梅雨茸(梅雨菌)       173句

皮膚もろとも滅ぶ梅雨茸いくつも立つ   高島茂  鯨座

梅雨の季語  梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月

爪先で裏返し見る梅雨茸

金國久子 青葉潮 199907
一本を盾とし群るる梅雨きのこ 鷹羽狩行 199907
梅雨茸や晒らす想ひを遠退ける 鈴鹿仁 京鹿子 199908
梅雨茸を鴉も嫌ふ夢合せ 鈴鹿仁 京鹿子 199908
梅雨茸のきのふの色を忘れけり 山尾玉藻 火星 199909
嵐亭の梅雨茸として月恋へり 山尾玉藻 火星 199909
そんな気はこれつぽつちも梅雨茸 田畑幸子 火星 199909
梅雨茸や鞍馬の奥の走り根に 中田寿子 ぐろっけ 199910
会者定離などと嘯き梅雨茸 村松彩石 海程 199911
空耳や嵯峨野の奥の梅雨きのこ 山田六甲 六花 200007
梅雨茸の色鮮やかな群れ一つ 内藤八重 俳句通信 200008
野面積みかくれ墓には梅雨茸 品川鈴子 ぐろっけ 200008
梅雨茸や蹴られて消ゆる生をもち 原教正 200009
よく育ちたる梅雨茸は蹴つて置く 萩原記代 200010
梅雨茸を傘に一と突き女どち 中野たけみ 雨月 200108
毒のある色を深めて梅雨茸 棚山波朗 春耕 200108
ふか入りて目玉をこする梅雨きのこ 丸山佳子 京鹿子 200108
梅雨茸話大きくなつてきし 大東由美子 火星 200109
切株に福耳の相梅雨きのこ 丸山佳子 京鹿子 200109
触れをりて煙いでたる梅雨茸 石脇みはる 200110
梅雨茸をわざわざ蹴りて回覧板 岡野峯代 ぐろっけ 200110
梅雨茸の月に太りぬ一休寺 橋添やよひ 風土 200111
梅雨茸の白き一群れたよりなし 長谷川通子 雲の峰 200208
梅雨茸の笠そろへつつ栗林 阿部ひろし 酸漿 200208
林道にけものの匂ひ梅雨菌 高野美佐子 雲の峰 200208
雨やどりして梅雨茸の一家族 関根洋子 風土 200209
木雫や数へて殖ゆる梅雨菌 鈴木恭子 200209
梅雨茸や警報装置作動中 奥田節子 火星 200210
熊野路の古木の根方梅雨茸 藤野澪子 春耕 200210
梅雨きのこ掃いて箒の重くなる 鷹羽狩行 200307
梅雨茸安倍晴明墓の前 黒田咲子 200309
人過ぎしあと腹見せて梅雨茸 今瀬剛一 対岸 200309
整然と倉庫の礎石梅雨茸 鵜狩道子 対岸 200309
おぞましや裏庭に生ふ梅雨きのこ 出口賀律子 雨月 200309
あいまいに応じ梅雨茸踏みにけり 風間史子 200310
幻の宮址に生えし梅雨菌 谷泰子 ぐろっけ 200311
梅雨茸を踏むや柳生へ道標 小林成子 200402
梅雨茸庭師目こぼしなりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200406
梅雨茸庭の春秋あることを 稲畑汀子 ホトトギス 200406
梅雨茸のころがつてゐる蓮如道 渡辺周子 雲の峰 200407
聖堂の閉ぢられてゐし梅雨茸 飯塚ゑ子 火星 200408
癌にきくそんな噂の梅雨茸 村田薫 200408
存在の脆くはかなき梅雨きのこ 中田寿子 ぐろっけ 200408
梅雨茸青い光を放ちけり 石脇みはる 200409
切株の精根尽きて梅雨茸 竹腰千恵子 200409
梅雨茸や白河の関深閑と 川島澄子 酸漿 200409
この山のいづれが前や梅雨きのこ 丸山佳子 京鹿子 200409
老いぬれば日々これ勝負梅雨きのこ 河西みつる 草の花 200409
梅雨菌踏みて日の濃き通りまで 川野喜代子 京鹿子 200409
泡立つがごとくに殖えて梅雨菌 藤井圀彦 200409
使はねば錆びる鍬なり梅雨茸 園部蕗郷 春燈 200410
梅雨きのこ水牢跡へ径曲る 岡村葉子 栴檀 200410
梅雨茸を蹴散らしたくて勇み行く 金山藤之助 200411
切株にきのふが坐る梅雨茸 伊藤希眸 京鹿子 200411
梅雨茸をややの赤靴蹴り損ず 中野英歩 八千草 200412
名園に踏まず踏まれず梅雨茸 森本美智子 築港 200508
うたた寝のあと一句あり梅雨茸 加藤君子 火星 200510
梅雨茸生えて生やしておきにけり 服部早苗 200510
牛小屋の裏にもありし梅雨菌 伊藤紫水 風土 200511
梅雨茸のきりりと黒き傘ひらく 工藤ミネ子 風土 200601
能書は巷にあふれ梅雨きのこ 濱田萬里子 河鹿 200608
鐘を撞き励ますことも梅雨菌 戸栗末廣 火星 200608
杖先を押しかへしたる梅雨茸 山尾玉藻 火星 200609
変形の膝の軟骨梅雨茸 田中藤穂 あを 200609
梅雨茸木の枝拾ひ杖とせり 大西八洲雄 万象 200610
梅雨茸の紅大いなりリフト行く 東芳子 酸漿 200610
惹きつける言葉は要らず梅雨菌 丸井巴水 京鹿子 200610
梅雨菌影なす丈となりにけり 佐藤郭子 200610
梅雨茸あまりに白く手にとらず 市場基巳 200611
精霊や白梅雨茸のなれなれし 水野恒彦 200611
梅雨茸けられてさめるなにもなし 豊田都峰 京鹿子 200708
森暗く凄き白かな梅雨茸 上原重一 200709
足許に梅雨茸傘を開きをり 福澤乙 酸漿 200709
梅雨茸の百會に雨のたまりゐる 佐藤喜孝 あを 200709
梅雨茸の木の瘤笑ふまいとして 大島翠木 200710
走り根に足とられたり梅雨茸 塩田博久 風土 200710
決りたるところと庭の梅雨茸 阿部ひろし 二の杉 200710
梅雨茸の腰なえてゐる笙の笛 根本ひろ子 火星 200710
黒木御所梅雨茸傘を重ね合ふ 武田幸子 200710
梅雨茸や茜の雲の子沢山 梶浦玲良子 六花 200710
奥の院屋根にあまたの梅雨茸 馬越幸子 ぐろっけ 200710
梅雨茸勢揃いして留守居役 岡野峯代 ぐろっけ 200710
屋上のガーデニングの梅雨菌 堀志皋 火星 200710
梅雨茸といひて正体定らず 後藤比奈夫 ホトトギス 200711
梅雨茸の大きく育ち蹴られけり 大山妙子 酸漿 200711
梅雨茸や人の噂は二段跳び 伊東和子 200808
梅雨茸の火いろの傘の朽ちゆける 杉浦典子 火星 200809
茶袋のやうな梅雨茸蹴りにけり 吉田康子 火星 200809
杣小屋に飯炊く匂ひ梅雨茸 吉田康子 火星 200809
梅雨茸や眠れば戒名ついてくる 小形さとる 200809
滝不動梅雨茸あかく灯りをり 佐藤圀夫 馬醉木 200810
梅雨茸にあるかなきかの日の斑かな 大島英昭 やぶれ傘 200811
梅雨茸や古き図鑑に目を通す 萩原渓人 やぶれ傘 200811
先見えてきて梅雨茸の出るはでるは 高橋将夫 200908
梅雨茸や日々の見出しの虚仮威し 赤座典子 あを 200909
切り株に八重なすフリル梅雨きのこ 品川鈴子 ぐろっけ 200909
梅雨茸の並ぶ小さき傘の列 木内美保子 六花 200910
梅雨茸芝生に並ぶ兵馬俑 大内幸子 六花 200910
梅雨茸や衣装ケースの文庫本 花岡花子 炎環 200910
梅雨きのこ帽子の縁がひらひらす 十川たかし 200910
裏鬼門表鬼門や梅雨きのこ 竹中一花 200910
梅雨茸育つ言葉の使ひやう 青山正生 200911
梅雨茸に真白きもののありにけり 瀬島洒望 やぶれ傘 200912
梅雨茸や踏み石に置く庭草履 有賀昌子 やぶれ傘 200912
訃の庭に梅雨茸茎も傘も白 品川鈴子 ぐろっけ 201008
陣笠の一つ遅れて梅雨きのこ 鷹羽狩行 201008
梅雨茸や城跡辿る道すがら 岩上定子 酸奬 201009
梅雨茸きのふのやうにこはれけり 遠山みち子 201010
梅雨茸の傘の並べる根方かな 菊池由惠 酸奬 201010
走り根に転びし先の梅雨菌 井上美智子 201010
二日来し庭師目こぼし梅雨茸 稲畑汀子 ホトトギス 201106
梅雨茸蹴つて通りし人の居て 稲畑汀子 ホトトギス 201106
帰りにはあとかたもなし梅雨茸 稲畑汀子 ホトトギス 201106
木の幹の捻り出したる梅雨茸 山田六甲 六花 201107
裏山に梅雨茸の生ゆ乱気流 木山杏理 京鹿子 201109
血液のさらさら梅雨の茸かな 近藤公子 201109
みちのくや朽ち家の床に梅雨茸 藤田かもめ ぐろっけ 201109
梅雨茸に虫の食み痕ありにけり 田尻勝子 六花 201109
杣小屋は梅雨茸のほか人を見ず 安武晨子 201110
自から張裂けてゐし梅雨きのこ 山田六甲 六花 201207
大塚小塚不吉に匂ふ梅雨の茸 坂上香菜 201208
梅雨茸や魔女現はれさうな昼 岩月優美子 201209
切株のどっしりとあり梅雨茸 吉成美代子 あを 201209
梅雨茸の飛んで行きやる百道ももち 瀬川公馨 201210
おもいきり蹴り甲斐のある梅雨茸 北村香朗 京鹿子 201210
草取りの腰折りにけり梅雨菌 杉浦典子 火星 201210
蹴り応へ残らぬ脆さ梅雨菌 湯川雅 ホトトギス 201211
梅雨茸役小角の吐息とも 北村淳子 ろんど 201211
咲くやうにひとかたまりの梅雨茸 戸栗末廣 201211
踏みすべりたる梅雨茸のしたしき香 丸山佳子 京鹿子 201306
先見えてきて梅雨茸の出るわでるわ 高橋将夫 如意宝珠 201306
梅雨茸を育んでゐる湿りとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
梅雨茸を踏まねば行けぬ径かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
踏みくだく気はなかりしを梅雨茸 田中藤穂 あを 201308
切株の残るいのちに梅雨茸 松田泰子 末黒野 201310
伐採のすすむ公園梅雨茸 森清信子 末黒野 201310
梅雨茸のぽこぽこ本堂裏にかな 岡淑子 雨月 201310
梅雨きのこ不思議の国の親衛隊 鷺山珀眉 京鹿子 201401
足元に雲のごとくに梅雨茸 大日向幸江 あを 201408
句碑の杜摂社末社の梅雨茸 磯野しをり 雨月 201409
湿り帯ぶ風にへなへな梅雨茸 磯野しをり 雨月 201409
梅雨茸何があつても生地出ぬ 田中貞雄 ろんど 201409
梅雨茸百年先もつゆきのこ 田村園子 201410
ぽつかりと白色白光梅雨茸 相良牧人 201410
夢の山はいつも絶景梅雨きのこ 堀内一郎 堀内一郎集 201412
梅雨菌小びとの楽隊やつてくる 寺田すず江 明日葉 201505
椨の木に宿り寝をする梅雨茸 能村研三 201508
梅雨きのこ踏まれて人の顔になる 山田六甲 六花 201508
梅雨茸を払い腰にてイツポン 瀬川公馨 201509
白樺の根方にあまた梅雨きのこ 濱谷和代 万象 201511
梅雨茸や遠州作の庭に燦 高木典子 雨月 201609
梅雨茸の踏まるるまでの白清し 岩井京子 201610
梅雨茸や庚申堂の屋根傾ぐ 久留島規子 万象 201610
桟橋の潟波のあと梅雨の茸 川村みよき 万象 201610
あらかたは捨てる選別梅雨茸 荒井和昭 201610
大川の風に太りし梅雨茸 前田美恵子 201710
枯れさうな柳に大き梅雨茸 赤堀洋子 万象 201710
旅果てる庭の梅雨茸掃き取りて 神田惣介 京鹿子 201711
嫌はれてゐるも生甲斐梅雨茸 丸井巴水 京鹿子 201808
七人の小人がここに梅雨茸 田尻勝子 六花 201809
梅雨茸の傘寄せ合うて両想ひ 谷口一献 六花 201909
名石の間にひそと梅雨茸 小林陽子 201910
酔つぱらひたる色なるや梅雨茸 志方章子 六花 201911
マシュマロのやうな手触り梅雨茸 山本久枝 やぶれ傘 201912
自から張り裂けてゐし梅雨茸 田尻勝子 六花 202009
あつけなく崩れし梅雨の茸かな 平居澪子 六花 202009
梅雨茸の翌日は消ゆるはかなさよ 望月郁江 春燈 202009
群れて生ふ城の死角の梅雨茸 橋添やよひ 風土 202010
梅雨茸くるぶし撫づる風過ぎて 小原芙美子 風土 202010
美しき毒の匂ひを梅雨茸 住田千代子 六花 202109
幹の瘤にによきによき白き梅雨茸 佐藤稲子 やぶれ傘 202110
根戸城址今も私有地梅雨茸 光成敏子 202110
梅雨茸のひとかたまりに友の墓所 小林輝子 風土 202110

 

2022年6月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。