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囀りの美しかりしこと閨に   矢島渚男   木蘭

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
小鳥来て囀りけふの運兆す 安井和恵 201001
囀りに元気を貰ふ厨窓 杉本綾 201004
囀を弾き零るる二三片 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
囀を集め五山の忌日寺 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
囀は二人の為のセレナーデ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
父の如友のごとくに囀れる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
五十年続く忌日に囀れり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
七三のポマードの上囀りぬ 山尾玉藻 火星 201004
囀りのかきくどくかに諭すかに 上原重一 201004
囀りや詩吟の友と意気の合ふ 佐藤健伍 201005
囀の空明けやらぬ寒山寺 中島玉五郎 201005
城跡の山をかたむけ囀れる 滝沢伊代次 万象 201005
過疎なれや囀り空に野に山に 谷渡末枝 万象 201005
囀の下自転車の濡れてをり 城孝子 火星 201005
囀や夫と分け合ふ缶コーラ 矢口笑子 春燈 201005
さへづりや空にもありて水呑場 浅田光代 風土 201005
さへづりのさも律儀なり四十雀 中川悦子 酸漿 201005
囀りの道鉤の手に城下町 小澤淳子 201005
コラボせる一茶とちひろ囀れり 田下宮子 201006
空一枚の力余して囀れる 鴨下昭 201006
木の枝のこぼす囀り海光る 佐藤健伍 201006
囀りや京の老舗の香を焚き 中山静枝 201006
奥山のはちきれさうに囀れり 青野安佐子 201006
囀のなかの碁会所窓開く 名和政代 万象 201006
囀りの森の奥より始まれり 古川京子 万象 201006
囀りの透きとほりたり雨上がる 川口崇子 万象 201006
囀りや延命水はいまそこに 秋葉貞子 やぶれ傘 201006
神木の根瘤隆々囀れり 中条さゆり 201006
囀や赤子何でも口に入れ 苑実耶 201006
囀や昔のままのメロンパン 秋千晴 201006
枝々に影絵のやうに囀れり 中野京子 201006
天地に透き通るごと囀れる 谷岡尚美 201006
囀に目覚めの心寧らぎし 名取袿子 201006
風少し空の五線符囀れる 後條さと子 201006
囀りや朝の一樹の膨らみて 鈴木良戈 201006
囀や木霊吸ひ込む磨崖仏 小張昭一 春燈 201006
花喰鳥囀るとより慟哭す 松本峰春 春燈 201006
町中の一樹膨らみ囀れり 須藤美智子 風土 201006
三々五々と子授け神へ囀れる 東野鈴子 雨月 201006
みささぎに囀りの楽畝傍山 鈴木浩子 ぐろっけ 201006
囀りやわづかに笑まふ磨崖仏 澤井玲子 201006
さへづりや土の切れ味よき鍬に 山本耀子 火星 201006
「家なき子」読む囀の只中に 柳生千枝子 火星 201006
きりもなく囀りつづく四十雀 出中喜久子 酸漿 201006
囀りの校倉ふたつ畏る 佐藤凉宇子 ろんど 201006
囀をこぼさぬやうに句帳閉づ 遠藤実 あを 201006
囀れり飯盒の米炊き上がる 鈴木照子 201007
凭れゐる一樹分なる囀に 湯川雅 ホトトギス 201007
囀の高さ日和の高さかな 根岸善行 風土 201007
囀の高音朝日に届きけり 根岸善行 風土 201007
窓々に囀り聞いて点滴す 東秋茄子 京鹿子 201007
囀りの残れる一樹日照雨降る 安藤久美子 やぶれ傘 201007
囀や時機をみてとは何時の事 辻直美 201007
囀や秀つ枝下枝と棲み分けて 大沢美智子 201007
囀りや手話の子供のリボン揺れ 降幡加津 ろんど 201007
囀りの中に濁声交じりをり 西村将昭 201007
囀や家政婦口笛自在にて 池園二三江 春燈 201007
飛び出でてまた花に入り囀れる 藤原冬人 火星 201007
囀りの始まる一茶の墓の道 江見悦子 万象 201007
シャンパングラス磨く窓辺の囀れる 江木紀子 雨月 201007
囀を佇み聞ける庭の奥 阿部文子 酸漿 201007
囀りや観察路行く爺多弁 羽賀恭子 201008
囀りや暗きにおはす伎芸天 大西八洲雄 万象 201008
囀の山背負ひたり磨崖仏 伊藤美音子 万象 201008
囀に張りつめてをり朝の空 岡野輝子 万象 201008
さへづるに似たる異国語麦の秋 荒井千瑳子 201008
囀りがクラリネットと競ふ丘 高橋大三 ぐろっけ 201008
点眼のあとの瞑想囀れる 嶋田摩耶子 ホトトギス 201010
囀や子らののこせるパンの耳 児玉寛幸 馬醉木 201012
忌日寺弘子子鹿と囀れり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
囀の稜線滑り来る早さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
山越えやシフォンケーキと囀と 瀬川公馨 201104
囀や鍬を棄てたる老農夫 水原春郎 馬醉木 201104
囀りや地にやはらかき木々の影 大橋伊佐子 末黒野 201104
文學部木の間がくれに囀れる 竹貫示虹 京鹿子 201104
囀りをぴたとやめをりこぼれ飛び 杉本綾 201105
そこに尾の見えて囀つづきけり 生田恵美子 風土 201105
囀や大樹の暗きところより 乙坂きみ子 末黒野 201105
囀れり受胎告知を祝ぐごとく 荒井千佐代 201105
囀に浮洲だんだんふくらみ来 西畑敦子 火星 201105
ひらがなの散る香屏風囀れる 西畑敦子 火星 201105
囀にくるまれてゐる雑木山 柴田佐知子 201105
囀の塊となり落ちてきし 柴田佐知子 201105
囀やなにを塗らうか朝の麺麭 中田みなみ 201105
囀や子が執心の万華鏡 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
板切れにメモとる大工囀れり 田下宮子 201106
囀りや笠を目深に大師像 辻知代子 201106
囀りや山のポストヘ木のはがき 鈴木照子 201106
囀や手作り市の店開き 石川かおり 201106
囀や立ち直れないその言葉 森下康子 201106
囀りや轍の跡の新しき 小林朱夏 201106
囀や風の丘なる美術館 村高卯 201106
囀や双子のこゑの見分かざる 鈴木直充 春燈 201106
囀のあふれてをりし雑木山 小山繁子 春燈 201106
囀や池巡る綱ゆるびなし 浜口高子 火星 201106
停電の夜明け大樟囀れる 天谷翔子 火星 201106
吊鐘の無き吾が寺に囀れり 大西八洲雄 万象 201106
囀りに杜のふくらむ真昼どき 小倉正穂 末黒野 201106
囀りに心耳を澄ます雑木山 伊藤由良 末黒野 201106
囀りや街に増えゆく外国語 堤節子 ぐろっけ 201106
囀のはちきれさうな大樹かな 倉嶋しろう ろんど 201106
一城の天より地より囀れり 古賀しぐれ ホトトギス 201107
囀や海岸線は癒えをらず 服部早苗 201107
後円墳囀る鳥の幼稚園 泉田秋硯 201107
囀に足を止むるも縁かな 新堀満寿美 末黒野 201107
全山の傾くほどに囀れり 大木清美子 201107
囀りやこの辺りより漁師町 山田暢子 風土 201107
囀りを入れし厨の水仕事 奥田茶々 風土 201107
囀りの中を機関車向き換へる 内藤三男 ぐろっけ 201107
囀りの瓦落ちたる屋並から 大島英昭 やぶれ傘 201107
用水の流るる音と囀りと 國保八江 やぶれ傘 201107
囀りの寄るや和音と野のひかり 石倉千賀子 ろんど 201107
囀やはづむ一筆書き添へて 水田壽子 雨月 201107
囀へつつこんでゆく手綱かな 山田美恵子 火星 201107
客人に干した布団と囀と 瀬川公馨 201107
囀りや話すること何もなく 白石正躬 やぶれ傘 201108
バス停より学舎一町囀れり 伊東和子 201108
囀も靴音も絶え果てし町 岩岡中正 ホトトギス 201108
囀りの合唱木椅子やや固し 山多暢子 風土 201108
丸太剥く匂ひの中や囀れる 内藤静 風土 201108
囀を十人が聴くヨガに伏し 中尾廣美 ぐろっけ 201108
囀りの杜よりこぼれささら波 中島霞 ぐろっけ 201108
一頻り囀り合うてゐなくなる 新妻奎子 万象 201108
御祓の僧の気合に囀れり 柳澤宗正 万象 201108
音頭とる囀りもあり藻岩山 松川悠乃 ろんど 201108
囀のひとかたまりに移りけり 戸栗末廣 火星 201108
竹薮の膨らむほどに囀りて 熊川暁子 201108
囀りや三つ巴なる鬼瓦 稲垣佳子 末黒野 201108
囀に心いつとき明け渡す 志方章子 六花 201108
壊滅の近づく地球囀れる 蔦三郎 ホトトギス 201109
囀りを耳に遊ばす釣の人 改正節夫 ぐろっけ 201109
小雀の囀り高きプラタナス 松村光典 やぶれ傘 201110
囀や桶にしづめる晒し葛 武井美代子 万象 201110
囀→ 9      

 

2021年3月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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