紅 葉 25    200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
色変へぬ松のくつろぎ紅葉中 平野多聞 202102
古刹への坂の七折れ紅葉晴 高村令子 風土 202102
矢の如く過去となる日々紅葉散る 高村令子 風土 202102
高瀬川一之船入照紅葉 小林共代 風土 202102
土に返る彩の極みや散紅葉 橋添やよひ 風土 202102
散紅葉寂光院の狭き磴 岡本尚子 風土 202102
散紅葉浮かべ「朧の清水」かな 岡本尚子 風土 202102
夕紅葉けんか相手のゐなくなり 志方章子 六花 202102
紅葉して夫居ぬことを思ひ知る 志方章子 六花 202102
箒木紅葉牛車のごとく乳母車 升田ヤス子 六花 202102
世は病んで山野のどかに紅葉かな 菊谷潔 六花 202102
紅葉谷夜は獣の目の数多 三井所美智子 202102
紅葉山スマホに容れて持ち帰る 森なほ子 あを 202102
洛北に偲ぶ若き日草紅葉 安原葉 ホトトギス 202103
祇王寺のさらなり紅葉かつ散りて 和田華凛 ホトトギス 202103
橋渡り押し寄せてくる紅葉かな 浜崎素粒子 ホトトギス 202103
少し酔ひ紅葉渓より戻りけり 浜崎素粒子 ホトトギス 202103
紅葉山笑ひころげて化粧落つ 平野多聞 202103
倭の国の心の風景紅葉づりて 高野昌代 202103
車窓より上総の峡の紅葉狩 田中臥石 末黒野 202103
舞ひ上がるやうに落ちけり散紅葉 斉藤マキ子 末黒野 202103
友禅の模様に染まり渓紅葉 堺昌子 末黒野 202103
八方の名残りの紅葉惜しみけり 堺昌子 末黒野 202103
差潮の川面彩り散紅葉 福田禎子 末黒野 202103
夕日めく丸き箒木紅葉かな 津野桂子 末黒野 202103
紅葉散る登る江戸城天守跡 松川昌義 末黒野 202103
紅葉して我が人生の最終章 志方章子 六花 202103
散紅葉すなはち鯉の浮かびくる 升田ヤス子 六花 202103
紅葉を求め歩いて日の終はる 松村光典 やぶれ傘 202103
若き日の学舎のあと草紅葉 安原葉 ホトトギス 202104
草紅葉風湧きおこる大カール 服部早苗 202104
曲がるたび色の濃くなる紅葉山 山内碧 202104
つり橋の空中散歩谷紅葉 岡美智子 末黒野 202104
羊腸の赤城の坂や薄紅葉 沼崎千枝 末黒野 202104
青空を半分占めて紅葉山 今井康子 202105
人形を預けに寺へ紅葉谷 栗原京子 202105
神域は猫のアジトや夕紅葉 栗原京子 202105
病窓の紅葉明りに揺らぎゐて 押田裕見子 202105
いとけなき緑の中の初紅葉 押田裕見子 202105
散る紅葉払ひて願ふ御賓頭盧 菅野日出子 末黒野 202105
裏文字の透ける聖書や蔦紅葉 能村研三 202107
谿紅葉お礼参りの頭に触れり 竹中一花 202107
み吉野の桜紅葉の頃と聞く 稲畑汀子 ホトトギス 202110
叡山の桜紅葉も遅れゐし 稲畑汀子 ホトトギス 202110
今桜紅葉はじまる吉野かな 稲畑汀子 ホトトギス 202110
曇天を持ち上げてゐる照紅葉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
薄紅葉忌心ほどに染まりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
泥濘を避けて虚子塔草紅葉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
桜紅葉人は孤りで生きられず 沼田巴字 京鹿子 202110
鳶舞ふや寝釈迦のごとき紅葉山 北村操 202110
夕紅葉瀬音は湯の香淡くせる 北村操 202110
薄紅葉時刻みゆく館の庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
散紅葉日に乾きゆく刹那かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
盲者には点字といふもの散紅葉 沼田巴字 京鹿子 202111
柞紅葉すこしの見栄に生かされて 井上菜摘子 京鹿子 202111
立山や紅葉と硫黄地獄谷 七郎衛門吉保 あを 202111
称名滝百丈の壁薄紅葉 七郎衛門吉保 あを 202111
黒部峡断崖絶壁薄紅葉 赤座典子 あを 202111
草紅葉犬の目にもの問はれけり 岩永はるみ 春燈 202112
老いたりと思ふ遅るる紅葉狩 田中臥石 末黒野 202112
山稜のくつきり映えて初紅葉 森清信子 末黒野 202112
源流の小さき産声初紅葉 長尾タイ 末黒野 202112
通院の帰りや小さき紅葉狩 毛利直子 末黒野 202112
紅葉の朱の命うつすや草木染 久島しんの 末黒野 202112
五重塔の見えかくれして薄紅葉 梅津まり子 末黒野 202112
終着の柊野の別れ草紅葉 鈴鹿呂仁 京鹿子 202112
奥の院覗くはならじ紅葉裏 山田六甲 六花 202112
川音は紅葉やつれをしてゐたる 山田六甲 六花 202112
唐揚げの紅葉弁当使ひけり 山田六甲 六花 202112
戻りには丹の濃くありぬ紅葉橋 山田六甲 六花 202112
川音に紅葉のにほふ奥の院 山田六甲 六花 202112
いにしへの行者もかくに紅葉冷 山田六甲 六花 202112
奥の院紅葉の影の裏見たし 山田六甲 六花 202112
散紅葉頭欠かれし石仏 山田六甲 六花 202112
桜紅葉下校チャイムの流れをり 笹村政子 六花 202112
磐梯の裏も表も薄紅葉 須賀ゆかり 202112
初紅葉しかと地球は軌道上 中村重幸 202112
栗駒山は神のカンバス紅葉燃ゆ 金光浩彰 202112
窯元は李朝の流れ初紅葉 関妙子 202112
健気なり行交ふ道の草紅葉 長崎桂子 あを 202112
五色豆ちりばめる如草紅葉 長崎桂子 あを 202112
カロートに紅葉かつ散り兄の入る 七郎衛門吉保 あを 202112
黒部峡断崖絶壁薄紅葉 赤座典子 あを 202112
町筋の紅葉し主婦の立話 長崎桂子 あを 202201
落城の石垣高し草紅葉 渡辺若菜 春燈 202201
薄茶たて下がる女将や柿紅葉 農野憲一郎 春燈 202201
朝冷や庭のコキアの紅葉して 那須禮子 春燈 202201
ガレージの屋根這ふ蔦の紅葉せり 那須禮子 春燈 202201
紅葉・黄葉の重なり合うて樹下冥し 千田百里 202201
紅葉且つ散る鳴き竜の声錆びて 平松うさぎ 202201
風のグリッサンド柿紅葉終章 平松うさぎ 202201
蔦紅葉迷路のやうな美術館 広海あぐり 202201
散紅葉風の画伯の貼り絵めく 澤田英紀 202201
何屋さんだつたの更地草紅葉 坂下成紘 202201
遺句集に紅葉一枚栞とす 山田暢子 風土 202201
境内にハイカー集合初紅葉 高橋まき子 風土 202201
雨となる奥湯河原の薄紅葉 松本胡桃 風土 202201
雨の城てふや久留里の山紅葉 田中臥石 末黒野 202201
枝垂れたる先より桜紅葉かな 加藤静江 末黒野 202201
走り根にそひたる草の紅葉かな 大川暉美 末黒野 202201
風を得て暮色織り込み草紅葉 市川夏子 末黒野 202201
岩肌に光を集む蔦紅葉 大坂正 末黒野 202201
紅葉の彩を話題に俳句会 毛利直子 末黒野 202201
道わたり紅葉かつ散る道に入る 大崎紀夫 やぶれ傘 202201
すかすかの桜紅葉となりにけり 丑久保勲 やぶれ傘 202201
つまづきし児が立ちあがる草紅葉 秋山信行 やぶれ傘 202201
薬医門抜け稲荷社の薄紅葉 渡邉孝彦 やぶれ傘 202201
草の野へ吾のまろぶや草紅葉 菊池和子 京鹿子 202201
からからと陽を巻き上ぐる草紅葉 菊池和子 京鹿子 202201
旅愁かな小諸城址の草紅葉 本郷公子 京鹿子 202201
廃線の錆濃き鉄路草紅葉 石原孝人 京鹿子 202201
誰も来ぬ大きな畑草紅葉 福地タカ 202201
湖をひと廻りして紅葉狩 福地タカ 202201
遠会釈桜紅葉を掃きながら 好川忠延 ホトトギス 202202
富士塚も登れば登山紅葉散る 辻前冨美枝 202202
日の当たる時は短かし紅葉谷 高橋将夫 202202
紅葉散る流派に裏と表あり 三木亨 202202
永観堂消火器足りぬ紅葉かな 出利葉孝 202202
照紅葉白寿の遺影となりにけり 中貞子 202202
日を欲りて伸ばす小枝の紅葉せる 永井惠子 春燈 202202
ケーブルカーの唸る索条山紅葉 佐俣まさを 春燈 202202
散紅葉踏むや心を空にして 高橋寛子 春燈 202202
磴百の空より紅葉時雨かな 田中佐知子 風土 202202
滝つぼの音に散り敷く紅葉かな 笹村政子 六花 202202
紅葉して水かげろふの立つ木膚 笹村政子 六花 202202
紅葉にはすこし早しと山の神 志方章子 六花 202202
ハナミズキの紅葉異郷を想い出す 渡辺節子 202202
恍惚の時の非情や柿紅葉 中川のぼる 202202
夙川の桜紅葉の風に住む 本郷桂子 ホトトギス 202203
紅葉もゆ鬼女を伝奇の鬼首 園部蕗郷 春燈 202203
日に酔ひし紅葉の山も昏れにけり 門伝史会 風土 202203
紅葉狩獣の骨を踏みもして 小原芙美子 風土 202203
紅葉散る河原や寂と石地蔵 岡野里子 末黒野 202203
叡山や紅葉かつ散る大鳥居 森清信子 末黒野 202203
反橋の緋とひびき合ひ照紅葉 石黒興平 末黒野 202203
購ひし墓清めたり紅葉晴 石黒興平 末黒野 202203
玻璃越しの紅葉の映る座卓かな 石黒興平 末黒野 202203
反橋も平橋も朱や紅葉散る 石黒興平 末黒野 202203
透析の合間の窓や紅葉濃き 田中臥石 末黒野 202203
蔦紅葉食器を水に浸けたまま 直江裕子 京鹿子 202203
敷紅葉八十才の見る景色 高木晶子 京鹿子 202203
宇治橋や激流を呑む恋紅葉 菊池和子 京鹿子 202203
将軍塚紅葉あかりの揺れやまず 上野紫泉 京鹿子 202203
誘惑の鬼女に逢ひたき紅葉狩 安原葉 ホトトギス 202204
山歩き紅葉は今日も裏切らず 沼崎千枝 末黒野 202204
ハーレーの単車の列や紅葉狩 板谷俊武 末黒野 202204
何なくも庭一面の散紅葉 浅岡麻實 末黒野 202204
日に透けしいろは紅葉の悪魔的 志方章子 六花 202204
雑念を拭ひ去つたり夕紅葉 小川玉泉 薫風 202205
空中に掴み取つたる散紅葉 志方章子 六花 202205
湖に光集まる紅葉山 高倉和子 202205
歓声の移つてゆきし紅葉狩 松田明子 202205
絡みつつ石垣上る蔦紅葉 大西乃子 202205
指先のささくれ桜紅葉かな 井上和子 202205
キャンバスは茅葺屋根や紅葉降る 今井康子 202205
頬に手の施薬観音薄紅葉 青木朋子 202206
病床のあの子の窓へ照紅葉 押田裕見 202206
吊橋の下より暮るる紅葉狩 栗原京子 202206
手作りの杖束ね置く紅葉寺 栗原京子 202206
日本に帰れば蔦の紅葉かな 山田六甲 六花 202209
みよし野の桜紅葉といふ矜恃 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
横川の忌薄紅葉てふ気品かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
雨上るより薄紅葉てふ主張 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
初紅葉庭園の黙解きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
薄紅葉ドームの屋根を借景に 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
紅葉且散る子等の声弾きつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
蹲踞の足るを知るごと散る紅葉 針谷忠郎 202210
せせらぎの音に愛宕の紅葉づるる 山田六甲 六花 202210
対岸の紅葉蒼天統べてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
渓流に覚めゆく五感初紅葉 甲州千草 202211
生きる哀しみ心に秘めて散る紅葉 沼田巴字 京鹿子 202211
周りにもねぎらふ言葉うす紅葉 西村白杼 京鹿子 202211
峡の風染めゐる雑木紅葉かな 石原孝人 京鹿子 202211
宇宙より地球は青し照紅葉 塙誠一郎 家系図 202211
大鳥居より入りゆく紅葉山 あさなが捷 202211
いつはりのなきが景色や紅葉山 亀田虎童子 あを 202211
渓流のしぶきに染めし紅葉かな 鈴木齊夫 202212
彩りの加減乗除や散紅葉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
紅葉散り敷いて錦絵めく大地 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
木道は沢音ばかり夕紅葉 坂口学 202212
山近く紅葉の彩に合わせ棲む 松本鷹根 京鹿子 202212
紅葉の橋桁高く水滾つ 松本鷹根 京鹿子 202212
志ぐれてふ菓子は大洲に紅葉山 山田六甲 六花 202212
城垣を支ふる黄葉紅葉かな 山田六甲 六花 202212
公園の桜紅葉や踊る子等 西計郎 末黒野 202301
晴の日の鎌倉の谷紅葉かな 佐藤まさ子 春燈 202301
裏山は紅葉の筈や無菌室 和気登 春燈 202301
転勤や満天星紅葉を餞に 中村朋子 春燈 202301
山雨急紅葉も城も一洗ひ 甲州千草 202301
日陰りて川音たかし山紅葉 栗原公子 202301
紅葉かつ散る弘前城の急階段 栗原公子 202301
紅葉且つ散り夕映えを敷き詰むる 峰崎成規 202301
異国文字混じる絵馬あり山紅葉 西井薫美子 202301
紅葉且つ散る十和田湖の乙女像 坂井博 202301
漆紅葉湖底の村に沈まむか 大橋忍 202301
夜叉となるつもり更更薄紅葉 鷺山珀眉 京鹿子 202301
薄紅葉女人堂へのゆるき磴 山田和 京鹿子 202301
門跡の「夢」の書の褪せ薄紅葉 山田和 京鹿子 202301
敗走の途千仞人の渓紅葉 石井一石 京鹿子 202301
大門の紅葉待たずに師の逝かる 寺岡直美 京鹿子 202301
紅葉 → 1

 

2023年11月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。