走り梅雨 3     100句

貝塚に貝の呟く走り梅雨    亀田虎童子

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
緩急の雲の流れや走り梅雨 石川かおり 201107
木地挽きの走り梅雨呼ぶさはら桶 コ田千鶴子 馬醉木 201107
野良猫に名前いくつも走り梅雨 鈴木セツ 201107
棟梁の差配せはしや走り梅雨 和田郁子 201108
雨雲に向かふツアーや走り梅雨 山口キミコ 201108
「鬼子母神米」てふ稲の苗走り梅雨 橋本リエ 春燈 201108
失せ物の出てこぬいらち走り梅雨 青柳雅子 春燈 201108
走り梅雨らしきを窓に師の句読む 西山浅彦 春燈 201108
真実はいつも後出し走り梅雨 篠原幸子 春燈 201108
東京の人はせつかち走り梅雨 矢口笑子 春燈 201108
リハビリの試歩のゆらゆら走り梅雨 高倉恵美子 201108
噛みくだく喉飴にがし走り梅雨 桑名さつき ろんど 201108
ブルーシート重荷更なる走り梅雨 吉田克美 ろんど 201108
一筆の墨の五彩や走り梅雨 高木美波 万象 201109
江戸川をくの字に曲げる走り梅雨 伊藤希眸 京鹿子 201109
看取り無き一と日の病臥走り梅雨 清海信子 末黒野 201109
道の辺の羅漢泣き出す走り梅雨 高木篤子 ぐろっけ 201109
走り梅雨上総の丘は濃緑に 瀬島洒望 やぶれ傘 201109
歯科の椅子真中の凹み走り梅雨 村上千紫 京鹿子 201110
古備前の火襷しるし走り梅雨 コ田千鶴子 花の翼 201111
娘いつも母に厳しき走り梅雨 コ田千鶴子 花の翼 201111
今生れし句碑にみそぎの走り梅雨 岡崎伸 遠眼鏡 201203
走り梅雨監視カメラを傘で過ぐ 細野恵久 ぐろっけ 201205
印泥の天地返しや走り梅雨 林裕子 風土 200309
駅で買ふ百円の傘走り梅雨 佐藤喜仙 かさね 201208
土の香の深まる小径走り梅雨 米田文彦 かさね 201208
泥亀の泳ぎつたなし走り梅雨 鈴木直充 春燈 201208
追焚きの湯玉浮き立つ走り梅雨 宮崎紗伎 春燈 201208
瀬戸内のけぶる島なみ走り梅雨 河崎國代 春燈 201208
走り梅雨病廊点す正六時 小川玉泉 末黒野 201208
熔接の火花四方へ走り梅雨 三枝邦光 ぐろっけ 201208
筑波嶺にたどりつきたる走り梅雨 鴨下昭 201209
走り梅雨妻の忘れし鎌拾ふ 生田作 風土 201209
走り梅雨だらだら季寄せ繰るばかり 中村吟子 ぐろっけ 201209
坪庭のほのと昏みて走り梅雨 川上久美 ろんど 201209
走り梅雨最上支流に水位計 舩山東子 ろんど 201209
ホルモンを捌く手せはし走り梅雨 大山文子 火星 201209
鮨だねに隠し包丁走り梅雨 榎本文代 万象 201210
降り出して音になりけり走り梅雨 白石正躬 やぶれ傘 201211
走り梅雨ちやぼが卵をかかへこむ 江見巌 六花 201212
銀輪の光も鈍し走り梅雨 山本鬼之助 201212
小面の横向き怪し走り梅雨 布川直幸 201305
「さぼーる」の低き天井走り梅雨 コ田千鶴子 馬醉木 201306
走り梅雨料理手順を電話にて 田岡千章 201310
木の虚に竹立て掛けて走り梅雨 篠田純子 あを 201307
充電のかみそり灯る走り梅雨 瀧春一 花石榴 201312
寺田屋に女ごゑする走り梅雨 山尾玉藻 火星 201406
新調の骨盤ベルト走り梅雨 渕上千津 201407
走り梅雨因数分解あらとけた 篠田純子 あを 201407
走り梅雨豚が運搬されてゆく 定梶じょう あを 201408
切り離す切手の鈍る走り梅雨 吉田政江 201408
「ホタル」とのみ刻む碑走り梅雨 坂上香菜 201408
走り梅雨土問筒抜けに筬の音 豊田高子 万象 201408
三川を越えて濃尾の走り梅雨 神戸やすを 201409
営門の銹の深むや走り梅雨 安斎久英 末黒野 201409
走り梅雨医師の所見に身構へる 笠井敦子 201409
断りの言ひ訳ながし走り梅雨 林範昭 火星 201409
走り梅雨海の匂ひの雨が降る 國保八江 やぶれ傘 201410
降りながら明るき空や走り梅雨 小山直子 末黒野 201410
打ちつ放しのビルに同化や走り梅雨 鈴鹿けい子 京鹿子 201501
べつ甲屋絵馬屋御香屋走り梅雨 大沢美智子 201507
古書店の二階カレー屋走り梅雨 安藤久美子 やぶれ傘 201507
電話器無き公衆でんわ走り梅雨 篠田純子 あを 201507
港区浜松町に人骨出たと走り梅雨 篠田純子 あを 201507
山葵田の水の匂へる走り梅雨 大森三保子 馬醉木 201508
赤松の幹際立ちぬ走り梅雨 石本百合子 馬醉木 201508
病む父の深き吐息や走り梅雨 亀井紀子 201508
ファックスの音重たげに走り梅雨 松嶋一洋 201508
釣銭の魚くさくて走り梅雨 竹内弘子 あを 201508
長々と貨車軋みゆく走り梅雨 神山節子 201509
観音の島煙らせて走り梅雨 森脇貞子 雨月 201509
走り梅雨一人で祝ふ誕生日 舘泰生 風土 201510
走り梅雨母に似し娘の喪主の礼 布川孝子 京鹿子 201510
走り梅雨花見小路に異邦人 井田幸子 雨月 201510
決めかぬる返書一つや走り梅雨 安立公彦 春燈 201608
走り梅雨口笛ほそく鯉呼ばふ 吉村さよ子 春燈 201608
はせを墳これより二丁走り梅雨 橋添やよひ 風土 201608
走り梅雨田んぼの苗の匂ひたつ 秋川泉 あを 201608
走り梅雨町の総出の道整備 長崎桂子 あを 201608
主屋への段差七寸走り梅雨 甲州千草 201608
太梁の黒光りして走り梅雨 内山照久 201608
曇天とあはひの松風走り梅雨 高野昌代 201608
走り梅雨飛脚印の宅配車 佐渡谷秀一 春燈 201609
独りぼりちの雀迷子か走り梅雨 齋藤晴夫 春燈 201609
鉄塔の鸛へ暗雲走り梅雨 田中臥石 末黒野 201609
一人薫(た)くアロマキャンドル走り梅雨 菅野日出子 末黒野 201609
かささぎのかちかち鳴けり走り梅雨 岡久枝 酸漿 200108
何と無く湿る濡れ縁走り梅雨 吉村幸子 雨月 201609
下駄箱の買ふ算段や走り梅雨 松本文一郎 六花 201609
空き缶に当たる雨垂れ走り梅雨 瀬島洒望 やぶれ傘 201609
踏み幅の変はる階段走り梅雨 渡邉孝彦 やぶれ傘 201609
走り梅雨考の匂ひの釣り道具 石原孝人 京鹿子 201701
子別れに鳴き止まぬ牛走り梅雨 石原孝人 京鹿子 201701
下駄箱の上に鍵束走り梅雨 中川句寿夫 ここのもん 201705
走り梅雨校庭に砂撒いてあり 辻美奈子 201708
走り梅雨根津もはづれのなんでも屋 宮内とし子 201708
流木のまた流れたき走り梅雨 森岡正作 201708
水入れてアイロン使ふ走り梅雨 田所節子 201708
どての味噌甘く匂ふや走り梅雨 大久保志遼 201708
走り梅雨サラダにかける粉チーズ 植木戴子 201708
走り梅雨→4      

 

2021年6月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。