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母に抱かれてわれまつさきに囀れり    八田木枯

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨あがるらしき囀パンを焼く 宮島宏子 200806
囀のひかりこぼるる森に入る 近藤きくえ 200806
囀や火を待つてをる鵜殿原 中田禎子 200806
囀に唱名のこゑの揃ひけり 内海良太 万象 200806
囀れる樫の高枝を仰け反りて 岡崎春菜 万象 200806
窓を拭く人に親しく囀れり 村越化石 200806
囀や一期一会のプロポーズ 相田和泉 春燈 200806
囀りの佳境ゴッホのひまはりに 片山タケ子 200806
囀や石灰袋真つ二つ 戸栗末廣 火星 200806
囀れる丘の上なる明智塚 伊勢きみこ 火星 200806
囀や極彩色の寺にをり 天谷翔子 火星 200806
囀や朱をきはやかに多宝塔 朝妻力 雲の峰 200806
囀や夫の口笛巧なる 渡辺玄子 酸漿 200806
囀の飛び込む朝の窓明り 加藤利勝 酸漿 200806
樟大樹囀り多き日なりけり 平岡かづを やぶれ傘 200806
囀を聞きつ朝寝や贅独り 能勢栄子 200807
仏足石いま囀の芯にあり 長谷英夫 馬醉木 200807
囀や放哉の文字穏やかに 泉礼子 馬醉木 200807
囀や天に光の湧き立ちぬ 近藤喜子 200807
囀りや内緒ないしよの糸電話 大坂せうじ 200807
囀りの襖絵拝す寺座敷 羽賀恭子 200807
囀にひとりの一日始まりぬ 岡野ひろ子 200807
囀や大夫にこゑの休みの日 杉浦典子 火星 200807
囀に茶室の障子そつと引く 斉藤小夜 風土 200807
父の忌の囀遠くまた近く 小阪喜美子 遠嶺 200807
囀やこずゑこまかに落羽松 服部早苗 200807
囀のリズムが誘ふ睡気かな 川崎光一郎 京鹿子 200807
囀の開山堂となりにけり 柴田良二 雨月 200807
囀りや煙突高き焼却炉 有賀昌子 やぶれ傘 200807
はち切れるほど囀れる大樹かな 藤田宏 200807
向う岸の囀風に千切れ来る 藤田宏 200807
囀やたかだかと子を抱き上げて 山口順子 馬醉木 200808
友次郎偲ぶ学び舎囀れる 大久保白村 ホトトギス 200808
森の径とだえ囀降るばかり 井上浩一郎 ホトトギス 200808
囀りやねんごろに彫る木偶の面 山田春生 万象 200808
囀りや障子に枝の影震ふ 西岡史代 万象 200808
囀りの時に鋭し梅雨の鳥 井上幸子 酸漿 200808
阿夫利嶺の山襞に藍囀れり 坂本緑 幸せのかたち 200808
囀に耳より覚めてゆきにけり 今橋眞理子 ホトトギス 200809
花びらは地に囀は空へ散り 今橋眞理子 ホトトギス 200809
囀の減れば天変地異憂へ 瀧青佳 ホトトギス 200809
囀つて花を散らさむ謀 後藤比奈夫 ホトトギス 200809
逗留を促すやうに囀れり 池田美佐代 200810
気を抜けば曲る背骨や囀れる 高村令子 風土 200811
囀りや蔵の二階の明り窓 片山博介 春燈 200812
囀や宇治十帖のミユージアム 林日圓 京鹿子 200903
囀に目覚めし右脳古書を選る 森永洋子 200904
囀にこらへ切れざる二三片 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
囀に待たれてをりし目覚めかな 鷹羽狩行 200904
囀りや化粧の手順とり違へ 山仲英子 200904
囀やそっと出したる小座布団 遠藤実 あを 200904
囀や川より明けて多摩郡 小野恵美子 馬酔木 200905
囀りや医療検索開くたび 木下もと子 200905
囀や家の柱はみな四角 佐藤喜孝 あを 200905
囀や手長神社へ二百段 東亜未 あを 200905
囀りやカストロ帽の宅配夫 相沢有理子 風土 200905
一山の神を称へて囀れり 柴田佐知子 200905
先まはり先まはりして囀れる 蘭定かず子 火星 200905
囀や仁王眉間の皺ふかく 大城戸みさ子 火星 200905
囀りや一天青き水の上 五ヶ瀬川流一 六花 200905
囀や言ひ遺すこと鳥にても 泉田秋硯 200906
囀や廃墟の石に希臘文字 山下佳子 200906
仮宮の辺りもつとも囀れり 大山文子 火星 200906
囀りのあふるる磴をのぼりけり 山口耕堂 万象 200906
囀や黄色の多き玩具箱 鈴木良戈 200906
囀や荷風の墓のまつとうさ 藤井みち子 200906
試し鳴きして忽ちに囀れり 風間史子 200906
試みし一と声ならむさ囀れり 村上すみ子 200906
囀りや野外音楽堂の椅子 岩木茂 風土 200906
囀の鳥まつすぐに愛唄ふ 和田政子 200906
囀の一つは雉と思ひ聞く 池田倶子 雨月 200906
向変へつ聞く囀りの去りにけり 田中喜久子 酸漿 200906
囀や蹴轆轤の座に誰も居ず 村上絢子 馬醉木 200907
囀や島の白闇とけはじむ 鹿島釣人 炎環 200907
囀の波打つ真中めざめをり 吉田悦花 炎環 200907
囀りの節の強くて木々渡る 渡部磐空 200907
囀や胸にしばらく抱く葉書 数長藤代 200907
囀りに殺し文句のありしやも 菅谷たけし 200907
囀りの中の沈黙モアイ像 高橋将夫 200907
囀りの縁に持ち出し小繕ひ 大原絹子 遠嶺 200907
囀のなかにゐて耳衰ふる 柳生千枝子 火星 200907
晴天に囀いよよかまびすし 片岡良子 雨月 200907
囀りの重なり谷戸を深くして 長井君春 雨月 200907
囀や犬は宝を埋めてをり 秋千晴 200907
囀りの下に手すりを付けてをり 高倉恵美子 200907
囀りや髪を豊かに弁財天 樋口みのぶ 200907
遠近に囀のある木立かな 冨田君代 酸漿 200907
囀や水底の石平らなる 徳井節子 馬醉木 200908
囀りや鏡のうちの山を拭く 久保東海司 200908
裏山に囀絶えず歓喜天 伊藤美音子 万象 200908
囀りや町屋の中の勅願寺 高橋ひろ 万象 200908
囀の底なき空へ消えゆけり 岸野美知子 酸漿 200908
囀りや鍬鎌にある手擦れ艶 守屋井蛙 酸漿 200908
風に乗り囀りの来るはけの道 大音師美代子 ろんど 200908
囀りに不協和音は天機かな 高橋龍 200908
囀のときたまに身をさかさまに 八田木枯 晩紅 200908
囀の枝をはなるゝときけはし 八田木枯 晩紅 200908
囀や起承転結定まらず 柴田歌子 200909
白みゆく窓のほとりに囀れる 永見嘉敏 酸漿 200909
囀りのほそる夕となりにけり 藤井美晴 やぶれ傘 200910
囀を音の虹とも思ひけり 渡部節郎 転舵の渦 200911
囀りや空白の刻旅にあり 小林共代 風土 200911
囀→ 8      

 

2021年3月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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