梅雨明・梅雨あがる 1   315句

梅雨明けぬ猫がまづ木に駈け上がる   相生垣瓜人

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
川底の魚の反転梅雨明ける
小澤克己
遠嶺
199809
千年の杉の下より梅雨あがる
飯塚ゑ子
火星
199810
地鎮祭迎へ芦屋の梅雨明くる
大久保白村
ホトトギス
199810
梅雨明の雲の明るき地鎮祭
村田明子
ホトトギス
199810
桑畑に降りつつ梅雨の明けむとす
岡本眸
199811
梅雨明けだカラスかうくうバーゲンだ
黒田さつき
船団
199812
梅雨明けまで橋の上から紐たらす
行川行人
藍の刻
199901
梅雨明の近き雨足抜けて旅
稲畑汀子
ホトトギス
199907
自転車に乗れし息子に梅雨明くる
稲畑廣太郎
ホトトギス
199907
起工式終へし安堵に梅雨明くる
稲畑廣太郎
ホトトギス
199907
梅雨明けて心開きし女かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
199907
一列に乾く海女桶梅雨の明
金子きくえ
春耕
199908
梅雨明けを待てどぐづぐづ明けざりき
熊谷みとり
いろり
199908
わだかまり解けない儘に梅雨明けぬ
伊藤一歩
いろり
199908
梅雨明やなにはの橋のいづれにも
山城孝子
火星
199909
長病みの母みまかるも梅雨明けず
福井久生
199909
梅雨明けの海を眩しみ越の旅
河合朋子
春耕
199909
梅雨明くることにも希望托したく
柏井幸子
円虹
199910
梅雨明ののち降る小雨稿つづる
北原志満子
海程
199911
梅雨明けて土用十日の田を回る
鈴木ふくじ
風土
199911
梅雨明けをメトロのレール柔らかく
三宅やよい
玩具帳
200004
梅雨明の間近きことを告げて降る
稲畑汀子
ホトトギス
200007
梅雨明と聞きたる後の雨つづく
松尾緑富
ホトトギス
200007
原色も中間色も梅雨明けり
丸山佳子
京鹿子
200009
鳥声に覚むる幸せ梅雨あがる
林翔
200009
雀来て鳩来て庭の梅雨明くる
宮津昭彦
200009
聞かせたき敬語の話梅雨明ける
保坂加津夫
いろり
200009
梅雨明の雷讃ふべし冷奴
永峰久此古
馬醉木
200010
梅雨明けて烏と亀の物語
小澤克己
遠嶺
200010
梅雨明けのタイヤを舐める犬あり
足利屋篤
海程
200010
梅雨明や満水のダム輝ける
岩永節子
春耕
200010
梅雨明けや野川を走る水の音
木内美保子
六花
200010
梅雨明を告げて雷鳴いさぎよく
稲岡長
ホトトギス
200011
梅雨明ける雲のひかりも我のもの
北原志満子
海程
200011
梅雨の明け指切りげんまん友送る
西塚成代
六花
200011
沖めざす船数珠つなぎ梅雨明くる
沢ふみ江
春耕
200108
遠き嶺近き山梅雨明けにけり
工藤義夫
馬酔木
200109
梅雨明けや天窓思ひきり開き
前田達江
200109
梅雨明けて来る日来る日よ草を取る
永田あき
酸漿
200109
梅雨明けて思はれ面皰出でにけり
松崎鉄之介
200109
梅雨明けの星大粒でありにけり
酒井多加子
俳句通信
200109
梅雨明けのぴくりともせぬ風見鶏
宮原秋生
俳句通信
200109
ものの影きのふとちがひ梅雨明くる
鈴木夫佐子
200109
梅雨明けの石のまはりの木賊かな
天野きく江
200109
波消しに鵜の一列や梅雨明くる
後藤志づ
あを
200109
梅雨明けの夕風に抜く白ワイン
高畑信子
遠嶺
200110
空梅雨の明けの雷遠くあり
永岡セツ
酸漿
200110
梅雨明の庭にいつしか揚羽蝶
赤池貴のえ
春耕
200110
梅雨明の杉の香こもる修験谷
阿久津都子
春耕
200110
真つ白きパン屋のトレー梅雨明くる
荒井千佐代
200110
梅雨明くる朱の鳥居を塗り替えて
馬越幸子
ぐろっけ
200110
梅雨明けの白雲迅し岬鼻
小山 徳夫
遠嶺
200111
廊の試歩杖にすがらず梅雨明くる
渡辺純
京鹿子
200112
梅雨明けの近し諸肺真つ黒け
山田六甲
六花
200208
洗面器の大波小波梅雨の明く
神蔵器
風土
200209
梅雨明けをなほ降る最中告げてをり
宮城白路
風土
200209
梅雨明けと忌明け近まり麦粒腫
中山砂光子
200209
梅雨明けて塞ぎの虫の消えにけり
網野茂子
酸漿
200210
梅雨明や富士あをあをと聳えたる
菊地惠子
酸漿
200210
初産の預かりし娘に梅雨明くる
藤田誉子
雨月
200210
樹々騒ぐ音に確かや梅雨明けし
白石峰子
円虹
200210
梅雨明やものみな影の濃くなりぬ
水田清子
200210
梅雨明の甲斐の空なる葡萄棚
水田清子
200210
梅雨あがる兎走りの波がしら
飯塚雅子
200210
病床の母に添ひ寝し梅雨明ける
西原康子
ぐろっけ
200210
梅雨明のごとき日差と眩しめり
稲岡長
ホトトギス
200211
梅雨明けし日の空の青雲の白
宮地玲子
円虹
200211
竹林の梅雨明け近き風の音
青砥真貴子
200211
梅雨明や遠くの木々に日の差して
菊池一枝
200211
梅雨明やはや蝉の鳴く有為の山
福盛悦子
雨月
200301
梅雨明と共に去りゆくわが病魔
松本圭二
ホトトギス
200302
梅雨明けて妻の声とぶ朝厨
高橋邦夫
風土
200308
梅雨明けや海から海の風吹いて
山田六甲
六花
200308
梅雨あがる芦群分けて風つのり
米倉よしお
雲の峰
200309
あかときの鳥声豊か梅雨明けぬ
辰巳陽子
雲の峰
200309
二度咲きの藤房垂れて梅雨明けず
松崎鉄之介
200309
梅雨明けず講座に集ひ来る人に
宮津昭彦
200309
梅雨明けの近き明るさ暗さかな
大串章
百鳥
200309
水上バス梅雨明近き隅田川
上原カツミ
帆船
200309
梅雨明けを待つアイガーをまなぶたに
本山卓日子
京鹿子
200309
梅雨明けの待たるる膝の痛みかな
村田文一
遠嶺
200310
梅雨明けて水輪にまとふ日の光
池部久子
酸漿
200310
梅雨明の庭に茗荷の子を探す
阿部文子
酸漿
200310
梅雨明を近く湯の沸く地獄谷
島崎勇作
酸漿
200310
梅雨明や天空赤き月浮ぶ
網野茂子
酸漿
200310
梅雨明やケナフ緑を深めつつ
網野茂子
酸漿
200310
座禅石梅雨明の雷ひびきけり
兼子栄子
酸漿
200310
運勢の上昇月よ梅雨明けて
泉田秋硯
200310
高千穂の彫際やかに梅雨あがる
渕脇登女
200310
梅雨明くる大樹はぐぐと枝ひろげ
白井剛夫
200310
夫婦箸おろす清しさ梅雨あがる
鈴木夫佐子
200310
香煙も鳩も梅雨明浅草寺
山田弘子
円虹
200310
梅雨明けや真白き皿のフランスパン
畠田律子
対岸
200310
梅雨明けて父の元気な電話声
石川敬子
対岸
200310
梅雨明けを宣言するや太き雷
萬条ハマヨ
帆船
200310
太陽に双手さし挙ぐ梅雨明けて
梶島邦子
築港
200310
諸鳥の声飛び交ひて梅雨明くる
香月公恵
200310
Tシャツに解らぬ英語梅雨明ける
内藤三男
ぐろっけ
200310
梅雨明を心気燃やして待つ農夫
駒井でる太
200311
梅雨明の宣言いまだ原爆忌
村上沙央
200311
修験者の懸腕直筆梅雨の明く
大森美恵
風土
200311
百幹の杉の雫や梅雨明ける
池田光子
風土
200311
日本の梅雨明待たる留学子
中島知恵子
雨月
200311
梅雨明けや雲は光の玉を抱き
鳥川昌実
六花
200311
掛軸をすとんと吊し梅雨明くる
市川英一
遠嶺
200311
湯の宿の番傘梅雨の明けにけり
堀光子
遠嶺
200311
伸び速き嬰の爪透く梅雨の明け
代田正雄
ぐろっけ
200311
水車小屋廻らぬ臼に梅雨明け
平野きぬ子
八千草
200401
梅雨明は何時かと木賊活けながら
中村禎子
八千草
200401
梅雨明けてマリンブルーの瀬戸の海
田中敬
200402
しばらくは晴れる予報や梅雨明けし
松尾緑富
ホトトギス
200403
梅雨明の待たるる旅の旬日に
稲畑汀子
ホトトギス
200407
梅雨明けし紙の破れる音がして
山田六甲
六花
200407
梅雨明けや虫歯検査の河馬の口
北嶋ひさ子
帆船
200408
梅雨明けや癒えて眩しきことばかり
岡本眸
200408
梅雨明のざわわと揺るるきび畑
森木久美
雲の峰
200408
寺の塀より梅雨明けの豪雨来る
藤田あけ烏
草の花
200408
梅雨明けてコピー用紙が滑り出す
松山律子
六花
200408
犬どちのはやも戯れ梅雨あがる
林翔
馬醉木
200409
梅雨明けて縞麗な風に吹かれけり
杉山誠市
春燈
200409
巫女の鈴しやらんと梅雨の明けにけり
坂ようこ
200409
梅雨明の父のぬぐひし籐枕
山尾玉藻
火星
200409
梅雨明のきらめく魚群大水槽
沼口蓬風
河鹿
200409
梅雨明けと思ふべーコンかりつと焼け
前田永子
200409
梅雨明けや折り皺つきし時刻表
朝倉治美
200410
新しい駅にも慣れて梅雨明ける
玉川梨恵
200410
神馬の眼みどりいろなり梅雨の明
吉田康子
火星
200410
白南風といふ名の町や梅雨明けて
伊藤たいら
雲の峰
200410
梅雨明のどこにも行かず反古を焚く
下平しづ子
雨月
200410
豪雨跡爪痕無愧梅雨明くる
佐本英介
築港
200410
梅雨明けの砂場に砂を足す教師
長戸幸江
百鳥
200410
梅雨明の気配まだなく雷はげし
松尾緑富
ホトトギス
200411
梅雨明けや全治望めぬこの恙
川崎光一郎
京鹿子
200411
梅雨明けや虫歯検査の河馬の口
北嶋ひさ子
帆船
200502
捗らぬままの梅雨明け砂時計
品川鈴子
ぐろっけ
200508
梅雨明や権現太鼓鳴り響く
井上幸子
酸漿
200509
手花火の子らそちこちに梅雨明けぬ
瀧春一
菜園
200509
翼ある裸婦の油絵梅雨明ける
延広禎一
200510
梅雨明ける花嫁となるまでの日々
倉持梨恵
200510
梅雨明けのわけのわからぬ訪問者
木下もと子
200510
梅雨明けの商店街にハワイアン
斉藤利男
百鳥
200510
梅雨明けの漁港眩しくがらんどう
山本かずみ
百鳥
200510
鬱ぎ虫しけ虫も去れ梅雨明くよ
杉山瑞恵
雨月
200510
梅雨明けや少し歪みしねやの月
田代ヨシ
河鹿
200510
園児らの朝のあいさつ梅雨あがる
徳田正樹
河鹿
200510
病床の母の目覚めや梅雨あがる
徳田正樹
河鹿
200510
梅雨あがる雲七色の乾かな
冨松寛子
200510
老鶯の気嫌に梅雨の明けにけり
谷寿枝
酸漿
200510
一人住み梅雨明けてよし明けでよし
村松紅花
ホトトギス
200511
梅雨明の間近な月の黄色かな
丹羽敦子
酸漿
200511
水鳥の羽のましろや梅雨の明け
大堀由子
200511
少年に木馬に梅雨の明けにけり
井手浩堂
万象
200511
梅雨明の大暑の日々のこれ程に
浅井青陽子
ホトトギス
200512
帽子屋の大きな鏡梅雨明くる
吉田かずや
春燈
200512
梅雨明けのゴム長ぐつのかかと減り
赤木真理
ぐろっけ
200606
梅雨明を待ちてワインを開けもして
稲畑廣太郎
ホトトギス
200607
梅雨明の待たるる旅の近づきぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200607
梅雨明といふ約束のやうなもの
稲畑汀子
ホトトギス
200607
星を見しよべの変幻梅雨明くる
稲畑汀子
ホトトギス
200607
余所行きの月が昇りて梅雨明くる
小林朱夏
200607
梅雨明の雷に柱の匂ひ立つ
鷹羽狩行
200607
昼顔のほのかに咲ける梅雨明り
阿部ひろし
酸漿
200608
逢ひたきは見返り阿弥陀梅雨明くる
大橋敦子
雨月
200608
今生を「四葩」ひとすじ梅雨明ける
横田拾翠
四葩
200609
姫神の優美線形梅雨明くる
能村研三
200609
梅雨明けて二峰繋ぎの村にをり
能村研三
200609
梅雨あがる引き潮の描く等高線
大沢美智子
200610
青銅色に海の展けて梅雨明けぬ
伊丹さち子
馬醉木
200610
托鉢の僧の錫杖梅雨明くる
布村松景
春燈
200610
梅雨明けの雷と思ひて句座にゐる
大西八洲雄
万象
200610
梅雨明けぬに冬虫夏草出でにけり
松崎鉄之介
200610
河童忌の気配のあれど梅雨明けず
鵜沢千恵子
200610
梅雨明けて肩の重荷の降りしごと
今井梔子
200610
梅雨明も近し根菜白く煮て
滝川あい子
雨月
200610
梅雨明の空をつんざく銅鐸の音
三村 }子
酸漿
200610
梅雨明を窓明け放ち確むる
舛田初惠
酸漿
200610
梅雨明けや介護かさねる老夫婦
谷口文子
京鹿子
200611
三枚におろす魚や梅雨明くる
高村洋子
遠嶺
200611
梅雨明の空8ぶんの6ビート
瀬川公馨
200611
梅雨明の近づく橡の葉擦れとも
安原葉
ホトトギス
200612
建礼門の正面に来て梅雨明くる
浜田栄子
京鹿子
200701
梅雨明けや昭和の遠景多摩丘陵
中村星児
八千草
200702
梅雨明けて犀は一本角をもつ
中原幸子
以上、西陣から
200705
梅雨明けてゐるかゐないか祈りあり
稲畑汀子
ホトトギス
200707
梅雨明けて仕事に弾みつきにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200707
富士見えて梅雨明けしこと疑はず
稲畑汀子
ホトトギス
200707
梅雨明けといふ踏切を影と越す
青山丈
200708
梅雨明けは近し秋元不死男の書
四條進
200709
梅雨明けか葉先の露のうすみどり
四條進
200709
百円の海釣公園梅雨あがる
田中みのる
火星
200709
灯台や梅雨明く入るの国長し
禰寝瓶史
京鹿子
200709
美男葛の花散りて梅雨明けにけり
松崎鉄之介
200709
絹傘茸梅雨明け宣言の備前より
松崎鉄之介
200709
梅雨明けを告ぐる夕映え砂色に
宮津昭彦
200709
梅雨明けのあまりに長き竿二本
竹中一花
200710
梅雨明けの佃めぐりて船に乗る
大西八洲雄
万象
200710
梅雨明くる牛のにほひの角突場
森山暁湖
万象
200710
梅雨明や色とりどりのランドセル
瀬下るか
200710
梅雨明け蟻の右往左往をまたぎ越す
小林清之介
風土
200710
電柱の尿に尿かけ梅雨明け犬
小林清之介
風土
200710
ユーカリの木の瘤に梅雨明けてをり
杉浦典子
火星
200710
市に並ぶ鮪百本梅雨明けぬ
木田秀子
200710
梅雨明けぬ摩耶山頂に鉄塔五
吉本淳
ぐろっけ
200710
梅雨明や佐保の堤の羽の音
吉田康子
火星
200711
梅雨明けにゆったり廻る大水車
齋部千里
ぐろっけ
200711
龍馬の間行灯一つ梅雨明り
奥田妙子
ぐろっけ
200711
梅雨明けや鳴門の渦に青き芯
七種年男
200711
梅雨明やこの夜の星の降るごとく
山村修
酸漿
200711
梅雨あがるしっかり結ぶゴミ袋
陽山道子
船団
200801
梅雨明けぬ盛砂白き地鎮祭
平賀扶人
馬醉木
200807
梅雨明けしとも明けぬとも空仰ぐ
稲畑汀子
ホトトギス
200807
梅雨明の待たるる旅でありしかな
稲畑汀子
ホトトギス
200807
梅雨明をせかして山の風荒るる
稲畑汀子
ホトトギス
200807
梅雨明の待たるる晴でありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200807
梅雨明や倒木の青崖の赭
鷹羽狩行
200807
梅雨明けの近し病者の身だしなみ
伊藤白潮
200808
梅雨明けて瑞穂の国の風の唄
鈴鹿仁
京鹿子
200808
頭に風足にも風や梅雨あがる
林翔
馬醉木
200808
再版の「蟹工船」や梅雨明ける
田下宮子
200809
日の昇る湖面のあかね梅雨明ける
増田一代
200809
梅雨明の星や田の上山の上
鷹羽狩行
200809
梅雨明けやどつと浜辺に人の群
渡辺安酔
200809
梅雨明けや福島沖を震源地
渡辺安酔
200809
梅雨明や天王寺てんのじさんの亀の甲
吉田康子
火星
200809
いまの吾祈りあるのみ梅雨明くる
大橋敦子
雨月
200809
何もかもリセットとなり梅雨明くる
中村龍
炎環
200809
梅雨明の風心にも招き入れ
金子浩子
馬醉木
200810
梅雨明や垂水一条光りけり
稲岡長
ホトトギス
200810
水の香をまとひ梅雨明け待つてをり
近藤紀子
200810
梅雨明の島より友の便りかな
安田久太朗
遠嶺
200810
小犬曳く女性の多し梅雨明ける
大西八洲雄
万象
200810
梅雨明や髪梳る手のかろし
中村紀美子
春燈
200810
梅雨明けや隣人犬に青リボン
伊吹之博
京鹿子
200810
梅雨明や長常口の草の丈
鈴木とおる
風土
200810
予報士の声晴れやかに梅雨明くる
西本輝子
雨月
200810
鳥一羽水にたはむれ梅雨明くる
稲岡長
ホトトギス
200811
梅雨明けし生垣のいと匂やかに
松尾緑富
ホトトギス
200811
梅雨明けや富士の山容すつきりと
赤羽正行
遠嶺
200811
梅雨明の中華街へと朱雀門
安田久太朗
遠嶺
200811
ツインビルの反照荒し梅雨明くる
高橋宏行
遠嶺
200811
水もなき瓢箪池や梅雨明り
阿部ひろし
酸漿
200903
こんなにも晴れ梅雨明けの槻の空
野沢しの武
風土
200904
梅雨明も近しと思ふ旅にあり
稲畑汀子
ホトトギス
200907
梅雨明と思へば思へさうな晴
稲畑汀子
ホトトギス
200907
梅雨明の待たるる旅でありしこと
稲畑汀子
ホトトギス
200907
もう都心梅雨明けしとも明けぬかと
稲畑汀子
ホトトギス
200907
売切れの日蝕メガネ梅雨あがる
森山のりこ
あを
200909
翠陰を深め梅雨明く椎大樹
永峰久比古
馬醉木
200909
島巡る青の一文字梅雨明くる
辻泰子
春燈
200909
梅雨明けや少年剣士の面一本
横山義恭
200909
梅雨明けるサッカーボール玄関に
中山静枝
200909
梅雨明けの半熟卵こつと割り
小林清之介
風土
200909
梅雨あがる絵本の頁開くごと
市ヶ谷洋子
馬醉木
200910
梅雨あがる白太に釘の跡ふたつ
吉弘恭子
あを
200910
大都消ゆ梅雨明け前の大豪雨
泉田秋硯
200910
梅雨明くる目高の甕に空映り
生田作
風土
200910
梅雨明くる万年筆の青き文字
大島翠木
200910
クラインの壺中の天に梅雨明くる
柳川晋
200910
梅雨明けの雲のほぐるる月の際
藤井美晴
やぶれ傘
200910
梅雨明の磯笛ひびく無人島
水谷芳子
雨月
200910
梅雨明の燦とかがやく星の数
夏目満子
酸漿
200910
梅雨明けの敷布に糊を効かせけり
苑実耶
200910
軒低き鋳物の町や梅雨明くる
花岡花子
炎環
200910
梅雨明けを促す日差し昨日今日
有元洋剛
200910
葉の先に雫のひとつ梅雨あがる
大平和男
200911
庭帥来て梅雨明けの空広がりぬ
川上成弥
遠嶺
200911
梅雨明けの雷や安土へ飛ぶ一矢
松下信子
万象
200911
梅雨明けの近き雨音激しくて
金子隆吉
200911
放流のダムの勢ひ梅雨明くる
三浦百合子
200911
梅雨明けの富士うす雲を腹に巻き
小林玲子
ぐろっけ
200911
梅雨明けず写経の筆を替へてみる
林哲夫
ぐろっけ
200911
梅雨明へもう一荒れの免れず
安原葉
ホトトギス
200912
この雨も梅雨明誘ふものとして
稲畑廣太郎
ホトトギス
201007
梅雨明けの空ひろびろとひろびろと
松村光典
やぶれ傘
201009
錠剤のころりころげて梅雨明ける
武司琴子
ぐろっけ
201009
梅雨明の報に立ちたる雲の峰
大橋晄
雨月
201009
梅雨明けや妻には妻の旅支度
堀内一郎
あを
201009
梅雨明けてベランダを占むキティとプー
赤座典子
あを
201009
梅雨明や笛吹ケトル高く鳴き
伊藤憲子
201010
きはやかに出でし繊月梅雨明くる
本多ちづ子
馬醉木
201010
梅雨明けの近き湖北に雲の乱
駒井でる太
201010
潮くさき砂丘の風や梅雨明ける
丸井冬星
201010
梅雨明けや風の捲れる旅の本
松本三千夫
末黒野
201010
梅雨明や赤信号の真下にて
高田令子
201010
砂浜に流れ藻ありて梅雨あがる
飯沼芳枝
201010
梅雨明の風這はせつつ畳拭く
白神知恵子
春燈
201010
茅屋の空広くなり梅雨明けて
武田ともこ
ぐろっけ
201010
梅雨明けの影長々と黒を増す
角谷美恵子
ぐろっけ
201010
梅雨明けて白衣のままで道を掃く
金子清孝
ぐろっけ
201010
梅雨明の雷雨と豪雨地震までも
井田実代子
雨月
201010
だしぬけに目の眩む天梅雨明くる
三井公子
酸奬
201010
梅雨明や夕焼雲の茜濃き
小山ナオ子
酸奬
201010
梅雨明けて乾盃すべき雅友なし
河内桜人
京鹿子
201011
梅雨明けてギラギラ坊主とび出しぬ
安田一郎
京鹿子
201011
梅雨明や花瓶グラスに白桔梗
長澤健子
酸奬
201011
天帝のまばゆき光梅雨明けし
河野美奇
ホトトギス
201012
梅雨明けしこと喜んでゐるうちに
稲畑汀子
ホトトギス
201107
梅雨明の太陽占めし都心かな
稲畑汀子
ホトトギス
201107
梅雨明を誘ふ山風強きこと
稲畑汀子
ホトトギス
201107
梅雨明や引越してゆくメロンちやん 山田六甲 六花 201107
梅雨明や風より高く蝶のとび 山田六甲 六花 201107
梅雨明の風いら草を裏返す 山田六甲 六花 201107
武蔵野の陵うかぶ梅雨明り 阿部ひろし 酸漿 201107
梅雨明けを知るや知らずや蝉の鳴く 中島節子 ぐろっけ 201108
梅雨明けぬたまむし色のこころかな 能村研三 201108
梅雨明けのあつけらかんと雲のあり 山田六甲 六花 201108
嶺嶺に雲を退け梅雨明くる 山田六甲 六花 201108
梅雨明けを暇な雀がふれ廻る 宮崎左智子 201109
恋に紆余風に量感梅雨あがる 中野さき江 春燈 201109
渦巻くも杖も永良部鰻いらぶう梅雨明くる 呉屋菜々 万象 201109
梅雨明けるミニスカートの短かさよ 須賀敏子 あを 201109
梅雨明けのついでに職を退くべきか 定梶じょう あを 201109
梅雨明けの川魚捕る小舟かな 長崎桂子 あを 201109
梅雨明けや岸の叢濃く深し 長崎桂子 あを 201109
殊のほか月はればれと梅雨明けし 早崎泰江 あを 201109
梅雨明けの神戸ドックに異国船 山口キミコ 201110
梅雨明やパン屋朝より香ばしく 松本三千夫 末黒野 201110
梅雨明けや風の厚みの増してをり 正谷民夫 末黒野 201110
目の手術梅雨明したる日と決むる 小林正史 201110
梅雨明くる机上の名著借りしまゝ 林哲夫 ぐろっけ 201110
偲ぶ会涙を流し梅雨明ける 樋口正輝 ぐろっけ 201110
象嵌の禹の香炉より梅雨明くる 雨村敏子 201110
迫りくる眉山の緑梅雨明けし 上﨑暮潮 ホトトギス 201201
神のみぞ知る梅雨明と吾の寿命 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
梅雨明けてをりたることも旅帰り 稻畑汀子 ホトトギス 201207
梅雨明→ 2      

 

2021年7月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。