梅雨明・梅雨あがる 2   200句

梅雨明けぬ猫がまづ木に駈け上がる   相生垣瓜人

梅雨の季語  

梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
梅雨明けの海の垢浮く船溜 佐津のぼる 六花 201208
つくばひの杓真っ新や梅雨明ける 伊藤憲子 201209
非常食の入換へ時や梅雨明けて 田下宮子 201209
伊豆半島水平線に梅雨明けむ 四條進 201209
新調の鎌で一薙ぎ梅雨明けり 鈴木阿久 201209
大文字山近々と梅雨あがる 岩下芳子 201209
がんに負けじと癌詠む君へ梅雨明くる 菅谷たけし 201209
梅雨明の夫婦二人に部屋余る 大西八洲雄 万象 201209
奄美では梅雨明け京はざんざ降り 丹生をだまき 京鹿子 201209
梅雨明けて絵日記の景一面に 赤座典子 あを 201209
梅雨明にヘリコプターをトンビ追ふ 長瀬節子 ぐろっけ 201210
梅雨明けの雲を抜けたる吉井川 生田作 風土 201210
旧校舎洋館に梅雨明けにけり 高田令子 201210
梅雨明ける象はホースの水を浴ぶ 足立良雄 201210
梅雨明や雲もくもくと沸き上る 小寺ふく子 六花 201210
赤玉は常備丸薬梅雨明ける 田岡千章 201210
退院の日も梅雨明も待たれけり 三村純也 ホトトギス 201211
梅雨明や半跏踏み下げ地蔵尊 酒井秀郎 返り花 201211
亡き妻といふ言葉出し梅雨明けし 嶋田一歩 ホトトギス 201301
梅雨明くる檸檬のやうな月が出て 岩岡中正 ホトトギス 201301
里の池満水にして梅雨明くる 石井一石 京鹿子 201301
町なかの高きものみな梅雨明けて 上崎暮潮 ホトトギス 201302
ついさつき梅雨明宣言出たといふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
青色が空を制して梅雨明ける 布川直幸 201307
梅雨明や注連を張りたる那智の滝 大谷信子 201310
梅雨明の駅の出口に迷ひけり 高田令子 201310
喘ぎつつ生きてゐるなり梅雨明くる 松田泰子 末黒野 201310
梅雨明けて一きは白き百合の花 脇澤久子 末黒野 201310
梅雨明くる運動場に声はづむ 工藤はるみ 風土 201310
梅雨明くる天保山の登山証 杉浦典子 火星 201310
梅雨明けて赤屋根目立つ村の丘 井島郷雲 万象 201310
梅雨明けの風より軽い帽子買ふ 池田喜代持 六花 201310
梅雨明の風より軽い帽子買ふ 池田喜代持 六花 201310
梅雨明けの町にマッチを買ひに出で 渡邉孝彦 やぶれ傘 201310
食卓に消しゴムのかす梅雨明ける 小山陽子 やぶれ傘 201310
梅雨明けてひときは山の雲白し 藤波松山 京鹿子 201311
梅雨明けや波止に大敷網おおしき拡げたる 岩木茂 風土 201311
つぎつぎに楽しき雲や梅雨明けぬ 赤川誓城 ホトトギス 201312
梅雨明けを思はす今朝の青い空 池谷鹿次 末黒野 201404
梅雨明けしことに加はる旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201407
梅雨明けし今日も昨日も変らずに 稲畑汀子 ホトトギス 201407
梅雨明けしばかりの雨も大切に 稲畑汀子 ホトトギス 201407
空碧く一刷毛塗りて梅雨あがる 高野昌代 201409
夫に留守頼みての旅梅雨あがる 増田一代 201409
病む人に残して淡き梅雨明り 山田暢子 風土 201409
梅雨明けや猫が音たて水を飲む 中村喜美子 春燈 201409
亀の眼の底まで澄めり梅雨明くる 佐藤山人 201410
親戚の訃報二つや梅雨明ける 小林正史 201410
あと五年生きて百歳梅雨明くる 宮地静雄 末黒野 201410
梅雨明けや待合室に腰おろし 荒井吉一 末黒野 201410
梅雨明けの朝日差し来る青畳 國保八江 やぶれ傘 201410
梅雨明けの宣言太陽頷きぬ 松嶋一洋 201410
梅雨明けの空を一巡鳩の群れ 久世孝雄 やぶれ傘 201410
梅雨明けにセルビアからの友来る 松村光典 やぶれ傘 201410
一つ葉の一斉に揺れ梅雨明くる 鎌田篤 雨月 201410
悪天をともあれ奮闘梅雨明ける 長崎桂子 あを 201410
梅雨明の夕ベまぶしき別れかな 大坪景章 万象 201411
梅雨明けの潮照り返す鵜捕崖 豊田高子 万象 201411
妻恋うて梅雨明待たず逝かれしや 稲畑汀子 ホトトギス 201507
梅雨明か雲の百態流れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
梅雨明の空や近江を過ぎてより 河原昭子 万象 201508
梅雨明けや信貴をとよもす僧の声 谷岡尚美 201509
梅雨明くる鉄の匂ひの道具箱 宮内とし子 201509
梅雨明の匂ひまつはる竹箒 甲州千草 201509
梅雨明けぬ金沢駅の朝雀 定梶じょう あを 201509
梅雨明けぬ歳時記買ひ換へようと思ふ 定梶じょう あを 201509
梅雨明や田毎に雲の影動き 松田多朗 馬醉木 201510
梅雨明の胡椒固まる壜の底 内海良太 万象 201510
梅雨明の待たるる夜の月の色 國保八江 やぶれ傘 201510
梅雨明や兜太書のビラ高く上ぐ 池田加代子 風土 201510
なぜ今年梅雨明け遅し旅仕度 東秋茄子 京鹿子 201510
梅雨明けや木々の大きく揺れてをり 高田令子 201510
梅雨明けの銀座通りへ自動ドア 足立良雛 201510
繊月の皓と梅雨明印すかな 浅井青二 雨月 201510
梅雨明の空にによきつと金剛山こごせかな 柳川晋 201511
梅雨明や水神様の棟上る 岡井マスミ 末黒野 201511
梅雨明の待たるる旅路ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201607
梅雨明をはつきり告ぐることのなき 稲畑汀子 ホトトギス 201607
梅雨明ともう言へさうに空仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 201607
一本の竿だけ残す梅雨明けり 中江月鈴子 201608
梅雨明けを特たずに蝉の落ちてゐし 山田六甲 六花 201608
マイセンの髭そりカップ梅雨明けぬ 山田六甲 六花 201608
仕込み蔵天窓に洩る梅雨明り 能村研三 201608
梅雨明くる音清らかに皿割れて 甲州千草 201608
梅雨明やのんど連鼓の山の鳩 佐藤山人 201609
人の世と猫と音楽梅雨明くる 島田万紀子 馬醉木 201609
梅雨明やむかしは世話の焼けし道 原友子 201609
梅雨明ける周期律表ニホニウム 須賀敏子 あを 201609
病床も病衣にも馴れ梅雨明くか 安斉久英 末黒野 201610
国政が認めなくとも梅雨明くる 柳川晋 201610
安曇野よりおやき届きて梅雨明くる 宮田豊子 春燈 201610
梅雨明の光と風をねやにかな 佐々木新 春燈 201610
梅雨明や綿菓子に似る白き雲 井上正子 春燈 201610
山越えの眼下薩摩路梅雨明くる 永井惠子 春燈 201610
梅雨明は遅くなるとの報せ聞く 鈴木としお 春燈 201610
青空に筋雲ひとつ梅雨明ける 松村光典 やぶれ傘 201610
キヤラメルの紙の折鶴梅雨明ける 丸井巴水 京鹿子 201610
追伸のごとく降り梅雨明けやらず 片山喜久子 雨月 201610
梅雨明くる東京臨海摩天楼 田中たつを 雨月 201610
航跡のいつまでも白梅雨明くる 田中たつを 雨月 201610
梅雨明ける糊の利きたる綿シーツ 岡山敦子 京鹿子 201611
梅雨明けてせせらぎの音増しにけり 出口誠 六花 201611
梅雨明けの妻のバリカン鬢走る 田中臥石 末黒野 201611
星ひとつ添ひ梅雨明けの幼月 吉田きみえ 末黒野 201611
梅雨明けの一喝が欲し何するも 東野鈴子 雨月 201612
やつと梅雨明けて夕べの月細き 今井千鶴子 ホトトギス 201612
梅雨明けて右足だけが伸びている 赤石忍 船団 201701
梅雨明けて百万石の賀の旅へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
梅雨明ともう言へさうな旅の晴 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明といはれ納得したる晴 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明の雲の走つてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明や朝の大気の甦る 稲畑汀子 ホトトギス 201707
旅多きことも梅雨明有難く 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明けて一変したる旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明けし東京の空新しく 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明の月青々と石にあり 山田六甲 六花 201708
梅雨明けと云へど沖縄慰霊の日 赤座典子 あを 201708
梅雨明けてふはり神くる杉木立 鈴鹿仁 京鹿子 201709
梅雨明けや軽くなりたる靴の音 高橋将夫 201709
梅雨明の煮汁に躍る落し蓋 池田光子 風土 201709
何はともミニマリストや梅雨明けぬ 石田朝子 末黒野 201709
雨とんと降らぬ浪速の梅雨あがる 玉置かよ子 雨月 201709
軽くなる杖の響きや梅雨明くる 川上恵子 雨月 201709
梅雨明けとテレビが報じ空を見る 郭公 やぶれ傘 201709
バスケットゴール立つ庭梅雨明くる 稗田寿明 201710
梅雨明けか釈迦釈迦釈迦と蝉のこゑ 竹内悦子 201710
水琴窟三拍置いて梅雨明ける 熊川暁子 201710
梅雨明を告ぐ予報士のワンピース 中島昌子 201710
梅雨明や陰を求むる己が影 林紀夫 春燈 201710
梅雨明の青き摩文仁や慰霊の日 梅田武 末黒野 201710
梅雨明や鬱の字ぱつとぱらり散り 渕田則子 末黒野 201710
梅雨明の中空憩ふアドバルーン 中谷未知 末黒野 201710
定年があるかのやうに梅雨明けぬ 濱上こういち 201711
梅雨明けや雲の狭間の夕茜 小川玉泉 末黒野 201711
梅雨明けの雲の迷ひや認め印 井尻妙子 京鹿子 201711
梅雨明となるか雷鳴轟きぬ 外山生子 末黒野 201804
し残して死ぬっていいな梅雨明ける 中原幸子 船団 201805
病む人にせめて梅雨明け待たるる日 稲畑汀子 ホトトギス 201806
消息の如く梅雨明け待たれたる 稲畑汀子 ホトトギス 201806
稜線に梅雨明の声聞く三瓶 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
梅雨明の待たるる旅路なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201807
梅雨明けしこと誰彼に告げてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201807
梅雨明けしことに心を許したる 稲畑汀子 ホトトギス 201807
純白の雲を遊ばせ梅雨明くる 石本秋翠 馬醉木 201808
梅雨明の空つつ抜けの青さかな 石本秋翠 馬醉木 201808
ひかり風整はぬまま梅雨明くる 能村研三 201809
梅雨明の光廻して蹴轆轤 大久保志遼 201809
そこしれぬ恐怖まざまざ梅雨明くる 川村欽子 雨月 201809
梅雨明けて靄立ちつづく山の襞 松田多朗 馬醉木 201809
梅雨明を待たず漢の杖を曳く 石田康明 春燈 201809
梅雨明けて吹くハーモニカ鳥も鳴き 鈴木としお 春燈 201809
梅雨明けを一気に映す床みどり 片山煕子 京鹿子 201810
梅雨明や悲惨な被害いつ癒る 長崎桂子 あを 201809
虹の色あり梅雨明の水溜り 森なほ子 あを 201809
梅雨明けの陽明門に遊びけり 須賀敏子 あを 201809
野球場の歓声著く梅雨あがる 河崎國代 春燈 201809
梅雨明けて梅雨の時候を早忘る 大橋晄 雨月 201810
純白の制服まぶし梅雨明くる 大石喜美子 雨月 201810
梅雨明や小振りに替へる旅鞄 岡村彩里 雨月 201810
そば清はけふ定休日梅雨明ける 柴崎和男 六花 201810
統計上最も早き梅雨明と 橘正義 春燈 201810
梅雨明の水ひかりたる魚梯かな 石黒興平 末黒野 201810
梅雨明の犬に引かるる散歩かな 外山節子 末黒野 201810
梅雨明くる富士の雲脱ぐ青さかな 和田慈子 末黒野 201810
ばさばさと庭師の鋏梅雨明くる 前川美智子 末黒野 201810
俎板をはみだす青菜梅雨明くる 小原芙美子 風土 201811
炒り胡麻の八方に跳ね梅雨あがる 角野良生 201811
踏ん張って仁王のにらみ梅雨明ける 若泉真樹 201904
昼のビユッフェ喋りまくって梅雨明ける 仁上博恵 201904
梅雨明けや空の上には天のあり 山田六甲 六花 201908
梅雨明けて何も解決してをらず 高橋将夫 201909
飛行機雲一筆走り梅雨明くる 森村江風 201909
奈良は今梅雨明といふべかりけり 大橋晄 雨月 201909
漸くの梅雨入早くも明けを待つ 大橋晄 雨月 201909
梅雨明けて線路の光尖りをり 赤座典子 あを 201909
梅雨明くるか雲行きを見る考譲り 外山生子 末黒野 201910
早暁の雷雨梅雨明け近しとぞ 大橋晄 雨月 201910
早暁の嵐の後の梅雨明くる 大橋晄 雨月 201910
梅雨明けと聞けども今朝の雨強し 石川憲二 六花 201910
梅雨きのこ大木の洞明るくて おーたえつこ 201910
点滴の管カラフルや梅雨明ける 山荘慶子 あを 201910
檜の匂ふ靖国拝殿梅雨あがる 辻由紀 雨月 201911
梅雨明も本社移転の日も近し 大久保白村 ホトトギス 201911
築山を見詰むる庭師梅雨の明 森清堯 末黒野 201911
梅雨明や叫びたくなる海の碧 田中臥石 末黒野 201911
梅雨明や潦また潦 今村千年 末黒野 201911
梅雨明や舌に弾くる発泡酒 佐藤喬風 末黒野 201911
梅雨明やどんと三竿の濯ぎ物 梅田武 末黒野 201911
たたなづく青垣や梅雨明けにけり 善野行 六花 201911
梅雨明けの雲なき空に白き月 森美佐子 やぶれ傘 201912
強き音のパイプオルガン梅雨の明け 十一 船団 201912
梅雨明けて別の心となりにけり 竹下陶子 ホトトギス 202001
鶏小屋に真白き抜け羽梅雨あがる 石橋幾代 202002
リネン庫にリネン高々梅雨明ける 中井保江 船団 202003
梅雨籠めの明治の木橋大井川 宮元陽子 末黒野 202004
梅雨明の待たるる旅となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202007
梅雨明の近しと今日も降つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 202007
梅雨明けぬ三瓶の旅となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202007
梅雨明を間近にしたる酒の味 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
移転てふ梅雨明を待つ心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
梅雨明 →3      

 

2021年7月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。