雉 子 4     78句

父母のしきりに恋し雉の声    芭蕉

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
藪に入り抱卵の雉子おどろかす 木下慈子 馬醉木 201506
雉子鳴く林道鉄鎖閉ぢしまま 山本雅子 馬醉木 201507
黎明の山を鎮めて雉子鳴けり 小林和世 201507
しなざかる越の万葉雉子啼く 奥田茶々 風土 201508
春寒しまだいとけなき雉の声 石川賢吾 201508
首あげて畝の間の雉子ほろろ打つ 大崎紀夫 虻の昼 201510
ややこしき人も仲間だ雉子の鳴く 鶴濱節子 船団 201512
裏庭で雉の二声二日かな 仁平則子 201603
草山に深く飛び入り雉鳴けり 岡野ひろ子 201604
裏畑の雉子の声に目覚めけり 上野節子 201605
雉鳴く日の昇りゐる屋敷林 山本無蓋 201606
遠く啼く雉子のこゑのひびきけり 石橋邦子 春燈 201606
跡目なき畑にしげく雉鳴けり 阿久津勝利 万象 201606
弓をなす身延街道雉子鳴けり 原田しずえ 万象 201607
キャンパスに雉子の声あり新学期 清水美恵 馬醉木 201607
土けむりあがる畑をゆく雉子 根橋宏次 やぶれ傘 201607
雉鳴いて土黒々と光りたる 菊川俊朗 201704
土手に雉ゐて川上へ風少し 大崎紀夫 やぶれ傘 201705
土ぼこり立てて雌雉子がつつ走る 大島英昭 やぶれ傘 201705
夕日差冠羽逆立つ雉子の声 能村研三 201705
雉鳴くや目をこらしても広野原 秋川泉 あを 201705
雉鳴くやはたと止みたる女声 田中臥石 末黒野 201706
人間を無視してゐたる雉子かな 楠原幹子 201706
雉子鳴いて雲間の日差し引き出せり 間島あきら 風土 201706
休耕田雉子の住処となりにけり 大木茂 万象 201707
抱卵の雉身動がぬ草の中 石橋邦子 春燈 201707
ケンケンと休耕田の雉の群 秋川泉 あを 201707
山焼くやわらわらと出る雉・兎 深川淑枝 201707
仏壇の開けつぱなしや雉の声 西住三惠子 201707
雉子の声沼一面を引き締むる 内海良太 万象 201708
畦の雉子爪先立ちに打つほろろ 奥太雅 万象 201709
畑隅に屈んでゐたる夏の雉 天野美登里 やぶれ傘 201708
つつと来てつつつつと走す雉子かな 中杉隆世 ホトトギス 201709
火山灰原の葎に消えし雉子かな 中杉隆世 ホトトギス 201709
畑隅に屈んでゐたる夏の雉 天野美登里 やぶれ傘 201709
あさっての落とし物かも朝の雉 坪内稔典 船団 201802
告白は雉の挨拶受けてから 鶴濱節子 船団 201802
寺の藪を出てゐる雉のありにけり 白石正躬 やぶれ傘 201805
雉鳴くや斯くも自適の里暮し 村上悦子 雨月 201806
雉鳴けり雛も顔出す草の原 秋川泉 あを 201805
枯草を雉子うつくしく発ちにけり 藤生不二男 六花 201806
雉鳴きて山の夕日を尖らせり 宮坂恒子 201806
地鳴きせる荒田走りの雉子かな 上辻蒼人 風土 201806
梅雨入りかな雉鳩二つむつみゐて 富永小谷 馬醉木 201808
昨日より遠のく今日の雉の声 黒澤次郎 やぶれ傘 201808
雉鳴いて若葉どよめく魔法陣 日置游魚 201902
車線越えの運転荒し雉の声 中山未奈藻 201902
佐用に来て雉子の声に目覚めけり 山田六甲 六花 201905
雉鳴くや畝に真昼の暗さあり 早川俊久 馬醉木 201906
雉鳴いて残す尾のあと畑の朝 石原健二 やぶれ傘 201908
ややありて雉子は二声しか鳴かず 中杉隆世 ホトトギス 201909
雉子の尾の飛ぶも走るも水平に 本多俊子 202002
雉入口は熊野古道よ雉子の声 前田美恵子 202004
ほらあれが雉の鳴き声それつきり 栗原公子 202005
雉子鳴く吸入剤の処方せん 藤原明美 202005
高らかに雉子鳴きたり禁猟地 寺田すず江 202005
雪吊りの縄ほどくとき雉子鳴く 増成栗人 202005
雉子ときに明るく鳴いてたそがるる 天野美登里 やぶれ傘 202005
ケンケンと雉の声聞く川原道 村田武 やぶれ傘 202006
ひと鳴きの雉に静もる沼の畑 光成敏子 202006
ゆふさりの入り野に遠く雉子啼く 鷺山珀眉 京鹿子 202008
雉鳴くや老舗料亭暖簾閉づ 七郎衛門吉保 あを 202103
畝の間の雉がそつぽを向いてゐる 大崎紀夫 やぶれ傘 202105
雉啼くやにはかに暮るる峡の里 小山繁子 春燈 202105
山祇も雨域に入りし雉子のこゑ 井原美鳥 202105
芭蕉にも父母恋う俳句雉の声 田中藤穂 202105
放置田に雉の一声ありにけり 黒澤次郎 やぶれ傘 202105
目くばせをし合うてをれば雉子の声 山田六甲 六花 202106
草むらに雉子の卵を盗み見て 山田六甲 六花 202106
雉子鳴く夕べは淋し畑仕事 園部蕗郷 春燈 202107
男だて雉のその声その姿 高橋将夫 202107
雉子鳴くや味土野も奥の女城址 田中佐知子 風土 202107
手賀沼の水面に響く雉の声 坂本和穂 やぶれ傘 202108
遊び終ふ月蝕雉は蛤に 能村研三 202202
葦原は日溜りの道雉の道 増成粟人 202204
妻恋のかかる激しさ夜の雉子 諸岡孝子 春燈 202207
山里の黙をふるはす雉の声 西村白杼 京鹿子 202208
雉走る何事ならぬ走りやう 畑田久美子 202210
雉→ 1

 

2023年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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