梅雨に入る 1     100句

静かなる豪雨をもつて梅雨に入る    富安風生

梅雨の季語  梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
スケジュール狂ふことなく梅雨に入る
稲畑汀子
ホトトギス
199806
ただ会へば足る娘遠くて梅雨に入る
尾崎マス子
雨月
199807
梅雨に入る医書に栞の耳あまた
秋草美俊
199810
梅雨に入る銀座に十人色紙展
神蔵器
風土
199908
俎の木の香を刻み梅雨に入る
頓所友枝
199908
癌の身のたどりつく果梅雨に入る
三浦勲
199908
石切に匂ふ漢方梅雨に入る
中川晴美
俳句通信
199908
筑波嶺のあとじさりしつ梅雨に入る
高橋邦夫
風土
199909
梅雨に入る夫なきくらしにも入る
安田悦子
円虹
199909
折紙のおかめひょっとこ梅雨に入る
志方桜子
六花
199909
あたま掻きかき海苔もワサビも梅雨に入る
島津亮
海程
199911
朝刊のインク薄くて梅雨に入る
西塚成代
六花
199911
番傘の音高々と梅雨に入る
稲畑廣太郎
ホトトギス
200006
クラクション音色変りて梅雨に入る
稲畑廣太郎
ホトトギス
200006
胸像に青き真珠や梅雨に入る
那須淳男
馬醉木
200008
寡黙なる塗師の起居や梅雨に入る
河口仁志
200008
梅雨に入る潜水艦を浮上させ
畑中とほる
春耕
200008
俳聖の歩きし径も梅雨に入る
山口秀子
酸漿
200009
神の国もやもやのまま梅雨に入る
川崎光一郎
京鹿子
200009
折り紙と絵本の一ト日梅雨に入る
森裕子
円虹
200009
爪皮の色を決めかね梅雨に入る
林和子
俳句通信
200009
身に余る形見と知りて梅雨に入る
近藤倫子
ぐろっけ
200009
増築の瓦並びて梅雨に入る
島崎勇作
酸漿
200010
自動扉の今日の地下鉄梅雨に入る
立岩利夫
海程
200011
下馬評の種はつきずに梅雨に入る
鵜飼紫生
雨月
200011
梅雨に入る返信のややおくれめに
大西桑風
馬酔木
200108
いく度も眼鏡拭へり梅雨に入る
二本松輝久
風土
200108
梅雨に入る近所のつきあいままならぬ
篠田三七子
いろり
200108
久方の東京の空梅雨に入る
幡江美智子
百鳥
200109
地下書庫のよどみゐる香の梅雨に入る
海輪久子
円虹
200109
頭の中の鴎が汚れ梅雨に入る
稲見光
船団
200109
封切つて墨匂ひたり梅雨に入る
鳴海清美
六花
200110
梅雨に入る犬の鎖の錆しづく
竹内弘子
あを
200206
田の神を小さく祀り梅雨に入る
辻井桂子
雲の峰
200208
廃校を覆ふ檜や梅雨に入る
岡山裕美
雲の峰
200208
梅雨に入る山国の青いよよなる
藤森すみれ
200209
ラベンダー色の線香梅雨に入る
山田三江子
200209
滞るままの一稿梅雨に入る
山田弘子
円虹
200209
切替はる空潔く梅雨に入る
山田弘子
円虹
200209
海白く泊船黒く梅雨に入る
山田弘子
円虹
200209
梅雨に入る雲の端に見え彦根城
宮津昭彦
200209
此処も亦軍鶏飼ふ河内梅雨に入る
田中峰雪
雨月
200209
ひそと打つ碁石音なく梅雨に入る
三由規童
雨月
200209
妻の留守句作もはらに梅雨に入る
三由規童
雨月
200209
梅雨に入る書肆一店舗業閉づと
三由規童
雨月
200209
醜草と草は思はず梅雨に入る
川名将義
銀化
200209
梅雨に入る海には海の刻流れ
公山礼子
200209
闇呼んで谺返らず梅雨に入る
千代田葛彦
馬醉木
200308
全集の書架の傾き梅雨に入る
徳丸峻二
風土
200308
曖昧な猫の鳴き声梅雨に入る
高橋邦夫
風土
200308
身勝手の人見限るや梅雨に入る
岩上とし子
200308
杉は杉色松は松色梅雨に入る
今瀬剛一
対岸
200308
環濠かんごうの発掘あとも梅雨に入る
米倉よしお
雲の峯
200308
燭小さく揺れつつ御廟梅雨に入る
渡辺政子
雲の峯
200308
分蘖ぶんげつの苗青々と梅雨に入る
森木久美
雲の峯
200308
白い花に四方を囲まれ梅雨に入る
田中藤穂
あを
200308
白子鳩声のうるめり梅雨に入る
浅井美子
遠嶺
200309
死ねるほど睡眠剤溜め梅雨に入る
遊橋恵美子
風土
200309
梅雨に入る巣箱傾きやすきかな
高重京子
百鳥
200309
納豆を山盛りにせり梅雨に入る
高田令子
200309
梅雨に入る踏絵この方黙の谷
水島夜雨
京鹿子
200309
漏刻の模型図に染み梅雨に入る
竹下昭子
ぐろっけ
200309
町と村合併賛否梅雨に入る
西村梼子
ぐろっけ
200311
象のからだ海月のごとし梅雨に入る
竹内弘子
あを
200406
屋根持たぬマンションぐらし梅雨に入る
岡本眸
200406
篁のそよぎもせずに梅雨に入る
伊藤月江
雲の峰
200407
棟梁の俎削り梅雨に入る
福原紀子
帆船
200408
快復へ一味同心梅雨に入る
小柳順子
帆船
200408
スランプや素振り千回梅雨に入る
井上みち子
帆船
200408
わがこころあやつりきれず梅雨に入る
佐野布娑
雨月
200408
揚窓を閉ざす味噌蔵梅雨に入る
志水芳秀
雲の峰
200408
病む友のまた一人増え梅雨に入る
松崎鉄之介
200408
梅雨に入る窓の雨粒灯を返し
宮津昭彦
200408
気儘言ふ母にも馴れて梅雨に入る
小山香月
酸漿
200408
折紙を指が覚えて梅雨に入る
北島上已
酸漿
200408
湯上りの病み爪を切り梅雨に入る
沼口蓬風
河鹿
200408
一刀彫の百刀のかげ梅雨に入る
城孝子
火星
200409
梅雨に入る白壁多き城下町
吉原理夫
対岸
200409
梅雨に入ると庭師の梯子畳まるる
大堀鶴侶
雨月
200409
手放せぬ書籍山積み梅雨に入る
堀田恵美子
雨月
200409
長鳴きの鶏も勿来や梅雨に入る
鈴木五鈴
草の花
200409
午後よりは梅雨に入るらし厨窓
松井洋子
ぐろっけ
200410
梅雨に入ることに心の遅れゐし
竹下陶子
ホトトギス
200505
湾奥に火山を蔵し梅雨に入る
徳田正樹
河鹿
200508
城跡の一本松の梅雨に入る
杉浦典子
火星
200508
矢面に立つ鴉ゐて梅雨に入る
鈴鹿仁
京鹿子
200508
鉄橋は直線線路梅雨に入る
山本圭穂
築港
200508
蘭鋳のひれ絢爛と梅雨に入る
田中藤穂
あを
200508
坂多き長崎の街梅雨に入る
徳田正樹
河鹿
200509
葺替の話うやむや梅雨に入る
浜上貴久子
河鹿
200509
バリウムの喉にはりつき梅雨に入る
卓田謙一
万象
200509
八坂の塔見ゆる家並や梅雨に入る
谷村幸子
200509
置時計の文字盤光り梅雨に入る
保田英太郎
風土
200509
耳掻は名人の作梅雨に入る
高重京子
百鳥
200509
娘は訴訟に東奔西走梅雨に入る
久保晴子
雨月
200509
釣蔀下げて草庵梅雨に入る
村上和子
ぐろっけ
200509
通船堀昔の儘に梅雨に入る
田中よしとも
酸漿
200509
飛び石を青く濡らして梅雨に入る
宮越千代子
築港
200509
朝の茶に一日のプラン梅雨に入る
沼口蓬風
河鹿
200510
置手紙恋文めきて梅雨に入る
松井洋子
ぐろっけ
200510
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2021年5月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。