梅 雨 19     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
桟橋に猫車伏せ梅雨の沼 中根美保 風土 201610
梅雨曇り池にぷかりと亀浮かぶ 小山陽子 やぶれ傘 201610
高齢の免許更新梅雨曇り 久世孝雄 やぶれ傘 201610
富士見えぬ東海道や梅雨の空 松村光典 やぶれ傘 201610
遅々として治癒せぬ腕や明けぬ梅雨 本郷美代子 やぶれ傘 201610
団子虫をふとかまひけり梅雨の朝 本郷美代子 やぶれ傘 201610
中天に大き火星や梅雨間近 松本善一 やぶれ傘 201610
踏台にふみだいが要る梅雨の書架 井上菜摘子 京鹿子 201610
傘もてば地下三階も梅雨の街 井上菜摘子 京鹿子 201610
梅雨の駅五人そろふまでが長い 井上菜摘子 京鹿子 201610
明けしかと思ひし梅雨の尚続く 大橋晄 雨月 201610
梅雨霧の車窓夕づき旅果つる 水田壽子 雨月 201610
清正を語りつがれて梅雨の城 佐藤花木 雨月 201610
義民碑に梅雨のうぐひす鳴きしきる 佐藤貞子 雨月 201610
流木に葉の青々と梅雨出水 谷田部栄 万象 201610
をさな子の巻毛に梅雨の湿りかな 久留島規子 万象 201610
踏んばりの緩んできたる梅雨の亀 笹村政子 六花 201610
梅雨の雷勝負どころの待つたかな 松本文一郎 六花 201610
カステラのやうな建売り梅雨の街 原田達夫 201610
玄々と競り合うてをり梅雨の川 原田達夫 201610
梅雨満月はんなりと置く東口 江澤弘子 201610
梅雨しとど国土崩るる報しきり 山内洋光 201610
主峰より渡る轟音梅雨の川 山口ひろよ 201610
橋脚を仇とばかり暴れ梅雨 西村将昭 201610
大空の梅雨の富士干す晴間かな 須藤常央 ホトトギス 201611
梅雨穂草しのびのやうに米寿来る 北川孝子 京鹿子 201611
聞き流すことできぬ性格梅雨長し 甕秀麿 201611
磧覆ふ川の土色梅雨の雷 森清信子 末黒野 201611
滑空の鳶に挑めり梅雨鴉 安斎久英 末黒野 201611
むくろじの青き実落つる送り梅雨 堺昌子 末黒野 201611
梅雨じめり会はねば言葉錆びにけり 太田良一 末黒野 201611
命一つ長梅雨やつと大倭去る 伊藤希眸 京鹿子 201612
老しづか梅雨の火鉢に火を埋けて 安住敦 春燈 201612
梅雨ざす水の佐屋路の水鶏塚 内海良太 青嶺 201612
梅雨の雷父の寝嵩の薄きこと 井上正子 童女 201701
植物園梅雨の鴉の羽折れて 赤堀洋子 万象 201701
蝦夷梅雨の荒磯に甘藻なびきけり 赤堀洋子 万象 201701
梅雨はもうニッチもサッチもブルドッグ 秋山泰 船団 201702
家路ともちがう匂いの梅雨の星 津波古江津 船団 201702
梅雨はもうニッチもサッチもブルドッグ 秋山泰 船団 201702
梅雨晴間赤ちゃん干して河馬干して 鶴濱節子 船団 201702
梅雨の星スカイツリーの硝子窓 山口登 末黒野 201704
鎌倉の梅雨もまたよし段葛 小沼ゑみ子 末黒野 201704
本堂の補修の木の香梅雨晴間 大川暉美 末黒野 201704
荒梅雨の山を削りて降りにけり 片岡さか江 末黒野 201704
下駄箱の上に鍵束走り梅雨 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨の蝶また出直して来ると言ふ 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨鴉噛んで含めるやうに鳴く 中川句寿夫 ここのもん 201705
遅れ馳せながらの文で梅雨に入る 中川句寿夫 ここのもん 201705
空耳に大きな返事梅雨の明け 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨の蝶足手まとひとなりにけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨の漏り急がぬものを探しをり 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨夕焼また明日会へるやうに逝く 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨の蝶出がけの用をことづかる 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨の蝶さうゆっくりもしてをれず 中川句寿夫 ここのもん 201705
鶏のついで走りや梅雨出水 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨入前土間あっさりとしてをきぬ 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨の妻意外なことを聞いてくる 中川句寿夫 ここのもん 201705
ただ祈る梅雨の命の尊しと 稲畑汀子 ホトトギス 201706
惜しまるる命を天に帰す梅雨 稲畑汀子 ホトトギス 201706
長生きもあるがままよと梅雨に処す 稲畑汀子 ホトトギス 201706
川に道沿へば音あり梅雨山路 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨晴をつなぐ二日の旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201706
稿債を心の隅に置きし梅雨 稲畑汀子 ホトトギス 201706
一日晴れ一日降られて梅雨の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨晴の昨日を遠くしたる旅 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨の坂句碑まで辿りつきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201706
はつきりとしない梅雨入りでありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201706
神宮の杜梅雨寒に縮こまり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
梅雨といふ外出心に置きしもの 稲畑汀子 ホトトギス 201706
ひと休みとは梅雨入りせし後のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨晴をつなぐ二日の旅となる 稲畑汀子 ホトトギス 201706
又一人返して来たる梅雨の坂 稲畑汀子 ホトトギス 201706
旅予定次々ありて梅雨に入る 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨の旅らしく降られしことも又 稲畑汀子 ホトトギス 201706
ベランダの修理進みて梅雨の晴 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨といふこと忘れゐし一日かな 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨晴れて汀子に聞くといふ講話 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨一日悲しみ惜しみ祈るのみ 稲畑汀子 ホトトギス 201706
梅雨の朝甘あい紅茶にモーツァルト 川添光代 船団 201707
幾山路越えなほ梅雨に阻まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨の旅昨日を遠くしたる晴 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明の待たるる旅の近づきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明や朝の大気の甦る 稲畑汀子 ホトトギス 201707
東京もやうやく梅雨の明けしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨入りや走り根うねる遊女塚 延川五十昭 六花 201707
梅雨入りや赤城は遠くかすみゐて 延川五十昭 六花 201707
武蔵野の梅雨の晴れ問となりにけり 延川五十昭 六花 201707
梅雨明けし東京の空新しく 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明けて一変したる旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201707
旅多きことも梅雨明有難く 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明の雲の走つてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明といはれ納得したる晴 稲畑汀子 ホトトギス 201707
計画は着々梅雨を乗り切らん 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨荒るる頃旅二つ西東 稲畑汀子 ホトトギス 201707
今日の晴至福の梅雨の旅二日 稲畑汀子 ホトトギス 201707
梅雨明ともう言へさうな旅の晴 稲畑汀子 ホトトギス 201707
久闊の心よ梅雨の荒るるとも 稲畑汀子 ホトトギス 201707
降らるるも諾ふ梅雨の旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201707
筍梅雨完治の傷のうづくかな 片桐てい女 春燈 201707
梅雨明けて百万石の賀の旅へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
梅雨晴れの空へ高枝切り鋏 藤井美晴 やぶれ傘 201708
鯔の子のピシピシ跳んで梅雨曇り 青谷小枝 やぶれ傘 201708
抱けば鳴く玩具の子猫梅雨晴れ間 青谷小枝 やぶれ傘 201708
軽トラの幌に木漏れ日梅雨晴れ間 丑久保勲 やぶれ傘 201708
梅雨ぐもり賽の河原の先は海 大崎紀夫 やぶれ傘 201708
どての味噌甘く匂ふや走り梅雨 大久保志遼 201708
太陽のことに眩しき梅雨晴間 山田天 雨月 201708
動く物のなき梅雨空にうごくもの 窪田佳津子 雨月 201708
焙じ茶を熱く淹れをり梅雨夜明け 田中藤穂 あを 201708
梅雨の蝶去年より煌びやかなり 長崎桂子 あを 201708
空梅雨に川よこたはるダム湖底 七郎衛門吉保 あを 201708
梅雨晴間一茶擬きの雀かな 早崎泰江 あを 201708
玉葱を炒める音や梅雨深し 古川幸子 春燈 201708
指ぬらす水も日毎に梅雨めける 柴崎富子 春燈 201708
梅雨出水耳元に闇うねりけり 山田六甲 六花 201708
人の上測りがたくて梅雨の星 千手和子 馬醉木 201708
梅雨晴間目高すばやく沈みけり 中江月鈴子 201708
梅雨月夜挿芽の菊の立ち揃ひ 千手和子 馬醉木 201708
梅雨の夜の電車の軋み総身に 中江月鈴子 201708
梅雨の空歪めて電車消えにけり 中江月鈴子 201708
梅雨の蝶落ちて再び翔びたたず 中江月鈴子 201708
新しきパソコンは赤梅雨きざす 高橋道子 201708
走り梅雨サラダにかける粉チーズ 植木戴子 201708
梅雨明の月青々と石にあり 山田六甲 六花 201708
梅雨近し藍甕の藍熟戊中 中嶋陽子 風土 201708
渡船屋の小窓閉められ走り梅雨 升田ヤス子 六花 201708
廃校舎梅雨の簷滴なつかしむ 定梶じょう あを 201708
梅雨冷や医院待合室の絵本 田中藤穂 あを 201708
鉄亜鈴梅雨の重さの付いてをり 兵藤恵 201708
梅雨明けと云へど沖縄慰霊の日 赤座典子 あを 201708
梅雨雲の宙へ高飛ぶ海豚ショー 高久正 201708
函船か曳くタグボート梅雨ぐもり 定梶じょう あを 201708
ポンプ小屋ごとに電柱走り梅雨 大島英昭 やぶれ傘 201708
電気屋の横をがうがう梅雨の川 大島英昭 やぶれ傘 201708
梅雨満月金の薄雲かかりをり 田所節子 201708
水入れてアイロン使ふ走り梅雨 田所節子 201708
荒梅雨を耳で楽しむ檜風呂 広渡敬雄 201708
梅雨の雲も梅雨かみなりも奔る奔る 窪田佳津子 雨月 201708
流木のまた流れたき走り梅雨 森岡正作 201708
タクシーは右折レーンヘ走り梅雨 瀬島洒望 やぶれ傘 201708
走り梅雨根津もはづれのなんでも屋 宮内とし子 201708
走り梅雨校庭に砂撒いてあり 辻美奈子 201708
梅雨雲に入りゆく夜間飛行の灯 藤井美晴 やぶれ傘 201708
酒肆にゐて梅雨の気儘と付き合へり 能村研三 201708
梅雨の月そろそろ君と眠ろうか 松井季湖 201709
さす傘のたたみしままや走り梅雨 秋山蔦 春燈 201709
亡き夫の思ひ出手繰る梅雨満月 長谷仁子 春燈 201709
己が身の一語を悔いぬ梅雨寒し 長谷仁子 春燈 201709
荒梅雨や雨漏る音に寝もやらず 雅子 春燈 201709
梅雨晴間蝶は高だか飛びゆけり 海村礼子 春燈 201709
もうひとつ増ゆる吉事や梅雨晴間 佐藤玲子 春燈 201709
電池切れのラジオの音や梅雨うとまし 佐藤玲子 春燈 201709
うつそりと梅雨の満月浮かびけり 尾野奈津子 春燈 201709
名も知らぬ鳥来て梅雨を歌ひけり 尾野奈津子 春燈 201709
季語に無き尾長の映ゆる梅雨の庭 卯木堯子 春燈 201709
御代変はる日の近からむ梅雨の蝶 柴崎甲武信 春燈 201709
山鳩のくぐもる声や梅雨に入る 鈴木静恵 春燈 201709
試行錯誤の一日過ぐるや梅雨ごもり 加藤良子 春燈 201709
百合樹の高き葉風や梅雨晴間 木村傘休 春燈 201709
若武者の連勝記録梅雨晴れ間 七郎衛門吉保 あを 201709
にび色の雲をはらひて梅雨の月 秋川泉 あを 201709
東京の都議選すんで梅雨の星 秋川泉 あを 201709
旅の靴これと定めて梅雨長し 森なほ子 あを 201709
梅雨しぐれ子ら待つ象のすべり台 田中藤穂 あを 201709
目一杯伸ばす関節戻り梅雨 田中藤穂 あを 201709
診療にもう行かなくちや梅雨に入る 赤松赤彦 六花 201709
案じ顔して外を見る梅雨の犬 岩藤礼子 やぶれ傘 201709
角の店消えて明るく梅雨に入る 岩藤礼子 やぶれ傘 201709
梅雨明けや軽くなりたる靴の音 高橋将夫 201709
逆上がり子に教へゐる梅雨晴間 浅嶋肇 やぶれ傘 201709
ぴしぴしり基盤を鳴らす梅雨の夜 郭公 やぶれ傘 201709
束の間のこもれびをゆく梅雨の蝶 菊池洋子 やぶれ傘 201709
深爪のあと梅雨入りとなりにけり 寺田すず江 201709
恵比寿宮大練塀の梅雨じめり 稲岡みち子 雨月 201709
古色帯ぶ銅板屋根の梅雨の宮 稲岡みち子 雨月 201709
軽くなる杖の響きや梅雨明くる 川上恵子 雨月 201709
借りて読む家庭医学書梅雨曇 大石よし子 雨月 201709
朝より家毀つ音走り梅雨 大石よし子 雨月 201709
ききと啼く小芥子の首の梅雨湿り 三木亭 201709
かろやかに罔象は唄ひ梅雨に入る 有松洋子 201709
梅雨晴をながめそのまま眠りたる 大坪景章 万象 201709
雨とんと降らぬ浪速の梅雨あがる 玉置かよ子 雨月 201709
梅雨鴉ゆふべを待たで暮れゆける 窪田佳津 雨月 201709
荒梅雨の北九州を悼むかな 大橋晄 雨月 201709
日本列島激しき雨の梅雨入かな 大橋晄 雨月 201709
傘の骨折れたるままの梅雨入かな 山内洋光 201709
外出の服決めかねる走り梅雨 田原陽一 201709
鳩舎からくるるくくくく走り梅雨 宇都宮敦子 201709
みづうみを圧さんばかりや梅雨の雲 南うみを 風土 201709
湾かけて横雲となる送り梅雨 高橋道子 201709
嵩うすき紙人形や梅雨の月 高橋道子 201709
梅雨夕焼け声はづまする雀どち 小川玉泉 末黒野 201709
梅雨の冷え忘れて拍手イルカショー 小川玉泉 末黒野 201709
飛ぶものの声満つる森梅雨晴間 塩川君子 末黒野 201709
携帯が我を支へる梅雨籠り 石田朝子 末黒野 201709
ははの忌や梅雨入りの蔵王近く見え 田中臥石 末黒野 201709
池の面に水輪広ぐる走り梅雨 安斎久英 末黒野 201709
子等のきて魚板を打てり梅雨晴間 黒滝志麻子 末黒野 201709
街路樹の影帯なして梅雨月夜 猿賀郁子 馬醉木 201709
梅雨 →20

 

2022年7月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。