梅 雨 24     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夜遊びや梅雨荒るるとも三瓶山 安原葉 ホトトギス 201912
梅雨深ければ世に遅れたるごとし 岩岡中正 ホトトギス 201912
梅雨の灯の人語のやうにともりけり 岩岡中正 ホトトギス 201912
日の差して翅の軽さや梅雨の蝶 山田佳乃 ホトトギス 201912
リハビリは神の訓練梅雨ぬくし 竹下陶子 ホトトギス 201912
梅雨に入る屈してならぬリハビリに 竹下陶子 ホトトギス 201912
あまつさへ激震の地へ梅雨出水 岩岡中正 ホトトギス 201912
長梅雨の机の上の未処理箱 武藤節子 やぶれ傘 201912
梅雨明けの雲なき空に白き月 森美佐子 やぶれ傘 201912
油浮く古き運河や梅雨夕焼 田中嘉信 春燈 201912
梅雨深し昭和のままの漁師町 田中嘉信 春燈 201912
青梅雨の足裏やわらかフラダンサー 津田このみ 船団 201912
強き音のパイプオルガン梅雨の明け 十一 船団 201912
病廊に点字の手摺梅雨灯す 吉田万喜子 雨月 201912
ひと言を悔いてボサノバ梅雨長し 渡部恭子 201912
眼帯を外して梅雨の文学館 大山夏子 201912
図書室の静寂守るや梅雨長し 篠田純子 201912
もう返事せぬ猫の尻尾や梅雨の闇 小笠原妙子 201912
点滴の音なき音や梅雨の月 本郷 公子 京鹿子 202001
金糸梅雨さへ心地良き一日 近藤真啓 春燈 202001
買物に子の行きくるる走り梅雨 落合由季女 雨月 202001
話しかけみても遺影よ梅雨に倦む 木村享史 ホトトギス 202001
梅雨明けて別の心となりにけり 竹下陶子 ホトトギス 202001
まいにちを遺影とだけの梅雨籠 木村享史 ホトトギス 202001
梅雨蝶のとまりて重き一枝かな 岩岡中正 ホトトギス 202001
鶏小屋に真白き抜け羽梅雨あがる 石橋幾代 202002
旱梅雨飛石白く暮れゆけり 田代貞香 202002
鰻屋の洗ひ場見えて梅雨晴間 岸洋子 202002
縺れたる糸をほぐすや走り梅雨 山田正子 202002
梅雨に入る六たす三で躓く子 仲里奈央 202002
リネン庫にリネン高々梅雨明ける 中井保江 船団 202003
なきがらを迎ふる梅雨の畳かな 三上程子 風聴くや 202003
古書店に写楽の額や走り梅雨 岩永みはる 追伸 202003
休業の貼り紙梅雨を呼びにけり 三上程子 風聴くや 202003
前略のあとの長さよ走り梅雨 礒貝尚孝 黄落 202003
点滴のまだ半ばなる梅雨晴間 礒貝尚孝 黄落 202003
鴫立の西行歌碑や梅雨の蝶 谷口律子 末黒野 202004
梅雨籠めの明治の木橋大井川 宮元陽子 末黒野 202004
日の匂ひ草の匂ひや梅雨あくる 丸山千穗子 末黒野 202004
梅雨の街傘さす人とささぬ人 谷口律子 末黒野 202004
旅多き日々となりつつ梅雨に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202006
梅雨忘れられぬ旅路でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202006
一団を乗せたる梅雨のバスを待つ 稲畑汀子 ホトトギス 202006
厳戒の中梅雨の旅なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202006
遥々と来られし梅雨もいとはずに 稲畑汀子 ホトトギス 202006
厳戒の中を抜け来し梅雨の旅 稲畑汀子 ホトトギス 202006
旅晴れてどこかが梅雨でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202006
降り立てば梅雨の気配に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 202006
賞金をふるまひ給ふ梅雨の会 稲畑汀子 ホトトギス 202006
コーヒーか紅茶か梅雨のおもてなし 稲畑汀子 ホトトギス 202006
晴れしことせめてと思ふ梅雨の旅 稲畑汀子 ホトトギス 202007
もう帰路の心配梅雨の遠出かな 稲畑汀子 ホトトギス 202007
梅雨寒に大邸宅の黒々と 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
山頂へ梅雨霧吸はれゆく速さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
梅雨明を間近にしたる酒の味 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
ビル街と別れ梅雨明待つ移転 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
影よりも黒き犬連れ梅雨晴間 今井肖子 ホトトギス 202007
楢大樹梅雨の走りのうすけぶり 辻美奈子 202007
梅雨雲の笠かぶりけり裏伊吹 山田六甲 六花 202007
舫はれて水門川の梅雨に入る 山田六甲 六花 202007
梅雨明くる次はあなたの快癒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
梅雨明けぬ江戸の快晴発ちて来し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
移転てふ梅雨明を待つ心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
梅雨雲を払ふ風ならもつと吹け 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
山陽と山陰梅雨に結ばれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
満席の新幹線の梅雨湿り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
描く人詠む人梅雨を遠ざけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
風神に押され梅雨雲退く速さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
梅雨明けぬ三瓶の旅となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202007
梅雨を吹き払ふ山風強くとも 稲畑汀子 ホトトギス 202007
ホトトギス事務所移転や梅雨最中 稲畑汀子 ホトトギス 202007
富士を見ぬまま三島去る梅雨の旅 稲畑汀子 ホトトギス 202007
富士見せぬ梅雨霧ふつと吹いてみる 稲畑汀子 ホトトギス 202007
明日の旅明後日の旅梅雨に処す 稲畑汀子 ホトトギス 202007
梅雨明の近しと今日も降つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 202007
梅雨明の待たるる旅となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202007
走り梅雨読まねばならぬ書の多く 鈴木直充 春燈 202008
たまさかの尾長の声や梅雨兆す 鈴木鳳来 春燈 202008
休校の子ら無き校庭梅雨の蝶 安立公彦 春燈 202008
山鳩の庭に声充つ梅雨もよひ 伊藤希眸 京鹿子 202008
青をもて描く闇あり梅雨月夜 北川孝子 京鹿子 202008
指切りの別れそのまま走り梅雨 塩貝朱千 京鹿子 202008
西院の離宮の翳り梅雨寒し 鈴鹿呂仁 京鹿子 202008
御愛想の唇の形や梅雨晴間 加藤みき 202008
梅雨入りやバスの時刻を立ち読みす 井上静子 202008
足を組み手をくみし走り梅雨 庄司久美子 202008
梅雨真近あをく重なる竹の幹 近藤紀子 202008
早く来て穢れを祓へ梅雨の風 柳川晋 202008
走り梅雨もつれて解けぬネックレス 森清信子 露の堂 202008
悔もたぬ眠りのあとやはしり梅雨 北川孝子 京鹿子 202008
梅雨寒の朝の珈琲まるやかに 安立公彦 春燈 202008
新型コロナ出口が見えず梅雨走る 大山夏子 202009
列島の疫癒えぬ地に梅雨出水 赤座典子 あを 202009
不協和音消えないままの梅雨満月 渡部恭子 202009
荒梅雨の一日鬱々過ごしけり 西谷恵美子 春燈 202009
今は昔水屋上げ舟梅雨出水 種田利子 春燈 202009
誰も彼もコロナのマスク梅雨に入る 田中藤穂 202009
便り欲る梅雨のポストに鴉かな 山浦紀子 春燈 202009
走り根に躓く梅雨の札所道 鈴木静恵 春燈 202009
梅雨に入る暮しに手抜き多くなり 鈴木直充 春燈 202009
にはとりの寝付きのわろし梅雨夕焼 鈴木直充 春燈 202009
走り梅雨鉛筆けづるにほひかな 吉澤恵美子 春燈 202009
女手を語りて梅雨の母娘星 小泉三枝 春燈 202009
梅雨晴や籠もりてつきし怠けぐせ 大室恵美子 春燈 202009
本堂の百畳梅雨の深まれる 太田慶子 春燈 202009
ふた親にひかれゆく黄泉梅雨の蝶 加藤法子 春燈 202009
いちにちに何度名を呼ぶ梅雨の月 はしもと風里 202009
涙する友の訃報や梅雨時雨 西谷恵美子 春燈 202009
梅雨晴間眩しき空の浮雲や 西谷恵美子 春燈 202009
亡き夫の下駄音聴こゆ梅雨の朝 西谷恵美子 春燈 202009
梅雨最中蝶番鈍き裏出口 柿原よし子 春燈 202009
食はれさうなマスクの金魚梅雨に入る 岩藤礼子 やぶれ傘 202009
如何とも苦爪は切れず梅雨ごもり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
梅雨滂沱あひるも豚もおとなしく 小田嶋野笛 末黒野 202009
青梅雨やつなぎたき手を求める手 菊池和子 京鹿子 202009
走り梅雨美濃路と刻む道標 延川笙子 六花 202009
梅雨深む鼻緒の太き父の下駄 森岡正作 202009
自から張り裂けてゐし梅雨茸 田尻勝子 六花 202009
通し土間黒光りして梅雨きざす 能美昌二郎 202009
あの事にこだはり過ぎて戻り梅雨 木村公子 202009
梅雨晴や垣根の花の彩りぬ 永田万年青 六花 202009
梅雨あがる五体生き生き使ひをり 小川流子 202009
残したき砂文字崩し男梅雨 鈴木一広 202009
緑青の息吹き返す梅雨入かな 森村江風 202009
空白の増ゆる日記や梅雨に入る 中村重幸 202009
梅雨深む粒子の粗き黒砂糖 佐藤克江 202009
両性の憂ひを宿す梅雨の月 高橋将夫 202009
木鋏のぐいと広げる梅雨晴間 吉清和代 202009
前線や押しつ押されつ梅雨あがる 岩下芳子 202009
青梅雨や部屋に墨の香残りをり 有松洋子 202009
梅雨の句会たたまれて立つ傘の美し 有松洋子 202009
お絞りにレモンの香り梅雨の明 渡辺やや 風土 202009
月山の水参らする梅雨晴間 近藤紀子 202009
梅雨晴間諸鳥のこえ生き生きと 吉田順子 202009
満ち潮の梅雨の河口の逆流す 森高武 風土 202009
梅雨寒し株価の暴落気に掛かる 中西厚子 202009
寺の鐘の音色いつしか梅雨に入る 井上静子 202009
磴百をひと飛び梅雨の蝶なれど 南うみを 風土 202009
梅雨なまず畦はらばひて次の田へ 南うみを 風土 202009
走り梅雨まだあどけなき蔓の先 浅田光代 風土 202009
納豆の箸取り落とす梅雨の底 浅田光代 風土 202009
計画も打算も無くて梅雨籠 高村令子 風土 202009
梅雨きざす醤油の町の舟着場 小林共代 風土 202009
梅雨晴のショッピングモール人の湧く 森高武 風土 202009
工場の薬品臭や梅雨深し 森高武 風土 202009
溶けあふや海と岬と梅雨空と 森高武 風土 202009
長靴の赤の小ささ迎へ梅雨 有松洋子 202009
自転車を漕ぐ子に強き走り梅雨 新妻洋子 風土 202009
富士の風筑波の風や梅雨晴るる 根岸善行 風土 202009
一筆写経納めて梅雨に入りにけり 増成栗人 202009
二メートル離れて梅雨のレジの前 大内幸子 六花 202009
梅雨寒や主なくした猫寄りぬ 大内幸子 六花 202009
ばてにけり梅雨入り前の高気温 永田万年青 六花 202009
梅雨晴間路地の奥より猫の声 永田万年青 六花 202009
あつけなく崩れし梅雨の茸かな 平居澪子 六花 202009
グライダー低空飛行走り梅雨 平居澪子 六花 202009
前ぶれのなしに本日梅雨に入る 廣畑育子 六花 202009
梅雨湿り仏間の襖ゆるびけり 廣畑育子 六花 202009
不破の関伊吹は雲の走り梅雨 延川五十昭 六花 202009
水害を刻む石垣梅雨じめり 延川笙子 六花 202009
知恵伊豆の墓打つてをり男梅雨 黒滝志麻子 末黒野 202009
刀身は桐箱の中梅雨きざす 伊藤希眸 京鹿子 202009
故郷の山紫水明梅雨夕焼 長尾タイ 末黒野 202009
木の家の木の引き戸ひく梅雨きざし 直江裕子 京鹿子 202009
終焉の言葉を探す走り梅雨 丸井巴水 京鹿子 202009
水臭き川となりたる梅雨入かな 岡田史女 末黒野 202009
縋るもの見つからぬ蔓梅雨晴間 小林清彦 末黒野 202009
梅雨寒やヨットハーバー音も無く 東正則 末黒野 202009
梅雨晴や人隔つとも化粧せり 有賀鈴乃 末黒野 202009
頑に入浴拒否や梅雨寒し 滝沢いみ子 末黒野 202009
対岸をスケボー少年梅雨晴間 伊藤美緒 末黒野 202009
甥の葬悔しき程の梅雨晴間 本郷美代子 やぶれ傘 202009
ポストまでの五歩を傘さす梅雨最中 本田武 やぶれ傘 202009
薄雲の空に溶け入る梅雨晴間 増田裕司 やぶれ傘 202009
戻り梅雨濁りし川に鯉の群 箕田健夫 やぶれ傘 202009
梅雨湿り農家の軒に木の梯子 山本久枝 やぶれ傘 202009
新聞のビニール破る梅雨の朝 吉田幸恵 やぶれ傘 202009
カラフルな一両電車梅雨晴間 浅嶋肇 やぶれ傘 202009
銭湯は午後四時に開く梅雨晴れ間 泉一九 やぶれ傘 202009
梅雨長し背表紙読みに本屋まで 岩藤礼子 やぶれ傘 202009
おろしたての雑布ひとつ梅雨晴間 江口恵子 やぶれ傘 202009
梅雨寒やワクチン打った跡撫でる 林田麻裕 202009
愛おしき円形脱毛梅雨深し 松井季湖 202009
梅雨入や乗らぬ愛車へ合羽かけ 柿原よし子 春燈 202009
梅雨寒の指にアップルミントの香 辻水音 202009
青梅雨や地蔵の眼閉ぢしまま 西本花音 春燈 202009
定食に赤いコンニャク梅雨深し 辻水音 202009
二回目の月命日で梅雨晴れて はしもと風里 202009
梅雨鎖列島縛り上げにけり 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
階段の手摺の点字梅雨晴間 太田慶子 春燈 202009
梅雨明の今日の夕日を拝むや 安立公彦 春燈 202009
梅雨晴や明るい顔に戻りたし 小菅礼子 春燈 202009
梅雨長し鳥も来ずなる庭淋し 小菅礼子 春燈 202009
長き梅雨明けて植木屋いきなり来 本多遊方 春燈 202009
梅雨深し己が諾ふ己が癖 久保久子 春燈 202009
閉店を惜しむ仲見世梅雨の蝶 平野無石 202009
台ぶきん洗ひ上げさて梅雨厨 山浦紀子 春燈 202009
木曽三川おどろおどろの梅雨出水 種田利子 春燈 202009
かはら職人手捌きよろし梅雨晴間 西谷恵美子 春燈 202009
梅雨茸の翌日は消ゆるはかなさよ 望月郁江 春燈 202009
梅雨 →25

 

2022年7月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。