雉 子 2     111句

雉子の恋ゆえ山やまの薄むらさき    長谷部朝子

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
境内に飼はれて雉の睦まじく 竹内美登里 雲の峰 200404
冬晴の老人ホーム雉子歩む 沖増修治 百鳥 200404
せせらぎと廐舎のあはひ雉啼けり 吉田明子 200405
朝日射す墓の裏より雉子の貌 大串章 百鳥 200405
雉鳴いて船のひしめく入江かな 淵脇護 河鹿 200406
人影の絶えしゴルフ野雉子鳴く 竹内喜代子 雨月 200406
雉子鳴くや手紙出さざるまま日暮れ 大串章 百鳥 200406
今啼くは雉かと思ふ夜明けかな 谷村幸子 200406
石礫となりて逃げけり雉子一羽 城戸愛子 酸漿 200406
雉翔ちて杉の静寂を破りたる 富田楓子 ホトトギス 200407
万博の丘に雉鳴く日暮れどき 富田楓子 ホトトギス 200407
余生みな雉の飼育に捧ぐ雉兎 松尾康乃 ホトトギス 200407
雉兎の目の一途や雉を語るとき 松尾康乃 ホトトギス 200407
手塩かく雄剥製にしたる雉兎 松尾康乃 ホトトギス 200407
夫呼べは雉は鋼の声返す 山田弘子 ホトトギス 200407
雉鳴いて但馬に古りし年尾句碑 山田弘子 ホトトギス 200407
雉の彩走りしあとの草の揺れ 山田弘子 ホトトギス 200407
雉鳴いて独りごころの募りたる 井芹眞一郎 ホトトギス 200407
つゝつゝとコース過ぎりし雉のあり 浅井青陽子 ホトトギス 200407
裏庭は山麓つゞき雉高音 浅井青陽子 ホトトギス 200407
雉子鳴くや名もなき山の深きより 窪田日草男 ホトトギス 200407
難聴の耳が捉へし雉子の声 窪田日草男 ホトトギス 200407
駆け去りし雉の彩り野に残る 山口博 ホトトギス 200407
嘴の先より雉の振り向きぬ 湯川雅 ホトトギス 200407
雉子の声荒れたる小田に水通す 中島伊智子 酸漿 200407
あかときの山にまがねの雉子の声 中山純子 万象 200407
春肥撒く茶畝に拾ふ雉子の羽 望月知恵子 万象 200407
火葬塚に島の雉子の鳴くばかり 今井妙子 雨月 200407
雉の子の驚き出でし杉の風 小松道子 対岸 200407
雉子鳴く林の奥の野菜畑 斉藤孝策 対岸 200407
もう一度芭蕉を読めと雉子啼けり 甲斐遊糸 百鳥 200408
雉子の牡螺鈿びかりの翅をひき 西村しげ子 雨月 200408
坐禅解く雉の一声それっきり 竹内喜代子 雨月 200408
殊の外気に入る新居雉子啼く 岸本林立 雨月 200408
雉の声落葉松林夜明けたり 川口崇子 万象 200408
雉子の声に覚めたりシャツの衿の糊 浜口高子 火星 200408
夏雉子の細身隠るる草の中 中山純子 万象 200410
卵抱く雉子ににらまれ草を刈る 長田秋男 酸漿 200411
ころころと雉の子駆くる苺畑 大坪景章 万象 200412
蛤の前歴猛き雉子なりし 伊藤白潮 200412
文化の日朽葉の上に雉子の羽根 中山純子 万象 200501
囲炉裏に炎あがり雉子の清し汁 竹内悦子 200503
猟犬を逃れし雉子の校庭に 望月末夫 百鳥 200503
春近き一戸に飼はれ犬と雉 村越化石 200504
初雉子暁紅に声放ちけり 村越化石 200504
雉子の声つきとほりたり砦跡 滝沢伊代次 万象 200505
雉鳴くやレースに出づる馬へ塩 本多佑子 200505
しづり雪竹林の雉子発たせけり 森藤千鶴 馬醉木 200506
雉子撃たれ首やはらかく置かれあり 松田雄姿 百鳥 200506
雉子遠音明日の晴天約すごと 御橋忠一 200506
家畑に立ちて雉子の雄なりけり 井上信子 200507
雉のあと雉の行きけり夕間暮 井上信子 200507
夕さりの九十九島や雉の声 林和子 万象 200507
抱卵の雉子に気付かず通りけり 長田秋男 酸漿 200507
夜明けつつ雉子鳴き母衣のひびきけり 長田秋男 酸漿 200507
庭先に雉子が母衣打ち五月来る 長田秋男 酸漿 200507
芭蕉恋ひし雉子の一声聴く高野 藤田誉子 雨月 200507
雉子現はれ歩み過ぎれり我が荒庭 大高芭瑠子 炎夏 200507
抱卵の雉子目をつむる夕月夜 須永トシ 栴檀 200508
草刈りて遠くなりけり雉子の声 神山テル 栴檀 200508
休耕のふえゆく棚田雉子巣立つ 木下玉葉子 酸漿 200508
雉の啼く声に毎日目覚めたり 米林外喜子 築港 200508
雉の親子へ危ふく止まる草刈機 及川茂登子 対岸 200509
これ以上妻と離れず雉子を見る 三関浩舟 栴檀 200509
谷の雉さけび囮をおびやかす 瀧春一 菜園 200509
校庭の近くまで来て雉子鳴けり 福井隆子 対岸 200510
雉子翔ちし風の湧きたる青田かな 須永トシ 栴檀 200510

 祝「雉」二十周年

比治山の雉の醒めゐる良夜かな

辻恵美子 栴檀 200512
雉子鳴く丘や万葉狩場とか 林典子 雨月 200601
名月やどこかで雉の呼ぶ声も 大坪景章 万象 200601
足音に雉走り去る草紅葉 田中喜久子 酸漿 200601
籾焼きの煙を雉子のかけぬけり 須永トシ 栴檀 200602
出揃ひし麦の芽に立つ雉子のあり 河野政恵 酸漿 200603
丹波路や雉子のつまづく斑雪 須永トシ 栴檀 200604
雉子鳴きしあとはいつもの雑木山 永峰久比古 馬醉木 200605
雉子鳴くや峡の奥へと一輛車 石田厚子 馬醉木 200605
二上山の目覚うながす雉のこゑ 窪田粧子 馬醉木 200605
雉子来るを待ちかねてをり御首塚 松村多美 四葩 200605
米かしぐ音知つてゐて朝雉子 中山純子 万象 200605
北の庄しばらく聞かず雉の声 中川志帆 万象 200605
雉子鳴いて霽るるといへば深雪晴 瀧春一 常念 200606
雉子鳴いてむらさきいろの妻の里 芝生南天 河鹿 200606
雉撃ちの相方にして美少年 吉村たけを 海市蝶 200606
草若葉荻の中なる雉の声 菊地恵子 酸漿 200606
青峠吾ひき戻す雉子の声 斎藤道子 馬醉木 200607
妻恋の雉子高鳴くも撃つまいぞ 安達実生子 馬醉木 200607
ゆふぐれの若草山に雉子鳴けり 中村恭子 200607
雉鳴くや人影もなきテニス場 林佳枝 酸漿 200607
靄を裂く判官館の雉子かな 工藤ミネ子 風土 200607
雉ほろろ野球部けふは休みなり 小川明美 万象 200608
雉の声疎林にひびく朝曇 兼子栄子 酸漿 200608
雉鳴いて姿を探す森の中 先崎きくよ 酸漿 200609
冬障子雉子のきてゐる気配して 中山純子 万象 200702
耳澄ます冬障子雉子きてゐるらし 中山純子 万象 200702
冬の雉子一声家中いきいきす 中山純子 万象 200702
青麦の風の畝間を若き雉子 長沢ふさ 万象合同句集 200703
満面をからくれなゐに恋の雉子 吉田明子 200705
大山の社家にて聞けり雉子の声 斎藤紀子 200705
思はざる雉子の声聞く露天風呂 新倉舒子 200705
雉子鳴き火色たかぶる登窯 山口順子 馬醉木 200706
唐突の雉子とおどろく散歩道 仁平則子 200706
長橋を渡れば雉子に啼かれけり 小澤克己 遠嶺 200706
雉笛のひろがりゆけり峡の空 屋野道子 遠嶺 200706
雉子鳴くや流浪の旅装解きをり 天野きく江 200707
雉子鳴いて坂東太郎彎曲す 中島あきら 200707
近付く程茂陵巨大と雉子鳴けり 松崎鉄之介 200707
踏みはづす低き木道雉たたす 杉山たかを 200707
雉子鳴き箱根も奥の峠越え 岡淑子 雨月 200707
十国峠うかと出で来し雉子かな 中島知恵子 雨月 200708
雉子鳴くや石積み低き狼煙跡 鈴木千恵子 万象 200709
我が畑に雉子が砂浴び雛育つ 三浦カヨ子 酸漿 200709
野遊びのこどもに雉子威嚇せり 山田六甲 六花 200804
けたたまし雉子の子守る声響き 山田六甲 六花 200804
三声目は早や遠ざかる雉子谺 西村梛子 馬醉木 200805
雉子啼くや木津の流れに長き橋 谷村幸子 200806
雉子啼くや旧街道の天城越え 木暮剛平 万象 200806
風止みて金切声の雉子鳴けり 鍋田もと枝 200806
番外寺手負ひの雉子のかすれ鳴く 石田野武男 万象 200807
雉子の声栽培記録のペン止める 川合まさお ぐろっけ 200807
雉鳴くやかはたれ時の奥小谷 遠藤和彦 遠嶺 200808
日の中の闇開け放ち雉子鳴く 天野きく江 200808

 綾子師生家

麦秋や雉子掛けしてふ釘の錆び

朝妻力 雲の峰 200808
雉子鳴くや間伐の音はたと止み 塩見治郎 雨月 200810
雉子 3      

 

2021年3月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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