走り梅雨 4     110句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
渡船屋の小窓閉められ走り梅雨 升田ヤス子 六花 201708
きな臭き国会の答弁走り梅雨 高野昌代 201709
ポンプ小屋ごとに電柱走り梅雨 大島英昭 やぶれ傘 201708
タクシーは右折レーンヘ走り梅雨 瀬島洒望 やぶれ傘 201708
池の面に水輪広ぐる走り梅雨 安斎久英 末黒野 201709
鳩舎からくるるくくくく走り梅雨 宇都宮敦子 201709
外出の服決めかねる走り梅雨 田原陽一 201709
朝より家毀つ音走り梅雨 大石よし子 雨月 201709
さす傘のたたみしままや走り梅雨 秋山蔦 春燈 201709
売れ残るパンの棒立ち走り梅雨 井尻妙子 京鹿子 201710
唐橋や湖水静かに走り梅雨 神田惣介 京鹿子 201710
走り梅雨体温計を三度振る 中居由美 船団 201805
かひ濡れて舟は敦賀の走り梅雨 山田六甲 六花 201806
走り梅雨蜑のかたへの法華堂 山田六甲 六花 201806
列島の腹打診する走り梅雨 森村江風 201807
桟橋に昼の灯が点く走り梅雨 藤井美晴 やぶれ傘 201807
走り梅雨お弁当屋は樟の下 小山唄枝 やぶれ傘 201807
蝶既に高きを忘れ走り梅雨 和田絢子 春燈 201808
水掛けの巣鴨地蔵や走り梅雨 池田節 春燈 201808
バイオリン顎にひやりと走り梅雨 林昭太郎 201808
走り梅雨青き夜明けのハーブティ 塩貝朱千 京鹿子 201808
訛濃き会話小耳に走り梅雨 大島寛治 雨月 201808
公園の砂場にシャベル走り梅雨 松本三千夫 末黒野 201808
欄干を跳ねゆく烏走り梅雨 齋藤朋子 やぶれ傘 201808
軽きもの一枚羽織る走り梅雨 三輪温子 雨月 201809
コントラルトの雨音なりき走り梅雨 瀬川公馨 201809
点滴の光の滴走り梅雨 長谷川祥子 馬醉木 201809
地獄絵にうすれし亡者走り梅雨 柴田佐知子 201809
病室の白く暮れゆく走り梅雨 柴田志津子 201809
走り梅雨腓返りに目覚めけり 平沢惠子 春燈 201809
日本画のやうな庭園走り梅雨 黒木東吾 六花 201810
地鎮祭の祝詞聞こゆる走り梅雨 治部少輔 201902
レコードの針が小箱に走り梅雨 青谷小枝 やぶれ傘 201907
郷愁の古書肆の匂ひ走り梅雨 木多芙美子 春燈 201908
走り梅雨女の喪服くたれたる 瀬川公馨 201908
天つちの漂ふ匂ひ走り梅雨 犬塚李里子 201908
コミック本並んでゐたり走り梅雨 岩田洋子 201908
醜草の畦に息づき走り梅雨 吉田政江 201908
空を掃く竹のそよぎも走り梅雨 浅田光代 風土 201908
みづうみの水面を白く走り梅雨 小原芙美子 風土 201908
朴葉鮓食うべて美濃の走り梅雨 増成栗人 201908
走り梅雨一木一草なき質屋 田丸千種 ホトトギス 201909
痩せこけの猫見送りて走り梅雨 秋川泉 あを 201908
走り梅雨涙痕頬に見舞妻 岡田貞峰 馬醉木 201909
いきいきと青芝尖り走り梅雨 渡邊千枝子 馬醉木 201909
雨だれの音それぞれや走り梅雨 手島靖一 馬醉木 201909
指辷るスマホの画面走り梅雨 森清堯 末黒野 201909
走り梅雨千葉市の森ヘモノレール 田中臥石 末黒野 201909
額縁の歪み正すや走り梅雨 安斎久英 末黒野 201909
借景の山並隠す走り梅雨 佐渡谷秀一 春燈 201909
肩寄する一願地蔵走り梅雨 江島照美 発火点 201909
油彩画の匂ふ図書館走り梅雨 吉田政江 201909
飛行機雲一筆走り梅雨明くる 森村江風 201909
下町は昭和の匂ひ走り梅雨 尾崎みつ子 雨月 201910
走り梅雨父の応召日記読む 濱野新 やぶれ傘 201911
縺れたる糸をほぐすや走り梅雨 山田正子 202002
買物に子の行きくるる走り梅雨 落合由季女 雨月 202001
古書店に写楽の額や走り梅雨 岩永みはる 追伸 202003
前略のあとの長さよ走り梅雨 礒貝尚孝 黄落 202003
走り梅雨読まねばならぬ書の多く 鈴木直充 春燈 202008
指切りの別れそのまま走り梅雨 塩貝朱千 京鹿子 202008
足を組み手をくみし走り梅雨 庄司久美子 202008
走り梅雨もつれて解けぬネックレス 森清信子 露の堂 202008
走り梅雨鉛筆けづるにほひかな 吉澤恵美子 春燈 202009
走り梅雨美濃路と刻む道標 延川笙子 六花 202009
走り梅雨まだあどけなき蔓の先 浅田光代 風土 202009
自転車を漕ぐ子に強き走り梅雨 新妻洋子 風土 202009
グライダー低空飛行走り梅雨 平居澪子 六花 202009
不破の関伊吹は雲の走り梅雨 延川五十昭 六花 202009
終焉の言葉を探す走り梅雨 丸井巴水 京鹿子 202009
夕かげるころの視力や走り梅雨 兒玉充代 202010
梅味の柿の種買ふ走り梅雨 浜田久美子 六花 202010
覚えなき擦り傷疼く走り梅雨 林徹也 202101
走り梅雨明治浮き出る赤煉瓦 森村江風 202107
泊灯や汐の揉み合ふ走り梅雨 鳥居公子 202107
ぞろぞろと羽蟻這ひ出る走り梅雨 小池一司 やぶれ傘 202108
昼席の跳ねて巷は走り梅雨 金光浩彰 202108
走り梅雨鳥獣戯画の動き出す 中島昌子 202108
現実と仮想空間走り梅雨 本多遊方 春燈 202108
日差しにも雨にも走り梅雨の傘 本田保 春燈 202108
走り梅雨あせつてボロを出しに 本田保けり 春燈 202108
寝そびれて寝返り幾度走り梅雨 向井芳子 春燈 202108
爪草の畑光らせ走り梅雨 内山みち 末黒野 202108
走り梅雨髪切りに行く美容院 村田敦子 末黒野 202108
目玉焼流し目となり走り梅雨 斉藤マキ子 末黒野 202109
走り梅雨鎮痛剤を頼りとす 小林拓路 末黒野 202109
消えてより線香匂ふ走り梅雨 中村洋子 風土 202109
レトルトのカレーの昼餉走り梅雨 青木まゆみ 202109
走り梅雨鴉は地面すれすれを 小巻若菜 やぶれ傘 202110
草も木も光を弾き走り梅雨 浜田はるみ 202110
杉玉に残る緑や走り梅雨 今井康子 202112
大欅天を揺さぶり走り梅雨 奥田茶々 風土 202201
走り梅雨太閤塀の暴れ染み 山田和 京鹿子 202201
延々と歩く緑地や走り梅雨 布施由岐子 末黒野 202204
走り梅雨亀ながながと天仰ぐ 秋川泉 あを 202207
走り梅雨草の千里も五里霧中 七郎衛門吉保 あを 202207
ワイパーの弛き反復走り梅雨 七田文子 202207
鉄錆のにほひ砥石に走り梅雨 片山博介 春燈 202208
前略と書出す手紙走り梅雨 矢口笑子 春燈 202208
逃げ足の早き丸薬走り梅雨 松山三千江 春燈 202208
走り梅雨使ひ勝手のよき小鍋 栗原公子 202208
岩寿司の盛り塩締まる走り梅雨 町山公孝 202208
書架跡の畳の青し走り梅雨 兵藤惠 202208
大王松日がな闇抱き走り梅雨 枇杷木愛 202208
走り梅雨ちから抜くこと覚えけり 小島正士 京鹿子 202208
走り梅雨金融街は黙の華 大政睦子 京鹿子 202209
ひさかたの重くなる空走り梅雨 今村千年 末黒野 202209
走り梅雨つんとレコード屋の匂ひ 鈴木崇 202209
走り梅雨帽子にポツとあたる音 神山市実 やぶれ傘 202210
宝登山も父不見山も走り梅雨 服部早苗 202304
走り梅雨→ 1

 

2023年6月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。