梅 雨 23     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
梅雨晴間中に山羊飼う江戸のビル 平野無石 201909
小刻みの湖波随に青き梅雨 能村研三 201909
梅雨冷やビル牧場にフラミンゴ 田中藤穂 201909
梅雨の来て弱火で焼ける玉子焼 立石まどか 201909
油彩画の匂ふ図書館走り梅雨 吉田政江 201909
梅雨間近名画の傘の品定め 小笠原妙子 201909
決断の大義は失せて梅雨に入る 田中信行 201909
開け放ち風道つくる梅雨晴れ間 時澤藍 201909
梅雨の鬱いやす手立ての見当たらず 時澤藍 201909
飛行機雲一筆走り梅雨明くる 森村江風 201909
梅雨の蝶シテのごとくに現れぬ 村上葉子 201909
梅雨晴れや垣の直角城下町 小林共代 風土 201909
膝元を離れぬ猫や梅雨寒し 佐川三枝子 201909
梅雨音の時にはタップダンスかな 岩月優美子 201909
傘といふ独りの宇宙梅雨に入る 有松洋子 201909
荒梅雨のガラスの天井打ちにけり 岩下芳子 201909
鳴りやまぬ隠岐の怒濤や梅雨の星 三好康子 風土 201909
文人の眼やさしく梅雨に入る 近藤喜子 201909
青梅雨の武蔵野をバスひた走り 柿沼盟子 風土 201909
金平糖コロコロコロと梅雨あける 本多俊子 201909
梅雨明けて何も解決してをらず 高橋将夫 201909
梅雨湿りダリもポアロも髭乱れ 松本胡桃 風土 201909
長梅雨や青き錆泛く神獣鏡 稲葉三惠子 馬醉木 201909
屈託の赤ベコ揺らす梅雨の雷 白澤よし子 馬醉木 201909
雨だれの音それぞれや走り梅雨 手島靖一 馬醉木 201909
磧湯に小鹿来てゐる梅雨月夜 根岸善雄 馬醉木 201909
梅雨茸の傘寄せ合うて両想ひ 谷口一献 六花 201909
いきいきと青芝尖り走り梅雨 渡邊千枝子 馬醉木 201909
梅雨の月病舎隔たるわが二人 岡田貞峰 馬醉木 201909
走り梅雨涙痕頬に見舞妻 岡田貞峰 馬醉木 201909
つくり池水の錆びゐる旱梅雨 永田万年青 六花 201909
空梅雨や選挙掲示の板白し 石川憲二 六花 201909
ボトルシップ出航間近梅雨深む 平居澪子 六花 201909
走り梅雨一木一草なき質屋 田丸千種 ホトトギス 201909
奈良は今梅雨明といふべかりけり 大橋晄 雨月 201909
アーケードそぞろ歩きの梅雨の入り 篠原敬信 六花 201909
星座の切手貼られし封書梅雨湿り 西村操 雨月 201909
常よりも遅き梅雨入りや庭手入 中原敏雄 雨月 201909
ねんごろな町医も隠居梅雨の月 川村欽子 雨月 201909
梅雨激し即ち人の住む処 高木晶子 京鹿子 201909
オカリナの音すぐ止みぬ梅雨の午後 森なほ子 あを 201909
梅雨晴間道にはみ出すゴミ袋 大日向幸江 あを 201909
梅雨寒の朝一番をででつぽう 鈴木愛子 201909
家鳴りぴし関節コキと梅雨長し 篠田純子 あを 201909
二日酔ひ朝寝して待つ梅雨晴間 野村宏 201909
梅雨寒や手足の冷えは父譲り ふなかわのりひと 201909
梅雨晴間昭和の廊下清拭きす 武田未有 201909
梅雨未だ明けず蛇紋の大理石 加倉井たけ子 201909
梅雨空よショパンのやうな雨だれを 出牛進 201909
梅雨寒や藍の色濃き伊勢木綿 小島良子 201909
点滴の管カラフルや梅雨明ける 山荘慶子 あを 201910
梅雨寒やカーディガンの色は赤 小川礼子 201910
梅雨明けと聞けども今朝の雨強し 石川憲二 六花 201910
梅雨晴や光満ちたる路地の朝 石川憲二 六花 201910
吾が先に猫の寝そべる梅雨晴間 石川憲二 六花 201910
端麗の空となりけり梅雨晴間 善野行 六花 201910
荒梅雨や寝床に好きな句集など 善野行 六花 201910
青梅雨の街の夕暮灯の溶けて 山岸明子 201910
寝そべりて一日過ぎし梅雨晴間 志方章子 六花 201910
部屋干しのシャツ外に出す梅雨晴間 佐津のぼる 六花 201910
梅雨冷やアイラインと眉引き直し 佐藤慧美子 201910
薬棚の鍵の点検梅雨月夜 藤原明美 201910
梅雨空や動きの鈍き薬指 矢野早苗 京鹿子 201910
梅雨の夜の底へと枕くぼみたる きくみきみえ やぶれ傘 201910
梅雨寒と思ふアボカド食ひながら 藤井美晴 やぶれ傘 201910
空梅雨の玉子歪んで焼けにけり 小山よる やぶれ傘 201910
梅雨の雷附箋の端のそり返る 青谷小枝 やぶれ傘 201910
下町は昭和の匂ひ走り梅雨 尾崎みつ子 雨月 201910
梅雨蝶の墓前を去らぬ羽づかひ 宮平静子 雨月 201910
列島の沈むばかりに梅雨荒るる 宮平静子 雨月 201910
公園に少女のホルン梅雨の晴れ 松村光典 やぶれ傘 201910
梅雨晴間物の影みなくつきりと 松村光典 やぶれ傘 201910
早暁の雷雨梅雨明け近しとぞ 大橋晄 雨月 201910
モネの大睡蓮梅雨の蝶凭る 笹村ルル 201910
名石の間にひそと梅雨茸 小林陽子 201910
海女桶に泥はかせをり梅雨鯰 栗坪和子 201910
ラジオより英民謡や梅雨の朝 友田悠子 末黒野 201910
梅雨晴や青空かくも透き通り 友田悠子 末黒野 201910
梅雨空や小江戸に響く時の鐘 塚越弥栄子 末黒野 201910
グランドを均す球児や梅雨の雷 上月智子 末黒野 201910
梅雨明くるか雲行きを見る考譲り 外山生子 末黒野 201910
梅雨晴間下駄ひつかけて庭奔り 外山生子 末黒野 201910
梅雨の昼灯して夫の爪を切る 外山生子 末黒野 201910
庭の大樹日向日陰を梅雨の蝶 山崎稔子 末黒野 201910
雲離れ中天統ぶる梅雨満月 山崎稔子 末黒野 201910
梅雨蝶へ水車は水を吐き出せり 岡田史女 末黒野 201910
束の間の梅雨の晴れ間や子等の声 堺昌子 末黒野 201910
梅雨晴のまだ見つからぬ四つ葉かな 堺昌子 末黒野 201910
梅雨長し煮えてふくるる雁擬き 斉藤マキ子 末黒野 201910
山鳩のつがひ呼び交ふ梅雨晴間 菅野日出子 末黒野 201910
梅雨寒や三味の音もるる格子窓 菅野日出子 末黒野 201910
散髪へ梅雨の無聊を払ふべく 石黒興平 末黒野 201910
梅雨深む視界忽ち鈍色に 安斎久英 末黒野 201910
じわじわと背より睡魔梅雨時雨 安斎久英 末黒野 201910
梅雨寒や安房の稜線模糊として 安斎久英 末黒野 201910
梅雨寒をかこち俳誌を積み重ね 安斎久英 末黒野 201910
軍艦を打ちのめさんと男梅雨 松本三千夫 末黒野 201910
灰色の雲動かざり梅雨深み 安斎久英 末黒野 201910
沖波のひたすら梅雨の中休み 安斎久英 末黒野 201910
梅雨晴や弓道場の静と動 石黒興平 末黒野 201910
佇める梅雨の波止場の女傘 岡野里子 末黒野 201910
つかの間の雲幾度も梅雨の月 菅野日出子 末黒野 201910
梅雨晴間昼の魚河岸がらんだう 加藤静江 末黒野 201910
はしり梅雨逃足早き将棋の王 田中臥石 末黒野 201910
涛どんと梅雨の銚子の隠れ岩 田中臥石 末黒野 201910
沖波のしらじら梅雨の深みゆく 安斎久英 末黒野 201910
気休めの膏薬二枚梅雨最中 小田嶋野笛 末黒野 201910
腰痛をかこつ齢や梅雨の冷え 菅野日出子 末黒野 201910
読書進む豪雨予報の多き梅雨 伴秋草 末黒野 201910
錆のうく濡れ縁の釘梅雨湿り 遠藤清子 末黒野 201910
長梅雨の選挙列島生乾き ふなかわのりひと 201910
長梅雨や雨雨曇り雨曇り ふなかわのりひと 201910
重信の俳句難し梅雨の月 小原紀子 末黒野 201910
梅雨湿り時刻の合はぬ花時計 神谷さうび 末黒野 201910
青梅雨や旅先に買ふ軽き傘 遠藤清子 末黒野 201910
暴れ梅雨いずれ燃やそう古手紙 近藤綾 201910
食パンになまくら包丁梅雨深し 松井季湖 201910
梅雨の月キミうわの空症候群 松井季湖 201910
早暁の嵐の後の梅雨明くる 大橋晄 雨月 201910
梅雨空を仰ぎ見をりし立葵 安部和子 雨月 201910
梅雨深し澱む運河の船溜り 尾崎みつ子 雨月 201910
ちよと甘い堂島カレー梅雨間近 辻水音 201910
あれやつてこれやつてこんがらがつて梅雨の蝶 辻響子 201910
梅雨中休み雨傘日傘入り混じる 松村光典 やぶれ傘 201910
梅雨晴れの並木のベンチ隙間なし 松村光典 やぶれ傘 201910
抱かれて手足ぶらぶら梅雨晴れ間 松村光典 やぶれ傘 201910
これも梅雨ひねもす飛沫上げる雨 松村光典 やぶれ傘 201910
老犬の歩みは遅し梅雨曇り 秋山信行 やぶれ傘 201910
梅雨雲を抜け山巓の小屋筵 丸井巴水 京鹿子 201910
靴先が道の小石を蹴つて梅雨 渡邉孝彦 やぶれ傘 201910
横断のひと無き梅雨の信号機 安藤久美子 やぶれ傘 201910
梅雨湿り簡易書留届きけり 安藤久美子 やぶれ傘 201910
青梅雨を釣り人のゆく河川敷 安藤久美子 やぶれ傘 201910
梅雨晴れ間十年旅券更新す 安藤久美子 やぶれ傘 201910
梅雨晴間わりと写真は上手く撮れ 小山よる やぶれ傘 201910
救急車パトカーとゐて梅雨の昼 きくみきみえ やぶれ傘 201910
手水舎の干支の手拭梅雨じめり 平居澪子 六花 201910
緑青の樋きはやかや旱梅雨 住田千代子 六花 201910
鍵合へばひらく梅雨空かもしれず はしもと風里 201910
梅雨きのこ大木の洞明るくて おーたえつこ 201910
梅雨寒や容赦なき雨破壊する 長崎桂子 あを 201910
木曽川の眠れるごとく梅雨曇 佐藤花木 雨月 201911
たたなづく青垣や梅雨明けにけり 善野行 六花 201911
腕時計重たき日なり梅雨最中 中島和子 やぶれ傘 201911
梅雨深む古書肆に積まる見切本 津野洋子 京鹿子 201911
ヘルパーと手をつなぐ友梅雨晴間 萩原久代 やぶれ傘 201911
梅雨雲にとりこまれたるヘリポート 橋本美代 やぶれ傘 201911
奥の間に人のこゑして梅雨上がる 井尻妙子 京鹿子 201911
終り無きドラマを紡ぐ梅雨の蝶 山中志津子 京鹿子 201911
退きて丸三年や梅雨寒し 増田裕司 やぶれ傘 201911
梅雨曇り親しき友の訃報あり 箕田健生 やぶれ傘 201911
梅雨って好き皆と同じになれるから 直江裕子 京鹿子 201911
梅雨の月濁りし川を照らしけり 武藤節子 やぶれ傘 201911
梅雨明やどんと三竿の濯ぎ物 梅田武 末黒野 201911
梅雨明や舌に弾くる発泡酒 佐藤喬風 末黒野 201911
知恵の輪に知恵のおよばず梅雨に入る 松下道臣 201911
波どんと梅雨の銚子の隠れ岩 田中臥石 末黒野 201911
結語練る黙のひととき梅雨夕焼 森清堯 末黒野 201911
一木となるまで荒梅雨に佇てり 岩岡中正 ホトトギス 201911
梅雨川の濁世つらぬきゆきにけり 岩岡中正 ホトトギス 201911
濡れ色の一輪を剪る梅雨の庭 今橋眞理子 ホトトギス 201911
梅雨明も本社移転の日も近し 大久保白村 ホトトギス 201911
雨音に梅雨入りを思ふ一夜かな 赤川誓城 ホトトギス 201911
鈍色の梅雨空支ふ畝傍山 今井充子 201911
築山を見詰むる庭師梅雨の明 森清堯 末黒野 201911
雨傘の杖と変りぬ梅雨夕焼 菅野日出子 末黒野 201911
梅雨明や潦また潦 今村千年 末黒野 201911
梅雨晴や草の匂ひの立ち上がり 加藤静江 末黒野 201911
梅雨明や叫びたくなる海の碧 田中臥石 末黒野 201911
梅雨晴間夫婦揃ひてクリニック 伊藤鴉 末黒野 201911
梅雨湿り子鼠庭を走り抜け 森美佐子 やぶれ傘 201911
全面が芝の校庭梅雨晴間 村田武 やぶれ傘 201911
梅雨晴間岩場に亀の甲羅干 箕田健生 やぶれ傘 201911
梅雨晴や八幡宮の紅き屋根 箕田健生 やぶれ傘 201911
タクシーを待つもどかしさ梅雨の宵 本郷美代子 やぶれ傘 201911
梅雨寒や夫病院に出かけたり 本郷美代子 やぶれ傘 201911
背を反らし空を見上げる梅雨晴間 濱野新 やぶれ傘 201911
走り梅雨父の応召日記読む 濱野新 やぶれ傘 201911
梅雨寒に今日も鬼平犯科帳 橋本美代 やぶれ傘 201911
ソニックビルの上部が見えぬ梅雨曇り 橋本美代 やぶれ傘 201911
吠えもせず門にねる犬梅雨長し 萩原久代 やぶれ傘 201911
木造の五百羅漢や梅雨湿り 野口希代志 やぶれ傘 201911
梅雨ぐもり追悼ミサの声すみて 貫井照子 やぶれ傘 201911
梅雨晴間都電たちまち次の駅 中島和子 やぶれ傘 201911
梅雨の蝶去ればたちまちもとの道 中島和子 やぶれ傘 201911
酔つぱらひたる色なるや梅雨茸 志方章子 六花 201911
檜の匂ふ靖国拝殿梅雨あがる 辻由紀 雨月 201911
青梅雨の空の中なる白帝城 横山昭子 雨月 201911
お稲荷の鳥居ひらりと梅雨の蝶 横山昭子 雨月 201911
次郎左衛門の庭土穿つ梅雨烏 横山昭子 雨月 201911
長梅雨や我を立て通す理は妻に 石川東児 201912
梅雨に入る六たす三で躓く子 仲里奈央 201912
青梅雨の池白鳥の死の告示 都築繁子 201912
人の世も降らず降らずみ梅雨流し 江口九星 201912
どことなくパンタグラフも梅雨に入る 東英幸 船団 201912
暴れ梅雨本因坊は8連覇 中原幸子 船団 201912
金網の向こうを点す梅雨の蝶 つはこ江津 船団 201912
長梅雨のながしに立てばモノ流れる つはこ江津 船団 201912
マシュマロのやうな手触り梅雨茸 山本久枝 やぶれ傘 201912
梅雨憂しとせず句を作り句を選ぶ 木村享史 ホトトギス 201912
梅雨 →24

 

2022年7月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。