春 禽       112句

春禽の声も万物相の中   富安風生

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

 雀の子  巣立 百千鳥 古巣   巣箱  鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
線刻の弥陀春禽を聞きおはす 朝妻力 俳句通信 199905
くすぐりあうて春禽になるがよし 小川真理子 銀化 200004
春禽の声ととのはぬ御廟道 辻井桂子 俳句通信 200004
春禽になりたがるこゑ父祖の谿 和田照海 京鹿子 200005
春禽や良寛遷化せし村に 春田淳子 俳句通信 200005
騎馬像や春禽の声ほしいまま 福場朋子 200006
春禽の声の雅びや朱雀門 林友次郎 遠嶺 200006
春禽にしばし目を閉づ水門町 辻井桂子 俳句通信 200006
春禽に庭草はすぐ実を結び 仲村青彦 200007
雲わつて春禽こぼる来迎図 神蔵器 風土 200104
春禽に好日の宙はるかなり 宮田津々絵 京鹿子 200106
春禽の鏡の雲へ入りにけり 森猿彦 200107
春禽の欅の枝を揺らしをり 家塚洋子 酸漿 200107
春禽の風をとらへし声あぐる 川上昌子 200202
座禅僧に春禽の声降る如し 高橋正彦 200204
春禽の飛び抜けて木々立ち尽す 大串章 百鳥 200205
春禽の声のぼりくる尾根の道 沢田昌子 春耕 200205
亀島の苔剥がしをり春の禽 川澄祐勝 春耕 200205
大楠の春禽猛る早雲寺 石鍋みさ代 春耕 200206
春禽の餌台に群るる羽の彩 大関とし子 築港 200305
春禽の食パンコの字に耳残す 田中敏文 ぐろっけ 200306
風琴となる春禽の太き喉 祐森彌香 遠嶺 200307
そして昼春禽の声降つてくる 鳴海清美 六花 200307
春禽の砂浴びし身をふくらます 長沼三津夫 200307
春禽の翔ちて野川に光り撒く 波多野葉子 200405
縦横に春禽空を飛び回る 蔵澄茂 築港 200405
春禽の声一山の静寂より 伊藤敬子 遠嶺 200406
春禽の一鳥として鵯一羽 朝妻力 雲の峰 200503
春禽の胸張る形オカリナは 大橋麻沙子 雨月 200505
森に消ゆまで春禽の歩み追ふ 仙石君子 雨月 200505
春禽の山おほらかに札所かな 片山茂子 遠嶺 200506
春禽の我に気付けば高鳴きす 加藤君子 火星 200506
春禽や窓辺に育つヨーグルト 奥田弦鬼 風土 200506
あきらかに春禽となりゐたりけり 柏木去孔 200506
春禽に枝惜しみなき大樹かな 西宮舞 200508
疾風来て杭の春禽攫ひ行く 金山藤之助 200606
疾風来て杭の春禽撰ひ行く 金山藤之助 200606
笛吹の森は春禽溢れしむ 末吉治子 春燈 200607
春禽や稚児の烏帽子のづれゐたり 浜口高子 火星 200607
春禽の梢わたりや読書欲 松本鷹根 京鹿子 200607
春禽や一木となる墓の前 林いづみ 風土 200611
目覚めよしはや春禽の水浴びに 植村よし子 雨月 200706
春禽の杉は木立の聖さま 丸山冬鳳 京鹿子 200706
春禽の小屋根に遊び居る日和 仙石君子 雨月 200707
春禽の胸のふくらみ先師の恩 上林孝子 200708
春禽や三百六十度青空 林いづみ 風土 200806
春禽や羅漢の顔のゆるびたる 川上恵子 雨月 200806
一樹より春禽のこぼれんばかり 岩岡中正 ホトトギス 200807
春禽の声追うてゐる眼かな KOKIA 六花 200809
春禽や富士透き見ゆる恩賜林 岡田満壽美 夢のごとしと 200904
晴るる日の百花に群れる春の禽 岡佳代子 200905
春禽にかつと日の照る羽黒山 山田春生 万象 200906
春禽の声もたてずよ子規の庭 小林玲子 ぐろっけ 200907
羽搏いてゐて春禽の助走かな 小瀧洋子 ろんど 201004
まどろみの野辺に春禽舞ひ降りぬ 小田明美 春燈 201004
春禽の声を見上ぐるふたりかな 藤原若菜 春燈 201006
春禽の明眸の捉へたるもの遙か 藤生昇三 六花 201103
春禽散らし海吼幾重迫り来る 能村研三 201104
軽く往なせと春禽の鳴き交す 渕上千津 201104
春禽の声の途絶えし鳥舎かな 中島玉五郎 201105
山脈型の屋根に春禽ちひろ館 鈴木照子 201106
春禽や燭を継ぎ足す穴稲荷 山田春生 万象 201106
春禽の集ひて空を奪ひ合ふ 間島あきら 風土 201107
春禽や短詩ばかりの小詩集 松本周二 かさね 201205
露座仏や春禽の私語聞き流す 鷹崎由未子 春燈 201206
黐の木に春禽の尾の見え隠れ 上村葉子 風土 201206
春禽の序列正しき路地日和 和田政子 201206
春禽やわがシャッターの追ひきれず 川上久美 ろんど 201206
一休を偲び春禽声弾む 田中浅子 201305
春禽の飛びたつ川のにごりかな 石橋邦子 春燈 201305
春禽の一声欲しき夕日影 池谷鹿次 末黒野 201404
春禽のきらり若冲居士のうへ 浅田光代 風土 201405
春禽やシャワーせはしく弾く朝 峰崎成規 201406
春禽の高みに啼けり義経道 廣畑育子 六花 201406
春禽の軽き声とぶ雨上り 杉浦一子 万象 201407
春禽の陽をころがせる枝移り 高橋あさの 201504
春禽に出入自由や基地の空 松本三千夫 末黒野 201505
春禽に間の抜けし声まじりをり 志方章子 六花 201506
春禽や耳朶に鼻梁に風やさし 松本三千夫 末黒野 201506
春禽の湧ききて句碑の黙ほぐす 黒滝志麻子 末黒野 201506
春禽の動きに眼追ひつけず 小林輝子 風土 201507
春禽の鋭き声届く旅枕 渕田則子 末黒野 201507
首を傾げて春禽となりにけり 岩岡中正 ホトトギス 201509
風柔き日の春禽の声弾み 落合由季女 雨月 201510
春禽の啄みてをり夕日差 井上信子 201604
春禽の声ちりばめて朝の木々 吉田順子 201606
日和得し春禽の声にぎにぎし 吉田きみえ 末黒野 201606
春禽の声にふくらむ神の杜 稲岡みち子 雨月 201606
春禽の声のみ零る一風樹 松本三千夫 末黒野 201607
春禽の一声一山膨らまし 藤代康明 201705
春禽の三羽発ち二羽入る風樹 松本三千夫 末黒野 201706
春禽の碧い声とぶ水の綾 鈴鹿仁 京鹿子 201804
春禽の影を落としぬ友二句碑 松本三千夫 末黒野 201805
春禽や端正の樹を選り好み 松本三千夫 末黒野 201805
春禽や糺の森の静けさに 大石よし子 雨月 201806
春禽は光のつぶて空真青 森清信子 末黒野 201806
日和得て春禽の声にぎにぎし 吉田きみえ 末黒野 201806
春禽や音楽堂の屋根の錆 平沢恵子 春燈 201807
春禽のこゑ澄みわたる牛久沼 石橋邦子 春燈 201905
春禽や騎馬隊練習初めの日 橋添やよひ 風土 201905
春禽のこゑの明るき雑木山 荒井一代 201905
春禽の声を窓辺に佳き目覚め 服部珠子 雨月 201905
春禽の影を離すや風の中 小田嶋野笛 末黒野 201906
囂しき春禽抱く楠大樹 高木邦雄 末黒野 201906
春禽の空の広さに仁徳陵 吉田万喜子 雨月 201907
春禽の即かず離れずビルの影 安斎久英 末黒野 201907
春禽の鳴き継ぐ百代千代八千代 小田嶋野笛 末黒野 201907
春禽や端正の樹を選り好み 安食哲朗 201910
春禽の声や前山膨らみて 大川暉美 末黒野 202005
鳴き交はす春禽の声艶めけり 根本世津 202005
春禽のいさかひてゐる手を出さず 佐藤喜孝 あを 202104
春禽の影うつしけり大玻璃戸 小林共代 風土 202105
春禽の涙のやうに産む卵 川崎真樹子 春燈 202106
春禽となる鳴き合うてゐるうちに 兵藤恵 202204
春禽や明けの明星際やかに 杉山善信 末黒野 202206

 

2023年3月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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