朝 桜 2       173句

よき家に泊まり重ねて朝桜    高浜年尾

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ

花屑・花の屑  花篝  初桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝桜都心に仰ぐ箱根山 桑久保奈美子 酸漿 200507
水のごと覚めゆく空や朝桜 長山あや ホトトギス 200508
日と風と水の匂ひに朝ざくら 古川洋三 遠嶺 200508
芥焼く煙真っ直ぐ朝ざくら 宮原利代 ぐろっけ 200508
朝桜あけぼのの彩耀へる 中島知恵子 雨月 200508
赤ん坊の眉うつすらと朝桜 浅田光代 風土 200601
お下がりにアイロン効かす朝桜 川嶋一美 200605
朝ざくら連理の枝を輝かせ 小澤克己 遠嶺 200606
真つ新なスーツ見送る朝櫻 与川やよい 遠嶺 200606
釣場への道濡れてをり朝桜 藤田さち子 対岸 200606
日の射してゆめ千金の朝ざくら 落合絹代 風土 200606
早起きのここにも一人朝ざくら 内海良太 万象 200606
水底の砂のつぶさに朝桜 加瀬美代子 200606
朝桜浴槽に湯のあふれをり 片山タケ子 200607
朝桜テニスコートを取り囲み 大島寛治 雨月 200607
漆黒の幹の漲る朝桜 佐藤佐代子 200608
笊をもつ人と見てゐる朝桜 坂口夫佐子 火星 200609
上水のぐいと曲がりぬ朝桜 百瀬七生子 海光 200705
雨空の晴るるを待てり朝桜 阿部ひろし 酸漿 200705
先生を案内の堂や朝櫻 狭川青史 馬醉木 200706
死より身を躱しきつたる朝桜 水野恒彦 200706
画仙紙の帯封を解き朝ざくら 八染藍子 200707
朝ざくら素顔きれいなひとに会ふ 戸栗末廣 火星 200707
正面に陣取りシート朝桜 数長藤代 200707
身のほとり静けさに見る朝桜 永見嘉敏 酸漿 200707
庭下駄に残る雨滴や朝ざくら 佐々木幸 200708
厨房に牛乳届く朝ざくら 真保喜代子 200708
わが峡を引締めて立つ朝桜 阿部ひろし 酸漿 200805
百周年祝ふ母校の朝桜 中村阪子 万象 200806
老幹の鼓動たしかに朝桜 松本幹雄 馬醉木 200807
原爆の火を灯籠に朝桜 内田郁代 万象 200807
ここよりは空海のみち朝桜 田村愛子 万象 200807
湖底の小石透きたる朝櫻 野口香葉 遠嶺 200807
朝桜ひこは小学一年生 稲次登美子 雨月 200807
日の差していのち漲る朝桜 森脇貞子 雨月 200807
朝桜足音あおとつらなる地下出口 櫻木道代 ぐろっけ 200807
組分けの発表に湧く朝桜 坂本緑 幸せのかたち 200808
たまゆらの露解きそめし朝桜 山田弘子 ホトトギス 200809
夜を込めて着きし鎌倉朝ざくら 藤浦昭代 ホトトギス 200810
朝桜小屋を出せよと鳴く牛か 工藤義夫 馬醉木 200906
町空のまだ瑞々し朝ざくら 千手和子 馬醉木 200906
人も樹もまだ影もたず朝桜 高橋たか子 馬醉木 200906
朝桜鼓に固き飾り紐 植田桂子 馬醉木 200906
トロ箱に氷均さる朝桜 松井倫子 火星 200906
寿ほぎの色世にあらばあれ朝桜 望月晴美 200906
新調の制服眩し朝桜 羽賀恭子 200906
学び舎はわがふるさとや朝桜 吉沢陽子 200906
朝桜古寺巡礼の初日にて 泉田秋硯 200907
護送車のしづかに曲る朝ざくら 細川和子 炎環 200907
朝ざくら好きなことだけして逝かれ 浅田光代 風土 200907
まだ何も置かぬテーブル朝桜 涼野海音 火星 200907
独りつて好いものなのよ朝桜 鈴木藤子 ろんど 200907
日を浴びてまた秀でたり朝桜 藤原さちよ 酸漿 200907
動物園めざす父と子朝桜 嶋田摩耶子 ホトトギス 200908
朝桜濠は古語らざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
朝桜忌日と知りてより零る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
揺るること散ること忘れ朝桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
朝桜しづかに立てる姿かな 阿部ひろし 酸漿 201005
生涯の節目をいくつ朝ざくら 船橋とし 201005
朝桜卵の殻に血の走り 掛井広通 201006
靖国の魂に斎けり朝ざくら 鷹崎由未子 春燈 201006
朝ざくら雨の匂ひを残しけり 中根美保 風土 201006
朝桜合同庁舎硝子張り 白石善子 雨月 201006
朝桜獣舎はつかにさざめける 深澤鱶 火星 201006
鵯の声ひときは高し朝桜 石川元子 酸漿 201006
朝桜人の数だけ犬の数 木村茂登子 あを 201006
川一本呑み込んでゐる朝ざくら 柴田久子 風土 201007
牛乳の白き量感朝ざくら 鶴見遊太 201007
朝桜馬穴に水のあふれゐし 城孝子 火星 201007
波音のこの一村の朝桜 藤原冬人 火星 201007
枝先に日ざしふるへて朝桜 今橋眞理子 ホトトギス 201008
決断は早きがよけれ朝桜 古賀しぐれ ホトトギス 201008
歯ぶらしは軽めに握る朝ざくら 畑佳与 京鹿子 201008
門前の下乗の札や朝桜 丑久保勲 やぶれ傘 201008
泡一つ残す現し世朝ざくら 間島あきら 風土 201011
湯浴して朝のさくらに逢ひにゆく 児玉寛幸 馬醉木 201012
花嫁のブーケめく朝桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
日を浴びて余白埋めゆく朝桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
朝桜一枝震へてより開く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
閘門のひらきどきなり朝桜 山尾玉藻 火星 201104
この海の平らかにあれ朝桜 清水節子 馬醉木 201106
並び咲きまさにあさうめ朝桜 阿部ひろし 酸漿 201106
あと十年生きると決めぬ朝ざくら 山田暢子 風土 201106
日当りて目覚むるさまに朝桜 加藤静江 末黒野 201107
朝桜光りを茲に集めけり 八幡操 ぐろっけ 201107
勤行の鐘の音やさし朝桜 山本とく江 万象 201107
反魂丹舐めたる朝の櫻かな 中島陽華 201107
朝さくら陰翳雲のごとくあり 鳳蛮華 201108
二人目の曾孫の安産朝ざくら 小川玉泉 末黒野 201108
日に解けてゆく朝桜あさざくら 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
まづひかる高木の梢や朝桜 稲岡長 ホトトギス 201110
海もまだ眠りの中や朝桜 コ田千鶴子 花の翼 201111
日に解けゆく朝桜あさざくら 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
黄蘗林きは立ててゐる朝桜 稻畑汀子 ホトトギス 201204
漬樽を転がし洗ふ朝桜 阿部澄 万象選集 201205
朝桜茹でる卵のをどりだす 神蔵器 風土 201205
円卓のカナッペプレート朝ざくら 小谷延子 万象 201206
朝ざくら母と合はせし深呼吸 坂口夫佐子 火星 201206
宿坊の枕小さし朝桜 大西八洲雄 万象 201207
地に触れて地の生気吸ふ朝桜 岡野ひろ子 201207
白じろと下弦の月や朝ざくら 小川玉泉 末黒野 201207
下りて来る日を待つ谷の朝桜 安原葉 ホトトギス 201209
ワイシャツのひやりと朝の桜かな 林昭太郎 あまねく 201210
朝風に揺るるさくらの花重し 海村禮子 春燈 201306
弔ひの家動き出す朝桜 生田恵美子 風土 201401
朝桜揺れて仲見世動き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
日を浴びてより朝桜濡れ色に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
朝桜昨夜の霊気を払ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
大学にさきがけの風朝桜 栗山よし子 馬醉木 201405
俳人にサプリメントの朝桜 すずき巴里 ろんど 201407
瓦斯点けて音迸る朝桜 福永みち子 馬醉木 201407
魚板打つ音の湿りや朝ざくら 大上充子 馬醉木 201407
青年の仰ぐ旧家の朝桜 菅野蒔子 末黒野 201407
風神の見とれて吹かず朝桜 大久保白村 ホトトギス 201408
灯明に遅速の揺らぎ朝桜 工藤ミネ子 風土 201411
咲き満ちて風にも散らぬ朝ざくら 野沢しの武 風土 201412
朝ざくら山をそびちに開拓碑 近昌夫 春燈 201412
庭に降り立ちて夜桜朝桜 稲畑汀子 ホトトギス 201504
逆しまに蜜吸ふ鳥や朝桜 小松誠一 201506
すきとほる少女の耳や朝桜 浅木ノヱ 春燈 201507
廃材の置場の塀や朝桜 渡邉孝彦 やぶれ傘 201507
いちにちの祈りのはじめ朝桜 窪田佳津子 雨月 201507
氷片のごときらめけり朝桜 飛高隆夫 万象 201507
朝ざくら奈良の茶粥の香りかな 原田しずえ 万象 201507
風止みて沖のあかるき朝桜 笹村政子 六花 201507
朝桜遠くの海を抱え込む 陽山道子 船団 201512
御御御付少しうすめに朝桜 佐藤みち子 京鹿子 201601
朝桜働くための木綿着る 柴田佐知子 201603
朝桜月を抱きてまだ覚めず 稲畑汀子 ホトトギス 201604
口漱ぐときは空見て朝桜 近藤牧男 春燈 201607
覚めて追ふ夢のあとさき朝櫻 藤岡紫水 京鹿子 201607
夜といふ危ふさ脱いで朝桜 湖東紀子 ホトトギス 201608
切株の年輪蒼む朝桜 井上和子 201608
一番湯浴びて道後の朝桜 三村純也 ホトトギス 201609
朝桜中千本も蘂勝ちに 今井肖子 ホトトギス 201705
朝桜船のタクシーてふに乗り 黒坂紫陽子 馬醉木 201707
先がけの一樹華やぎ朝桜 岡野里子 末黒野 201707
潮の香の遡上の河や朝桜 太田良一 末黒野 201707
ぶかぶかの制服が行く朝桜 栗原公子 201707
人の息かからぬうちの朝桜 笠井敦子 201707
甥つ子に子の誕生や朝桜 大村かし子 万象 201707
思ひきり開くるカーテン朝桜 増田幸子 万象 201707
多宝塔の裳階の反りや朝桜 林八重子 馬醉木 201708
胸中にいつも母在す桜餅 白澤よし子 馬醉木 201804
人数の余分に買ひぬ桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201804
とりわくるときの香もこそ櫻餅 久保田万太郎 春燈 201805
奥飛騨のとある茶店の桜餅 藤岡紫水 京鹿子 201806
淋しさに慣れるしかない桜餅 辻水音 201806
ちぐはぐな会話はずんでさくら餅 たかはしすなお 201806
白あんの透けて薄紅桜餅 川井さち子 風土 201807
懐石の小さき桜餅残す 谷口一献 六花 201807
容赦なき一語を享けぬさくら餅 石川桂郎 風土 201808
爽やかに諾ふ夫よ桜餅 亀井紀子 201808
句敵をうかがひつつや桜餅 木村享史 ホトトギス 201810
朝桜首都の目覚を促せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
朝桜けふの始まる玉子焼 斉藤マキ子 末黒野 201904
面影の師恩深むる朝桜 松橋利雄 春燈 201906
池の面のやはらかき影朝桜 森清堯 末黒野 201907
朝桜吉野の山気吸ひ込めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202004
雲切れてゆく朝桜明かしつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202004
朝ざくら弾け始めし糶の声 稲葉三惠子 馬醉木 202005
朝ざくら発止はつしと的射抜き 南うみを 風土 202006
万象の力均衡朝桜 牛島晃江 202007
ひとひらもこぽさぬ風の朝桜 岡田桃子 202007
今日もまたいつもの歩幅朝桜 近藤真啓 春燈 202106
来し方の悔いは御破算朝ざくら 卜部黎子 春燈 202107
魁けて華やぐ若木朝桜 岡野里子 末黒野 202107
朝ざくら一番糶の声挙がる 南うみを 風土 202107
ひと匙の粥のひかりや朝ざくら 浅田光代 風土 202107
夜雨去りし幹の黒さよ朝桜 岩井京子 202112
言寿の飛び交ふ窓辺朝桜 渡辺富士子 末黒野 202204
朝桜石磴二百有余段 六崎正善 末黒野 202204
朝桜くぐり産土神参りかな 升田ヤス子 六花 202207
朝桜茶粥に塩をひとつまみ 木多芙美子 春燈 202207
朝桜→ 1

 

2023年4月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。