井和昭 201502
紅葉且つ散り細波は林泉を出ず 和田照海 京鹿子 201503
堂塔を染めをる紅葉かつ散りぬ 堺昌子 末黒野 201503
紅葉且つ散る樹木にもながら族 八木健 八木健俳句集 201509
古都の空紅葉且散る高さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
紅葉かつ散る幽閉の間の文机 松井志津子 201512
かつ散りて紅葉の径の山廬行 秋葉雅治 201512
そののちも紅葉かつ散る文殊堂 岸本順子 京鹿子 201601
九十九折紅葉山且つ紅葉山 竹内悦子 201602
紅葉且つ散るやんわりとお説教 笹村恵美子 201612
紅葉かつ散るわが肩に吾が影に 山口順子 馬醉木 201603
紅葉かつ散る鳥影を目で追へば 渡邊孝彦 やぶれ傘 201604
雨音に紅葉且つ散りゐたりけり 今井充子 201701
夕映えや紅葉かつ散る谷戸の径 今村千年 末黒野 201702
桜木の紅葉かつ散る一夜城 岡野里子 末黒野 201702
老ひらくの紅葉かつ散る湯西川 新倉ゆき江 末黒野 201702
紅葉かつ散る夜のバス停留所 安藤久美子 やぶれ傘 201702
紅葉かつ散る丹沢の女坂 加藤静江 末黒野 201703
紅葉且つ散る風音宙に返しつつ 吉田順子 201702
竜神の風に且つ散る紅葉かな 宮原悦子 雨月 201703
紅葉且散る良寛の字のやうに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
風鳴らしつつ紅葉かつ散りにけり きくちきみえ やぶれ傘 201711
鳶が去り紅葉かつ散る建長寺 瀬島洒望 やぶれ傘 201711
紅葉かつ散る句碑の句を誦しをれば 田辺博充 201801
紅葉かつ散る都賀川の速さかな 善野行 六花 201803
学園の紅葉かつ散るテスト前 佐藤澄世 馬醉木 201803
飯盛山の紅葉且つ散る苔むす碑 森一枝 末黒野 201804
紅葉且つ散る句碑の道恋の道 長沼佐智 船団 201806
紅葉且つ散る並ばずに買う阿闍梨餅 笹村恵美子 201812
紅葉且つ散る雨の匂いの小径 鈴木みのり 201812
紅葉且つ散る忍城の曲輪かな 秋山信行 やぶれ傘 201901
木漏れ日は弱くて紅葉かつ散りぬ 長崎桂子 あを 201901
蒼穹と碧湖や紅葉かつ散りぬ 岡村彩里 雨月 201902
木漏れ日の紅葉かつ散る九十九折 小田嶋野笛 末黒野 201902
紅葉且つ散るひと言に救はるる 仲里奈央 201905
紅葉且つ散りて素案のまとまらず 柴崎富子 白地 201909
句碑の辺に紅葉且散る静寂かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
紅葉且つ散るや弓なり只見線 小林のり人 春燈 202001
野火止の紅葉且つ散る平林寺 新沢伸夫 202002
紅葉且つ散る一対の六道絵 升田ヤス子 六花 202003
紅葉かつ散るわたしなら忘れんぼ 中原幸子 船団 202003
紅葉且つ散る園児らは一輪車 長沼佐智 船団 202003
外苑の紅葉且散る昼下り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
祇王寺のさらなり紅葉かつ散りて 和田華凛 ホトトギス 202103
カロートに紅葉かつ散り兄の入る 七郎衛門吉保 あを 202112
紅葉且つ散る鳴き竜の声錆びて 平松うさぎ 202201
道わたり紅葉かつ散る道に入る 大崎紀夫 やぶれ傘 202201
叡山や紅葉かつ散る大鳥居 森清信子 末黒野 202203
紅葉且散る子等の声弾きつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
紅葉かつ散る弘前城の急階段 栗原公子 202301
紅葉且つ散り夕映えを敷き詰むる 峰崎成規 202301
紅葉且つ散る十和田湖の乙女像 坂井博 202301
紅葉且つ散り苔に座す石仏 森清信子 末黒野 202302
激湍へ紅葉かつ散る昇仙峡 高木邦雄 末黒野 202302
涸沢の紅葉かつ散り鳥の声 伊藤鴉 末黒野 202302

 

2023年11月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。