梅雨夕焼        92句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
梅雨夕焼点滴押して人に会ふ 神蔵器 風土 199808
いちにちの景のをはりの梅雨夕焼 鷹羽狩行 199809
わが息の水泡なすべし梅雨夕焼 岡本眸 199809
梅雨夕焼船の梯子は水中へ 山田三江子 199909
母の死は梅雨夕焼の消ゆるころ 武井美代子 風土 199910
梅雨夕焼け飼猫にある胸算用 鈴鹿百合子 京鹿子 199910
梅雨夕焼卑弥呼の山河縹渺と 田中藤穂 水瓶座 200002
夫の伐る榧が匂へり梅雨夕焼 田中藤穂 水瓶座 200002
漆黒の牛洗はるる梅雨夕焼 木下玉葉子 酸漿 200009
高々の稼ぎに倦めば梅雨夕焼 土田栄 200009
弥彦嶺に雲下りて来し梅雨夕焼 横田和 春耕 200107
子はなほも麻酔の中に梅雨夕焼 當麻幸子 俳句通信 200108
所在なき身にあたらしき梅雨夕焼 藤木竹志 馬酔木 200109
梅雨夕焼終り佳しとふ家路かな 岩田登世 雨月 200109
草河豚のむやみに釣れし梅雨夕焼 和田祥子 馬醉木 200110
失明のあるやも海の梅雨夕焼 田所節子 200110
高層群たゆたうてゐる梅雨夕焼け 湯浅夏以 遠嶺 200112
病床に歎異抄あり梅雨夕焼 久保田雪枝 雨月 200208
渦潮にかかる大橋梅雨夕焼 谷野由紀子 雲の峰 200208
金婚に色あらばこの梅雨夕焼 斎藤棹歌 200209
哀悼の祈りはるかへ梅雨夕焼 本郷桂子 円虹 200209
舫はれて揺るる川船梅雨夕焼 原茂美 雲の峰 200209
人形に絵本を読む子梅雨夕焼 川瀬里江 雲の峰 200209
明日侍む梅雨夕焼に佇ちゐたり 河口仁志 200309
水槽のやうな石庭梅雨夕焼 小川えいいち 遠嶺 200310
常温の酒旨しとか梅雨夕焼 北吉裕子 雲の峰 200310
梅雨夕焼砂丘に風の生まれけり 中村斐紗子 対岸 200310
梅雨夕焼水音高く堰を越す 林敬子 酸漿 200408
戦火とも梅雨夕焼に兵の墓 新田巣鳩 馬醉木 200409
晩餐は三十七階梅雨夕焼 松浦光子 200410
一瞬の淋しさよぎる梅雨夕焼 田澤初枝 遠嶺 200410
湖底より浮かび出る街梅雨夕焼 小澤克己 遠嶺 200509
大川の溢れんばかり梅雨夕焼 大坪景章 万象 200509
手術せし友の明るさ梅雨夕焼 和田珠 栴檀 200509
梅雨夕焼のまつはる魞の片翼 北川英子 200608
心電図変りなき日や梅雨夕焼 永見嘉敏 酸漿 200608
梅雨夕焼湯殿の窓を染めゐたる 松原三枝子 万象 200609
絵馬堂の六歌仙褪せ梅雨夕焼 博多永楽 雨月 200609
梅雨夕焼告知を如何に聞きとめしや鳴呼 大橋敦子 雨月 200610
白浜の砂に文字書く梅雨夕焼 井口 初江 酸漿 200610
詠ひつぐ明日ありけり梅雨夕焼 植松安子 200708
凶々し玻璃戸を焦がす梅雨夕焼 上原重一 200709
小屋にまだ帰らぬ牛や梅雨夕焼 島崎勇作 酸漿 200709
梅雨夕焼明日着る服を考へる 田原陽子 200710
黙然と薄き膝抱く梅雨夕焼 岡野峯代 ぐろっけ 200710
梅雨夕燒通念変へて鴉飛ぶ 禰寝瓶史 京鹿子 200809
梅雨夕焼奥能登見ゆる寺にゐる 竹内水穂 火星 200809
梅雨夕焼黒雲の下発火せり 武田美雪 六花 200809
棒先に硝子玉吹く梅雨夕焼 柴崎英子 200908
鉄橋を渡る二輪車梅雨夕焼 塩見育代 200909
癌病歴五年と記され梅雨夕焼 鈴木良戈 200909
おろおろと幼な子看取る梅雨夕焼 中尾杏子 200909
植木屋の片付け残る梅雨夕焼け 高橋みつ 200909
印押して夫預けきし梅雨夕焼 杉浦典子 火星 200909
降りさうで梅雨夕焼となりしかな 芝尚子 あを 200909
嶺はいま肩を並べて梅雨夕焼 遠藤和彦 遠嶺 200910
洗はれたやうな空なり梅雨夕焼 杉本綾 201009
遊ぶ児に届かぬ声や梅雨夕焼 山本孝夫 201009
梅雨夕焼明日を期待の洗濯日 北尾章郎 201009
新宿の梅雨夕焼に臥すばかり 大坪景章 万象 201009
梅雨夕焼五島列島且つ現れて 泉田秋硯 201009
高層のなき終の地や梅雨夕焼 藤原照子 201009
竹はみな西に傾く梅雨夕焼 飯島風花 201009
いざなぎの岩の暗みし梅雨夕焼 杉浦典子 火星 201009
返信の短し深し梅雨夕焼 川上久美 ろんど 201010
孫と蹴るサッカーボール梅雨夕焼 山村修 酸奬 201010
米を研ぐ手元を染めぬ梅雨夕焼 小川玉泉 末黒野 201109
振り向けば手の切れさうな梅雨夕焼 田村園子 201110
梅雨夕焼ひとすぢ続く奈良古道 伊東和子 201208
髪染めてどこへも行かず梅雨夕焼 杉本綾 201209
逝く雲の溜まる海坂梅雨夕焼 鈴木良戈 201209
亡き妻としばらく染まる梅雨夕焼 大島翠木 201210
梅雨夕焼糸尻欠けし父の碗 物江康平 春燈 201210
上町の大江の舞台に梅雨夕焼 早川周三 ぐろっけ 201210
梅雨夕焼深め動かぬちぎれ雲 小川玉泉 末黒野 201210
梅雨夕焼牧舎に戻る牛の列 高橋定峰 末黒野 201210
梅雨夕焼け渡りて長き跨線橋 藤井美晴 やぶれ傘 201211
梅雨夕焼青饅つくり鯛を焼く 上原重一 201408
前にゐし人不意に消ゆ梅雨夕焼 山口ひろよ 201410
梅雨夕焼切なきまでに燃ゆるかな 中村月代 末黒野 201509
薬提げ梅雨夕焼の方へかな 小林愛子 万象 201509
油性ペンきゆきゆつと泣かす梅雨夕焼 箕輪カオル 201509
指切りの小指短し梅雨夕焼 森清信子 末黒野 201610
梅雨夕焼狼煙のやうな雲を上げ 相良牧人 201610
梅雨夕焼また明日会へるやうに逝く 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨夕焼け声はづまする雀どち 小川玉泉 末黒野 201709
黄ばむと見光明とも見梅雨夕焼 浅井青二 雨月 201709
梅雨夕焼け声はづまする軒雀 小川玉泉 末黒野 201710
梅雨夕焼暗くなるまで見てをりぬ 大石喜美子 雨月 201810
くつきりと馬の鼻筋梅雨夕焼 森清信子 末黒野 201810
結語練る黙のひととき梅雨夕焼 森清堯 末黒野 201911
雨傘の杖と変りぬ梅雨夕焼 菅野日出子 末黒野 201911
油浮く古き運河や梅雨夕焼 田中嘉信 春燈 201912
にはとりの寝付きのわろし梅雨夕焼 鈴木直充 春燈 202009
故郷の山紫水明梅雨夕焼 長尾タイ 末黒野 202009
梅雨夕焼孤立無援をかなしまず 岩岡中正 ホトトギス 202101
亜麻鷺の畦に一列梅雨夕焼 升田ヤス子 六花 202109
犬三匹の巨頭の寄りて梅雨夕焼 滝口洋子 末黒野 202210
石文の彫目きはやか梅雨夕焼 横路尚子 末黒野 202211

 

2023年6月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。