梅 雨 18     200句

梅雨の季語  

梅雨 梅雨に入る  梅雨入  梅雨はじめ  梅雨めく  走り梅雨

迎へ梅雨   梅雨明  青梅雨  梅雨籠  梅雨寒  空梅雨

梅雨冷  梅雨夕焼  梅雨晴  梅雨晴間  梅雨茸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
貰ひ手なき父の紋付梅雨湿り 足立典子 雨月 201509
満満と鬱湛へをり梅雨の川 田中藤穂 あを 201509
あれよあれよと政情・五輪梅雨ふかし 田中藤穂 あを 201509
洞に触れ梅雨の重みの千羽鶴 中本清 万象 201510
梅雨深し木々は押し合ひ凭れ合ひ 宮井知英 201510
荒梅雨やレールヘ迫る草の波 原友子 201510
ノートただ広げて梅雨の喫茶店 小山陽子 やぶれ傘 201510
梅雨曇る朝にちいんとトースター 小山陽子 やぶれ傘 201510
剣玉の世一界一周梅雨の蝶 安藤久美子 やぶれ傘 201510
草も木も雨に疲れて梅雨の月 藤岡紫水 京鹿子 201510
梅雨穂草午後を一途にそよぎけり 北川孝子 京鹿子 201510
梅雨の蝶息ふれあへる近さかな 中島悠美子 京鹿子 201510
梅雨がすみうしろに灘の樹海あり 片山煕子 京鹿子 201510
文楽の首が目を剥く梅雨の家 直江裕子 京鹿子 201510
ひとつ家にふたり漂ふ長の梅雨 直江裕子 京鹿子 201510
梅雨の月静かに触れてモノレール 上野紫泉 京鹿子 201510
歯車の合はぬ舌戦梅雨酒場 金子正道 京鹿子 201510
体調のすぐれぬ日々や梅雨深し 野中圭子 京鹿子 201510
ワイングラス想ひ出うつし梅雨に人る 中西明子 京鹿子 201510
矢返しの声かけ合ふや梅雨の月 石崎和夫 201510
荒梅雨の梅田に京の紙袋 竹内悦子 201510
日を恋ひて森へ還らず梅雨の蝶 松本三千夫 末黒野 201510
前梅雨の降りみ降らずみ菖蒲摘み 加藤静江 末黒野 201510
荒梅雨や幣張りつきし路地稲荷 加藤静江 末黒野 201510
芝の上を付かず離れず梅雨の蝶 布施由岐子 末黒野 201510
剣道の竹刀の音や梅雨曇 波多野孝枝 末黒野 201510
梅雨出水常のせせらぎ轟轟と 柚木澄 末黒野 201510
海沿ひの路地の坂道梅雨最中 太田チヱ子 末黒野 201510
いざこざの一端ほぐる梅雨満月 山崎靖子 201510
日の目なき仏間や梅雨の静けさに 窪田佳津子 雨月 201510
梅雨憂しや夫婦異なる薬餌呑み 玉置かよ子 雨月 201510
犬逝きて家族減りたる梅雨の家 中原吟子 雨月 201510
梅雨ぐもり酒船石は藪の中 森礼子 雨月 201510
厄除の代参として梅雨の寺 平居澪子 六花 201510
駆け昇る竜の疾さや梅雨出水 延川五十昭 六花 201510
竜が棲む洲を覗けり梅雨出水 延川五十昭 六花 201510
濁流は竜のうねりぞ梅雨出水 延川五十昭 六花 201510
闘竜の咆哮聞こゆ梅雨出水 延川笙子 六花 201510
雄叫びの胸に轟く梅雨出水 延川笙子 六花 201510
抜手切る竜見えにけり梅雨出水 延川笙子 六花 201510
荒れ梅雨に心の修羅を流しもし 齋藤晴夫 春燈 201510
天蓋は如来の祈り梅雨探む 馬場節子 春燈 201510
梅雨の湖茫洋として沖はるか 馬場節子 春燈 201510
信号の先に.信号梅雨の町 きくちえみこ 港の鴉 201510
梅雨の傘干して城下に住み古りぬ 湖東紀子 ホトトギス 201511
国会の安保法論議梅雨長し 神田惣介 京鹿子 201511
萱門の一歩でくぐる梅雨の僧 伊藤希眸 京鹿子 201511
梅雨しとど腰痛癒える有馬の温泉 児玉有希 京鹿子 201511
地続きや大和山城梅雨曇 上辻蒼人 風土 201511
茶畑の向かうや淡き梅雨の虹 上辻蒼人 風土 201511
神刀は武士の剣梅雨湿り 上辻蒼人 風土 201511
梅雨豪雨人の生活狂はせり 今井充子 201511
稜線を梅雨の名残の二日月 安斎久英 末黒野 201511
橋桁に犬の放尿梅雨兆し 佐藤恭子 あを 201511
深梅雨や聖堂の扉を重く開け 樺山翠 雨月 201511
モーツァルト聴き梅雨の憂さ払ひけり 隅田恵子 雨月 201511
豹変の溝川の相梅雨出水 隅田恵子 雨月 201511
梅雨のごと降つたり止んだり緑映ゆ 水谷直子 京鹿子 201512
長梅雨や遺影にこぼす独り言 田代貞枝 201512
いただきの雲押し上げて梅雨あがる 松田明子 201512
梅雨最中訃報回覧板至急 田岡千章 201512
草に上げくちびる厚し梅雨鯰 深川淑枝 201512
梅雨前線トーストにジャム厚くして 奥名房子 201602
どんどんと分け入ってゆく梅雨の底 わたなべじゅんこ 船団 201602
窓際にじゃがりこがりがり梅雨あける わたなべじゅんこ 船団 201602
眠る人寄りかかりくる梅雨車内 田中藤穂 201602
浮玉を束ねて梅雨の舟溜り 田中藤穂 201602
玄関に神棚梅雨の舟宿に 田中藤穂 201602
梅雨空は阿吽の形の白眼かな 池田友之 夏雲 201603
身構へる我が身寂しき梅雨の明け 池田友之 夏雲 201603
母逝きて掛け帳残る梅雨の底 升田ヤス子 玫瑰 201604
梅雨近き晴の一日と思ひつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201606
何事もあるがままなり梅雨の晴 稲畑汀子 ホトトギス 201606
午後は梅雨戻る出仕度ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201606
梅雨の傘どこかに入れてある安堵 稲畑汀子 ホトトギス 201606
計画は着々梅雨も明くる頃 稲畑汀子 ホトトギス 201606
梅雨に添ふ旅路のありて自ら 稲畑汀子 ホトトギス 201606
雨止んで梅雨を忘れてゐる時間 稲畑汀子 ホトトギス 201606
咲くもののどつと増えつつ梅雨の庭 稲畑汀子 ホトトギス 201606
梅雨荒るる予報の旅路恙なく 稲畑汀子 ホトトギス 201606
梅雨の枷抜け来しやうな旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201606
花籠を飾りて梅雨を明るうす 稲畑汀子 ホトトギス 201606
朝から晴れしは梅雨の中休み 稲畑汀子 ホトトギス 201606
青空も今日の旅路の梅雨のもの 稲畑汀子 ホトトギス 201607
梅雨雲に水嵩預け川の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
梅雨空を押し返しつつ旅路かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
梅雨霧に三瓶標高失へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
星空を梅雨空に明け渡す朝 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
伊万里より唐津が好み梅雨曇 コ田千鶴子 馬醉木 201607
森ふかく碧き光の梅雨の蝶 石本百合子 馬醉木 201607
梅雨館隠れ部屋めく中二階 能村研三 201607
菜種梅雨ネオン明りの関帝廟 卯月十六 末黒野 201607
風聞の街に梅雨の灯また一つ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201607
梅雨月を抱いてくぐもる遊女墓 鈴鹿呂仁 京鹿子 201607
孤独死を潜ませてゐみ梅雨の闇 吉村摂護 201607
鎮魂の舞の鈴鳴る梅雨の森 吉村摂護 201607
小鳴門の闇をゆるがす梅雨の雷 綿谷ただ志 馬醉木 201608
人情のからみまとふや梅雨湿り 長坂正昭 春燈 201608
荒梅雨や信長公の朱印状 橋添やよひ 風土 201608
鍬を振る土をよすがに梅雨やませ 森屋慶基 風土 201608
梅雨懈しぼんぼん時計鳴ればなほ 定梶じょう あを 201608
絶筆の赤かも夕やけ旱梅雨 定梶じょう あを 201608
梅雨の蝿打つにちからや且つ逃がし 定梶じょう あを 201608
梅雨時の彫刻の森ピカソ館 須賀敏子 あを 201608
梅雨ふかし灰のにほひに母のにほひ 竹内弘子 あを 201608
熊本城の石垣崩れ梅雨つづく 田中藤穂 あを 201608
梅雨ぐもり名のみ残れる蛍坂 田中藤穂 あを 201608
すこやかなれ瑞稲の国の梅雨前線 森直子 あを 201608
蔓薔薇の白が飲み込む梅雨曇 森理和 あを 201608
留守居して熱く濃いお茶梅雨曇 森理和 あを 201608
居酒屋の込み合ってゐる梅雨の月 田中藤穂 あを 201608
桃色の梅雨雲被る富士の山 大日向幸江 あを 201608
蕎麦殻を片耳できく梅雨の入 佐藤恭子 あを 201608
赤二輪引立つ梅雨の旧街道 長崎桂子 あを 201608
梅雨出水母が預かる父の印 中川句寿夫 あを 201608
のど飴は噛まざり梅雨に中休み 中川句寿夫 あを 201608
鴉鳴き雀の鳴かず梅雨の朝 佐藤喜孝 あを 201608
梅雨がらす骨の髄までナルシスト 鈴鹿呂仁 京鹿子 201608
綴ぢ蓋の嵌まらぬ現梅雨の穴 鈴鹿呂仁 京鹿子 201608
燃え尽きて蝋の一涙梅雨の月 鈴鹿呂仁 京鹿子 201608
梅雨傘のひと日たつぷり骨休め 丸井巴水 京鹿子 201608
梅雨傘のクラゲ一団渡りきる 丸井巴水 京鹿子 201608
縄文の錆もて梅雨の左近詩碑 能村研三 201608
懇ろな箒日梅雨の恋文碑 能村研三 201608
梅雨の灯に吊る喪支度の五つ紋 柴田近江 201608
梅雨の月魔鏡と神鏡相照らす 高橋将夫 201608
梅雨楽し玉虫色の傘の内 岩下芳子 201608
終電車降りて散りぢり旱梅雨 荒木甫 201609
ピカソの貌はギクシャク旱梅雨 荒木甫 201609
梅雨空の喜々と降らしてゐたりけり 甕秀麿 201609
ばさばさと触れむばかりに梅雨鴉 田原陽子 201609
梅雨の雲検査結果を告げらるる 山本久江 201609
水元の空の鐘楼梅雨湿り 村高卯 201609
外は梅雨の嵐やショパンポロネーズ 島田万紀子 馬醉木 201609
梅雨ふかく鳴く恋鴉朝の池 島田万紀子 馬醉木 201609
荒梅雨や滝となりゆく樟の幹 薮脇晴美 馬醉木 201609
観世音在す石窟梅雨じめり 高橋恵美子 馬醉木 201609
梅雨じめり野菜大きく刻みけり 佐渡谷秀一 春燈 201609
梅雨曇り料金不足の封書来て 渡辺やや 風土 201609
何のいさかひ梅雨鴉よく鳴ける 上辻蒼人 風土 201609
梅雨の月潜水艦の浮上せり 森田節子 風土 201609
梅雨の蝶谿の浮力を捉へけり 今瀬一博 201609
梅雨滂沱慢性遅延山手線 上谷昌憲 201609
ダム底の過去まざまざと梅雨旱 吉田政江 201609
古代米に飯染まりをり梅雨終る 湯橋喜美 201609
梅雨深む退蔵の書も我が一部 荒井千瑳子 201609
収集に合はす投函梅雨ごもり 塩野谷慎吾 201609
四人目の曾孫を抱きぬ梅雨の晴 小川玉泉 末黒野 201609
梅雨最中紅をうつすら検診日 石田朝子 末黒野 201609
荒梅雨や綾杉黒き竜と化す 山内碧 201609
合掌家真向ひにして梅雨の句座 大橋晄 雨月 201609
声明の堂にくぐもる梅雨の入り 竹内喜代子 雨月 201609
天鵞絨の毛並や梅雨の一馬身 山田夏子 雨月 201609
六甲の谷より梅雨の靄上る 堀井英子 雨月 201609
聞き役も功徳と梅雨の方丈に 本多正子 雨月 201609
梅雨の蝶羽に重さのありにけり 足立典子 雨月 201609
梅雨兆す日の日記また一行に 中原敏雄 雨月 201609
やや鬱と自嘲してをり梅雨長し 中原敏雄 雨月 201609
梅雨湿りしたる句帳も歳時記も 大崎ナツミ 雨月 201609
晩齢につく梅雨蝶や瀬は滾つ 松本鷹根 京鹿子 201609
御土居守る矜恃を仰ぐ梅雨大樹 松本鷹根 京鹿子 201609
一日を一語に執し梅雨穂草 北川孝子 京鹿子 201609
自己流のしあはせに足り梅雨深む 北川孝子 京鹿子 201609
目鼻なき仏は石に青葉梅雨 直江裕子 京鹿子 201609
日本列島しぼれば梅雨のしたたれり 木戸渥子 京鹿子 201609
送り梅雨心支度に地図広ぐ 伊吹之博 京鹿子 201609
梅雨の夜や黙つて添へる銀の匙 高野春子 京鹿子 201609
梅雨じめり金属疲労起こしをり 寺田すず江 201609
金色の梅雨満月の雫かな 岩下芳子 201609
梅雨の嬰水の匂ひに笑まひをり 有松洋子 201609
梅雨深しみな黒傘の黒服の 有松洋子 201609
方舟の乗船切符梅雨ざんざ 久保夢女 201609
荒梅雨や龍の都へ招かれて 有松洋子 201609
梅雨の蝶寄るべき花のなくなりし 田中藤穂 あを 201609
梅雨湿り畳に過す時多し 長崎桂子 あを 201609
弁財天にラップ流るる梅雨の小路 森直子 あを 201609
裏通り表通りに梅雨の月 森直子 あを 201609
軽震の時々ありて梅雨終はる 須賀敏子 あを 201609
水輪から水輪の尾鰭乱す梅雨 森理和 あを 201609
九窮に梅雨の湿りの満満す 佐藤恭子 あを 201609
梅雨深し古き判子にブラシ掛け 青谷小枝 やぶれ傘 201609
渡し場の腰かけ石に梅雨の雨 白石正躬 やぶれ傘 201609
今年限り今年限りと集ふ梅雨 今井千鶴子 ホトトギス 201610
梅雨の航とは全方位視界ゼロ 古賀しぐれ ホトトギス 201610
詠み尽し黄泉へ発ちたり梅雨の月 久留米脩二 馬醉木 201610
全天の茜をまとひ梅雨烏 小川玉泉 末黒野 201610
わが胸の高さを出でず梅雨の蝶 松本三千夫 末黒野 201610
梅雨の蝶森の昏さを引きずらず 松本三千夫 末黒野 201610
軍艦を眠らせ梅雨の月円か 松本三千夫 末黒野 201610
吹けばとぶ十貫の身や梅雨に臥す 安斉久英 末黒野 201610
立読みの古書肆出づれば梅雨の街 石黒興平 末黒野 201610
幼児の窓のある傘梅雨深し 石黒興平 末黒野 201610
梅雨しとど千葉市を走るモノレール 田中臥石 末黒野 201610
千木光る梅雨の晴れ間や婚の列 原和三 末黒野 201610
法堂の燭のかげろひ梅雨の昼 原和三 末黒野 201610
学僧の青きつむりや梅雨の蝶 原和三 末黒野 201610
小上りに過ぐるを念ず梅雨の雷 山口登 末黒野 201610
梅雨月の老犬三十キロ洗ひ 戸田澄子 末黒野 201610
曾孫誕生一瞬梅雨も晴るるかに 伊藤由良 末黒野 201610
梅雨 →19      

 

2021年7月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。