梅 雨 7  200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
山麓をうちひろげたる梅雨月夜 戸田和子 200410  
梅雨深む社の畳あげてあり 渡辺きよえ 百鳥 200410  
梅雨湿り蒸し器の中にいるような 島本知子 ぐろっけ 200410  
梅雨出水石の流るる響かな 山形悦子 万象 200410  
木も草もしづかに梅雨の月出でぬ 江崎成則 栴檀 200410  
載るだけの亀梅雨どきを充たす石 松本鷹根 京鹿子 200410  
神馬の眼みどりいろなり梅雨の明 吉田康子 火星 200410  
診断はストレス梅雨の偏頭痛 隅田享子 200410  
夫と居る今を大事に梅雨の虹 長澤健子 酸漿 200410  
思惟仏へ梅雨の畳を踏みにけり 大山文子 火星 200410  
生涯の思ひ出壊し梅雨豪雨 白崎リユ子 築港 200410  
蹴ろくろのふつくらと生む梅雨の壺 岩上とし子 200410  
梅雨上るらし雷のひところげ 西村しげ子 雨月 200410  
梅雨出水人を働き者に変へ 柴田正子 築港 200410  
汝がおなじ言葉の憂かり梅雨深し 里中章子 200410  
荒梅雨の海に太鼓の響きけり 今村能子 遠嶺 200410  
梅雨の岬鼻欠け恵比須祀りけり 藤田京子 ぐろっけ 200410  
梅雨の夜半診療問答反芻す 滝川あい子 雨月 200410  
一斉に晴間をとんで梅雨の蝶 江崎成則 栴檀 200410  
一切の家財流せり梅雨出水 柴田正子 築港 200410  
嘘つきとなじられ廻す梅雨の傘 松田年子 ぐろっけ 200410  
ブティックは水槽めきて梅雨の街 入江和子 ぐろっけ 200410  
泥芥残して引きぬ梅雨出水 中林たみを 築港 200410  
江ノ電がゆくよ梅雨の灯こぼしては 大橋麻沙子 雨月 200410  
綺麗ごと並べて帰る梅雨の客 大西正栄 雨月 200411  
捕はれて憂世を嗤ふ梅雨鯰 下平しづ子 雨月 200411  
どの神にとり憑かれしか梅雨を病む 川崎光一郎 京鹿子 200411  
杖ついて廊を歩みぬ梅雨の星 山田耕子 京鹿子 200411  
全員が食卓につき梅雨の星 山田耕子 京鹿子 200411  
踏み石にふれんばかりに梅雨の蝶 遠藤節子 200411  
梅雨暗し細字読み取る灯点して 松尾緑富 ホトトギス 200411  
長停車解かれ息つく梅雨の旅 安原葉 ホトトギス 200412  
一瞬を峰より海へ梅雨の虹 丸田安子 酸漿 200412  
月出でて梅雨の昏さのなかりける 加地芳女 雨月 200412  
土牢の乾きて無言梅雨の蝶 平野きぬ子 八千草 200412  
梅雨出水今更に思ふ治水かな 加地芳女 雨月 200412  
また梅雨の虜となりし長停車 安原葉 ホトトギス 200412  
鶏潰す男の前に梅雨の川 有働亨 馬醉木 200501  
失ひし影を探しに梅雨の蝶 杉良介 200503  
梅雨じめり及ぶ筆架の筆にまで 高崎武義 200503  
日本書紀混沌の章梅雨滂沱 泉田秋硯 黄色い風 200505  
降り出して又止んで梅雨近きこと 稲畑汀子 ホトトギス 200506  
梅雨の齟齬従ふほかはなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200506  
梅雨雲の厚きにビルの竦みたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506  
癇癪を出しそびれゐる梅雨の象 原田達夫 虫合せ 200506  
剰へ台風も呼ぶ梅雨なりし 稲畑汀子 ホトトギス 200506  
人増えてゆく梅雨雲の消えてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506  
梅雨蝶の爪先立つてゆくごとし 山尾玉藻 火星 200506  
梅雨雲を抜けて淡海は遠からじ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506  
梅雨雲に比叡稜線威を正す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506  
梅雨雲に一枚の湖対峙せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506  
梅雨雲といふ底辺のありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506  
梅雨の戸は膨らみ軋む鈴の庵 品川鈴子 ぐろっけ 200506  
梅雨の間の降りてもみたい、とある駅 松山律子 六花 200506  
降りさうな空を支へて梅雨曇 稲畑汀子 ホトトギス 200506  
マナー全書抜けばくづほれ梅雨の書架 細野恵久 ぐろっけ 200506  
窓へ向く人体模型梅雨きざす 遠野萌 200507  
梅雨豪雨老人染みは増えて行く 松山律子 六花 200507  
沖縄の梅雨も明けたと聞きゐしに 山田六甲 六花 200507  
梅雨の月富土の稜線正しけり 稲畑汀子 ホトトギス 200507  
電球のきれて階段梅雨じめり 上田みつ子 帆船 200507  
滝のよな音に起され梅雨本番 斉藤裕子 あを 200508  
胎内に母の心音梅雨仏 遠藤真砂明 200508  
梅雨深し傾ぎしままの弥次郎兵衛 水原春郎 馬醉木 200508  
梅雨の国逃げて異国へ発つ人等 大橋敦子 雨月 200508  
盛場の小路に腐臭梅雨の月 田中藤穂 あを 200508  
たたまれてこんなに細き梅雨の傘 福井隆子 対岸 200508  
人波の梅雨にうするる銀座かな 田中藤穂 あを 200508  
深梅雨に戸の開け閉めの軋みゐて 山岡修一 築港 200508  
茅葺の山門に草梅雨兆す 外岡興子 200508  
懈怠感まつはり梅雨の来る気配 斎藤道子 馬醉木 200508  
開山門一茶もかけし梅雨の笠 雑賀淑江 200508  
窯出しの狸並んで梅雨に濡れ 長谷川青松 築港 200508  
字に惚れて手紙に惚れて梅雨さなか 山田六甲 六花 200508  
物干は幸の白梅雨の晴 寺門丈明 あを 200508  
肌をさす日を隠す雲梅雨近し 黒坂紫陽子 馬醉木 200508  
梅雨灯し仏間一段高くして 南恵子 万象 200508  
梅雨兆す祈るほかなき事ありて 花岡豊香 酸漿 200508  
梅雨湿り百間廊下柾目浮く 森本美智子 築港 200508  
梅雨激し自噴の湖の底力 塩川雄三 築港 200508 余呉湖
梅雨空の雲に濃淡ありにけり 内山まり子 風土 200508  
梅雨雲を負ふ旅立ちの朝かな 宮津昭彦 200508  
梅雨の蝶すこし破れてをりにけり 山田六甲 六花 200508  
梅雨の蝶うたたね橋の辺りより 山尾玉藻 火星 200508  
梅雨に隙あり鉄塔を解体す 寺門丈明 あを 200508  
復元の石橋の貌梅雨を待つ 沼口蓬風 河鹿 200508  
無口なる夫に連れ添ひ梅雨長し 小林朱夏 200508  
1941年生まれ梅雨ながし 吉弘恭子 あを 200508  
荒梅雨の海山をゆく記紀の旅 田中藤穂 あを 200508  
ごろた石咥へてこぼす梅雨烏 南恵子 万象 200508  
梅雨空や浮腫の父をばさするのみ 長崎桂子 あを 200508  
地下道でしたたか迷ふ梅雨の駅 篠田純子 あを 200508  
シャンパンのしゆわつと梅雨の星増やす 工藤進 200508  
モノクロとセピアと少年兵も梅雨 吉弘恭子 あを 200508  
塚本邦雄死せり梅雨蝶羽化の中 高千夏子 200509  
長梅雨に孟浩然の不眠症 次井義泰 200509  
蝶々の乱舞する日や梅雨の明けぬ 早崎泰江 あを 200509  
梅雨の底性根据ゑ家守らねば 大橋麻沙子 雨月 200509  
朝空に反射炉梅雨の上がるらし 大串章 百鳥 200509  
乱筆を詫びたる梅雨の便りかな 石川英利 百鳥 200509  
築港を厚き梅雨雲圧しゐて 塩川雄三 築港 200509  
歌舞伎座は華やいでゐる梅雨の夜 芝尚子 あを 200509  
はんざきの水に貌出す梅雨月夜 根岸善雄 馬醉木 200509  
梅雨最中賞味期限に鋭き眼 楯野正雄 200509  
大鋸の目立てしてをり梅雨の土間 石川貞子 対岸 200509  
荒梅雨や潮見窓より海女覗く 淵脇護 河鹿 200509  
藻畳のしづかなる朝梅雨に覚む 鈴木實 百鳥 200509  
銀紙を剥きしチーズよ梅雨兆す 湊一春 築港 200509  
梅雨じめる三井晩鐘の撞木綱 柴田近江 200509  
梅雨の蝶翅ひろびろとありにけり 佐藤喜孝 あを 200509  
梅雨の木に一羽残りし夕雀 森理和 あを 200509  
梅雨一日海野格子の家並ぶ 阿部ひろし 酸漿 200509  
梅雨空に燃ゆる球児の地区予選 上石哲男 築港 200509  
梅雨深し病院食の味気なく 阿部一彦 築港 200509  
雷火一閃微動だにせず梅雨木立 和田祥子 馬醉木 200509  
起重機が梅雨雲しかと掴みをり 塩川雄三 築港 200509  
真夜中の梅雨の廊下を草鞋虫 斧田綾子 対岸 200509  
かいま見る雲間隠れの梅雨の月 阿部一彦 築港 200509  
新宿に海のにほへる梅雨はげし 佐藤喜孝 あを 200509  
心もち欠けて雲間の梅雨の月 菊地惠子 酸漿 200509  
火を炊いて重心の寄る梅雨の家 藤田輝枝 対岸 200509  
松青く竹なほ青く梅雨深し 太田具隆 春燈 200509  
小仏の山々の消ゆ梅雨曇 佐々木しづ子 酸漿 200509  
癒え遅々と据ゑて鏡の梅雨じめり 金田きみ子 200509  
臍の緒の小箱見つけし梅雨の月 小嶋洋子 200509  
輪廻塔しつとり濡す梅雨の雨 岡田房子 酸漿 200509  
出そびれし電話気になる梅雨じめり 小川晃枝 馬醉木 200509  
会議始まる梅雨空を前置きに 倉持梨恵 200509  
梅雨曇テロのニュース報じをり 早崎泰江 あをかき 200509  
手首にもシャネルを噴霧梅雨深し 坂上香菜 200509  
渇水の一夜明けての梅雨出水 赤座典子 あを 200509  
父の忌の近き夜明の梅雨はげし 前田永子 200509  
紫陽花の鞠まるまると梅雨深し 増田久子 酸漿 200509  
富士すでに梅雨の最中のもやこめし 山尾和子 京鹿子 200509  
病室の窓に止れり梅雨の蝶 南原正子 酸漿 200509  
明けてゐて明けぬしづけさ梅雨の靄 中川博秋 200509  
梅雨ぐもり蹴上疎水の匂ふ午後 三枝邦光 ぐろっけ 200509  
梅雨靄に今朝は包まれ鬼ケ岳 山本静江 築港 200509  
梅雨雀咥へしみみず垂らし飛ぶ 三関浩舟 栴檀 200509  
梅雨深し来る筈もなき便待ち 花岡豊香 酸漿 200509  
梅雨深くひたすら黙の患者椅子 鈴木良戈 200509  
梅雨湿る金米糖の角と角 泉田秋硯 200509  
梅雨月の昇りて止る扇風機 伊藤多恵子 火星 200509  
梅雨激し海には海の歴史あり 塩川雄三 築港 200509  
梅雨空を衝く船笛の太かりき 堀井英子 雨月 200509  
梅雨空へ煙いつぽん石切り場 丸山照子 火星 200509  
梅雨空へトランペットの響く夕 三枝邦光 ぐろっけ 200509  
梅雨空にほほゑみ給ふ濡仏 中里信司 酸漿 200509  
梅雨空に梲の高し海野宿 中里信司 酸漿 200509  
梅雨雲をはらふか風の佐久平 阿部ひろし 酸漿 200509  
梅雨雲の逆巻きて木々をゆさぶれる 瀧春一 菜園 200509 筑波山頂
梅雨雲のその奥や又ビルが建つ 坪井洋子 200509  
梅雨ふかし庭木となじむ黒文字に 渡辺立男 馬醉木 200509  
梅雨はげしオーケストラを高らかに 長崎桂子 あを 200509  
梅雨の夜半スタヂオの人らいきいきと 瀧春一 菜園 200509  
梅雨の風芭蕉の広葉音たてる 梅村五月 栴檀 200509  
梅雨の灯の残る夜明の展望湯 阿部ひろし 酸漿 200509  
梅雨の湖山が大きく映りけり 佐々木しづ子 酸漿 200509  
梅雨の街異郷のごとく夕燒す 瀧春一 菜園 200509  
梅雨の闇スタヂオの灯が野にのこる 瀧春一 菜園 200509

大泉新興

キネマ撮影所

梅雨のひま歩めば咽ぶ草木の香 和田祥子 馬醉木 200509  
梅雨しとど法堂守る双竜図 上石哲男 築港 200509  
梅雨さむく映畫製作の深夜あり 瀧春一 菜園 200509  
梅雨きざす岳をはるかに麟麟立つ 田中伸子 河鹿 200509  
空堤の倒れ易さよ梅雨厨 坪井洋子 200509  
束の間の浄土あかりや梅雨没日 藤岡紫水 京鹿子 200509  
雨戸閉める時に気の付き梅雨の月 蒲生静江 春燈 200509  
センサーの付きしともしび点る梅雨 鈴木實 百鳥 200509  
一願地蔵の重ね前垂れ梅雨湿り 横山茂子 200509  
シャボン玉の子が指差せり梅雨の天 阿部ひろし 酸漿 200509 中山晋平生家
梅雨空にやさしく淡き妙義あり 阿部ひろし 酸漿 200509  
狐坂越え暗闇の梅雨烟 竹中一花 200509  
一双の鯉のしぶきや梅雨の晴 吉弘恭子 あを 200509  
長梅雨や森の底めく杉並木 高岡敏子 200509  
雨粒をたつぷり溜めて梅雨の雲 阿部一彦 築港 200509  
レノン聴く梅雨の雫はしづく追ひ 工藤進 200509  
安藤忠男の「風の教会」梅雨ふかし 金澤明子 火星 200509  
ぼろぼろの梅雨のプールとなり果てし 野路斉子 200510  
地震走る亀裂に梅雨の浸入す 秋千晴 堤月 200510  
ギブスして大怪我なりし梅雨最中 有村キミ子 酸漿 200510  
汀まで亀泳ぎくる梅雨の池 四葉允子 ぐろっけ 200510  
江戸遺跡通船堀へ梅雨の傘 朝倉富次 酸漿 200510  
大声で笑へぬ齢梅雨満月 八木柊一郎 ぐろっけ 200510  
荒梅雨に太き焼抗打ちにけり 景山まり子 百鳥 200510  
対岸の漁船眇たり梅雨大河 齋藤たかを 百鳥 200510  
園児らの朝のあいさつ梅雨あがる 徳田正樹 河鹿 200510  
軽い曲流して梅雨の法務局 折橋綾子 200510  
梅雨の鬱払ふ熊川バレエかな 橋本靖子 200510  
梅雨旱鴉ひたすら土つつく 坂部尚子 栴檀 200510  
菓子片を見つけ高ぶる梅雨の蟻 野口敏夫 対岸 200510  
凝(かたま)りて躍り上りて梅雨の滝 大磯幸子 河鹿 200510  
橋脚をせめぐ大川梅雨豪雨 東野鈴子 雨月 200510  
病床の母の目覚めや梅雨あがる 徳田正樹 河鹿 200510  
人思へば月齢若き梅雨の街 八木柊一郎 ぐろっけ 200510  
気の重き日の梅雨の蝶低く舞ふ 出口賀律子 雨月 200510  
娘の許へ馳する梅雨とも言ひをれず 足立典子 雨月 200510  
懐旧の問はず語りや梅雨月夜 松田有伽 河鹿 200510  
鎧戸を下ろす茶房や梅雨深し 丸美砂子 ぐろっけ 200510  
木喰の里曲音なし梅雨の果 田中よしとも 酸漿 200510  
手すりなき土橋の架かり梅雨出水 笹倉さえみ 雨月 200510 梅雨 →8

 

2020年6月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。