雉 子 3      100句

父母のしきりに恋し雉の声    芭蕉

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
野遊びのこどもに雉子威嚇せり 山田六甲 六花 200804
けたたまし雉子の子守る声響き 山田六甲 六花 200804
三声目は早や遠ざかる雉子谺 西村梛子 馬醉木 200805
雉子啼くや木津の流れに長き橋 谷村幸子 200806
雉子啼くや旧街道の天城越え 木暮剛平 万象 200806
風止みて金切声の雉子鳴けり 鍋田もと枝 200806
番外寺手負ひの雉子のかすれ鳴く 石田野武男 万象 200807
雉子の声栽培記録のペン止める 川合まさお ぐろっけ 200807
雉鳴くやかはたれ時の奥小谷 遠藤和彦 遠嶺 200808
日の中の闇開け放ち雉子鳴く 天野きく江 200808
雉子鳴くや間伐の音はたと止み 塩見治郎 雨月 200810
城跡の山よりひゞく雉子のこゑ 滝沢伊代次 火星 200904
徐行するヘッドライトの先に雉子 仁平則子 200905
一色紙一句の余白雉子啼けり ほんだゆき 馬醉木 200906
囀の一つは雉と思ひ聞く 池田倶子 雨月 200906
天地を震憾させて雉子翔つ 佐藤山人 200907
雉子啼く神割り給ふ岬かな 小林輝子 風土 200907
雉の声まだ聞かぬまま春終る 八木岡博江 酸漿 200907
雉鳴けり森のいよいよ静なる 三村禮子 酸漿 200907
面貌の爆発寸前朝の雉 森理和 あを 200907
胸を張り悠然と雉大向う 森理和 あを 200907
静寂なる湖や雉の啼くゆふべ 遠藤和彦 遠嶺 200908
八十八夜子連れの雉が茶畑に 戸栗末廣 火星 200908
捨畑を起すや雉子の声聞きつ 海上俊臣 酸漿 200908
うたれたる雉子紺碧をちりばめて 梶浦玲良子 六花 200908

 「雉」二十五周年を祝して

切株に一段高き雉子の声

鷹羽狩行 201004
雉一声拓地鎮めの碑裏より 禰寝瓶史 京鹿子 201005
ぷるぷると紅震はせつ雉子の飛ぶ 赤座典子 あを 201005
雉鳴いて田の神様に酒その他 清海信子 末黒野 201006
雉子の尾の畝に触れつつこちら向く 中村恭子 201006
奥山に雉子の啼くはあはれとも 松永房子 201006
悪声の雉子躱はしけり猫車 塩路隆子 201007
雉子啼くや安達ヶ原に鬼女の塚 田下宮子 201007
水分の子守明神雉子鳴く 南宮桂子 風土 201007
アルバムの父の添へ書き雉子の声 小幡喜世子 ろんど 201007
雉子鳴きて竹藪の中静まりぬ 新妻奎子 万象 201007
湧き水のにじむ山径雉蓆 熊切光子 末黒野 201008
朝雉子や手押しポンプの水溢れ 伊藤美音子 万象 201008
低木林雉の親子がそろり出る 武智恭子 ぐろっけ 201008
風見ゆる植田の畦よ雉子歩む 清水伊代乃 酸奬 201008
畦走り雉子墓苑へ消えゆけり 柳田和子 酸奬 201008
抱卵の雉子の瞼を日の跨ぐ 梶浦玲良子 六花 201103
義経の落ち行きし径雉子鳴く 藤見佳楠子 201105
嬬恋のこゑ火のごとし夕雉子 ほんだゆき 馬醉木 201105
雉が啼く天上天下乱れけり 荒木甫 201105
雉の子に朝の散歩の道変へる 青野安佐子 201105
林道を閉ざす鎖や雉の声 廣瀬雅男 やぶれ傘 201105
雉飛ぶや中洲のねぐら暮れなずむ 渡辺安酔 201106
雉子啼いて間もなくのこと巨き地震 大畑善昭 201106
だしぬけに雉の羽音や古墳道 乙坂きみ子 末黒野 201106
夜もすがらつづく余震や雉子啼く 亀卦川菊枝 末黒野 201106
暁の庭に出づれば雉子鳴けり 川原典子 酸漿 201106
雉鳴きて甲斐の山河を目醒めさす 刈米育子 201107
雉の来てざわめき起こる里鴉 長瀬節子 ぐろっけ 201107
前山に雉子の声聞く日和かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201107
畑中を過る雉子の背の光 網野茂子 酸漿 201107
雉子鳴いて平群の叔母の逝きにけり 谷村幸子 201107
雉子の声山河を連れて消えにけり 古川忠利 ろんど 201108
雉子鳴いて父のゐさうな畑かな 市川伊團次 六花 201204
草を出し雉の尾羽は天を指す 宮井知英 201205
地震より一瞬早き雉子の声 高島三郎 万象選集 201205
雉子の母戦へる声遠くより 山田六甲 六花 201205
雉子のこゑ飛鳥仏守る堂小さし 藤原照子 201206
アルバムの父の添へ書き雉の声 小幡喜世子 万華鏡 201206
朝散歩いつもの雉子の待ちてをり 谷口俊郎 201207
雉子なく飛鳥大字栢森 コ町千鶴子 馬醉木 201207
雉子鳴くや銃身重き火縄銃 倉谷紫龍 万象 201207
うつしとはお色直しよ雉子鳴けり 延広禎一 201207
雉打ちの岬に逢ひし孔雀とか 寺岡ひろし 雨月 201208
雉子啼く畑の中の芭蕉句碑 北崎展江 くりから 201209
孤独なる吾と雉子の川隔つ 古川忠利 ろんど 201211
朝富士を突き放したる雉子の声 田中貞雄 田中貞雄句集 201301
雉ふたつ駆けるごとくに飛立ちぬ 松本周二 かさね 201305
雉子鳴くや身を立て直す誕生日 石田厚子 馬醉木 201305
茂みよりつぎつぎ出づる雉の子 亀田やす子 ははのこゑ 201306
雉鳴いて寺へのみちの丘がかり 豊田都峰 京鹿子 201306
雉の鳴く裏山の辺の雑木みち 豊田都峰 京鹿子 201306
雉子過ぎる代田眼下にしてをれば 山田六甲 六花 201306
雉子啼くや頬の紅きに耐へかねて 梶浦玲良子 六花 201306
ひよどり越舗道を歩く番ひ雉 品川鈴子 ぐろっけ 201402
湖を見てゐて雉子を聞き逃す 山田六甲 六花 201403
湖を横目に雉子の走りけり 山田六甲 六花 201403
雉子鳴いて里山の午下深くする 豊田都峰 京鹿子 201406
雉子鳴いて落人村へは胸突坂 豊田都峰 京鹿子 201406
縄文の岩根に野風雉ほろろ 矢崎すみ子 201406
杭木を叩くや雉の高鳴きす 中島陽華 201406
雉子歩く大地を人は耕せり 鈴木初音 201407
雉の鳴く裏山に日の落ちにけり 國保八江 やぶれ傘 201407
佇んで聞くとなくきく雉の声 白石正躬 やぶれ傘 201407
恋ふるごと雉が高鳴く杉木立 石原健二 やぶれ傘 201407
落葉松をつつむ夕映雉子鳴けり 山本雅子 馬醉木 201407
遠く聞く雉声耳に寝落ちける 大谷信子 201407
おつとつと雉の住処に踏み込みぬ 相良牧人 201407
香棒のあきらかな揺れ雉子の声 中島陽華 201407
朝の雉子鳴くや湖東の明け初むる 小澤菜美 201408
雉の子の喉裂くるまで声を研ぎ 小河原清江 201409
あかときの雉子の鋭き声父逝けり 森和子 万象 201410
雉子鳴くや日照雨に濡るる岐れ径 近昌夫 春燈 201412
箱根路を雉子飛びて行く啼きて行く 手島伸子 雨月 201503

 「雉」三十周年

石垣のつづく奥より雉の声

大坪景章 万象 201505
雉→ 4      

 

2021年3月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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