雀の子 2     201句

龍角寺古墳に遊ぶ雀の子    高島茂

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
路地奥に目立てしますと雀の子 徳田千鶴子 馬醉木 200506
雀の子禽舎の網目出入りして 小林榮子 築港 200506
雀の子友達連れて戻りけり 小田元 六花 200506
雀の子影寄りくればもつともつと 吉田明子 200507
雲ゆくや黄檗山の雀の子 谷村幸子 200507
近づいて口あくばかり雀の子 山下良江 万象 200507
五分毎の飛行機見送る雀の子 東亜未 あを 200507
雀の子一茶の句碑にはづみをり 林和子 万象 200508
ままごとに伺ひ寄り来雀の子 小林恵子 遠嶺 200508
試験圃の畦をきままに雀の子 野々村紫 百鳥 200508
熟れ麦に掴まるあそび雀の子 竹内弘子 あを 200508
雀の子軒を溢れてをりにけり 坊城俊樹 ホトトギス 200509
万太郎句碑に砂浴ぶ雀の子 鈴木千恵子 万象 200509
畑へ敷く藁であそべり雀の子 中川博秋 200509
野良猫の子雀咥へ去りにけり 鈴木竹 200509

 長谷川双魚氏の

天つちに低き句碑なり雀の子

辻恵美子 栴檀 200509
物干しでこつこつおどおど雀の子 沖野貞子 ぐろっけ 200509
子雀の拾ふは何ぞ懐古園 阿部ひろし 酸漿 200509
雀の子ここ鉈仏の音楽寺 江崎成則 栴檀 200510
濡れそぼつとは子雀のやうにかな 岩岡中正 ホトトギス 200512
雀の子争ふことを覚えけり 西谷良樹 春燈 200601
半僧坊の軒の隙間を雀の子 水野加代 万象 200603
戌の日の帯解寺に雀の子 小池槇女 火星 200604
夕凪や砂を浴びゐる雀の子 井山幸子 万象 200604
湯の宿の刺繍畳に雀の子 赤座典子 あを 200604
復元の古代住居や雀の子 神蔵器 風土 200605
雀の子走るプラットホームかな 原田暹 百鳥 200605
霜深く子雀のごと登校す 渡辺章子 200605
燈籠のマリアに群るる雀の子 徳永亜希 馬醉木 200606
公園の水に遊んで雀の子 師岡洋子 ぐろっけ 200606
吉兆のとば口なりし雀の子 岩下芳子 200606
電柱の変圧器から雀の子 安部里子 あを 200606
筆塚の文字筆太に雀の子 宮川みね子 風土 200607
雀の子見てふと憩ふ島めぐり 阿部ひろし 酸漿 200608
島めぐり始めて会ひし雀の子 阿部ひろし 酸漿 200608
新松子雀の朝の声弾み 滝沢伊代次 万象 200610
国宝の堂の出入りや雀の子 橋添やよひ 風土 200701
わが前をピヨンピヨン去らぬ子雀ら 浮田胤子 ぐろっけ 200703
松のこと松に習ひし雀の子 竹内悦子 200704
神楽殿の瓦欠けあり雀の子 山本耀子 火星 200705
雀の子立ち幅跳びをしてをりぬ 濱上こういち 200706
夕日見て一畝跳んで雀の子 中山純子 万象 200707
ドロップ缶ころがつてゐし雀の子 中山純子 万象 200707
舟べりを走り賢き雀の子 中山純子 万象 200707
雀の子門より家に入りけり 保田英太郎 風土 200707
雀の子水かげろふとおしやべりせり 竹内美知子 200707
雀の子耳掻きほどの砂を蹴る 石橋萬里 ぐろっけ 200707
鳩にまじり臆せず遊ぶ雀の子 大橋敦子 雨月 200707
ちょんちょんと籬に遊ぶ雀の子 山口天木 雨月 200707
大仏の御手に来てゐる雀の子 落合絹代 雨月 200707
急がずに大人になれよ雀の子 坂本俊子 200708
雀の子吉良の古井に声こぼす 久田澄子 馬醉木 200710
「あいうえお」分からぬ一人雀の子 宮崎裕子 春燈 200802
東京の土を啄む雀の子 神蔵器 風土 200806
雀の子まだ天辺の風知らず 上谷昌憲 200807
天平の甍にまろぶ雀の子 石原光徳 酸漿 200807
雀の子青邨朗人の句碑にかな 宮川みね子 風土 200809
雨脚に追はれて駆けて雀の子 野路斉子 200808
雀の子遠の朝廷の端にをり 樋口みのぶ 200810
ちりとりを乗り越えてゆく雀の子 中嶋憲武 炎環 200905
子を連れて雀来てをり傘雨の忌 佐藤信子 佐藤信子集 200905
耳遠き母に窓辺の雀の子 佐藤信子 佐藤信子集 200905
金色の観世音菩薩雀の子 神蔵器 風土 200905
子雀の連れ立つてくる日陰の木 井上信子 200906
雀の子土に触るれば跳ねもして 工藤はるみ 風土 200906
ちりぢりにやがて揃ひぬ雀の子 奥山絢子 風土 200906
雀の子東寺の庭に吹かれ跳ぶ 浅田光代 風土 200906
長八の鏝絵の冴えや雀の子 山本浪子 風土 200906
病室に子雀数ふ母の昼 嶋一洋 200906
定刻に来ては餌を乞ふ雀の子 出口賀律子 雨月 200906
雀の子お地蔵様の肩を借り 芝宮須磨子 あを 200906
雀の子転げるやうに朝の寺 芝宮須磨子 あを 200906
明史忌の雀子雀野山空 岩木茂 風土 200907
雀の子まろびよろけつ翔び立てり 本田保 春燈 200907
道に出て驚き易き雀の子 岩藤礼子 やぶれ傘 200906
子雀の巣よりこぼれし着地なる 笠置早苗 火星 200907
子雀の声のみありて日の暮るる 松村光典 やぶれ傘 200907
子雀の胸のふくらみあればよし 山崎靖子 200908
熟れ麦につかまるあそび雀の子 竹内弘子 あを 200908
子雀を二つ咥へて猫戻る 駒形祐右子 万象 200909
雀の子着地にいまだ前のめり 河口仁志 200909
鳴きながら地を啄める雀の子 松本文一郎 六花 200909
潮香る由良比女神社雀の子 小林共代 風土 200911
牧場に仔牛仔羊雀の子 山内なつみ 万象 200911
鶏小屋の屋根が遊び場雀の子 辻知代子 201005
交叉点輪ゴムを拾ふ雀の子 宮崎左智子 201005
子雀や舌つたらずの口答へ 矢口笑子 春燈 201005
豊饒の土くれのあり雀の子 辻美奈子 200605
坪庭に京の空あり雀の子 清部祥子 200605
雀の子母の日向の端つつく 柴田佐知子 201005
デパートの屋上花壇雀の子 中川すみ子 201006
猫の眼を遊ばせてゐる雀の子 相良牧人 201006
雀の子肩幅縮め軒に入る 秋千晴 201006
子雀の餌を食みては首傾げ 古川よし子 風土 201006
子雀の鴉の影に飛び失する 寺岡ひろし 雨月 201006
臥龍松よりこぼれたる雀の子 浜口高子 火星 201006
犬吠や海を背に雀の子 倭文ヒサ子 酸漿 201006
金次郎像が書に倦み雀の子 定梶じょう あを 201006
麒麟舎に身長計あり雀の子 杉浦典子 火星 201007
水ぎはの杭までとんで雀の子 杉浦典子 火星 201007
東京の空より知らぬ雀の子 宮野照子 馬醉木 201008
道灌に首塚胴塚雀の子 林いづみ 風土 201008
砂浴びの子雀庭に梅雨晴間 大房帝子 酸漿 201009
大き虫くはへ思案の雀の子 芝尚子 あを 201009
子雀を遊ばせてゐる休耕田 大崎ナツミ 雨月 201105
天平の甍を辷る雀の子 神蔵器 風土 201106
石流れ木沈むこの世雀の子 間島あきら 風土 201107
雀の子とんとん干飯啄めり 山本町子 風土 201107
地水火風空の中なる雀の子 大畑善昭 201108
子雀やブルドーザーの音近く 田中文治 火星 201108
子雀の出入り忙しき精米所 河内桜人 京鹿子 201110
日蓮の土牢に生れ雀の子 コ田千鶴子 花の翼 201111
隅寺の築地をすべる雀の子 雨宮桂子 風土 201111
濡れ細りなにを啄む雀の子 小林朱夏 201204
お隣りはながき留守なり雀の子 井上信子 201205
枝移る母に遅れて雀の子 渡真利真澄 万象選集 201205
救急車とまる雀の子の鳴いて 佐藤喜孝 あを 201205
反射炉に鋳口焚口雀の子 神蔵器 風土 201205
音もなく人もゐなくて雀の子 竹久みなみ 風土 201205
雀の子残らず立ちて地震の屋根 小林和子 風土 201206
雀の子恐れを知らずはね廻り 柳田晧一 かさね 201207
逆さ鉢底の穴から雀の子 後藤克彦 かさね 201207
よく晴れし音立ててゐる雀の子 柴田佐知子 201207
ひよんの実を吹けば寄りくる雀の子 山田春生 万象 201207
ダ・ヴィンチの像に遊べる雀の子 宮田香 故郷 201207
子雀にもあかんたれゐてごんたゐて 栗山恵子 雨月 201207
松苗の神事畏む雀の子 久保東海司 201208
鬼瓦の口の中なる雀の子 岩下芳子 201208
野放図な子雀もゐて可愛らし 辻直美 201208
雀の子米食はぬ日の小家族 岡澤田鶴 201208
代々の禅寺生まれ雀の子 安永圭子 風土 201208
群青の空よりこぼれ雀の子 西川春子 春燈 201208
子雀の枝を揺らして翔ちにけり 神山市実 やぶれ傘 201209
飛翔する羽のちからや雀の子 中山純子 万象 201209
散歩犬はぐれ子雀追ひてみる 福島松子 ぐろっけ 201211
パンの耳咥へて弾む雀の子 柴田志津子 201304
老松の門前に来て雀の子 井上信子 201305
箒目を三段飛びに雀の子 あさなが捷 201305
パンに凝りパンに飽きたる雀の子 佐藤凉宇子 ろんど 201306
子雀の弾みやまざり城育ち 助口もも 火星 201309
文机の今も窓際雀の子 生田恵美子 風土 201401
雀の子芝をついばみはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 201404
どの道も駅にはじまる雀の子 井上信子 201405
東京の台地ついばむ雀の子 山崎靖子 201405
子雀の混ざりて屋根に鳴けるかな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201405
飯粒を撒けばたちまち雀の子 苑実耶 201406
盲目めしいゆえ落ちたにあらず雀の子 貝森光洋 六花 201406
狂言の屋根をまろびし雀の子 山尾玉藻 火星 201406
子雀よここは野鳥の料理屋ぞ 布施由岐子 末黒野 201407
指折つて初心たふとし雀の子 神蔵器 風土 201407
親を呼ぶこゑの高きや雀の子 西岡啓子 春燈 201407
きらめきで風がひかりの雀の子 神蔵器 風土 201408
子雀と一日遊びて一茶たり 大橋淳一 雨月 201409
芭蕉生家の閾を跳びし雀の子 浜口高子 火星 201410
子雀の人を人とも思はぬ目 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
米粒に転がつて来し雀の子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
駐輪場の一日券や雀の子 柿沼盟子 風土 201505
笹叢の奥に騒立つ雀の子 山本絢子 万象 201506
雀の子確かむるごと部屋覘く 赤座典子 あを 201506
暮るるまで埴輪の視野に雀の子 間宮あや子 馬醉木 201506
萱屋根の苔に弾める雀の子 鎌須賀礼子 万象 201507
足萎への子雀寄り来痩せてをり 篠田純子 あを 201507
子雀の滑り落ちしが飛びたてり 山荘慶子 あを 201507
遊ぶごとパン奪ひあふ雀の子 柴田志津子 201508
ひとつまた石段あがる雀の子 秋山信行 やぶれ傘 201508
子雀に水子の塔の高さかな 西村しげ子 雨月 201508
七三に構へ寄り来る雀の子 岩下芳子 201508
施しの餌に寄りくる雀の子 中島和子 やぶれ傘 201509
天渺々大反射炉や雀の子 神蔵器 風土 201510
柱に吊つて白米三合雀の子 神蔵器 風土 201604
宝もの誰にもやらぬ雀の子 相良牧人 201605
子雀の毬のごとくに落ちにけり 西川みほ 末黒野 201605
松苗の神事かしこみ雀の子 久保東海司 201606
木洩れ日とあそぶ子雀自分流 齋藤厚子 201606
子雀のこゑの聞こゆる庇かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201607
芭蕉堂の辺りちらちら雀の子 山本漾子 雨月 201607
人縫って浅草寺へと雀の子 佐藤恭子 あを 201607
子雀のひよこと顔だす雨上がり 秋山信行 やぶれ傘 201608
境内は子らの遊び場揚雲雀 河原敬子 201608
未だ温き子雀ひろふたなごころ 長谷川信也 万象 201608
独りぼりちの雀迷子か走り梅雨 齋藤晴夫 春燈 201609
子雀にマリーと名付け埋葬す 大日向幸江 あを 201609
天心の墳墓に遊ふ雀の子 内海保子 万象 201610
一茶忌や虚子を恐れぬ雀どち 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
楡大樹根方に弾む雀の子 赤堀洋子 万象 201701
僧庵の雀色どき柚子を捥ぐ 小林千草 馬醉木 201702
下校子の声に飛び散る雀の子 山本漾子 雨月 201705
髭を剃ることも養生雀の子 中川句寿夫 ここのもん 201705
ふだん着で地べたが好きで雀の子 中川句寿夫 ここのもん 201705
お復習に遅れて来たる雀の子 中川句寿夫 ここのもん 201705
庭石をはづみてみせし雀の子 笹村政子 六花 201706
人に馴れ庭に馴れたる雀の子 佐津のぼる 六花 201706
土浴びの親に倣へり雀の子 原田しずえ 万象 201707
群れて来て枝撓はせる雀の子 佐藤まさ子 春燈 201707
子雀のすでに馴れをり鬼瓦 石黒興平 末黒野 201708
杖をつく母に馴れたる雀の子 柴田佐知子 201707
雀の子馬屋の太梁飛び損ね 林陽子 万象 201709
子雀が水遊びする雨上がり 郭公 やぶれ傘 201709
うちの子と呼びゐし雀巣立ちけり 佐藤保子 馬醉木 201710
天平の甍を辷る雀の子 神蔵器 風土 201712
雀の子 →3      

2021年4月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。