梅 雨 25     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
梅雨寒や志野焼茶碗愛で啜る 長崎桂子 あを 202009
梅雨の夜に轟音ニュースは隕石 長崎桂子 あを 202009
梅雨晴間窓明け放し身をほぐす 長崎桂子 あを 202009
梅雨末期軒で震へる雀達 大日向幸江 あを 202009
梅雨止まず図鑑にさがす庭の草 田中藤穂 あを 202009
梅雨氾濫九州地方を悲嘆にす 長崎桂子 あを 202009
長梅雨にやんちゃ坊主の草も木も 七郎衛門吉保 あを 202009
長梅雨や蝉を待つ子に思ひ馳す 七郎衛門吉保 あを 202009
長梅雨や霧吹き要らずのYシャツ 七郎衛門吉保 あを 202009
夕かげるころの視力や走り梅雨 兒玉充代 202010
高架下商店街も梅雨に入る 三村純也 ホトトギス 202010
梅雨月夜手つなぐ友も今はなし 北川孝子 京鹿子 202010
梅味の柿の種買ふ走り梅雨 浜田久美子 六花 202010
梅雨さなか畳の残る部屋ひとつ 直江裕子 京鹿子 202010
自粛令梅雨に流して晩年や 伊藤希眸 京鹿子 202010
梅雨蝉の空気の重きひとり啼き 奥田筆子 京鹿子 202010
梅雨空や薔薇のしめりの石畳 善野行 六花 202010
天井の染みを見てゐる梅雨さ中 善野行 六花 202010
梅雨明くる「吉野葛湯」を吹いてをり 中村洋子 風土 202010
群れて生ふ城の死角の梅雨茸 橋添やよひ 風土 202010
梅雨上り日ざし分け合ふ峡の邑 高村令子 風土 202010
山脈の向かうは津軽梅雨あがる 土井ゆう子 風土 202010
学生寮の干し物捩れ梅雨深む 森田節子 風土 202010
梅雨茸くるぶし撫づる風過ぎて 小原芙美子 風土 202010
送り梅雨鴨居の脂の垂れてをり 奥田茶々 風土 202010
竹藪の竹びつしりと梅雨に入る 石橋幾代 202010
梅雨深む鳩の巣籠る鳩時計 七種年男 202010
真鍮の色して梅雨の果てにけり 平松うさぎ 202010
ライオンの咆哮四方へ梅雨明ける 岡本尚子 風土 202010
祖谷渓の梅雨の晴間の木霊かな 笹村政子 六花 202010
放流の水かがやかに梅雨の明 中根美保 風土 202010
鴫立庵主を無くし梅雨に入る 小林共代 風土 202010
梅雨明けて転ばぬやうに大濯ぎ 大内幸子 六花 202010
梅雨明けのカーテン揺らす読経かな 大内幸子 六花 202010
四阿をおほふ葉騒や梅雨兆す 善野行 六花 202010
山稜の遥かや梅雨の稲美町 善野行 六花 202010
荒梅雨や夜中に叩き起こさるる 永田万年青 六花 202010
梅雨ひぐらし師の下駄の歯のかくも減り 南うみを 風土 202010
長梅雨やガーベラ茎をくねらせり 廣畑育子 六花 202010
欄干の足元腐る梅雨入雨 延川五十昭 六花 202010
青梅雨やいいこときつとありさうな 浜田久美子 六花 202010
青梅雨や雫の中の日の光 浜田久美子 六花 202010
雨音のどこか切なげ送り梅雨 浜田久美子 六花 202010
容赦なく闇を叩くや暴れ梅雨 浜田久美子 六花 202010
梅雨ざんざ角のパン屋に傘の列 井尻妙子 京鹿子 202010
コロナ禍や百貨店閉づ梅雨最中 秋川泉 あを 202010
梅雨明けの六地蔵さま微笑まし 長崎桂子 あを 202010
梅雨の窓亡き師の文を読んでゐる 善野行 聖五月 202010
梅雨明けと聞く雨雲の残る空 廣瀬雅男 やぶれ傘 202010
虚子像にいただく勇気梅雨の日々 今井千鶴子 ホトトギス 202011
とは言へど東京が好き梅雨つづく 今井千鶴子 ホトトギス 202011
梅雨寒は卒寿の敵と身構へる 大久保白村 ホトトギス 202011
朝まだき鳥の声立つ梅雨の空 宮崎浩美 末黒野 202011
梅雨晴や紐を通せるニューシューズ 松川昌義 末黒野 202011
梅雨空へ天衣纏ひて旅立ちぬ 和田華凛 ホトトギス 202011
梅雨深き家のどこかで犬吠ゆる 今井千鶴子 ホトトギス 202011
爪先の心もとなき梅雨の冷 山田閏子 ホトトギス 202011
外出の自粛に厭きて梅雨の天 菅野日出子 末黒野 202011
梅雨寒や子のおきゆきし紅を手に 近順紀予 202011
過去一塊捨てたる夜半の梅雨の雷 阿部さちよ 202011
物干しの満艦飾や梅雨明くる 浜田はるみ 202011
梅雨闇やふいに羽ばたく音近き おーたえつこ 202011
茶団子の仄暗き色梅雨晴れ間 波戸辺のばら 202011
荒梅雨や大池端の一軒家 善野行 六花 202011
坤巽櫓や梅雨滂沱 笹村政子 六花 202011
梅雨晴や日に一便のバスに乗る 田中嘉信 春燈 202011
熊笹の縞のさやかに梅雨明くる 笹村政子 六花 202011
真夜中を叩き伏せたる送梅雨 善野行 六花 202011
長梅雨や本陣跡の昼灯 平居澪子 六花 202011
長梅雨のどこに打とうか句読点 山中志津子 京鹿子 202011
洛中図裏を返せば梅雨の底 本郷公子 京鹿子 202011
荒梅雨や黄身崩れたる目玉焼 林すみ 京鹿子 202011
長梅雨のまた雨音の強くなる 岩木茂 風土 202011
梅雨明や森に諸声ふくらみて 森清堯 末黒野 202011
本堂に籠もる雲竜梅雨深し 石黒興平 末黒野 202011
荒梅雨やもて来し泥の新天地 瀬川公馨 202011
梅雨寒や近くを過ぐる救急車 菅野日出子 末黒野 202011
書に更けてベッドにそそぐ梅雨の月 菅野日出子 末黒野 202011
梅雨明の残月白き相模灘 高木邦雄 末黒野 202011
梅雨に入る句に光明を求むるや 浜崎素粒子 ホトトギス 202011
梅雨明の待たれつつ喪に籠りつつ 三村純也 ホトトギス 202011
梅雨の夜や合はぬラジオの周波数 大川暉美 末黒野 202011
晴ればれと塗りたるルージュ梅雨明けて 大川暉美 末黒野 202011
梅雨上る雲を払ひて夜半の月 和田慈子 末黒野 202011
四つ目垣に雨靴干され梅雨晴間 小沼ゑみ子 末黒野 202011
原色の服吊るす居間梅雨長し 小沼ゑみ子 末黒野 202011
校庭に少年野球梅雨の明 大庭美智代 末黒野 202011
篠笛が誘う望郷梅雨の闇 大山夏子 202011
座り込む一つ目達磨梅雨の末 重原爽美 202011
梅雨深き虚子の座像と相対す 今井千鶴子 ホトトギス 202011
窓閉ざす富士の演習梅雨晴れ間 石川東児 202011
温暖化梅雨も明けぬに蝉の声 治部少輔 202011
梅雨明けの満月煌々背伸びする 江口九星 202011
青梅雨や並ぶ埴輪の丸い口 都築繁子 202011
頭北面西深夜の梅雨を聴いてをり 田中藤穂 あを 202011
梅雨に逝く虚子の語部また一人 本郷桂子 ホトトギス 202012
もう会へぬうつつの縁梅雨深し 黒川悦子 ホトトギス 202012
引き留むる術なく逝かれ梅雨寒し 黒川悦子 ホトトギス 202012
梅雨空へ天衣纏ひて旅立ちぬ 和田華凛 ホトトギス 202012
人間は水の塊梅雨しとど 岩岡中正 ホトトギス 202012
梅雨憂しとせぬ恪勤を師に倣ふ 木村享史 ホトトギス 202012
白雲の湧き立つ峰や梅雨の明 岡野里子 末黒野 202012
覚えなき擦り傷疼く走り梅雨 林徹也 202101
梅雨晴間島一望の天文台 岡村尚子 202101
田も畑も川も一枚梅雨出水 松田明子 202101
梅雨夕焼孤立無援をかなしまず 岩岡中正 ホトトギス 202101
荒梅雨といふ戦場の真つ只中 岩岡中正 ホトトギス 202101
梅雨晴間気合ばかりで捗らず 荒井貞子 末黒野 202104
気怠さを癒すすべなし梅雨籠り 山口郁子 末黒野 202104
今日晴れて梅雨の近づく気配なく 稲畑汀子 ホトトギス 202106
小きて行く油断なけれど梅雨に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202106
太陽に心あづけて梅雨に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202106
梅雨に入るまだ本降りとならざるも 稲畑汀子 ホトトギス 202106
出席の叶ひたる日の梅雨の晴 稲畑汀子 ホトトギス 202106
皆揃ひ得たる日の会梅雨の晴 稲畑汀子 ホトトギス 202106
梅雨晴を引き寄せてゐる子等の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
合羽着て人の眼をして梅雨の犬 森なほ子 あを 202107
パレットに雫のあるや梅雨の入り 七郎衛門吉保 あを 202107
提琴のユーモレスクや梅雨晴れ間 七郎衛門吉保 あを 202107
健康は宝梅雨さへ寄せつけず 稲畑汀子 ホトトギス 202107
訃報又梅雨の一日でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202107
治さねばならぬ体調梅雨に処す 稲畑汀子 ホトトギス 202107
梅雨の灯を低く梁塵秘抄かな 中野あぐり 春燈 202107
船底を灯すがごとく梅雨の部屋 能村研三 202107
走り梅雨明治浮き出る赤煉瓦 森村江風 202107
可動堰潮香が跨ぎ梅雨兆す 森村江風 202107
泊灯や汐の揉み合ふ走り梅雨 鳥居公子 202107
積みし書の上に又積み梅雨月夜 北川孝子 京鹿子 202107
梅雨明に心の扉開放す 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
街騒といふ梅雨明の狂詩曲 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
梅雨晴間ビルの明かりも艶めける 稲田延子 やぶれ傘 202108
ぞろぞろと羽蟻這ひ出る走り梅雨 小池一司 やぶれ傘 202108
梅雨近し腐葉土作る箱ひとつ 佐藤稲子 やぶれ傘 202108
梅雨深し昭和の残る高架下 菊川俊朗 202108
青梅雨や表面張力すぐ転び 石田静 202108
昼席の跳ねて巷は走り梅雨 金光浩彰 202108
走り梅雨鳥獣戯画の動き出す 中島昌子 202108
梅雨に入る山なき国の茜空 安立公彦 春燈 202108
外つ国へ嫁ぐ知らせや梅雨 栗原完爾晴間 春燈 202108
現実と仮想空間走り梅雨 本多遊方 春燈 202108
梅雨晴の空の鼓動に耳澄ます 武田巨子 春燈 202108
透明なグランドピアノ梅雨明くる 平野加代子 春燈 202108
妄信の日光消毒梅雨晴間 長谷川歌子 春燈 202108
梅雨寒や乱歩読み継ぐ花林糖 佐渡谷秀一 春燈 202108
日差しにも雨にも走り梅雨の傘 本田保 春燈 202108
走り梅雨あせつてボロを出しに 本田保けり 春燈 202108
軒に吊るすてるてる坊主梅雨深し 佐藤まさ子 春燈 202108
ブレーキをそつと抑へて梅雨の空 横山さくら 春燈 202108
寝そびれて寝返り幾度走り梅雨 向井芳子 春燈 202108
ずいずいと青竹を切る梅雨晴間 西村洋平 春燈 202108
梅雨寒や白寿の母の膝がしら 関道子 春燈 202108
梅雨月の引きずられゆく列車かな 山田六甲 六花 202108
梅雨穿つ軒下の石百年家 田尻りさ 六花 202108
青梅雨や水ぎはに鷺の歩みをり 藤生不二男 六花 202108
梅雨ぐもり鷺の啄む泥田かな 藤生不二男 六花 202108
青梅雨の遍く照らす吾と人 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
梅雨はしる高層郡にさへぎられ 伊藤希眸 京鹿子 202108
爪草の畑光らせ走り梅雨 内山みち 末黒野 202108
走り梅雨髪切りに行く美容院 村田敦子 末黒野 202108
一書抜き十書が傾ぐ梅雨の書架 能村研三 202109
終奏のシンバル一打送梅雨 能村研三 202109
聖火ゆく梅雨の蔵街たかぶれり 高橋あさの 202109
梅雨に入る残量見えぬ乾電池 頓所友枝 202109
水族館出づるや梅雨の底およぐ 千田百里 202109
オルガンの雲踏むペダル梅雨に入る 兵藤惠 202109
梅雨寒や朝より灯す文机 川高郷之助 202109
徒歩圏に消えたる本屋梅雨深し 篠藤千佳子 202109
潮騒を半音上げて梅雨明くる 森村江風 202109
梅雨明けの金管の音弾けをり 七田文子 202109
江戸つ子の啖呵切れ良く男梅雨 澤田英紀 202109
梅雨闇に鉄平石の径踏みて 河嵜祐二 202109
梅雨出水避難指示にて即休診 平嶋共代 202109
梅雨ぐもり真上の空にまるい穴 大島英昭 やぶれ傘 202109
菜園にひとが来てゐる梅雨晴間 丑久保勲 やぶれ傘 202109
梅雨の雨窓のよごれを手でぬぐひ 藤井美晴 やぶれ傘 202109
梅雨晴れ間酒蔵で酒粕を買ふ 瀬島洒望 やぶれ傘 202109
青梅雨の磴を一気に上りきり 渡邊孝彦 やぶれ傘 202109
屑籠にメモ書き探す梅雨の昼 渡邊孝彦 やぶれ傘 202109
チェンソーの音きこえくる梅雨曇り 渡邊孝彦 やぶれ傘 202109
つかの間の川の上なる梅雨の月 白石正躬 やぶれ傘 202109
向う岸にグライダー五機梅雨晴問 白石正躬 やぶれ傘 202109
梅雨の川越ゆる電車の軋む音 安藤久美子 やぶれ傘 202109
松に添ふ榊の葉艶梅雨明ける 塩貝朱千 京鹿子 202109
梅雨満月心地よき風身にためて 北川孝子 京鹿子 202109
乳足りし赤子の眠り梅雨穂草 北川孝子 京鹿子 202109
梅雨晴れや風が言葉をかけて来る 北川孝子 京鹿子 202109
柴折戸の裏口あたりまでが梅雨 直江裕予 京鹿子 202109
梅雨に入るふやけた愛のそのままに 直江裕予 京鹿子 202109
降る降らぬ気まぐれとほす梅雨の雲 菊池和子 京鹿子 202109
五山消ゆ烟の中の梅雨の京 菊池和子 京鹿子 202109
梅雨いまだ鉢植ゑの花たえだえに 菅野日出子 末黒野 202109
友よりの見舞の電話梅雨に入る 菅野日出子 末黒野 202109
目玉焼流し目となり走り梅雨 斉藤マキ子 末黒野 202109
梅雨晴間飛行機雲の真白なる 高木邦雄 末黒野 202109
梅雨晴間欅大樹のさやぎけり 岡美智子 末黒野 202109
やりかけの刺繍取り出し梅雨籠り 岡美智子 末黒野 202109
片付かぬ予定のひとつ迎へ梅雨 和田慈子 末黒野 202109
とき色の雲の流れや梅雨晴間 小山ほ子 末黒野 202109
大粒の雨掻ひ潜り梅雨の蝶 野村重子 末黒野 202109
朝刊の記事の重たし梅雨じめり 岩崎藍 末黒野 202109
梅雨 →26

 

2022年7月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。