梅 雨 11  200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
吊革の頂点にある梅雨湿り 七種年男 200809  
鳥瞰の白き地震跡梅雨深し 丹間美智子 炎環 200809  
鯉跳ねて総身さらす梅雨の晴 水野加代 万象 200809  
抽んでてヒマラヤ杉に梅雨深し 柿沼盟子 風土 200809  
浦人の遠まなざしに梅雨の情 戸栗末廣 火星 200809  
古利根や梅雨の走りのささら波 太田寛郎 200809  
一行詩書く多羅葉の梅雨じめり 上田明子 雨月 200809  
お籠りの夜具を積み上げ梅雨の宿 博多永楽 雨月 200809  
源氏物語は梅雨に借りて読む 小倉綾子 ぐろっけ 200809  
濁流のつづく前川梅雨深し 神田一瓢 雨月 200809  
大琵琶へ撞く鐘の音や梅雨ぐもり 森ひろ 馬醉木 200809  
大師堂借りて香炷く梅雨地蔵 神田一瓢 雨月 200809  
うなづける磁石の針や梅雨の真夜 藤原冬人 火星 200809  
ジャンプ傘バサッと開き梅雨最中 田尻勝子 六花 200809  
喧騒を地下に閉ぢ込め商都梅雨 山田をがたま 京鹿子 200809  
欠け仏拝して深む梅雨の黙 上田明子 雨月 200809  
迎え梅雨衣裳ダンスに若き日々 吉田光子 ぐろっけ 200809  
にほどりのひとりあそびや梅雨最中 西山美枝子 酸漿 200809  
合掌句碑荒梅雨に彫深めをり 田所節子 200809  
空中にもつれほどきて梅雨の蝶 矢島久栄 200809  
節々の律儀に痛む梅雨最中 佐藤史づ代 雨月 200809  
責道具並ぶ陣屋の梅雨畳 近藤敏子 200809  
梅雨じめり反芻毎に悔い深む 吉田光子 ぐろっけ 200809  
雀等の声が目覚し梅雨の朝 北島上巳 酸漿 200809  
梅雨の闇句作の一辞定まらず 粟倉昌子 200809  
梅雨の世のハーブ茶暑く淹れにけり 渡部磐空 200809  
梅雨を支へて漆黒の太柱 遠藤真砂明 200809  
梅雨深き膝の欲しがる広辞苑 浅田光代 風土 200809  
水は水雲は雲いろ負ひて梅雨 村田冨美子 京鹿子 200809  
帰途の歩を少しゆるめて梅雨の月 北川とも子 ぐろっけ 200809  
間延びせし研屋の声や梅雨曇 山田孝枝 酸漿 200809  
乾坤を奔る真白や梅雨の滝 川崎光一郎 京鹿子 200809  
歯車の狂ひはじめし梅雨の月 山崎ゆき子 炎環 200809  
火口湖に梅雨の夕霧渦巻ける 根岸善雄 馬醉木 200809  
街に梅雨遂に屋台は灯らず昏る 山田をがたま 京鹿子 200809  
路地おくの小さき地蔵や梅雨灯 田村葉 炎環 200809  
涙やも顔に筋引く梅雨地蔵 山田をがたま 京鹿子 200809  
海坂も崎も塗り込め梅雨滂沱 柴野静 200809  
柳さへ梅雨の住吉小橋かな 阿部ひろし 酸漿 200809  
友の訃や梅雨のひと日を歩いてる 鴨下昭 200809  
雷鳴の一喝ありて梅雨上る 小泉豊流 酸漿 200809  
せめてもの梅雨の晴間の今朝の地震 磯野しをり 雨月 200809  
せめぎあふ梅雨の走り根無音界 丹間美智子 炎環 200809  
夕闇や梅雨の潮騒早言葉 後藤眞由美 春燈 200809  
癒ゆる目途立たざるままに梅雨も明け 綿谷美那 雨月 200809  
薬師寺の水煙仰ぐ梅雨の空 内藤順子 酸漿 200809  
戻り梅雨庫裏の暗きに泣くことも 辻直美 200809  
佛頭の渦巻いくつ梅雨深む 長屋璃子 火星 200809  
街の音減りゆく梅雨の走りかな 府川昭子 春燈 200809  
暈を被て梅雨満月や空とほし 山崎泰世 200809  
酌む酒の悲しき夕べ梅雨の葬 岡野ひろ子 200809  
湿度百温度三十梅雨や憂し 大橋晄 雨月 200809  
鹿の餌を横取りしたる梅雨鴉 山本漂子 雨月 200809  
母恋へばせつせつとして梅雨の蝶 村田冨美子 京鹿子 200809  
片乳房なき人まじる梅雨の寺 久津見風牛 200809  
文字の海にただようてをり梅雨の底 浅田光代 風土 200809  
新宿区に面影橋や梅雨深し 石原みどり 炎環 200809  
飯桐の実のふさふさと梅雨青し 浅野恵美子 酸漿 200809  
白抜きの字幕スーパー梅雨きざす 栗栖恵通子 200809  
三枚の胴着干さるる梅雨の晴れ 松村光典 やぶれ傘 200809  
梅雨鴉鳴いて注連古る御神木 磯野しをり 雨月 200809  
梅雨夕燒通念変へて鴉飛ぶ 禰寝瓶史 京鹿子 200809  
梅雨霧や大和三山模糊として 笠井清佑 200809  
梅雨兆す夕餉の牛の息遣ひ 中村風信子 馬醉木 200809  
梅雨大河長生橋の端けぶる 長谷川智弥子 炎環 200809  
梅雨小窓開けて雀らに貸す二階 阿部ひろし 酸漿 200809 佃田行
梅雨湿り電話の声は知らぬ人 木原今女 ぐろっけ 200809  
梅雨月を窓越しに見つ受話器取る 池部久子 酸漿 200809  
梅雨月に尺八の音のうねりけり 中村斉子 火星 200809  
梅雨空へ泰然たりし川一本 青山正生 200809  
梅雨空の遠くの地震に身のすくむ 大橋晄 雨月 200809  
梅雨雲に「お山壊れた」幼言ふ 鈴木照子 200809  
梅雨はげし博士論文金文字に 岸本林立 雨月 200809  
梅雨の路地手押しポンプの使はれて 桑久保奈美子 酸漿 200809  
梅雨の雷床にこぼるる金平糖 八代冨二子 遠嶺 200809  
梅雨の月人生少し動く日よ 小林奈穂 200809  
梅雨の月健やかに夜々育ちをり 岸野美知子 酸漿 200809  
梅雨の月リハビリバスの殿りに 鈴木とおる 風土 200809  
梅雨ぐもり小鼻欠けたる陶狸かな 塩路隆子 200809  
波の間にかそけき光梅雨の晴 安井寿美子 200809  
いく度も鏡を磨き梅雨曇 西本輝子 雨月 200809  
同病の氏に先立たれ梅雨滂沱 高木智 京鹿子 200809  
壮年の祈りの長し梅雨深み 岸本久栄 雨月 200809  
東天紅梅雨の朝日の出でにけり 阿部ひろし 酸漿 200809  
荒梅雨や屋根は合掌深くして 近藤敏子 200809  
荒梅雨に微動だに無き野の仏 神田一瓢 雨月 200809  
糠床のゆるさ日毎に梅雨深し 森佳子 遠嶺 200809  
隠し味の効かぬ文体梅雨の雷 甲州千草 200809  
肩と指痛めて梅雨の重きかな 水谷靖 雨月 200809  
隠れ里に迷うて白き梅雨の蝶 和田森早苗 200809  
マンションに指圧処や梅雨兆す 金子輝 春燈 200809  
わら葺の五合庵訪ふ梅雨の蝶 大里快子 酸漿 200809  
雨降らず日もまた照らず梅雨の街 松村光典 やぶれ傘 200809  
キッチンの上履き重し梅雨兆す 北尾章郎 200809  
デジヤビユーの街角上る梅雨の月 中沢三省 風土 200809  
まろぶまで地をすれすれに梅雨の蝶 矢島久栄 200809  
カーテンを開けば今日も梅雨激し 神田一瓢 雨月 200809  
地鳴りして隣家毀たる梅雨最中 成宮紀代子 200809  
まん中のもみぢ饅頭梅雨の卓 森ゆみ子 炎環 200809  
ヘリコプター人を吊り上ぐ梅雨出水 大矢雅子 万象 200809  
ギターひく梅雨の悍馬を鎮めんと 横松しげる 遠嶺 200810  
烏ゆく色なき梅雨の空なりけり 高橋宏行 遠嶺 200810  
後戻り出来ずひまはり梅雨に咲き 大坪景章 万象 200810  
鍵かけて梅雨の一ト日を籠りゐる 西本輝子 雨月 200810  
鶏小屋に高き鳴き声梅雨上る 徳丸峻二 風土 200810  
扇面の筆勢梅雨の明けにけり 外川玲子 風土 200810  
仙境をなす竹林の梅雨の霧 小山徳夫 遠嶺 200810  
生と死のあはひに姉や梅雨長し 荒井千佐代 200810  
葦は丈揃へてゐたり戻り梅雨 葦原葭切 春燈 200810  
鬼門てふ梅雨の裏門橋を抜け 小幡にて 風土 200810  
新教師ふかふかの髪梅雨の明 山口天木 雨月 200810  
振る鍬に低く迫れり梅雨の雲 宮崎知恵美 万象 200810  
動物園の檻見下しの梅雨鴉 塩見治郎 雨月 200810  
蒸気抜く窓より梅雨の明りかな 富岡にて 風土 200810  
砂ぶくろ浮きぶくろにも梅雨が明け 丸山佳子 京鹿子 200810  
梅雨残る林の窪にツチアケビ 勝野薫 ぐろっけ 200810  
?斗雲のごとき一片梅雨の明け 服部早苗 200810  
児の傘のミッキーマウス梅雨に跳ね 田巻和子 遠嶺 200810  
夜明聞く梅雨ひぐらしは母の声 中島伊智子 酸漿 200810  
雄鶏のはばたき鳴けり梅雨の明 井手浩堂 万象 200810  
没骨の墨の香にあり梅雨の月 落合絹代 風土 200810  
実朝の海を濡らして梅雨の月 中沢三省 風土 200810  
亡きひとも眠れと消しぬ梅雨灯 原秀三 春燈 200810  
時止めて梅雨千万の糸繰機 富岡にて 風土 200810  
新しき千木を掠めて梅雨鴉 金森教子 雨月 200810  
梅雨鴉とまりてマスト傾けり 桑島啓司 200810  
梅雨雲を引張つてゐるクレーンかな 川崎光一郎 京鹿子 200810  
梅雨雲に隠るる榛名妙義山 富岡にて 風土 200810  
梅雨の夜我が家を覗く赤き月 中村しげ 酸漿 200810  
梅雨ぐもりヒトを見飽きし白き虎 村田菊子 遠嶺 200810  
鉛筆を鋭く削り梅雨の夜 桑島啓司 200810  
今は昔千の機織る梅雨館 富岡にて 風土 200810  
天地荒れ人すさむ世や梅雨深し 稲次登美子 雨月 200810  
諦観も達観もなく梅雨の獅子 村田菊子 遠嶺 200810  
幸願ふ人のあふれる梅雨の裏 松田都青 京鹿子 200810  
見あぐれば四方にマンション梅雨の月 有賀昌子 やぶれ傘 200811  
けふひと日どこへも行かず梅雨の庭 筏愛子 200811  
清々と梅雨の明けたる野道行く 松尾緑富 ホトトギス 200811  
癒しの曲流して梅雨の喫茶店 木場田秀俊 200811  
梅雨蝶に急ぎの用のあるらしき 高村令子 風土 200811  
梅雨最中物体となり手術受く 森紀子 200811  
梅雨果ての空の日差しや最上川 中村翠湖 馬醉木 200811  
荒梅雨や夜の枕を打てる音 久永つう 六花 200811  
哲学の道豊かに梅雨の水流る 勝原文夫 ペン皿 200811 京都行
カリヨンの黙せるチャーチ梅雨曇 勝原文夫 ペン皿 200811  
陰極む梅雨の月なり大戸閉づ 滝川あい子 雨月 200811  
胸中にいま梅雨川のはやさかな 岩岡中正 ホトトギス 200812  
良寛の五合庵あり梅雨の山 大内恵 酸漿 200812  
たんたんと輸血の指示や梅雨深し 大槻秋女 ホトトギス 200812  
夫癒えよ癒えよと梅雨の晴間かな 大槻秋女 ホトトギス 200812  
梅雨夕日弥彦の山の静かなり 大内恵 酸漿 200812  
梅雨深し面会謝絶の札下げて 大槻秋女 ホトトギス 200812  
梅雨はげし人にやさしくせねばならぬ 岩岡中正 ホトトギス 200812  
梅雨の朝鹿ひざまずく神の庭 大内恵 酸漿 200812  
闘病の不安抱きつ梅雨に処す 大槻秋女 ホトトギス 200812  
言ふことを聞かぬ抽出し戻り梅雨 上原榮子 京鹿子 200901  
暁のひかり日々恋ひ梅雨の長かりし 瀧春一 深林 200901  
醜骸を負はされし妻の梅雨地獄 瀧春一 深林 200901  
山の湖に津あり浦あり梅雨けぶる 瀧春一 深林 200901 十和田
わが肉をかくも啖ひし梅雨の餓鬼 瀧春一 深林 200901  
梅雨鴉老樹の洞に石地蔵 野沢しの武 風土 200902  
梅雨上りゆける都心の仕事部屋 稲畑汀子 ホトトギス 200906  
梅雨霧の霽れてロシアはあの向かう 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906  
梅雨出水水惑星といふ運命 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906  
梅雨雲を抜ける緊張空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200906  
梅雨雲と水平線にある隙間 稲畑汀子 ホトトギス 200906  
恒例の梅雨逃れざる旅承知 稲畑汀子 ホトトギス 200906  
大寺も前の飯屋も梅雨最中 山尾玉藻 火星 200907  
理事会はみな拍手にて梅雨座敷 品川鈴子 ぐろっけ 200907  
それやうとして突き当り梅雨の傘 堀内一郎 あを 200907  
下ろしたてバリーの靴に名残梅雨 品川鈴子 ぐろっけ 200907  
梅雨出水天竜・安倍より暴れ富士 品川鈴子 ぐろっけ 200907  
魂は濡るることなし梅雨の月 高橋将夫 200907  
投球の身振りを梅雨の玻璃戸へと 品川鈴子 ぐろっけ 200907  
悪人が増えいつまでも梅雨開けず 堀内一郎 あを 200907  
ひとり来て縄文杉の梅雨雫 吉弘恭子 あを 200908  
仲のよい鳩を見てゐる梅雨の猫 丸山佳子 京鹿子 200908  
地獄に候の子規の文見て梅雨兆す 磯野しをり 雨月 200908  
ギヤマンの涙雨の如き梅雨の窓 須藤トモ子 200908  
多数決できめないでおく梅雨の果 堀内一郎 あを 200908  
なにやかや掛けてあるなり梅雨屏風 八田木枯 晩紅 200908  
生きてこそわが影うごく梅雨灯 平野伸子 馬醉木 200908  
梅雨湿りして結び目に及びけり 芝尚子 あを 200908  
乗り違へ梅雨の平城京を過ぐ 常田創 200908  
学校の窓の全部が梅雨ゆやけ 定梶じょう あを 200908  
眞黒き瓦光らせ梅雨の月 鎌倉喜久恵 あを 200908  
街灯の駅まで灯る梅雨の朝 赤座典子 あを 200908  
峻峰は雲の聖域梅雨きざす 秋葉雅治 200908  
不機嫌な梅雨ふきげんな歯の痛く 芝尚子 あを 200908  
梅雨蝶の乱心のごと恋あそび 鈴鹿仁 京鹿子 200908  
梅雨鴉われを弱気の虫と知る 竹内弘子 あを 200908  
梅雨鴉いつも青空みてゐたり 石寒太 炎環 200908  
梅雨長し北前船の板廊下 伊藤敬子 200908  
梅雨兆す白秋生家通し土間 藤見佳楠子 200908 柳川
梅雨兆す地下の図書室明るかり 佐藤良重 炎環 200908  
梅雨空や名著の中の司教の語 四條進 200908  
梅雨ふかし烏賊のポーズをしてみるか 佐藤喜孝 あを 200908  
梅雨の蠅畳のうへをとびにけり 八田木枯 晩紅 200908  
梅雨の夜半齢かぞへて寢そびれぬ 鎌倉喜久恵 あを 200908  
梅雨の池動くもの目にわれ動く 寺半畳子 炎環 200908 梅雨 →12

 

2020年6月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。