紅葉 18     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
東入る京の紅葉の吹き溜まり 中島玉五郎 201311
道祖神離宮紅葉の貌として 都菊池和子 京鹿子 201312
湯の煙小芥子の里の夕紅葉 川井素川 かさね 201312
一戸づつ紅葉囲ひの合掌家 望月晴美 201312
山塊の紅葉迫りし川一縷 白澤よし子 馬醉木 201312
目覚めれば乗鞍岳の岩紅葉 吉成美代子 あを 201312
野嶋崎桜紅葉を透かし見る 山田六甲 六花 201312
所在なき庭師となりぬ風紅葉 稲畑汀子 ホトトギス 201312
すめろきの奥津城おほふ紅葉かな 井上石動 あを 201312
石柵の堀江増蔵梅紅葉 山田六甲 六花 201312
うつくしき紅葉焚くらし煙立つ 椿和枝 201312
杉山の威風を押さへ山紅葉 吉田政江 201401
人生悔なし養父の紅葉に癒されて 堀田清江 雨月 201401
かしましき姉妹が葬に紅葉晴 仁平則子 201401
楷紅葉閑谷村の孔子廟 永田圭子 ろんど 201401
夕紅葉見納め覚悟の同期会 大口堂遊 春燈 201401
風まとふ紅葉に倚れば夫の声 武政礼子 雨月 201401
ひと刻を紅葉の風や無隣庵 辻香秀 201401
ふる里の葬に紅葉のハイウエー 仁平則子 201401
鳶舞ひて桜紅葉の始まれり 加藤静江 末黒野 201401
押花に紅葉美人を選びけり 和田郁子 201401
黄葉紅葉あなたの青も忘れない 鷺山珀眉 京鹿子 201401
山紅葉崖を斜めに滝落ちる 門伝史会 風土 201401
山静かなり紅葉の深ければ 佐瀬晶子 ろんど 201401
半島もドレスアップし山紅葉 濱上こういち 201401
借景の紅葉トンネル雨靄に 秦和子 201401
名城の石の湿りや夕紅葉 小山繁子 春燈 201401
目覚めれば乗鞍岳の岩紅葉 吉成美代子 あを 201401
門前に紅葉黄葉の大挙せり 森理和 あを 201401
耶馬渓や切り立つ岩を紅葉抱き 楠原幹子 201401
葉先より紅葉て光集めをり 三輪慶子 ぐろっけ 201401
磴百段紅葉の中の宮居かな 外山節子 末黒野 201401
閻魔より奪衣婆恐し紅葉寺 田中藤穂 あを 201401
城濠に降り積む桜紅葉かな 池内結 ろんど 201401
忌を修し故人偲ぶや紅葉濃き 池森昭子 馬醉木 201401
吹き寄せの紅葉の色を数へけり 石川かおり 201401
空ひろびろ桜紅葉の館林 塩田博久 風土 201401
つくばひに逆さ紅葉の利休庭 野口宗久 京鹿子 201401
見返り阿彌陀紅葉に早き雨ひと日 水原春郎 馬醉木 201401
大吊橋谷底紅葉揺れてをり 吉田政江 201401
竹林を割つて日の差す紅葉かな 野口宗久 京鹿子 201401
けやき紅葉東京タワーの股ぐらに 篠田純子 あを 201401
甲斐紅葉とうに通はぬ塩の道 金山雅江 春燈 201401
紅葉して又兵衛桜崖っぷち 川崎利子 201401
紅葉にやつと出会へり白樺湖 岩田登美子 ぐろっけ 201401
紅葉のひと葉燦めく蜘蛛の囲に 和田郁子 201401
紅葉の山河の旅信濡れて着く 田村すゝむ 風土 201401
紅葉の中に十二湖埋まりけり 中島玉五郎 201401
紅葉は僅かなれども手酌酒 田中清秀 かさね 201401
紅葉やひばの林を除け者に 中島玉五郎 201401
紅葉越えビル越え東京タワーの影 佐藤喜孝 あを 201401
小倉山紅葉に埋れ句は成らず 松村晋 ぐろっけ 201402
庭の景雑木紅葉の彩りに 服部珠子 雨月 201402
棹をさすゆるき流れや渓紅葉 有賀鈴乃 末黒野 201402
紅葉の緋わが心音をたしかめぬ 本多俊子 201402
一桁の一徹通す山紅葉 鴨下昭 201402
雨の打つたび真直ぐ降る楓紅葉 山本耀子 火星 201402
ふた廻りやつと会えたる夕紅葉 筒井八重子 六花 201402
異国語に笑顔で返す紅葉茶屋 渡辺数子 火星 201402
東京のタクシー迷ふ山紅葉 織田高暢 201402
湯煙や崖一面に紅葉づれる 佐藤晴子 万象 201402
黄葉紅葉千木鰹木の吉田山 有本南陵 ろんど 201402
三井寺の桧皮の反りや紅葉晴 中川すみ子 201402
飛沫とも紅葉吹きあぐ県境 池内結 ろんど 201402
枝を去り流れに眠る紅葉かな 出口誠 六花 201402
名の山も名もなき山も紅葉せり 木下慈子 馬醉木 201402
手をつなぎ老姉妹くる紅葉径 松村晋 ぐろっけ 201402
友禅を着流すごとし紅葉燃え 辻香秀 201402
友禅を着流すごとし紅葉燃え 辻香秀 201402
お父さん紅葉バックにポーズとる 中井弘一 201402
雄滝雌滝紅葉の山のシンフォニー 福山和枝 201402
来し方や手植の紅葉古りにける 中貞子 201402
シャッターの切られし音や夕紅葉 藤生不二男 六花 201402
磴のぼる足裏に優し敷紅葉 川崎利子 201402
小海線急カーブして谿紅葉 野畑さゆり 201402
観音の化身とも見て紅葉かな 西垣順子 201402
鉦の音の紅葉時雨となりにけり 有本南陵 ろんど 201402
岩尾根を背に下り来る渓紅葉 野村鞆枝 京鹿子 201402
吹き渡る風に色づく峪紅葉 田中浅子 201402
共白髪夫が手を取る紅葉道 神田惣介 京鹿子 201402
空あおき紅葉の海に裸婦の影 辻香秀 201402
全山は紅葉黄葉照もみじ 伊藤マサ子 ぐろっけ 201402
全山を紅葉にせよと神に希う 久保東海司 201402
つむじ風紅葉輪舞の下乗橋 鎌田慶子 ろんど 201402
てかてかと洗濯石の紅葉晴れ 丸井巴水 京鹿子 201402
見送りの僧の黙礼夕紅葉 川崎利子 201402
遣り水のおときらきらと楓紅葉 有本惠美子 ろんど 201402
古池の一石として紅葉盛る 豊田都峰 京鹿子 201402
御破裂山おばれつの紅葉ここより登り口 坂根宏子 201402
御破裂山の紅葉ここより登り口 坂根宏子 201402
トンネルを抜けて紅葉の軽井沢 榎本ふじえ 風土 201402
公園の主めく大樹夕紅葉 嵐弥生 末黒野 201402
紅葉のいろいろいろや千代子逝く 石坂比呂子 ろんど 201402
紅葉の錦と言ふべし山纏ふ 伊藤マサ子 ぐろっけ 201402
紅葉の木々の間の眩しかる 中川すみ子 201402
紅葉より垣間見えたる千曲川 三橋早苗 ぐろっけ 201402
紅葉寺別れし人の見えかくれ 三浦澄江 ぐろっけ 201402
紅葉晴杖の歩みの機嫌良し 荒木治代 ぐろっけ 201402
ニュータウン旧り紅葉して黄葉して 大橋晄 雨月 201402
手にとりて桜紅葉を日にかざす 平居澪子 六花 201402
支へ合ふ小太り二人紅葉坂 三輪慶子 ぐろっけ 201402
飛翔する鴉に絡む紅葉かな 吉弘恭子 あを 201402
白襖紅葉の熱の飛行する あかさか鷹乃 ろんど 201402
東京タワー桜紅葉をぬってみる 吉弘恭子 あを 201402
ヤツホーと呼び交はす子等渓紅葉 野村鞆枝 京鹿子 201402
逢ひにゆく桜紅葉の向かう側 高野春子 京鹿子 201402
紅葉舞ふ落慶の屋根天へ反り 滝澤圭子 雨月 201403
紅葉(もみ)づるや実習の巫女声弾み 廣畑育子 六花 201403
みせばやも紅葉づる真似をしてみせし 後藤比奈夫 ホトトギス 201403
桜紅葉打たれ強くて泣き虫で 北川孝子 京鹿子 201403
山々の紅葉の及び谿静か 堺昌子 末黒野 201403
避難所に近く紅葉の鎮守さま 岡井マスミ 末黒野 201403
夫在さばと残る紅葉の思橋 横山昭子 雨月 201403
夕紅葉いつか一葉となる日来ぬ 岡敏恵 ぐろっけ 201403
嵐山木霊も魂も紅葉す 石倉千賀子 ろんど 201403
留石の置かれし先に濃紅葉 吉川光子 ぐろっけ 201403
信濃嶺の紅葉引き寄せ魅夷館 高久正 201403
水鏡山の紅葉と大鳥居 廣畑育子 六花 201403
水面まで間合ひを詰めし枝紅葉 鳳蛮華 201403
鏡池逆さ紅葉の水燃ゆる 鰭崎洋一 末黒野 201403
襟足の白さ際立つ紅葉茶屋 江島照美 201403
熊楠のデスマスク見し大紅葉 中島陽華 201403
渓紅葉のふところ通る獣道 杉本綾 201403
渓紅葉明治を今に眼鏡橋 小倉純 末黒野 201403
結界を越えて見上げる紅葉の朱 吉川光子 ぐろっけ 201403
トンネルを出れば京都の山紅葉 神田惣介 京鹿子 201403
吊橋の向かうも紅葉濃かりけり 堺昌子 末黒野 201403
好物に文添え庭の紅葉添え 大西ユリ子 ぐろっけ 201403
紅葉のアメリカ楓煉瓦館 伊藤マサ子 ぐろっけ 201403
湖蒼く山は紅葉水脈白し 神田惣介 京鹿子 201403
山深く別荘ありて谷紅葉 伊藤マサ子 ぐろっけ 201403
川船の屋根の開かれ渓紅葉 森清信子 末黒野 201404
紅葉谷かはらけひとつ風に乗り 石川かおり 福袋 201404
背に肩にあそびのごとく紅葉降る 山本町子 風土 201405
紅葉冷えさへ心地よき山の晴 稲畑汀子 ホトトギス 201410
薄紅葉隠しおほせぬ瀧の丈 坂根宏子 201411
日表といふ揺藍に紅葉散る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
紅葉且散る地の鼓動受け止めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
足許の灯も親しめと紅葉宿 山田六甲 六花 201411
薄紅葉短き和気ノ清麻呂伝 藤井美晴 やぶれ傘 201411
一生の今が紅葉の彩かとも 宮坂恒子 201411
早やばやと紅葉かつ散るさくらかな 石田きよし 201411
言霊を載せて御苑の紅葉散る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
返りては流るるさくら紅葉かな 山田六甲 六花 201411
桜紅葉うち返りては流れけり 山田六甲 六花 201411
流人にも触れしや桜紅葉して 山田六甲 六花 201411
小料理屋さくら紅葉の蔭にあり 山田六甲 六花 201411
一本の紅葉はるかにしてをりぬ 山田六甲 六花 201411
散るための紅葉の色を尽しけり 稲畑汀子 ホトトギス 201412
散紅葉今年の彩を敷きつめて 稲畑汀子 ホトトギス 201412
子守女のおなじ鄙唄草紅葉 西郷慶子 201412
駅ひとつ歩く決心紅葉晴 伊藤憲子 201412
衣ほどく糸のもつれや草紅葉 西村敏子 201412
箒目の渦のひろごり薄紅葉 藤見佳楠子 201412
塔頭へ続く白壁薄紅葉 石川かおり 201412
渓紅葉にかはらけひとつ迷ひ込む 石川かおり 201412
紅葉山わきたる不運活火山 北尾章郎 201412
初紅葉水の流れに影を置き 塩路五郎 201412
駆けのぼる栗鼠や紅葉の岳樺 根岸善雄 馬醉木 201412
止まれば揺らぐ吊橋峡紅葉 白澤よし子 馬醉木 201412
杖つきて紅葉に早き谷楓 田中臥石 末黒野 201412
紅葉闇ちかごろ鬼とご無沙汰で 火箱ひろ 201412
目薬にまなこうるほふ草紅葉 はしもと風里 201412
薄紅葉短き和気ノ清麻呂伝 藤井美晴 やぶれ傘 201412
病院の中庭にある薄紅葉 小池一司 やぶれ傘 201412
蓬生や草の紅葉となりにける 竹内悦子 201412
高原の街はモダンに蔦紅葉 中貞子 201412
レクイエム奏でよ紅葉散りにけり 王岩 あを 201412
安達太良山の襞に紅葉始まれり 須賀敏子 あを 201412
九十九折総て紅葉の秋三郷 須賀敏子 あを 201412
草紅葉孔雀ゆつくり羽根たたむ 寺沢千都子 万象 201412
古池や彩りあらば紅葉鮒 松井季湖 201412
山姥の今年も死ねぬ紅葉かな 火箱ひろ 201412
火の山の湖に下り来る紅葉 山田六甲 六花 201412
紫蘇色に紅葉してをり煙の木 山田六甲 六花 201412
堂守になりたや断崖紅葉なす 山田六甲 六花 201412
雨音のごとくに紅葉揚げてをり 山田六甲 六花 201412
渓谷の紅葉色づきはじめたり 佐藤健伍 201412
写し絵も濃紅葉の頃なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201412
磐梯の裏に色づく紅葉かな 佐藤健伍 201412
紅葉を眺めて楽しゴルフかな 佐藤健伍 201412
約といふ軽きものあり蔦紅葉 伊丹さち子 馬醉木 201501
風神の吐息に染まる初紅葉 那須淳男 馬醉木 201501
目を閉ぢて開けて紅葉の万華鏡 那須淳男 馬醉木 201501
幕あがる如き靄消ゆ谿紅葉 不破幸夫 馬醉木 201501
檜原湖や紅葉ことなる島多き 和田和子 馬醉木 201501
乗り換への列車短かし紅葉川 笠井敦子 201501
校庭の白線に散り紅葉かな 丑久保勲 やぶれ傘 201501
初紅葉丹色鮮やか木棺墓 小西和子 201501
露天湯は紅葉の河畔昼の贅 中井登喜子 201501
蝶鮫を飼うたる峡や紅葉降る 坂上香菜 201501
紅葉濃し峡は天然記念物 坂上香菜 201501
紅葉の明神岳は日本晴 増田一代 201501
石垣に嵌る石臼紅葉邸 竹内悦子 201501
久に会ふ笑顔あたたか紅葉晴 松田和子 201501
巫女の鈴紅葉且つ散る宮居かな 宮田香 201501
児ら抱きて上る愛宕や薄紅葉 山崎里美 201501
赤帽の児ら見失ふ紅葉山 山崎里美 201501
撫で牛の背にぬくみや照紅葉 石川かおり 201501
終生の友の一語や蔦紅葉 橋本靖子 201501
紅葉 →19      

2021年10月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。