もみぢ 4           163句

小原女の衣ふるへばもみぢ哉   正岡子規   寒山枯木

紅葉 もみぢ 薄紅葉 濃紅葉 初紅葉 紅葉狩 紅葉且つ散

蔦紅葉 散紅葉  紅葉山 紅葉川 照紅葉 櫨紅葉

蔦紅葉 草紅葉 照葉 柿紅葉 冬紅葉 冬もみぢ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
椅子に座し法話拝聴薄もみぢ 秦和子 201501
岩木嶺の空の深さよぶなもみぢ 杉本光 201501
湖展く桜もみぢの並木果て 松本三千夫 末黒野 201501
山の日の雑木もみぢに酔ひはじむ 豊田都峰 京鹿子 201501
朝もみぢ序として涌きし詩ごころ 鈴鹿仁 京鹿子 201501
もみぢ葉の赤きの囲む塔高し 中川すみ子 201502
老ふたり支へあってのもみぢ坂 福本すみ子 201502
楓もみぢ有終の彩かざしけり 茂木なつ 春燈 201502
異次元へいざなふ小風草もみぢ 大沼遊魚 201502
二上山へ一歩一歩の崖もみぢ 斉藤敬子 万象 201502
直角に曲れば並木もみぢして 塩貝朱千 京鹿子 201502
山上の展望デッキ渓もみぢ 森清信子 末黒野 201502
小さき手に拾ふもみぢの紅ばかり 竹内タカミ 201502
叫けぶが如き唯一本の櫨もみぢ 熊川暁子 201502
みてゐたるいろはもみぢのちりぬるを 熊川暁子 201502
面白き葉団扇楓もみぢかな 園部早智子 ろんど 201502
しばらくは桜もみぢの木洩れ日に 安藤久美子 やぶれ傘 201502
浮もみぢゐるはずといふ錦鯉 佐藤喜孝 あを 201502
銀杏もみぢ光集めて輝けり 尾池喜代 京鹿子 201503
岩肌の片理節理や川もみぢ 村高卯 201503
茶室去る錆朱の帯や草もみぢ 佐藤雄二 万象 201512
吊橋に間隔制限薄もみぢ 鈴木庸子 風土 201512
大仏様ほのと色めくもみぢ雨 岸本順子 京鹿子 201601
川曲に銀杏もみぢの速流れ 佐藤恭子 あを 201601
舞ひ降りて天のもみぢの届くかな 雨宮桂子 風土 201602
十夜鉦いろはもみぢを震はする 渡辺やや 風土 201602
岳かんば袈裟懸けにして蔦もみぢ 長田秀行 万象 201602
銀杏並木右側ばかりもみぢして 藤井美晴 やぶれ傘 201602
板塀のむかうは鉄路はつもみぢ 渡邊孝彦 やぶれ傘 201602
ぼこぼこの走り根踏んで初もみぢ 有賀昌子 やぶれ傘 201602
もみぢ狩夫に引かるる男坂 苑実耶 201602
初もみぢ棚田に昨夜の雨光り 有賀鈴乃 末黒野 201602
捨つるに惜し緋色濃淡櫨もみぢ 長崎桂子 あを 201602
猫はしる背のもみぢ葉落ちもせで 佐藤恭子 あを 201602
点描の技法の如しもみぢ山 田中たつを 雨月 201603
銀杏もみぢ遠心力に身をまかせ 木戸渥子 京鹿子 201603
もみぢ乱舞ハーレーダビツドソン頑固 木戸渥子 京鹿子 201603
千客万来散りたくなくて崖もみぢ 木戸渥子 京鹿子 201603
もみぢ茶屋番傘にある土性つ骨 奥田筆子 京鹿子 201603
宿る木の裾染め上ぐる蔦もみぢ 池田友之 夏雲 201603
はじまりの桜もみぢの黄葉色 松尾龍之介 201611
草もみぢ伽藍の跡にただ礎石 藤井美晴 やぶれ傘 201611
ふゆもみぢ加賀縫箔の能衣装 平松うさぎ 201701
葛もみぢ我楽多市の甕に垂れ 南うみを 風土 201701
犬二頭乗せくるカヌー薄もみぢ 平野みち代 201701
桜もみぢ雨の重さの雫なす 中江月鈴子 201701
弁理師試験合格の子よ冬もみぢ 井上正子 童女 201701
散りそむるもみぢ「てにをは紐鏡」 矢崎すみ子 201701
岸続く限りの紅葉もみぢかな 大橋晄 雨月 201701
大岩の横たふ早瀬崖もみぢ 森清信子 末黒野 201702
もみぢひとひらゆるみだしたる思考力 畑佳与 京鹿子 201702
櫨もみぢ蓬莱橋てふ集荷場 荒井和昭 201702
一山の神の領域もみぢ滝 佐久間由子 201702
山頂の気ままなる風草もみぢ 森清信子 末黒野 201702
塗り文箱に螺釦のもみぢ初時雨 有賀昌子 やぶれ傘 201702
青不動据ゑて一山もみぢせり 角野良生 201703
碧落や冬のもみぢの七重八重 岡野里子 末黒野 201703
命がけで生くる仮の世つたもみぢ 荒井千佐代 201703
散りもみぢ卒塔婆小町の文の数 松井鶴子 京鹿子 201703
命がけで生くる仮の世つたもみぢ 荒井千佐代 201703
くるくるともみぢの一葉メランコリー 岡山敦子 京鹿子 201704
五体に染む女院御所のあをもみぢ 近藤紀子 201708
浄土へとつづく反橋冬もみぢ 中村弘 万象 201708
もみぢ若葉種子にひつそり羽生えて おーたえつこ 201709
バス停のベンチ満席散りもみぢ 大島英昭 やぶれ傘 201711
ゆつくりと雨あがりたる草もみぢ 大島英昭 やぶれ傘 201711
並び行くリュックサックや草もみぢ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201711
もみぢ葉の山賑やかに淋しさう 井上石動 あを 201801
手帖から柿のもみぢ葉落ちかかる 石森理和 あを 201801
腰丈の今年植した柿もみぢ 石森理和 あを 201801
知りそめし恋の色もて初もみぢ 西村白杼 京鹿子 201801
床もみぢ喝采となる炎と艶 鈴鹿仁 京鹿子 201801
京もみぢ愛でしその夜の紅葉鍋 貞吉直子 馬醉木 201801
蔦もみぢ武将の墓を羽交ひじめ 石田野武男 万象 201801
素行の墓に乃木大将の梅もみぢ 篠田純子 あを 201801
もみぢ寺の梵鐘一打吾ここに 中貞子 201802
桜もみぢ医師と患者の握手かな 井上静子 201802
もみぢ寺英語中国韓国語 塩貝朱千 京鹿子 201802
四脚門もみぢ一樹の散華かな 塩貝朱千 京鹿子 201802
初もみぢ高野四郎の鐘いくつ 福島せいぎ 万象 201802
床もみぢ水面もみぢの女院御所 塩貝朱千 京鹿子 201802
もみぢせる山に凭るる駅舎かな 斉藤マキ子 末黒野 201802
中洲へと飛石つたふ冬もみぢ 岡田史女 末黒野 201803
稜線のなだらかとなるもみぢかな 廣畑育子 六花 201803
もみぢもみぢ女院ごころを摺り足に 村田あを衣 京鹿子 201803
黄に紅に冬もみぢ照る道路鏡 小川玉泉 末黒野 201803
冬もみぢ木目の著き堂巡る 田中とし江 201803
日の差して紅葉のさらにもみぢ色 兒玉充代 201804
桜もみぢの勿体ぶつた散りざまよ 木戸渥子 京鹿子 201804
桜もみぢの散りぎは母が消えてゆく 木戸渥子 京鹿子 201804
忍び泣くやうに桜もみぢ降れり 木戸渥子 京鹿子 201804
散るのいや散りたくないと桜もみぢ 木戸渥子 京鹿子 201804
水玉の杖渓谷の青もみぢ 吉武美子 201811
今朝ひらく言の葉ひとつ草もみぢ 熊川暁子 201812
虚と実を一景にして床もみぢ 石原孝人 京鹿子 201901
もみぢせるただ見ほれたる山法師 石森理和 あを 201901
もみぢして落城のごと島燃ゆる 谷陽右 馬醉木 201901
内匠頭も吉良も名君冬もみぢ 篠田純子 あを 201902
石庭に箒目新たもみぢ散る 苑実耶 201902
銃窓は作句アングルもみぢかな 西村白杼 京鹿子 201902
もみぢ葉にならぬ木もあり冬の昼 出口誠 六花 201902
朝の日のあたる木道草もみぢ 貫'井照子 やぶれ傘 201902
初もみぢ誰にも逢はぬ朝の道 中島和子 やぶれ傘 201902
水きらら堀端桜もみぢして 田中藤穂 あを 201902
九条を語る二人に降るもみぢ 井尻妙子 京鹿子 201903
娑羅もみぢ降る人生の曲がり角 山中志津子 京鹿子 201903
三山のもみづる紅葉もみぢかな 橋本くに彦 ホトトギス 201903
もみぢ手の赤きべべ立ち雛の間 久保寺眞佐子 末黒野 201906
白龍の社を隠す青もみぢ 竹中一花 201908
青もみぢ空に小紋の氣息あり 熊川暁子 201908
寝転べば空はキャンバス青もみぢ 竹内悦子 201908
草もみぢ一等賞の牛連れて 柴田佐知子 201912
神鵜句碑成り祝ぎいろ初むる氣多もみぢ 千田百里 202001
饒舌のもみぢ寡黙の杉林 藤原照子 202001
少女羽化はじまる恋のうすもみぢ 西村白杼 京鹿子 202001
さぎ一羽行つたり来たり冬もみぢ 篠田純子 あを 202002
一本のもみぢと私語の増ゆ日暮 安田優歌 京鹿子 202002
百年の重み学舎の冬もみぢ 野田光江 雨月 202002
石垣は砲台跡や冬もみぢ 野田光江 雨月 202002
教会を染めて大地の冬もみぢ 野田光江 雨月 202002
散もみぢしばらく鯉に押されゆく 南うみを 風土 202002
嶺をちに武蔵野暮るる草もみぢ 鈴木愛子 202002
冬もみぢ沈め動かぬ水となる 浅田光代 風土 202002
冬立つ日桜もみぢの入り日かな 菊谷潔 六花 202002
昇仙峡ヘヘアピンカーブ初もみぢ 菅野日出子 末黒野 202002
木曾谷は柞もみぢに水谺 小林昌子 馬醉木 202002
草もみぢ踏むをためらふ畔つづき 安斎久英 末黒野 202002
鬼が火を吹き出すもみぢ大江山 西村白杼 京鹿子 202002
逆臣やもみぢいちまい裏返す 村田あを衣 京鹿子 202002
雑木もみぢ十人十色てふ賛辞 井尻妙子 京鹿子 202003
ふり出しに戻れぬ仔細もみぢ烈し 井尻妙子 京鹿子 202003
笑ひ上戸泣き上戸ゐてもみぢ山 井尻妙子 京鹿子 202003
冬もみぢ虚実は風の渦の中 伊藤希眸 京鹿子 202003
空深き桜もみぢの並木道 松村光典 やぶれ傘 202003
山もみぢ寺の甍のすこし見え 秋山侶行 やぶれ傘 202003
みづうみの朝日の中へ散るもみぢ 川口利夫 ホトトギス 202004
正門も通用門も夕もみぢ 近藤真啓 春燈 202007
名刹の一山包む青もみぢ 植村蘇星 京鹿子 202008
山もみぢ紅たぎる生命かな 伊藤希脾 京鹿子 202101
歩の幅に合はぬ石段草もみぢ 秋山信行 やぶれ傘 202101
武蔵野やもみぢを急ぐ草と樹と 武田未有 202101
もみぢ葉を使ひ足し算教へをり 遠藤泉 202101
口遊む唱歌はもみぢ野ばらの実 滋野暁 末黒野 202102
冬もみぢ散りしく三千夫師の墓前 岡田史女 末黒野 202103
冬もみぢ集めて淵の緋絨緞 堺昌子 末黒野 202103
もみぢ散る風が奏でるやうに散る 遠藤泉 202103
もみぢ散る風が奏でるやうに散る 遠藤泉 202103
ぶだうもみぢワイン五六種試飲して 青谷小枝 やぶれ傘 202103
病院を出て薬局へ冬もみぢ 湯本実 やぶれ傘 202103
赤らみて鳥の足めくもみぢの芽 森なほ子 あを 202105
散らぬ葉は水面に映すもみぢ川 田中とし江 202107
初もみぢ水場の杓の新しく 森清堯 末黒野 202112
落人の里へとつづく草もみぢ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202112
と見かう見先づは近景草もみぢ 植村蘇星 京鹿子 202112
山間の川瀬を流る薄もみぢ 杉山善信 末黒野 202201
櫨もみぢ脚立が立ててありにけり 大島英昭 やぶれ傘 202201
蔦もみぢコンクリートの道を這ひ 藤井美晴 やぶれ傘 202201
草もみぢ舟石棺の黙の声 西村白杼 京鹿子 202201
通ひ路は遠い母里草もみぢ 植田秀子 京鹿子 202201
曇天のいてふもみぢのなほもみづ 篠田大佳 あを 202202
葛もみぢ這ひ廻りをる捨て畑 南うみを 風土 202202
苔庭にもみぢ葉を措く庭師かな 石黒興平 末黒野 202203
木漏日やきらりデュエット青もみぢ 植村蘇星 京鹿子 202208
もみぢ→ 1

 

2022年11月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。