梅 雨 22     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨音に目覚むる朝や梅雨の入り 友田悠子 末黒野 201810
家計簿の帳尻合はす梅雨の雷 落合幸子 京鹿子 201810
大御神鎮めたまへよ暴れ梅雨 西村白杼 京鹿子 201810
梅雨明けを一気に映す床みどり 片山煕子 京鹿子 201810
梅雨鳩のときどき笑ふ時間帯 井尻妙子 京鹿子 201810
神水汲む梅雨の晴間の空を汲む 村田あを衣 京鹿子 201810
梅雨晴間心の晴間一句二句 植村蘇星 京鹿子 201810
寝嵩なき夫の顔拭く寒き梅雨 住田千代子 野に遊ぶ 201811
俎板をはみだす青菜梅雨明くる 小原芙美子 風土 201811
梅雨上りさうビタミン剤ふやす 岸洋子 201811
梅雨深し癖毛いよいよ縮みたる 曽根富久恵 201811
魚の血の残るまな板梅雨深し 石橋幾代 201811
雲潜るたびの明るさ梅雨の月 原友子 201811
炒り胡麻の八方に跳ね梅雨あがる 角野良生 201811
武の神のまことに太き梅雨きのこ 竹下陶子 ホトトギス 201811
梅雨化けてわがふる里の地獄絵図 笠木陽子 京鹿子 201811
押しくらをむぎゅつと腰から梅雨に入る 阪野基道 船団 201811
梅雨空を眺めて靴を選びをり 吉田悦子 201812
色のつくことば八千暴れ梅雨 中原幸子 船団 201812
荒梅雨や雀固まって鳴かぬ 東英幸 船団 201812
錆び鉄鎖磐に食込む梅雨最中 岸洋子 201812
野鳩らの声くぐもりて梅雨木蔭 窪みち子 201812
肩窄む山茶花梅雨や雨着多色 長崎桂子 あを 201902
思い煩うことなく梅雨の夕陽かな 江口九星 201902
定まらぬ手術の覚悟梅雨じめり 平野無石 201902
東京駅屋根黒々と梅雨晴るる 田中藤穂 201902
地鎮祭の祝詞聞こゆる走り梅雨 治部少輔 201902
梅雨出水避難を拒む母諭し 吉田悦子 201902
梅雨湿り財布の底の古コイン 小笠原妙子 201902
文書改竄なる愚行梅雨に入る 浦川哲子 201902
家系図に新しき名や梅雨青し 渡部恭子 201902
昼のビユッフェ喋りまくって梅雨明ける 仁上博恵 201904
踏ん張って仁王のにらみ梅雨明ける 若泉真樹 201904
梅雨出水音沙汰の無き旧き友 大山夏子 201904
東京の滞在にして梅雨に入る 稲畑汀子 ホトトギス 201906
漆喰の翳にじみだす梅雨の月 鈴鹿呂仁 京鹿子 201906
梅雨傘を買うて句心整へる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
公園に咲くもの嬉々と梅雨かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
梅雨空を掻き混ぜてゐる鳥語かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
梅雨晴を突き刺してゐる天守閣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
梅雨空と鬩ぎ合ひたる日差かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
梅雨寒を払ふ俳句の未来かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
ジャカランダ咲きて明るき梅雨一と日 稲畑汀子 ホトトギス 201906
地震ありぬ加へて梅雨の降りつのる 稲畑汀子 ホトトギス 201906
地震ありしこととて梅雨の一日かな 稲畑汀子 ホトトギス 201906
梅雨晴の青空仕上げ行くために 稲畑汀子 ホトトギス 201906
明るさも暗さも梅雨のものとして 稲畑汀子 ホトトギス 201906
梅雨の旅とて心の荷携へて 稲畑汀子 ホトトギス 201906
用事増えたるを覚悟の梅雨入りかな 稲畑汀子 ホトトギス 201906
梅雨入りせしとは言ふばかりなる日和 稲畑汀子 ホトトギス 201906
あつてなき心構へや梅雨に入る 稲畑汀子 ホトトギス 201906
又誰か転びしと聞く梅雨入りかな 稲畑汀子 ホトトギス 201906
米蒔くも罪とよ一茶梅雨兆す 能村研三 201907
レコードの針が小箱に走り梅雨 青谷小枝 やぶれ傘 201907
病室の白き孤独や梅雨の冷 白井友梨 馬醉木 201907
梅雨の雷頬杖がくんとはづれけり コ田千鶴子 馬醉木 201907
梅雨の蝶晶子の歌碑に止まりぬ 平居澪子 六花 201908
鶏卵の中の空気や梅雨に入る 小島良子 201908
膝に乗る猫の重さや梅雨深し 中山惠子 201908
ひと葉打つ音に始まる梅雨入かな 武川未有 201908
磨る墨のひときはにほふ梅雨の入 佐津のぼる 六花 201908
梅雨明けや空の上には天のあり 山田六甲 六花 201908
水雲院禅峰充道居士梅雨最中 山田六甲 六花 201908
時計塔針の懈怠へ梅雨朝日 定梶じょう あを 201908
店先や梅雨入のむかし赤電話 定梶じょう あを 201908
どんよりの梅雨空席捲群れ烏 七郎衛門吉保 あを 201908
梅雨寒や齢と刃暴走す 七郎衛門吉保 あを 201908
梅雨に入る隅隅までを湿度計 長崎桂子 あを 201908
梅雨晴間鍛冶場に汗を惜しみなく 森なほ子 あを 201908
梅雨晴れや箪笥一棹断捨離す 大日向幸江 あを 201908
梅雨冷のビル牧場にフラミンゴ 田中藤穂 あを 201908
走り梅雨女の喪服くたれたる 瀬川公馨 201908
コミック本並んでゐたり走り梅雨 岩田洋子 201908
もう少し図太く生きよ梅雨穂草 能村研三 201908
みづうみの水面を白く走り梅雨 小原芙美子 風土 201908
空を掃く竹のそよぎも走り梅雨 浅田光代 風土 201908
病名はパーキンソンてふ梅雨期来る 田村すゝむ 風土 201908
礫刑像の足裏を照らす梅雨の燭 大沢美智子 201908
梅雨きのこ朝の路傍にぽこと現れ 千田敬 201908
ひと吹きで消えさうな月梅雨近し 甲州千草 201908
朴葉鮓食うべて美濃の走り梅雨 増成栗人 201908
醜草の畦に息づき走り梅雨 吉田政江 201908
痣となる失態いくつ梅雨青し 渕上千津 201908
天つちの漂ふ匂ひ走り梅雨 犬塚李里子 201908
金糸梅雨さへ心地良き一日 近藤真啓 春燈 201908
梅雨近し夕べは尖る取水塔 栗原完爾 春燈 201908
郷愁の古書肆の匂ひ走り梅雨 木多芙美子 春燈 201908
痩せこけの猫見送りて走り梅雨 秋川泉 あを 201908
梅雨の月河口に近き街灯り 鈴木愛子 201908
青梅雨やガンジー像の脛細し 鈴木愛子 201908
梅雨入やお喋りに行く美容院 飯塚トシ子 201908
富士塚の溶岩尖り梅雨に入る 小島良子 201908
油絵の匂ひの充てる梅雨の部屋 平居澪子 六花 201908
世事多難どんよりに染む梅雨曇 七郎衛門吉保 あを 201908
思はざる素顔を知りし梅雨の雷 コ田千鶴子 馬醉木 201908
梅雨の月手術終へたる眼に探す 田中藤穂 あを 201909
梅雨深む草木受け入れ陰を増す 長崎桂子 あを 201909
梅雨寒の優先席のハイヒール 大日向幸江 あを 201909
梅雨寒や振り子時計の動かざる 加倉井たけ子 201909
梅雨晴の湯島聖堂宥座の器 赤座典子 あを 201909
梅雨空もものかはハーフのアスリート 赤座典子 あを 201909
枝も葉もつめし枇杷の木梅雨の月 秋川泉 あを 201909
梅雨深し枇杷伐採の朝迎ふ 秋川泉 あを 201909
細波のめぐりめぐりて梅雨の鳰 佐藤恭子 あを 201909
梅雨最中子等と下見のランドセル 七郎衛門吉保 あを 201909
梅雨明けて線路の光尖りをり 赤座典子 あを 201909
上り下り全部窓開ける梅雨晴間 長崎桂子 あを 201909
阿彌陀籤折れて曲がりて梅雨穴に 佐藤喜孝 あを 201909
晴るる夜を余さず使ひ梅雨満月 片山煕子 京鹿子 201909
背くらべに伽藍も参入梅雨の空 奥田筆子 京鹿子 201909
ずつしりと梅雨の重たさ嬰を抱く 伊藤希眸 京鹿子 201909
青梅雨の青の際立つ姿焼 高木晶子 京鹿子 201909
梅雨傘の触れあふ竜馬通り古る 丸井巴水 京鹿子 201909
一羽来て二羽で舞ひたつ梅雨の鷺 塩貝朱千 京鹿子 201909
式神に詩嚢の喰はる梅雨の橋 鈴鹿呂仁 京鹿子 201909
引越しの荷の雑然と梅雨に入る 川村欽子 雨月 201909
広辞苑引き出す重み梅雨に入る 岡田正義 雨月 201909
どの部屋もまだ灯の点かず梅雨に入る 中原敏雄 雨月 201909
梅雨霧をまとひ六甲畳なはる 山田天 雨月 201909
漸くの梅雨入早くも明けを待つ 大橋晄 雨月 201909
梅雨入りや鈍い響きの草刈機 篠原敬信 六花 201909
青空も梅雨入り近し雨におひ 菊谷潔 六花 201909
青石の一本橋や梅雨の入り 田尻勝子 六花 201909
梅雨晴間とうとう金の無くなりぬ 出口誠 六花 201909
ゆるキャラと握手してをり梅雨晴間 出口誠 六花 201909
梅雨時の菜飯炊きたる息子かな 出口誠 六花 201909
梅雨の夜たらいがリズム刻みけり 出口誠 六花 201909
梅雨荒ぶ夜やはからずも兵の夢 岡田貞峰 馬醉木 201909
梅雨入りの途端今月了りかな 谷口一献 六花 201909
梅雨の傘持ち込み大仏殿湿る 佐津のぼる 六花 201909
開け閉てに軋む雨戸も梅雨に入る 佐津のぼる 六花 201909
梅雨晴や洪水のごと象の尿 雨宮桂子 風土 201909
梅雨晴や赤子は天を蹴るごとし 雨宮桂子 風土 201909
電話の声遠し雑踏の梅雨湿り 柿沼盟子 風土 201909
梅雨深し酢漬けのビーツ瓶に詰め 柿沼盟子 風土 201909
毎日を真面目に生きて梅雨に入る 熊川暁子 201909
青梅雨の机上に会計報告書 林いづみ 風土 201909
青梅雨の那須野へ発たれ蓑と笠 南うみを 風土 201909
水面には逆さ六甲梅雨晴れ間 田中信行 201909
キーボードに使はざるキー梅雨長し 林昭太郎 201909
狛犬の貌のつぺりと梅雨深し 細川洋子 201909
青梅雨の山迫りくる大糸線 宮内とし子 201909
手配書と並んで待てる梅雨のバス 森岡正作 201909
梅雨闇に曾良の背笈の紐二本 能村研三 201909
送り梅雨曾良随縁の旅にあり 能村研三 201909
梅雨の川鋼のごとき水奔る 能村研三 201909
肩寄する一願地蔵走り梅雨 江島照美 発火点 201909
梟は人間観察梅雨晴間 田中藤穂 201909
嫗二人木地師の里の梅雨入かな 森祐司 201909
梅雨晴間アルパカの目とにらめっこ 大山夏子 201909
梅雨晴れ間列なす人の世蟻もまた 江口九星 201909
是非もなく薬を増やし梅雨に入る 岩崎俊 201909
梅雨なかばなり盆栽の百の棚 増成栗人 201909
縁に座す僧と半刻梅雨の隙 増成栗人 201909
近道や足にからまる梅雨穂草 浅田セツ子 春燈 201909
子等の顔見ては癒ゆるや梅雨の朝 川崎雅子 春燈 201909
指辷るスマホの画面走り梅雨 森清堯 末黒野 201909
手付かずの段ボール箱梅雨に入る 小林紫乃 春燈 201909
ぬれ縁の猫の身ぶるひ梅雨晴間 中澤弘 春燈 201909
留守電の点滅著き梅雨滂沱 山浦紀子 春燈 201909
老犬と頬寄せ合ふや梅雨の月 山浦紀子 春燈 201909
梅雨鴉隔雲亭の昼灯 豊谷青峰 春燈 201909
借景の山並隠す走り梅雨 佐渡谷秀一 春燈 201909
男梅雨弁天橋を渡りけり 荒井慈 春燈 201909
大学芋の蜜ねつとりと梅雨深し 小倉陶女 春燈 201909
三味線の音色も鈍き梅雨湿り 金山雅江 春燈 201909
あかあかと海の日の出や梅雨の晴 小原紀子 末黒野 201909
梅雨入りやゼブラゾーンの傘の列 平野秀子 末黒野 201909
校門に傘を手に待つ梅雨入かな 横路尚子 末黒野 201909
待つといふ刻の長さや梅雨の駅 金山雅江 春燈 201909
梅雨空を駈け抜け友の訃報来ぬ 伊藤由良 末黒野 201909
素つ気無く水脈引く鳥や梅雨寒し 内田梢 末黒野 201909
梅雨籠り無沙汰の筆をとりにけり 小倉陶女 春燈 201909
梅雨きざす筑波の峰の雲重し 山口登 末黒野 201909
干し竿に触るれば湿り梅雨兆す 市川夏子 末黒野 201909
梅雨晴間ひかるものみな光りけり 沼田桂子 春燈 201909
長梅雨に湿る水指遠野焼 宮田豊子 春燈 201909
田をつなぐ小さき木橋梅雨ぐもり 小原紀子 末黒野 201909
さまざまな影をひきずり梅雨深む 豊谷青峰 春燈 201909
梅雨晴や回廊慈悲の説話の図 高埜良子 春燈 201909
ひろげ干す神事の衣裳梅雨晴間 斉藤マキ子 末黒野 201909
せせらぎの梅雨入の音となりしかな 久米憲手 春燈 201909
三味の音のさやかに響く梅雨晴間 中澤弘 春燈 201909
空梅雨の月しらじらと上がりけり 小林文良 春燈 201909
額縁の歪み正すや走り梅雨 安斎久英 末黒野 201909
梅雨晴間雲が雲押すビルの間 安斎久英 末黒野 201909
梅雨寒や跳ぶをためらふ番鳥 安斎久英 末黒野 201909
走り梅雨千葉市の森ヘモノレール 田中臥石 末黒野 201909
折紙の折目合はせて梅雨の隙 三代川朋子 201909
迎へ梅雨本陣脇の竹箒 伊藤隆 201909
梅雨の窓開ければ幹の頼もしや 廣瀬克子 春燈 201909
ひねもすを読書三昧梅雨深し 東木洋子 春燈 201909
泣き言を洗い流して梅雨晴間 渡部恭子 201909
ざぶざぶと梅雨ふかぶかと寺の黙 増成栗人 201909
嬉嬉として鳥鳴く声や梅雨晴れ間 吉宇田麻衣 201909
首都高の車列のろのろ梅雨晴れ間 伊藤昌枝 201909
山寺の加行石段梅雨に入る 中川のぼる 201909
日に風に耐へし石垣梅雨に入る 林未生 201909
梅雨晴間矢印に沿い出口まで 植木やす子 201909
梅雨晴間中に山羊飼う江戸のビル 平野無石 201909
梅雨 →23

 

2022年7月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。