梅雨冷  72句

梅雨冷の駄菓子持ちよる患者会  目迫秩父  濱

作品
作者
掲載誌
掲載年月
梅雨冷や少し鹹めの七分粥 水原春郎 馬醉木 199807
梅雨冷やまぬかれがたき常備薬 山本潤子 いろり 200107
梅雨冷の諏訪湖眼下にしたるのみ ロツキイ 六花 200107
ストライキ起こすパソコン梅雨冷へ 桑垣信子 いろり 200108
梅雨冷えの廃隧道のなぐり書き 斉藤由美子 ぐろっけ 200206
梅雨冷えや病む腕はずし睡りたし 関口ゆき あを 200208
梅雨冷や男一人の無菌室 谷口千枝子 200209
寝酒せな梅雨冷の夜の深まりに 菅谷弘子 雨月 200209
梅雨冷や日もすがら取る心電図 増田八重 酸漿 200211
梅雨冷の田植の畦に火を焚けり 渡邉友七 あを 200307
梅雨冷の指先まどふプッシュホン 塩路隆子 花衣 200307
梅雨冷や猫の占めたる椅子一つ 生田作 風土 200309
梅雨冷や未完のままの模型船 平居澪子 六花 200310
梅雨冷や逝きたる友を指に折り 喜多初枝 雨月 200407
梅雨冷や舎心聞持の岩険し 羽田岳水 馬醉木 200408
梅雨冷や青赤黄色江戸の地図 田中藤穂 あを 200408
梅雨冷の忘れられてるパスポート 鈴木多枝子 あを 200408
クーデター計画ばれて梅雨冷えに 林日圓 京鹿子 200409
国宝に寡黙な対峙梅雨冷えす 丸井巴水 京鹿子 200508
梅雨冷や男は女より淋し 田中藤穂 あを 200508
梅雨冷やガスの炎の青揃ふ 中村洋子 風土 200509
梅雨冷や己れを透かすレントゲン 中村洋子 風土 200509
梅雨冷や癌年齢を意識の日 橋本靖子 200510
軍港の消え梅雨冷のドック並む 密門令子 雨月 200510
八十にして会ふ逆縁や梅雨冷ゆる 大橋敦子 雨月 200610
梅雨冷えに摩りてだます痛き膝 池田かよ ぐろっけ 200610
透き通るとは梅雨冷えの傘の中 掛井広通 200709
梅雨冷えの書画に龍馬の心意気 奥田妙子 ぐろっけ 200711
梅雨冷やペン胼胝うづく嵩の稿 塩路隆子 200808
梅雨冷や末期の老いに税重し 馬場宏一 春燈 200808
地震の跡しるき館や梅雨冷えて 宮崎見昭 遠嶺 200809
梅雨冷や翁反古塚門の外に 岸本久栄 雨月 200809
梅雨冷えや古き日誌の青インク 飯塚恵美子 炎環 200809
梅雨冷や物売の声響き来る 丹羽敦子 酸漿 200812
梅雨冷や竹人形の細身なる 田下宮子 200909
梅雨冷や杖頼る身のもどかしき 塩見育代 200910
長袖を探す梅雨冷なりしかな 浜田南風 200911
梅雨冷の顔出し釣鐘饅頭屋 山尾玉藻 火星 201007
人見知りの児に泣かれゐて梅雨冷ゆる 大橋敦子 雨月 201008
滝しぶき背に梅雨冷えの石畳 吉田きみえ 末黒野 201010
梅雨冷の病む手を両の手で包む 羽生きよみ ぐろっけ 201010
梅雨冷や恐竜展は関節展 田岡千章 201109
祝婚歌弾く梅雨冷えの鍵盤キーをもて 荒井千佐代 201109
梅雨冷や透析を説く医師真顔 寺岡ひろし 雨月 201109
梅雨冷えや連絡のまた行き違ふ 福島松子 ぐろっけ 201109
梅雨冷やてるてる坊主疲れぎみ 羽賀恭子 201209
梅雨冷の酒田に訪ひぬ土門拳 土屋光男 春燈 201209
梅雨冷の厨にガスの炎も青く 田村嘉章 ぐろっけ 201210
梅雨冷や切倒されし梨畑 大村かし子 万象 201211
味噌部屋の梅雨冷つたひくる腓 井上淳子 火星 201309
梅雨冷のウッドベースの横たわる 東英幸 船団 201502
梅雨冷の舟にどてらをあてがはる 山田六甲 六花 201507
梅雨冷の浜へ出る下駄二つあり 山田六甲 六花 201507
梅雨冷を覚えし老の哀しうて 岸本久栄 雨月 201508
梅雨冷や温みまだある硝子ノブ 能村研一 201510
梅雨冷や烈火を待てる南部釜 今瀬一博 201609
シヨパン聴く梅雨冷えの耳やはらかし 北川孝子 京鹿子 201609
梅雨冷やむかし相合傘とかも 木戸渥子 京鹿子 201611
梅雨冷や医院待合室の絵本 田中藤穂 あを 201708
梅雨冷や安価な古書の蔵書印 平居澪子 六花 201709
梅雨冷は肩に一枚又一枚 東秋茄子 京鹿子 201711
梅雨冷や眼鏡にうすき指紋跡 石黒興平 末黒野 201810
病室の白き孤独や梅雨の冷 白井友梨 馬醉木 201907
梅雨冷のビル牧場にフラミンゴ 田中藤穂 あを 201908
梅雨冷やアイラインと眉引き直し 佐藤慧美子 201910
腰痛をかこつ齢や梅雨の冷え 菅野日出子 末黒野 201910
爪先の心もとなき梅雨の冷 山田閏子 ホトトギス 202011
梅雨冷や図書室しんと静まれり 河野智子 202208

 

2023年7月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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