梅 雨 20     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
がうがうと梅雨滝全身重くなる 内山花葉 201709
梅雨深き林は白き花ばかり コ田千鶴子 馬醉木 201709
梅雨寒や一点灯る煙草の火 栗原公子 201709
アイロンの蒸気ゆたかに梅雨に入る 林昭太 201709
梅雨寒や生くる辛さを時として 安斎久英 末黒野 201709
梅雨明の煮汁に躍る落し蓋 池田光子 風土 201709
鴉声さへ明るく響く梅雨晴間 伴秋草 末黒野 201709
樹も草も光り輝く梅雨の晴 高橋正江 末黒野 201709
男梅雨信長公記十六巻 小林共代 風土 201709
何はともミニマリストや梅雨明けぬ 石田朝子 末黒野 201709
梅雨に入る姿見大き試着室 林いづみ 風土 201709
とんとんと下屋歩く音梅雨烏 小川玉泉 末黒野 201709
棕櫚の葉に雨脚荒き男梅雨 前川千代枝 万象 201709
散歩する犬におはやう梅雨晴れ間 山本無蓋 201709
梅雨燕束の間の晴れ気忙しく 山本無蓋 201709
旱梅雨現れし湖底に生ふるもの 大村峰子 万象 201709
饒舌な龍馬の手紙梅雨入りかな 奥井あき 201709
なんとなく赤飯となる梅雨の頃 大坪貞子 万象 201709
吉良邸の狭きを埋む梅雨の傘 奥太雅 万象 201709
梅雨晴れのささら波の音目つむりぬ 鎌田光恵 201709
駅前の足湯に浸る梅雨の晴 坂場章子 201709
花嫁のきりり顔上げ梅雨晴間 和田紀夫 201709
旱梅雨しほしほと苗頭垂れ 大橋晄 雨月 201709
梅雨に入る鯉漆黒と見たるより 小林愛子 万象 201709
黄ばむと見光明とも見梅雨夕焼 浅井青二 雨月 201709
雲に入り雲を抜け出て梅雨の月 大石よし子 雨月 201709
蝦夷梅雨や豊平川を叩く音 田中信行 201709
梅雨満月掠めし雲の一つ三つ 高野昌代 201709
きな臭き国会の答弁走り梅雨 高野昌代 201709
梅雨満月赤し不思議の起こりさう 近藤喜子 201709
梅雨晴間薔薇色の空たまはりぬ 加藤みき 201709
梅雨明けとテレビが報じ空を見る 郭公 やぶれ傘 201709
甲斐駒を眺つつ酌む梅雨晴れ間 郭公 やぶれ傘 201709
山鳩の声のくぐもる梅雨入りかな 浅嶋肇 やぶれ傘 201709
梅雨といふ充電期間明けにけり 高橋将夫 201709
梅雨冷や安価な古書の蔵書印 平居澪子 六花 201709
梅雨の墳濠を隔てて異界めく 平居澪子 六花 201709
荒梅雨や河は危険とカッパの絵 泉一九 やぶれ傘 201709
畳より伝つて来し梅雨の入り 赤松赤彦 六花 201709
梅雨に入り満員電車遣り過ごす 赤松赤彦 六花 201709
背景の濃き絵を選ぶ梅雨入前 岩藤礼子 やぶれ傘 201709
パンダ柄のパンダとなりぬ梅雨晴間 岩藤礼子 やぶれ傘 201709
梅雨空の溶けて落ちるや鎖樋 田尻勝子 六花 201709
軒下の作業着ゆるる梅雨半ば 永田万年青 六花 201709
青梅雨や樹の活きいきと泰然と 永田万年青 六花 201709
梅雨晴間日差しに当てるバスマット 佐津のぼる 六花 201709
梅雨闇の丸屋にひそと義公来る 塩見かず子 京鹿子 201709
梅雨明けてふはり神くる杉木立 鈴鹿仁 京鹿子 201709
柏樹の黒々灯る梅雨入かな 木村傘休 春燈 201709
青梅雨や窓に貼りつく男の子 つじあきこ 201709
サラダさらさら清く正しく梅雨に入る つじあきこ 201709
梅雨晴間マトリョーシカより爪楊枝 たかはしすなお 201709
「尻こすり坂」の矢印梅雨の旅 佐藤玲子 春燈 201709
梅雨寒し傘打つ雨の音しきり 海村礼子 春燈 201709
梅雨の月ちちの育てし松に添う 松井季湖 201709
流木の流木に乗る梅雨出水 赤座典子 あを 201709
梅雨の冷え忘れて興ず海豚ショー 小川玉泉 末黒野 201710
空梅雨の帳尻合はす豪雨かな 宮崎他異雅 末黒野 201710
待ち人も雨も未だなり梅雨曇 宮崎他異雅 末黒野 201710
俳風は如何にと尋ぬ梅雨の席 宮崎他異雅 末黒野 201710
梅雨明の中空憩ふアドバルーン 中谷未知 末黒野 201710
大寺の甍目映し梅雨晴間 原和三 末黒野 201710
梅雨明や鬱の字ぱつとぱらり散り 渕田則子 末黒野 201710
干し物のバベルの塔や梅雨しとど 渕田則子 末黒野 201710
摩天楼の玻璃上りゆく梅雨の月 正谷民夫 末黒野 201710
太宰忌や梅雨蝶二つ縺れゐて 正谷民夫 末黒野 201710
梅雨晴やたんきり飴を刻む音 山口登 末黒野 201710
閑散と夜の仲見世や梅雨の隙 菅野日出子 末黒野 201710
荒梅雨や幣の張りつく路地稲荷 加藤静江 末黒野 201710
見ゆる日の富士この辺り梅雨晴るる 平野みち代 201710
スマホ触る指の湿りや梅雨に入る 今村千年 末黒野 201710
間延びせる鳴声梅雨の牛舎より 石黒興平 末黒野 201710
斥候か見張りか梅雨の鴉二羽 安斎久英 末黒野 201710
児の泣くこゑ児を叱る声旱梅雨 松本三千夫 末黒野 201710
山脈に雲を押しやり梅雨晴間 溝内健乃 雨月 201710
空梅雨はあけてますます夏の空 菊谷潔 六花 201710
深梅雨や画鋲の錆びる告知板 佐津のぼる 六花 201710
いつも来る猫今日は来ず梅雨の月 石川裕子 万象 201710
結界の空を漂ふ梅雨の蝶 芝宮留美子 万象 201710
梅雨深き昼を点して笹を押す 石田厚子 馬醉木 201710
梅雨満月梅雨を忘るるひかりかな 久保村淑子 万象 201710
鎌を鍛(う)つ火花ころがる梅雨の土間 原田しずえ 万象 201710
唐橋や湖水静かに走り梅雨 神田惣介 京鹿子 201710
梅雨の雷うゐのおくやま妻こえて 禰寝瓶史 京鹿子 201710
売れ残るパンの棒立ち走り梅雨 井尻妙子 京鹿子 201710
梅雨の傘選ぶ一本諸事多難 高木晶子 京鹿子 201710
身の枷を解かるるやうに梅雨の果て 北川孝子 京鹿子 201710
梅雨入や雲に隠るる佐姫山 土江 比露 春燈 201710
暗黒エネルギー加速し梅雨の星 水野恒彦 201710
大川の風に太りし梅雨茸 前田美恵子 201710
梅雨明や陰を求むる己が影 林紀夫 春燈 201710
黄泉の扉のうつすら開き梅雨深し 犬塚李里子 201710
梅雨明を告ぐ予報士のワンピース 中島昌子 201710
返り梅雨狭庭早くも生気帯ぶ 臼杵游児 春燈 201710
梅雨空や不吉な予言鴉鳴く 時澤藍 201710
水琴窟三拍置いて梅雨明ける 熊川暁子 201710
梅雨明けか釈迦釈迦釈迦と蝉のこゑ 竹内悦子 201710
あぶな絵の確かどこかに梅雨に入る 直江裕子 京鹿子 201710
梅雨暑し回り舞台の裏表 田村すゝむ 風土 201710
晩年のちらちら梅雨のど真ん中 井尻妙子 京鹿子 201710
梅雨晴れ間風と日ざしを通しけり 東秋茄子 京鹿子 201710
白き蛾のしづかに昇り梅雨満月 小林愛子 万象 201710
こんもりと塩盛る鬼門戻り梅雨 川内谷育代 馬醉木 201710
青不動の眼金色梅雨の闇 大山春江 万象 201710
枯れさうな柳に大き梅雨茸 赤堀洋子 万象 201710
梅雨の蝶息するごとく翅ひらく 中村千久 万象 201710
捨て竿の糸張りゐたる梅雨晴間 笹村政子 六花 201710
梅雨の大川遊覧船は泥を吐き 大橋晄 雨月 201710
雨不足ですがと梅雨入告げてをり 山西商平 ホトトギス 201710
梅雨晴や艀洗ふに汐汲みて 谷村祐治 雨月 201710
百五十三名集ふ梅雨晴問 山田夏子 雨月 201710
山影の濃きに入り込む梅雨穴 遠山みち子 201710
屋根に出て猫顔洗ふ梅雨晴間 岡田正義 雨月 201710
梅雨の鳶杭一本に身を委ね 安斎久英 末黒野 201710
阿羅漢の一尊梅雨の空睨む 田中臥石 末黒野 201710
防ぐ岩せめぐ渓流梅雨晴間 森清信子 末黒野 201710
おにぎり一つカード決済梅雨晴間 甕秀麿 201710
湧く雲と流るる雲や梅雨の月 森清信子 末黒野 201710
鬱鬱と鬱の字のごと梅雨に入る 今村千年 末黒野 201710
梅雨明の青き摩文仁や慰霊の日 梅田武 末黒野 201710
梅雨晴や空に一羽の鳶を置き 成田美代 201710
大絵馬の鬼面のかすれ梅雨の寺 渕田則子 末黒野 201710
隠沼の水のにごりや旱梅雨 小倉純 末黒野 201710
バスケットゴール立つ庭梅雨明くる 稗田寿明 201710
堤防に人の集まる梅雨出水 太田チヱ子 末黒野 201710
梅雨夕焼け声はづまする軒雀 小川玉泉 末黒野 201710
梅雨明けの雲の迷ひや認め印 井尻妙子 京鹿子 201711
己が翳翔たすに迷ふ梅雨の蝶 村田あを衣 京鹿子 201711
洛中図四隅にたまる梅雨の冷え 村田あを衣 京鹿子 201711
自分史にすこしの余白梅雨の果て 北川孝子 京鹿子 201711
梅雨明けや雲の狭間の夕茜 小川玉泉 末黒野 201711
梅雨しとど夜汽車の窓に牛舎の灯 中野大樹 末黒野 201711
佐渡おけさ聞こゆる船や梅雨晴間 赤塚篤子 末黒野 201711
梅雨晴の菜園蝶の三つ巴 小川玉泉 末黒野 201711
梅雨晴や鉛筆削る句座支度 石黒興平 末黒野 201711
木洩れ日の森林浴や梅雨晴間 石黒興平 末黒野 201711
梅雨の明け一枚剥がすメモ用紙 高木晶子 京鹿子 201711
梅雨蝶のメタセコイアをより高く 赤川誓城 ホトトギス 201711
梅雨雲を手放すやうにシーツ干す 井尻妙子 京鹿子 201711
梅雨冷は肩に一枚又一枚 東秋茄子 京鹿子 201711
旅果てる庭の梅雨茸掃き取りて 神田惣介 京鹿子 201711
定年があるかのやうに梅雨明けぬ 濱上こういち 201711
梅雨晴の雀そんなにうれしいか 木村享史 ホトトギス 201712
溜息も梅雨を乗り切る一手段 湯川雅 ホトトギス 201712
梅雨晴間黒部の樹々の匂ひ立つ 窪みち子 201712
梅雨深しどの木も語りそめんとす 岩岡中正 ホトトギス 201712
梅雨満月八百屋お七に追ひ抜かる 田岡千章 201712
隠しごと隠し通して梅雨に入る 田岡千章 201712
保護さるる犬の毛固し梅雨晴間 栗原京子 201712
遠山の押し寄せて来る梅雨入かな 宮井知英 201712
梅雨の入り烏スキップ繰り返し 矢野百合子 201712
梅雨雲を押し拂ひたる劔岳 窪みち子 201712
日本の梅雨想ひ浮ぶやアメリカも雨 水谷直子 京鹿子 201712
梅雨の犬で氏も素性もなかりけり 安住敦 春燈 201712
梅雨のごと芝にしとしと空は青 水谷直子 京鹿子 201712
心にも吃水線がありて梅雨 岩岡中正 ホトトギス 201712
病む君の消息絶えて梅雨深む 木村享史 ホトトギス 201712
病む君を思へば梅雨の憂さなんど 木村享史 ホトトギス 201712
梅雨晴や昼も星ある筈の天 千原叡子 ホトトギス 201712
青梅雨や京の蕎麦屋の自在鉤 北村梢 京鹿子 201801
ひと言を拭ひ切れずに梅雨の雨 西村白杼 京鹿子 201801
青梅雨やうすれし夫の蔵書印 本郷公子 京鹿子 201801
母逝きて旧姓途絶ゆ梅雨の星 宮元陽子 末黒野 201804
太宰忌や梅雨蝶二つ縺れゐて 正谷民夫 末黒野 201804
梅雨明となるか雷鳴轟きぬ 外山生子 末黒野 201804
地下街を過ぎて再び梅雨の傘 磯貝尚孝 清閑 201804
太梁に煤のいろ濃き迎へ梅雨 磯貝尚孝 清閑 201804
梅雨の蝶群青の闇抜けて来る 東英幸 船団 201805
梅雨かどうか手脚ばたばたする運動 中原幸子 船団 201805
走り梅雨体温計を三度振る 中居由美 船団 201805
し残して死ぬっていいな梅雨明ける 中原幸子 船団 201805
青梅雨を駆る信号はずっと青 福岡貴子 船団 201805
消息の如く梅雨明け待たれたる 稲畑汀子 ホトトギス 201806
病む人にせめて梅雨明け待たるる日 稲畑汀子 ホトトギス 201806
東京の梅雨の銀座の四丁目 稲畑汀子 ホトトギス 201806
梅雨荒れて列車不通と連絡来 稲畑汀子 ホトトギス 201806
梅雨晴の昨日の旅のつづきとも 稲畑汀子 ホトトギス 201806
梅雨も又大地の恵みなりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201806
蒼天と梅雨空鬩ぎ合ふ都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
入りたるばかりに今日の梅雨の晴れ 稲畑汀子 ホトトギス 201806
空梅雨に雨乞ふ心ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201806
空どこも梅雨らしくなき朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201806
梅雨晴の木陰に憩ふ心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201806
到着し梅雨の心配なくなりし 稲畑汀子 ホトトギス 201806
家居又楽しむ梅雨と思ひつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201806
走り梅雨蜑のかたへの法華堂 山田六甲 六花 201806
かひ濡れて舟は敦賀の走り梅雨 山田六甲 六花 201806
空梅雨や毬の形の整はず 沼田巴字 京鹿子 201806
一斉に梅雨入りを云ふワイドショー 大日向幸江 あを 201806
走り梅雨お弁当屋は樟の下 小山唄枝 やぶれ傘 201807
桟橋に昼の灯が点く走り梅雨 藤井美晴 やぶれ傘 201807
梅雨明けしことに心を許したる 稲畑汀子 ホトトギス 201807
梅雨明けしこと誰彼に告げてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201807
運転の心ととのふ梅雨の晴 稲畑汀子 ホトトギス 201807
梅雨晴間高速道路空いてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201807
東は空梅雨西は男梅雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
青空と梅雨空鬩ぎ合ふ都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
邑も野も静かに梅雨入り始まりぬ 小林はじめ 六花 201807
都議選の投票終へて梅雨に酌む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
稜線に梅雨明の声聞く三瓶 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
梅雨 →21

 

2022年7月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。