梅 雨 21     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
首洗ひ池の鯉にも梅雨晴間 山田六甲 六花 201807
梅雨晴の須磨霊水に口漱ぐ 山田六甲 六花 201807
木を積んで仏師は梅雨に籠りけり 山田六甲 六花 201807
風神雷神の切手をなめて梅雨籠 山田六甲 六花 201807
みささぎに渡る橋なしひでり梅雨 山田六甲 六花 201807
花眼にも星見えて来し梅雨晴間 山田六甲 六花 201807
梅雨晴間縫うて旅路のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201807
快晴の旅路に梅雨の憂ひなく 稲畑汀子 ホトトギス 201807
世の中は魑魅魍魎や梅雨半ば 稲畑汀子 ホトトギス 201807
梅雨明の待たるる旅路なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201807
梅雨の月満ちて犬山城下かな 稲畑汀子 ホトトギス 201807
梅雨の月音立てずゐて激る河 コ田千鶴子 馬醉木 201807
列島の腹打診する走り梅雨 森村江風 201807
梅雨兆す上野の杜の廃駅跡 能村研三 201807
玻璃戸まできては遠のく梅雨の蝶 田中藤穂 あを 201808
風呂ラジオ壊れて急に梅雨の音 七郎衛門吉保 あを 201808
梅雨に入る歩道に傾斜あるを知る 石森理和 あを 201808
梅雨近し空っぽにする冷蔵庫 秋川泉 あを 201808
梅雨空にビルの先端融け込める 森なほ子 あを 201808
漆喰の壁の鏝跡梅雨に入る 森なほ子 あを 201808
梅雨に入る気象のニュース拠り所 長崎桂子 あを 201808
梅雨つづく香奠いくら包むべく 定梶じょう あを 201808
梅雨の朝窓辺に小さき濡れ雀 篠田純子 あを 201808
涸れ梅雨や猫の「きなこ」は打ち解けず 須賀敏子 あを 201808
欄干を跳ねゆく烏走り梅雨 齋藤朋子 やぶれ傘 201808
純白の雲を遊ばせ梅雨明くる 石本秋翠 馬醉木 201808
うつうつと梅雨入りの一と日雲を見る 富永小谷 馬醉木 201808
大磯のワンマン道路梅雨に入る 松山三千江 春燈 201808
梅雨空に思ひ思ひの傘の花 横山さくら 春燈 201808
訛濃き会話小耳に走り梅雨 大島寛治 雨月 201808
東照宮荒梅雨にしてみくじ引く 伊藤希眸 京鹿子 201808
嫌はれてゐるも生甲斐梅雨茸 丸井巴水 京鹿子 201808
伸びしろを少し残せる梅雨籠り 丸井巴水 京鹿子 201808
走り梅雨青き夜明けのハーブティ 塩貝朱千 京鹿子 201808
フルートより魔笛の調べ梅雨に入る 塩貝朱千 京鹿子 201808
船宿の軒行灯の梅雨あかり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201808
響動もして茅屋たたく男梅雨 秋葉雅治 201808
公園の砂場にシャベル走り梅雨 松本三千夫 末黒野 201808
梅雨に入り木々逞しく枝広げ 城戸ひろみ 雨月 201808
バイオリン顎にひやりと走り梅雨 林昭太郎 201808
青梅雨のけさ踝の尖りかな 辻美奈子 201808
青梅雨の夜は厚肉と赤ワイン 森岡正作 201808
縹渺と梅雨のいかづち師の逝けり 大沢美智子 旬日 201808
梅雨晴や鳩の渦舞ふ九輪塔 大西武士 春燈 201808
水掛けの巣鴨地蔵や走り梅雨 池田節 春燈 201808
虎御前の面輪をさなし梅雨の蝶 浅木ノヱ 春燈 201808
蝶既に高きを忘れ走り梅雨 和田絢子 春燈 201808
休耕田続く車窓や梅雨に入る 安立公彦 春燈 201808
梅雨めくや谿の花々みな白き 小林昌子 馬醉木 201808
梅雨入りかな雉鳩二つむつみゐて 富永小谷 馬醉木 201808
梅雨寒むや病む友ほつと尋ね来し 富永小谷 馬醉木 201808
けものらの眠りを統べて梅雨の月 近藤暁代 馬醉木 201808
梅雨明の空つつ抜けの青さかな 石本秋翠 馬醉木 201808
梅雨晴の風自在なる舟溜り 石本秋翠 馬醉木 201808
九体寺の池の濁りや梅雨の蝶 コ田千鶴子 馬醉木 201808
王仁の墓の朱き柱やはしり梅雨 庄司久美子 201808
竹藪の大きなうねり梅雨時間 加藤みき 201808
薄幸の幼女のノート梅雨しとど 田中藤穂 あを 201808
巫女の鈴チリリと払ふ梅雨湿 森なほ子 あを 201808
サイレンの路地に溢るる梅雨晴間 森なほ子 あを 201808
葛の蔓三つ巴なる梅雨入りかな 南うみを 風土 201808
梅雨明や悲惨な被害いつ癒る 長崎桂子 あを 201809
梅雨明けの陽明門に遊びけり 須賀敏子 あを 201809
虹の色あり梅雨明の水溜り 森なほ子 あを 201809
荒梅雨の未曾有の被害祈るのみ 長崎桂子 あを 201809
九州は梅雨入りプーさん洗おうか はしもと風里 201809
老人のスイングしてる梅雨の夜 波戸辺のばら 201809
後から口笛のくる梅雨の月 頓所友枝 201809
下校の子出てくる出てくる梅雨に入る つじあきこ 201809
梅雨上がる大団円の雲走る 大網健治 201809
病苦より逃れし一年梅雨の月 茂木なつ 春燈 201809
みどり児あやす翁の笑みや梅雨の月 茂木なつ 春燈 201809
走り梅雨腓返りに目覚めけり 平沢惠子 春燈 201809
荒梅雨や坂東一の仁王像 持田信子 春燈 201809
梅雨明けて吹くハーモニカ鳥も鳴き 鈴木としお 春燈 201809
浅草の句碑に慈悲なきをとこ梅雨 鈴木としお 春燈 201809
富士川を下る小舟や梅雨深き 岡村彩里 雨月 201809
嫋やかに庭を廻るや梅雨の蝶 中上馥子 春燈 201809
梅雨明を待たず漢の杖を曳く 石田康明 春燈 201809
繰り出すや梅雨を厭はぬ異邦人 石田康明 春燈 201809
野球場の歓声著く梅雨あがる 河崎國代 春燈 201809
コントラルトの雨音なりき走り梅雨 瀬川公馨 201809
荒梅雨や蛇籠越えゆく水しぶき 後藤眞由美 春燈 201809
仰のけば梅雨満月の雫かな 岩下芳子 201809
梅雨らしくなりて落ち着く暮しかな 森田明成 201809
利腕の戻らぬ術後梅雨ふかし 貞吉直子 馬醉木 201809
梅雨晴間屋敷畑で遊びけり 駒井でる太 馬醉木 201809
梅雨明けて靄立ちつづく山の襞 松田多朗 馬醉木 201809
浮世かな梅雨の出水に足取らる 赤松赤彦 六花 201809
七人の小人がここに梅雨茸 田尻勝子 六花 201809
須磨寺に潮の香の来ぬ梅雨晴間 廣畑育子 六花 201809
平成の荒梅雨河を壊しけり 永田万年青 六花 201809
地獄絵にうすれし亡者走り梅雨 柴田佐知子 201809
もつれつつ垣根越えゆく梅雨の蝶 永田万年青 六花 201809
傘持たぬ猫が我見る梅雨かな 出口誠 六花 201809
峰里の雲上ぐらし男梅雨 和田照海 京鹿子 201809
泣きたくもめそめそせずに男梅雨 遠山悟史 京鹿子 201809
深梅雨や荷解きのやうに村消えて 奥田筆子 京鹿子 201809
利休訪ふ梅雨の傘より寂しづく 村田あを衣 京鹿子 201809
梅雨雲の隙間を通るバイオリン 高木晶子 京鹿子 201809
空瓶のななめに浮きて梅雨の川 佐津のぼる 六花 201809
もめごとは三家三様梅雨ながき 藤岡紫水 京鹿子 201809
小面の微笑張り付く梅雨の壁 藤岡紫水 京鹿子 201809
予報士の語尾は濁さず梅雨に入る 加藤翅英 京鹿子 201809
病室の白く暮れゆく走り梅雨 柴田志津子 201809
人の名の出ぬもどかしさ梅雨晴間 貞吉直子 馬醉木 201809
点滴の光の滴走り梅雨 長谷川祥子 馬醉木 201809
簗壺のうぐひ跳ねつぐ迎へ梅雨 小森泰子 馬醉木 201809
梅雨晴れや伊賀の里にてひとり発ち 三浦純子 201809
コンビニまで傘借りて行く梅雨入かな 坂入妙香 春燈 201809
雅楽流るる九段の森や旱梅雨 石橋邦子 春燈 201809
漆絵の精の抜け出す梅雨の月 中田禎子 201809
梅雨しとど用あり顔の猫が行く 近藤紀子 201809
流るるは人心なれや梅雨鴉 有松洋子 201809
梅雨出水一村すべて崩し去る 川崎雅子 春燈 201809
梅雨晴間俄にふゆる一仕事 溝越教子 春燈 201809
真夜に聞く梅雨の音なり海馬まで 雨村敏子 201809
今日も玉子二つ割る音梅雨入かな 河本由紀子 春燈 201809
梅雨しとど石積み黒む見付跡 岡村彩里 雨月 201809
神宮の杜の静けさ梅雨に入る 岡田正義 雨月 201809
そこしれぬ恐怖まざまざ梅雨明くる 川村欽子 雨月 201809
梅雨豪雨山紫水明押し流し 川村欽子 雨月 201809
禍津日神お恨みまうす梅雨豪雨 川村欽子 雨月 201809
梅雨出水天泣き川泣き橋流る 金森信子 雨月 201809
大阪城も揺れゐる地震や梅雨晴れ間 金森信子 雨月 201809
軽きもの一枚羽織る走り梅雨 三輪温子 雨月 201809
梅雨の傘傾け地震の話など 樺山翠 雨月 201809
重版を窓際に繰る梅雨晴間 長沼佐智 船団 201809
梅雨明の光廻して蹴轆轤 大久保志遼 201809
みんな捨てちゃえ梅雨寒のもろもろ 笹村恵美子 201809
潮の香に梅雨の気配や沖ぐもり 吉田政江 201809
銀磨く布の黒ずみ梅雨晴間 細川洋子 201809
ひかり風整はぬまま梅雨明くる 能村研三 201809
梅雨きのこなぜか気になる小日向氏 粟津さくら 201809
ひとつ覚えふたつ忘るる梅雨の蝶 はしもと風里 201809
梅雨深し猫の眼の中の我れ 松井季湖 201809
蒼空やあつけらかんの男梅雨 植村蘇星 京鹿子 201810
梅雨晴れ間屋根の雀の賑にぎし 小川玉泉 末黒野 201810
いそいそと向かふ古書市梅雨晴間 櫻本武志 末黒野 201810
梅雨晴間窓開け放つ部活部屋 渡辺美智子 末黒野 201810
ばさばさと庭師の鋏梅雨明くる 前川美智子 末黒野 201810
梅雨の蝶陰より出でて陰に消ゆ 前川美智子 末黒野 201810
船頭の塩辛声や梅雨晴間 福田禎子 末黒野 201810
梅雨明くる富士の雲脱ぐ青さかな 和田慈子 末黒野 201810
空梅雨と思へば今日の湿りかな 小池みな 末黒野 201810
梅雨明の犬に引かるる散歩かな 外山節子 末黒野 201810
上弦の長庚供や梅雨晴間 小倉純 末黒野 201810
古民家の絶やさぬ燻し梅雨深み 加藤静江 末黒野 201810
海の紺いよよ深まる梅雨晴間 加藤静江 末黒野 201810
梅雨明の水ひかりたる魚梯かな 石黒興平 末黒野 201810
梅雨冷や眼鏡にうすき指紋跡 石黒興平 末黒野 201810
梅雨寒や校舎は昼を灯ともして 安斎久英 末黒野 201810
海峡をゆるり出船や戻り梅雨 安斎久英 末黒野 201810
梅雨荒れて居座り続く夜半かな 大橋晄 雨月 201810
日本は小さし梅雨雲覆ひたる 大橋晄 雨月 201810
梅雨の傘ポストにかざし投函す 山内四郎 春燈 201810
名刹に国宝幾つ梅雨深き 岡村彩里 雨月 201810
本堂に鳴き龍こもる梅雨寒し 篠崎志津子 六花 201810
そば清はけふ定休日梅雨明ける 柴崎和男 六花 201810
梅雨晴れや年に一度の母の会 佐藤稲子 六花 201810
扁額は隷書体なる梅雨の寺 齋藤朋子 六花 201810
赤松の幹つやつやと梅雨晴間 齋藤朋子 六花 201810
戻り梅雨社務所の巫女の長電話 黒木東吾 六花 201810
洗濯機三回使ふ梅雨晴間 黒木東吾 六花 201810
日本画のやうな庭園走り梅雨 黒木東吾 六花 201810
梅雨の月キャリーケースの音たてて 倉澤節子 六花 201810
梅雨嵐平成の世を思ひけり 延川五十昭 六花 201810
目を合はすことなき会話梅雨寒し 木暮陶句郎 ホトトギス 201810
百年の家の匂ひの梅雨に入る 三村純也 ホトトギス 201810
地下道に光れる梅雨の傘しづく 佐津のぼる 六花 201810
梅雨晴間千手観音指ひらき 笹村政子 六花 201810
梅雨明や小振りに替へる旅鞄 岡村彩里 雨月 201810
今の世の川止め保津の梅雨激し 岡村彩里 雨月 201810
梅雨狂ひや地震の恐怖に慄けり 播磨武子 雨月 201810
荒梅雨のなす術もなき猛威かな 西千代恵 雨月 201810
梅雨に入る無沙汰の友の長電話 桜井知恵子 雨月 201810
梅雨荒るる日本は山と川の国 櫛橋直子 雨月 201810
梅雨夕焼暗くなるまで見てをりぬ 大石喜美子 雨月 201810
純白の制服まぶし梅雨明くる 大石喜美子 雨月 201810
梅雨豪雨いたはり合ひて受話器置く 笹倉さえみ 雨月 201810
一嶺を洗ひ尽して梅雨晴るる 密門令子 雨月 201810
梅雨の滝この世の音を飲み込みぬ 阪上多恵子 雨月 201810
統計上最も早き梅雨明と 橘正義 春燈 201810
上階より梅雨の大川どす黒く 大橋晄 雨月 201810
歌の神に篤と詣でり梅雨の晴 大橋晄 雨月 201810
梅雨明けて梅雨の時候を早忘る 大橋晄 雨月 201810
荒梅雨や人の命を軽々と 大橋晄 雨月 201810
梅雨晴間ひと月戻る良き季候 大橋晄 雨月 201810
梅雨雲の幾重になには被ふかな 大橋晄 雨月 201810
梅雨曇園の芝刈る重き音 森清堯 末黒野 201810
くつきりと馬の鼻筋梅雨夕焼 森清信子 末黒野 201810
骨折の歯痒き暮し戻り梅雨 森清信子 末黒野 201810
鈍色の雲脚沖へ戻り梅雨 安斎久英 末黒野 201810
梅雨寒の大阪の地震友見舞ふ 小倉純 末黒野 201810
野仏へ通せん坊や梅雨きのこ 外山節子 末黒野 201810
甕の塩壺の砂糖も梅雨に入る 林昭太郎 201810
旅馴るる頃は帰りや梅雨湯宿 土田亮 末黒野 201810
梅雨晴間ぶらりなじみの珈琲店 山本茂子 末黒野 201810
空梅雨が雨風となり閉ぢこもる 東秋茄子 京鹿子 201810
説教に耳傾ける送り梅雨 落合幸子 京鹿子 201810
梅雨 →22

 

2022年7月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。