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囀や絶えず二三羽こぼれ飛び    高浜虚子

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
能因塚めざして来ては囀れる 井田実代子 雨月 199805
囀りを送落したる薬研掘 神蔵器 風土 199806
解剖の千人塚に囀れり 星佳子 199806
囀つて囀つて歳重ねゆく 吉田島江 火星 199807
囀りの一樹をのこすニユータウン 神蔵器 風土 199807
囀りの霧にとぎれてしまひけり 長沼紫紅 199809
囀やカーリーヘアのしたり顔 金子里美 船団 199811
囀りのひとかたまりを水の上 鷹羽狩行 199904
一劃を占め囀の底となる 稲畑汀子 ホトトギス 199904
構想に囀の庭加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199904
囀に囀重ね神の杜 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
囀やビルの谷間に谺して 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
囀の鎌倉五山忌日寺 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
囀の中のバージンロード行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
囀りや山いただきに昼の月 三代川次郎 俳句通信 199904
囀に寝釈迦の耳の長かりし 樋口英子 朝桜 199904
囀りや寺出てすぐに坂がかり 鷹羽狩行 199905
囀るに尾羽立つるあり回すあり 鷹羽狩行 199905
囀りや葦駄天走りに正子逝く 神蔵器 風土 199905
二つの樹一つに結び囀れり 村越化石 199905
囀にながき黙祷ささげけり 大和田鏡子 俳句通信 199905
營巣にしもと加へて囀れる 中原道夫 銀化 199905
囀や結びもならぬ滝の糸 水内慶太 銀化 199905
口挟む余地なき囀とはなりぬ 野路斉子 199905
はじめから贅を尽くして囀れる 鷹羽狩行 199906
囀りや紅絹の裏地の笛袋 太田寛郎 199906
囀りや瑠璃色の空いつぱいに 中村祐子 199906
囀に目覚め予定のなき日かな 黒川南無観 円虹 199906
應酬にいつか倦むべく囀れる 中原道夫 銀化 199906
引き延ばす刹那刹那や囀れる 青山茂根 銀化 199906
囀降る焚書のがれし魯国の壁 松崎鉄之介 199906
囀に日の振りそそぐ羅漢山 木下節子 俳句通信 199906
囀や浦につき出すみかん山 酒井多加子 俳句通信 199906
囀に睨みの効かぬ鬼瓦 辻のぶ子 俳句通信 199906
囀や杉の香の濃き裏参道 高野清風 俳句通信 199906
帝陵の空に囀る告天子 吉岡久江 火星 199906
囀りや向きさまざまに千社札 中西和 199907
囀りやふと会へさうな森の精 石山惠子 遠嶺 199907
囀りや地に達観の石の黙 三崎由紀子 遠嶺 199907
囀りや真白き郷土資料館 環順子 遠嶺 199907
森林の囀り熱き術後の瞳 佐藤紀生子 海程 199907
親たちは陽の当たる木で囀りぬ 中村裕子 海程 199907
囀りや遍路が菓子を分ち合ふ 飯田眞理子 春耕 199907
文学碑また詩の碑と囀れり 平野静 京鹿子 199907
礼楽の笛の囀る如きかな 松崎鉄之介 199907
梁山の黒風口こくふうこうに囀れり 松崎鉄之介 199907

 孔廟にてガイドの段さん言へるを

囀の鴣鴣子かも知れぬなり

宮津昭彦 199907
囀の濃くなる昼のにはたづみ 木内憲子 199907
囀りや櫟の森に人形展 平万紀子 199908
天平の塔を称へて囀れり 森澤とほる 199908
ズームレンズに囀をとらへけり 勝田公子 199908
水まさる余呉囀のあるばかり 坂井建 ホトトギス 199909
安土城址下天のうちを囀れる 杉山瑞恵 雨月 199909
囀りに鴉声の混じるあみだくじ 金子野生 京鹿子 199909
囀や吉野の朝の晴れて行く 吉村玲子 船団 199909
囀りへ傾けておく猫車 松永典子 船団 199909
囀りにきき耳立てるごはん粒 寺田良治 船団 199909
囀りはアラビア風に変化して 長沼都 船団 199909
大黒の槌より出でて囀れり 丸山海道 風媒花 199910
囀りや刻を費えに人は食ひ 丸山海道 風媒花 199910
考へる像の囀まみれかな 立石萌木 雨月 199911
囀りは合歓の花かも空透けて 小枝恵美子 ポケット 199911
囀は天より落花五山より 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
囀りや小さな恋がふくらんで 今城知子 船団 199912
囀りのどまんなかにて一人なり 津田このみ 月ひとしずく 199912
播半の囀り橋の下からも 鷹羽狩行 200004
囀の声の方角失へり 稲畑汀子 ホトトギス 200004
囀やシート覆へる記念館 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
囀の庭見下して記念館 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
囀の雲へ呼びかけゐるごとし 宮津昭彦 200004
囀の椨の木煙る屋島かな 中島陽華 200005
囀や昼の暗さと明るさと 星野高士 円虹 200005
囀りのあとや小枝もリズム持ち 林翔 200005
囀りに潮どきありし一樹かな 渡辺昭 200005
囀や置いてけ波の船が出て 青木直子 200005
囀にも他意なし毒を盛らないで 丸山佳子 京鹿子 200005
囀りや赤子に指を握らるる 穴澤光江 遠嶺 200005
囀りを心に満たし墨をする 市川英一 遠嶺 200005
囀や小暗くありし石場さま 宮津昭彦 200005
囀りの下に戯る影と影 村越化石 200005
囀の織りなす布のあかからむ 大島康弘 銀化 200005
囀りや話の接ぎ穂失へり 山本潤子 いろり 200005
囀や七抱へある神の樟 山口たけし 俳句通信 200005
囀や潮目とけ合ふ灘ひかり 大森井栖女 馬醉木 200006
囀りや子が引き受けて洗ひもの 小島緑泉 200006
囀りの中にイエスは手足垂れ 福場朋子 200006

  アンネ・フランク・ハウス

囀りや午後も日ささぬ隠れ部屋

福場朋子 200006
囀れりオペラ歌手ほど身を反らし 渡辺昭 200006
囀の膨らんできし椿の木 城尾たか子 火星 200006
囀の中念入りに髭あたる 富田直治 春耕 200006
囀や庭師とながむ朝の庭 福田みさを いろり 200006
囀は女上位のあめのなか 中野辰子 いろり 200006
この一樹囀りしぐれとは言はむ 水内慶太 銀化 200006
入寮日黒板に記し囀れる 江頭信子 馬醉木 200007
囀りの中ゆく全く耳となり 山口伸 海程 200007
囀が衡へし蛙らしき脚 大山文子 火星 200007
囀の杜より風の及びけり 高濱朋子 円虹 200007
囀にたつたひとりでゐる不安 赤川孝子 200007
囀るは鷦鷯のみ奥の院 国分七穂 酸漿 200007
囀 2→      

 

2021年3月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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