巣 立 1     99句

我が視野に滑空したる巣立鳥    磯貝碧蹄館

巣立 古巣 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
天井は一張りの紺鷹巣立つ
岡部玄治
199807
巣立鳥駅舎建て替ふ槌の音
河上麗子
春耕
199807
真青な雨に馴れをり巣立鳥
遠藤タミ子
京鹿子
199808
巣立鳥いま木洩れ日のざんざ降り
仲村青彦
199808
うれに出てなほためらひの巣立鳥
鷹羽狩行
199905
とべとべと枝が囃して巣立鳥
鷹羽狩行
199906
畦草にしばし隠るる巣立鳥
阿久津都子
春耕
199907
ひとしきり巣立ち遊びの黄鶺鴒
関正夫
酸漿
199908
黄鶺鴒淵辺の岩に巣立ちけり
関正夫
酸漿
199908
内科医の燕一族巣立ちけり
関正夫
酸漿
199908
いつせいに孵りし雉の早や巣立ち
郡良子
円虹
199908
孵るなり巣立つが雉の習性と
郡良子
円虹
199908
子燕の巣立ちてよりの海の色
山田暢子
風土
199909
みづうみの漸く晴れて鳥巣立つ
今井妙子
雨月
199909
巣立鳥けふ鳴きながら地を歩む
藤沼真由美
春耕
199909
みとせゆき母校忘れじ巣立ちの日
朝日千尺
船団
199909
娘離れは難し小鳥今日巣立つ
長谷川登美
ぐろっけ
199910
巣立ちせし小鳥見守る塔の屋根
長谷川登美
ぐろっけ
199910
栗の実を草にかくして懸巣立つ
海上俊臣
酸漿
199912
羽根の色空になじみて巣立時
青木直子
200005
鳥巣立つ母の遺品の減りゆけり
吉田島江
火星
200006
中洲まで浮力保ちて巣立鳥
武井清子
200007
一番子巣立ちし燕声あぐる
林敬子
酸漿
200007
つのり来し雨の梢の巣立鳥
鰍澤真佐子
春耕
200007
巣立鳥牧に夕べの風つのる
香川はじめ
春耕
200008
雛巣立つ日や鍋底を磨きゐる
加藤真起子
火星
200009
翡翠の巣立ちに匂ふ山薄荷
岡田貞峰
馬醉木
200010
巣立鳥雨降り出せば巣に戻る
島崎勇作
酸漿
200010
巣立ち終へ古巣見に来る親燕
島崎勇作
酸漿
200010
小刻みに羽根ふるはする巣立鳥
小野誠一
春耕
200010
鷹巣立つ椴松樹海おしひろげ
岡田貞峰
馬醉木
200010
巣立鳥真青な空が待つてをり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200104
これしきの雨に怯まず巣立鳥
小川匠太郎
200104
まなざしに巣立ちの空を与へたる
峯尾文世
銀化
200105
巣立鳥古い林檎の木にとまる
竹内弘子
あを
200105
春スカーフ小さく結び巣立ちけり
小島和子
百鳥
200106
四十雀小雨の中を子の巣立つ
笠原フミ
酸漿
200107
山並の裾に巣を置く巣立鳥
村越化石
200107
底ぬけの青き空なり鳥巣立つ
南敦子
200107
巣立鳥二声鳴いて梅雨空へ
金子八重子
酸漿
200109
落石の転がる岬巣立鳥
足立登美子
春耕
200109
鉄塔に燕の巣立ち整へり
水上博子
船団
200112
枝移る巣立の鳥のおぼつかな
海老澤映草
春耕
200204
巣立つ子の漉きし証書に筆下ろす
登嶋弘信
春耕
200204
山童の巣箱掛け置き巣立ちせり
村越化石
200205
巣立鳥塩桶ならぶ牧の門
皆川盤水
春耕
200205
搦手の湖を木の間に巣立ち鳥
武藤ともお
京鹿子
200206
磯宮の玉垣はしる巣立鳥
渡辺昭
200206
予後の身に巣立ちの鳥の枝渡り
津田経子
火星
200206
かくれ墓つつむ木立や巣立鳥
水谷芳子
雨月
200206
巣立鳥小昼の海女の目の前に
皆川美恵子
春耕
200206
厚き胸こちらに向けて巣立鳥
鷹羽狩行
200207
枝移りして目くばりの巣立鳥
鷹羽狩行
200207
梢ならす風がうながす巣立鳥
遠藤匡子
遠嶺
200207
鳥巣立ち庭の静けさ戻りけり
杉本寛
200207
椋鳥の巣立ちに群れし鴉かな
赤座典子
あを
200207
煌々と渦の海峡鷹巣立つ
中村風信子
馬醉木
200208
鳥巣立つ西行庵の裏山に
鈴木翔子
百鳥
200208
或日ふと巣立ちて巣藁巣に垂るる
小山梧雨
200208
尻振りを巣立ち鶺鴒習ひをり
片山喜久子
雨月
200208
巣立鳥子の青春の白ギター
田下宮子
200209
鵯の子の巣立の朝や梅雨晴間
大野ツネ子
酸漿
200209
胸の斑を誇らかに鷹巣立ちけり
手島靖一
馬醉木
200210
海の日や荒鵜巣立ちの風眩し
益本三知子
馬醉木
200210
巣立鳥アンデルセンの像へ啼く
辰巳比呂史
200211
巣立つには間のある声の下にゐる
伊藤多恵子
火星
200303
金砂磯出の太鼓にさはぐ巣立鳥
杉山たかを
200306
忙しく巣立の時を迎へたり
篠田大佳
あを
200306
子供らの巣立ちのあとの鯛粽
鎌倉喜久恵
あを
200307
鳥巣立つ小学校は授業中
江頭信子
馬醉木
200308
巣立ちしてまづの学びは雲の速さ
豊田都峰
京鹿子
200308
鳥巣立ち雲はたひらに陽はななめ
鈴鹿仁
京鹿子
200308
口あけて餌を待ち居しが早や巣立ち
奥村鷹尾
京鹿子
200308
奈良井の燕家号覚えて巣立つなり
宮津昭彦
200308
燕の子巣立ちは明日か明後日か
近藤豊子
雨月
200308
吹き上ぐる沢風待ちて巣立鳥
藤原たかを
馬醉木
200309
鳴き声を己に浴びせ巣立鳥
小田司
馬醉木
200309
燕の子巣立ちの近き眼を開けて
近藤豊子
雨月
200309
巣立鳥振り返ることなかりけり
萩谷幸子
雨月
200309
小つばめの巣立ちしあとの軒の雨
西村咲子
六花
200309
雨一日巣立ちし燕巣に戻る
林敬子
酸漿
200309
戸袋の鳥巣立ち又ひとりの家
坪井洋子
200309
荒船山あらふねの艫岩ゆゆし瑠璃巣立つ
岡田貞峰
馬醉木
200310
国境のなき大空へ巣立鳥
中村輝子
酸漿
200310
我が視野に滑空したる巣立鳥
磯貝碧蹄館
握手
200403
くちばしを伸べ尾をさばき巣立鳥
鷹羽狩行
200404
嘴太の鴉の騒ぐ巣立どき
下平しづ子
雨月
200406
巣立終へ庭の草木の深みゆく
永見博子
酸漿
200407
巣立鳥たたまれてありパイプ椅子
池崎るり子
六花
200407
鳥巣立つ毅然と不安おりまぜて
長崎桂子
あを
200407
巣立ちたる鴉木の根に鳴き合へり
酒井多加子
雲の峰
200407
軒貸しし燕の巣立ち見とどける
長谷川鮎
ぐろっけ
200407
作業衣の緑十字や巣立鳥
池田冨美
帆船
200408
海光に身を晒しゐる巣立鳥
生出紅南
百鳥
200408
雨の枝の先へ先へと巣立鳥
平子公一
馬醉木
200408
低き軒燕の巣立ち川に沿ふ
長村雄作
栴檀
200409
きりぎしが巣立ちの声を撥ねかへす
伊藤妙
200410
轆轤場の梁の二番子巣立ちたり
佐藤忍
万象
200410
梟の巣立ちて十日出会ひけり
野々村紫
百鳥
200410
巣立 2→      

 

2021年4月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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