鳥の巣      82句

大木や鳥の巣のせて藤かかる   高浜虚子

巣立 古巣 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鳥の巣を正面に見る泊りかな 金子兜太 海程 199808
鳥の巣は森の宝石朝日受く 小澤克己 遠嶺 200008
鳥の巣の下にしばらく夫と佇つ 加藤真起子 火星 200009
木に登り鳥の巣に雛戻しけり 小儀洋子 百鳥 200106
椋鳥の巣を組む雨戸立てしまま 笠原フミ 酸漿 200107
その中の鳥の巣かくし滝凍てぬ 能村登四郎 羽化 200110
鳥の巣の顕はに見ゆる枯葉みち 海老澤映草 春耕 200202
てっぺんに鳥の巣を見せ枯木立 鎌田俊雄 いろり 200202
啄木鳥の巣の漆黒の穴小雪舞ふ 根岸善雄 馬醉木 200204
婆娑と来てあとおだやかに鳥の巣 小林奈々 百鳥 200206
石垣に命知らずの小鳥の巣 山田六甲 六花 200206
鳥の巣を許して樹齢八百年 長田等 200207
荒梅雨に落されたるか小鳥の巣 指尾直子 雨月 200210
小鳥の巣なども落として秋初風 鷹羽狩行 200211
鳥の巣を高きに残し銀杏枯る 大西晶子 百鳥 200303
屋根裏に鳥の巣のある降誕祭 高橋あゆみ 200303
鳥の巣に枝は力を抜いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200304
鳥の巣を要としたる大樹かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200304
鳥の巣のあらはとなりし冬木かな 長谷川守可 百鳥 200304
鳥の巣を映して川の流れけり 大串章 百鳥 200305
遍路みち手にのる鳥の巣を拾ひ 宮坂静生 200305
小鳥の巣ざわわざわわと風吹ける 杉浦典子 火星 200306
ハンガーの鳥の巣あらは冬ざるる 木下節子 雲の峰 200402
鳥の巣に声あり山毛欅の幹の穴 橘澄男 山景 200408
鳥の巣のまん丸二十四番寺 内海保子 万象 200505
梢なる鳥の巣迄も枯れにけり 今瀬剛一 対岸 200505
鳥の巣や目先のものにだまさるる 高橋澄子 200506
鳥の巣に卵の殻の見当たらず 高橋将夫 星の渦 200507
鳥の巣に鳥ゐるといふ思ひ込み 高橋将夫 炎心 200510
鳥の巣へ一本橋を渡りけり 門脇なづな 対岸 200602
鳥の巣にいろいろのもの吹かれけり 野中亮介 馬醉木 200606
鳥の巣の下のポストに用のあり 大山文子 火星 200607
秘密見しかに鳥の巣を見つけたる 稲畑汀子 ホトトギス 200704
手の届かざる鳥の巣に気づきたる 稲畑汀子 ホトトギス 200704
鳥の巣に郵便受をとられけり 浜野桃華 万象 200707
鳥の巣は梢八合の位置にあり 能村研三 200805
何の木の何といふ名の小鳥の巣 杉浦典子 火星 200806
鳥の巣のシルエットとなる茜雲 近藤紀子 200807
鳥の巣へ巡礼の鈴ひびきけり 三枝正子 万象 200808
雀より細身の鳥の巣箱かな 卯木尭子 春燈 200906
鳥の巣をあらはに欅冴返る 夏目満子 酸漿 200906
鳥の巣を仰ぎ足許覚束な 高橋照子 雨月 200907
声ひそめ妻と見てをり小鳥の巣 石原光徳 酸漿 200908
鳥の巣の忘れ物めく落葉樹 森さち子 201002
玉垣をすこし外れし小鳥の巣 井上淳子 火星 201007
鳥の巣を見付けしよりの肩の凝 井上淳子 火星 201007
鳥の巣を抱へし風の大枯木 浜口高子 火星 201104
鳥の巣にビニール紐の吹かれをり 久松和子 万象 201105
鳥の巣に鳥ゐるけはひ夕明り 杉浦典子 火星 201106
鳥の巣の映つてゐたり硝子のビル 杉浦典子 火星 201106
鳥の巣の整うて来し風の中 城孝子 火星 201106
攫はれし鳥の巣箱もなにもかも 服部早苗 201107
鳥の巣の下に不用の木切れ散る 秋千晴 201108
鳥の巣の仕上げに土も運びをり 秋千晴 201108
鳥の巣をこぼれし命抱き移す 大場ひろみ 馬醉木 201110
小鳥の巣産座ととのひお伽めく 酒本八重 201206
爺ちやんが孫に教へる小鳥の巣 前川明子 201207
塵取に拾ひし鳥の巣の軽き 橋本弘子 万象 201209
一湾の波とがりをり小鳥の巣 城孝子 火星 201309
裸木に残る鳥の巣空青き 山崎里美 201404
浜の松高し鳥の巣を乗せて 稲畑汀子 ホトトギス 201404
枝凝りてかぐろきあたり小鳥の巣 竹内弘子 あを 201406
鳥の巣を見上げて歩き出しにけり 涼野海音 火星 201407
鳥の巣を隠すことなき冬欅 齋藤博 やぶれ傘 201504
賀茂川は早寝早起き小鳥の巣 つじあきこ 201506
鳥の巣をかかげて一樹誇らしく 今橋眞理子 ホトトギス 201509
鳥の巣に木々賑はつてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
鳥の巣と思へぬ鳥の巣なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201604
鳥の巣のやがて大樹の一部分 今井肖子 ホトトギス 201605
産毛舞ひあたたかさうな小鳥の巣 安部和子 雨月 201606
モノレールより鳥の巣を真正面 坂場章子 201607
鳥の巣の高さにありし鳥の知恵 柳生清秀 ホトトギス 201612
吉日を半ば信じる小鳥の巣 竹内弘子 あを 201704
鳥の巣の藁が木の根にこぼれをり 渡邊孝彦 やぶれ傘 201705
鳥の巣を外し伐採始まれり 阿部澄 万象 201707
そばへ過ぐ柞の枝の小鳥の巣 齋藤晴夫 春燈 201707
伐りし木へかくも大きな鳥の巣よ 山内碧 201809
草刈ると鳥の巣があり卵あり 岩木茂 風土 201908
椋鳥の巣穴となりし椎の幹 箕田健生 やぶれ傘 201912
鳥の巣を枝に残して枯葉散る 濱野新 やぶれ傘 202002
鳥の巣の一つは空に抱かれて 今橋眞理子 ホトトギス 202109

 

2022年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。