雲 雀 3     163句

高梁を蒔きし地平に雲雀鳴く    高島茂

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大空に道あり雲雀揚がりけり
高倉和子
200310
市街化にせばまる農地揚雲雀
藤原りくを
八千草
200310
岩ひばり石積み鎧ふ御前小屋
小林碧郎
馬醉木
200311
せせらぎやひばりの声は空の色
吉原敏子
200312
揚ひばり一禽のみの空の青
佐々木幸
200401
揚雲雀野の一画が均らされて
生方ふよう
200401
ひばり鳴く荒川堤園児行く
寺門武明
あを
200402
年忘自己陶酔のひばり節
山中宏子
200403
雲雀野に踏み込んでゐし旅心
稲畑汀子
ホトトギス
200403
足許を立ちて雲雀の空となる
稲畑汀子
ホトトギス
200403
浜の道ペダルを踏めば雲雀鳴く
大屋和子
帆船
200404
揚雲雀聴くはるかにも来し思ひ
高木智
京鹿子
200405
揚ひばりリモコンの操る蒸気船
吉沢かねよ
帆船
200405
雲雀鳴き揚がる揚がると有頂点
大橋敦子
雨月
200405
雲雀鳴き近江の空の広さかな
高垣和恵
雨月
200405
雲雀野の朽ちし一橋蝶と往く
渡邉友七
あを
200405
荒鋤の土塊乾ぶ初雲雀
荒井正隆
200405

 祝「笠寺」四五〇号

育ちゆく俳誌を祝ぎて揚雲雀

稲畑汀子
ホトトギス
200405
良き国に良き青空や揚雲雀
北吉裕子
雲の峰
200405
雲雀落つ天の鍵穴見失ひ
中島あきら
200405
襟足に馬の鼻息揚雲雀
吉田明子
200405
日本の血をひく雲雀啼き揚る
山田六甲
六花
200405
風向きに厩の匂ひ初雲雀
生田恵美子
風土
200405
揚雲雀天の扉をノックして
山口順子
200406
火星より軟着陸の雲雀かな
磯崎清
200406
シャガールの蒼天恋ひて揚雲雀
山中宏子
200406
伊吹嶺の片雲に入る初雲雀
森本純子
200406
すこしづつ風に流され揚雲雀
深田雅敏
200406
雲雀野に終の我が家を新築す
下平しづ子
雨月
200406
揚雲雀太平洋の眩しかり
石平周蛙
対岸
200406
菰掛けの鵜舟の上や初雲雀
辻恵美子
栴檀
200406
鳴きとべる雲雀は低し川原風
辻恵美子
栴檀
200406
青空に戀の指文字高雲雀
浜明史
風土
200406
揚雲雀一番星が灘の上
工藤義夫
馬醉木
200406
淡雪のやみし天より初雲雀
菊地惠子
酸漿
200406
肩幅に五体をさまる揚雲雀
太田尭史
対岸
200406
給食の小さきマスク揚雲雀
小松崎緑
対岸
200406
膝抱くわれに間近くひばり落つ
中村翠湖
馬醉木
200407
朝ひばり鞄に飴と楽譜かな
十河秀子
百鳥
200407
飛翔する鳥より高き雲雀かな
小林朱夏
200407
墜ちてくるひかり礫の雲雀かな
里中章子
200407
中空を流れふたたび揚雲雀
大坪景章
万象
200407
底なしの空へ沈みし雲雀かな
大坪景章
万象
200407
雲雀野やシスター歩幅くづさずに
江崎成則
栴檀
200407
大利根の朝霧やぶり初雲雀
須永トシ
栴檀
200407
岩船山いわふねの光る岩肌揚雲雀
土谷和子
栴檀
200407
雲雀翔つ氣弱はげますごと天に
山村桂子
遠嶺
200407
揚雲雀母思ひ出す童句の碑
加藤京子
遠嶺
200407
昇りつめあとは一気に落雲雀
有吉桜雲
200407
揚ひばり一坪農園人の出て
淵脇護
河鹿
200407
揚雲雀にはか農夫を囃しをり
蒔元一草
河鹿
200407
とどまりて虚空に鳴くや揚雲雀
松山正江
河鹿
200407
堤防の先も県内揚雲雀
伊藤早苗
200407
揚雲雀もどるこの世のありにけり
戸田和子
200407
顔あげて雲雀を探す遠流の地
今瀬剛一
対岸
200407
見上ぐれば乾く雲雀野目深帽
松本鷹根
京鹿子
200408
まだ揚がる途中の声の初雲雀
三関浩舟
栴檀
200408
天心を極め雲雀の声若し
三関浩舟
栴檀
200408
ひばり野やゆつくり移る牧の牛
松山佐治彦
河鹿
200408
雲雀野に地球は丸さ失へり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200409
揚雲雀空が包んでゆきにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200409
風うけて歩ゆむや雲雀上がるまで
市場基巳
200409
古戦場黙をやぶりて揚雲雀
三関浩舟
栴檀
200409
映像に不死身のひばり五月闇
河合佳代子
栴檀
200409
雲雀野や老の早起き嫌はるる
下平しづ子
雨月
200409
初雲雀揚る高さの定まらず
豊田麗水
築港
200409
モンゴルの夕日は落ちず雲雀鳴く
寺門丈明
あを
200409
向う岸からも負けじと揚雲雀
有吉桜雲
200503
揚雲雀畑の相続権四人
山本敏子
帆船
200504
中天にこゑを残して落雲雀
小川匠太郎
200505
噴煙の空よりこぼれ初雲雀
長谷川子
馬醉木
200505
金粉を空に撒きくる雲雀かな
近藤喜子
200505
かたむきし山小屋雲雀揚りけり
荻野みゆき
対岸
200505
教官にいたはられをり揚雲雀
伊藤白潮
200505
乱気流声を盗まる初ひばり
宇都宮滴水
京鹿子
200505
雲雀鳴く宙に偏りあるごとく
宮津昭彦
200505
来るときも去るもこの道揚雲雀
土屋酔月
火星
200505
全身で鳴いて雲雀の宙にあり
小林朱夏
200505
良い子等の日曜学校揚雲雀
泉田秋硯
200506
死火山の雲雀や自由謳歌せる
泉田秋硯
200506
唐櫃に雲雀の風の入りにけり
加藤みき
200506
棟上げに陽の集まれり揚雲雀
小橋末吉
対岸
200506
揚雲雀水のまぶしき城下町
石澤利男
対岸
200506
揚雲雀羽榑き通す鳴き通す
古宇田敬子
対岸
200506
海見ゆとひばりの声は雲間より
星加克己
ぐろっけ
200506
雲雀鳴く木曽三川を見下ろしに
大石よし子
雨月
200506
ひばり野の真只中の遺跡かな
出口賀律子
雨月
200506
終盤の選挙の村や揚雲雀
生田恵美子
風土
200506
揚雲雀犬山城を低めけり
宮川典夫
200506
入学や空の鈴割初雲雀
寺門丈明
あを
200506
雲雀鳴く春の野を待つこの日頃
林生子
200506
貸し出しの一坪農場揚雲雀
徳田正樹
河鹿
200507
火の島のやすらぎ雲雀啼きのぼる
中元英雄
河鹿
200507
朝刊に師の句堂々揚雲雀
杉本重雄
200507
揚雲雀街騒裂きつ寺苑より
北川慶子
200507
揚雲雀そのまま青空となりぬ
塙告冬
ホトトギス
200507
太陽のひつぱりあげてゆく雲雀
海輪久子
ホトトギス
200507
家持の野辺より天へ揚雲雀
長山あや
ホトトギス
200507
雲雀野に杖あることをふと忘る
井上春子
春燈
200507
寄せ書きの縦に斜めに揚雲雀
大石たか
遠嶺
200507
揚ひばり太郎冠者とも戦士とも
吉田明子
200507
雲雀野やけふ一日を土の上
近藤公子
200507
日輪の使い走りか揚げ雲雀
柴田靖子
200507
定年は次のステップ揚雲雀
村上和子
ぐろっけ
200507
揚雲雀誰かが空でタクト振る
森川泰雄
200507
ソプラノの声転がして揚雲雀
森永美保
築港
200507
揚雲雀啼く式典の大空に
樋野恵美子
築港
200507
揚るだけ揚り切つては雲雀落つ
松田みち枝
築港
200507
ひばり野を川は流れて空になる
松本鷹根
京鹿子
200507
牛が寝て雲雀が鳴いて伊都の国
秋千晴
200507
買出しに母と来し村揚雲雀
松永弥三郎
河鹿
200508
捨てし句に一語閃き揚雲雀
北尾章郎
200508
揚雲雀父祖の地見ゆる高さまで
石川等
200508
揚雲雀船頭は櫓を休めゐる
川島三栄子
200508
舞雲雀一部始終を見られをり
松本きみ枝
遠嶺
200508
揚雲雀何処まで空を登る気か
柳生千枝子
火星
200508
鵜磧のたそがれの風ひばり鳴く
江崎和子
栴檀
200508
大空に突き返されし雲雀かな
柴田佐知子
200508
雲雀野にきしきし廻る風車かな
三好かほる
万象
200509
鍬の柄に憩ふ農夫や揚ひばり
木村真魚奈
京鹿子
200509
雲雀野や長子の脛の長き立つ
瀧春一
菜園
200509
雲がくれいつしん鳴ける雲雀なり
三宅句生
馬醉木
200510
志ありて高きへ揚雲雀
鷹羽狩行
200603
雲雀野に置きてみたしと能舞台
稲畑汀子
ホトトギス
200603
朝の間の野の拡がりに揚雲雀
稲畑汀子
ホトトギス
200603
揚げ雲雀欅大樹は逆光に
山田六甲
六花
200604
涅槃図へ続いてゐたり雲雀の野
今瀬剛一
対岸
200604
天界へきざはしいくつ揚雲雀
鷹羽狩行
200605
叶ひたる夢はささやか揚雲雀
土岐明子
遠嶺
200605
初ひばり金の名乗りを上げにけり
近藤喜子
200605
三輪さんがゐれば呼ぶはづ揚雲雀
今瀬剛一
対岸
200605
雲雀野や筑波の片枯いろに
瀧春一
常念
200606
碧空へ声の雲雀となりて消ゆ
高橋瑛子
河鹿
200606
揚雲雀真澄なブルーより聞ゆ
沢田清子
200606
あげひばり一直線は無限にて
辻直美
200606
透きとほるまで異次元へ揚雲雀
近藤喜子
200606
揚雲雀なまづの郷を歩きけり
藤井美智子
対岸
200606
常陸野に生れたちまちの揚雲雀
福井隆子
対岸
200606
まだ空に目が慣れぬなり初雲雀
斉藤利枝子
対岸
200606
揚ひばり青磁ならべる自由市
五ヶ瀬川流一
六花
200606
ひばりの巣残して草を刈りにけり
佐藤哲
万象
200606
揚雲雀潟に組まるる葭ぐるま
海野みち子
万象
200606
揚ひばり雨かくれなく耀ひぬ
黒田咲子
200606
天帝に穴を開けゆく揚雲雀
犬塚芳子
200606
雲雀野にひとを見初めし記憶あり
田畑時男
河鹿
200607
一行を書き足してあり揚ひばり
長田等
200607
揚雲雀入口出口野にはなく
大畑善昭
200607
たて書きの文字に重力落雲雀
代田幸子
200607
洛中の空の重たき雲雀かな
大山文子
火星
200607
天上に生れしひばりの落ちて来し
城孝子
火星
200607
空高く己が軌跡に酔ふ雲雀
渡辺隆
遠嶺
200607
午後焼くとふ淀の河原の揚雲雀
岸本久栄
雨月
200607
初雲雀父の使ひし椅千に聴く
師岡洋子
ぐろっけ
200607
烈風の夕日の天に鳴くひばり
関まさを
酸漿
200607
揚雲雀こゑがひかりとなりにけり
中島伊智子
酸漿
200607
飛鳥仏雲雀の空となりてゆく
神蔵器
風土
200608
父の田の整然とあり夕雲雀
丸山けさ乃
四葩
200608
畦の辺に人麻呂の歌碑揚雲雀
寺沢千都子
万象
200608
草ひばり闇ひとところ深くする
大川ゆかり
200611
雲雀野に心放ちてより帰路に
稲畑汀子
ホトトギス
200703
初ひばり宙の一角うろたへる
宇都宮滴水
京鹿子
200704
教会の鐘鳴りわたり揚雲雀
望月晴美
200704
雲雀 4→      

 

2021年4月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。