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囀りの美しかりしこと閨に   矢島渚男   木蘭

春禽 春の鳥  うぐひす 雲雀  つばくらめ  つばめ 燕の子

雀の子  巣立 百千鳥 古巣 鷽 小綬鶏 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
囀のやがて地に消え空に消え 前田美恵子 201805
囀も聖歌に和せり四旬節 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
囀りの一樹に浮遊ごころかな 北川孝子 京鹿子 201805
囀りは窟(やぐら)の上の雑木より 渡邊孝彦 やぶれ傘 201805
囀りや川は気ままに青信号 片山煕子 京鹿子 201806
森は今育ち盛りや囀れり 七田文子 201806
枝うつる影がかげ追ひ囀れる 棚橋朗 201806
囀や羽衣のよな靴だもの 辻響子 201806
囀りは瑠璃色何の鳥だろう 波戸辺のばら 201806
囀りと一緒に潜る大鳥居 波戸辺のばら 201806
囀りや俳句は持病に似てしんど 火箱ひろ 201806
囀れる森よ寝ぐせの毛が立つて 辻水音 201806
凄まじき囀り釈迦の悟りの地 谷口律子 末黒野 201806
囀や裏参道の鎮もれる 及川照子 末黒野 201806
囀の光をまとふ王の墳 柴田佐知子 201806
囀りて活舌戻すあえいおう 七郎衛門吉保 あを 201806
囀の厚みを増して来たりけり 瀬川公馨 201807
囀に混じれず鴉撫然とす 有松洋子 201807
精霊の宿りし大樹囀れり 岩月優美子 201807
囀りに体操する手弾みをる 井上静子 201807
囀りも棚田も海へ傾けり 能美昌二郎 201807
囀や五百羅漢を目覚めさせ 岡本秀子 201807
パステルで描く囀印象派 中西恒弘 201807
囀の沼にこぼるる光かな 藤生不二男 六花 201807
囀りや万骨ねむる激戦地 亀井福恵 京鹿子 201808
囀や一瞬消ゆる渓の音 安江筍子 雨月 201808
囀や積木の家の赤白黄 大西乃子 201808
囀やトースターのパンはね上がる 山田正子 201808
囀りは木霊の如し眉山朝 竹内文夫 やぶれ傘 201808
アンテナに止まり囀りゐたるかな 時田義勝 やぶれ傘 201808
囀や爪を磨いて眉描いて 天谷翔子 201809
囀りのふくらんでいる森を聞く 重原爽美 201902
囀りや松の廊下の一部始終 若泉真樹 201902
囀りや樹上の野良猫大あくび 若泉真樹 201902
をちこちの囀りのそら花色に 鈴鹿呂仁 京鹿子 201903
囀に和す鎌倉の忌日寺 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
虚子館の庭囀に目覚めゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
復活を祝ぐ囀でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
玻璃越しの囀庭へいざなへる 稲畑汀子 ホトトギス 201904
ゆるやかな刻流れゆく囀れり 宮川みね子 風土 201904
囀や出でゆく舟と戻る舟 長谷川翠 馬醉木 201905
囀や杜深くして明るくて 大森三保子 馬醉木 201905
おほかたはこぼるるポンプ囀れり 市村明代 馬醉木 201905
囀りのまつただなかにゐて淋し 増成栗人 201905
囀や筆尻で溶く藍のいろ 植田桂子 馬醉木 201906
囀をあつめて欅大樹かな 大谷満智子 春燈 201906
囀や少年少女合唱団 高橋将夫 201906
囀や未来へとつながりし空 近藤喜子 201906
囀やのたりと動く象の鼻 吉田順子 201906
囀や骨に始まる考古学 森岡正作 201906
囀りの重さに耐へてゐる大樹 高木嘉久 201906
囀りや湖のほとりの美術館 小林共代 風土 201906
倒木の森の青空囀れる 火箱ひろ 201906
囀りやさびしさびしと囀るも 火箱ひろ 201906
平成と令和のはざま囀れる 火箱ひろ 201906
囀りや日々を泣いたり笑ったり 松井季湖 201906
囀りの消えて薄暮の大欅 笹村ルル 201906
囀りや首振り見上ぐ通行人 永田万年青 六花 201906
囀や人をたづぬる広報車 和田慈子 末黒野 201906
囀を集め裏山膨らめる 太田良一 末黒野 201906
囀や語り上手な人と会ふ 吉田くら 201907
付添はスマートフォンや囀れり 加藤良子 春燈 201907
囀や手ぬぐひ干され地蔵堂 あさなが捷 201907
そのなかの一樹もつとも囀れり 岡部玄治 201907
囀りや閼伽桶の水溢れをり 小形博子 201907
柏槙の齢たたへよ囀りて 内藤静 風土 201907
囀りをメールの中の動画より 山田暢子 風土 201907
囀りの湧き立つ大樹雲湧けり 波戸辺のばら 201907
囀りは多分あの木のあの辺り つじあきこ 201907
業平の縁の在所囀れる 大石よし子 雨月 201907
囀の中ヘリフトの躍り出す 石谷淳子 雨月 201907
囀が降る観音の掌に 岡田正義 雨月 201907
囀が降る観音の掌に 岡田正義 雨月 201907
囀れり二度折りかへすシャツの袖 青谷小枝 やぶれ傘 201907
囀や森の茶房のログハウス 森清堯 末黒野 201907
出つ尻の縄文土偶囀れり 新井八重子 末黒野 201907
囀や力あふるる草野球 及川照子 末黒野 201908
竹やぶはいま囀りのるつぼなり 河原敬子 201909
囀の溢れゐる中足湯かな 廣畑育子 六花 201908
囀りの意中の人は貴方かも 佐々木麻里 船団 201910
囀にパントマイムの吐息かな 岡澤田鶴 201910
囀の限りとてつもなき追慕 井尻妙子 京鹿子 201910
囀りや醤油をはじく生玉子 岸洋子 201911
雨上がる囀を呼び覚ましつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
囀の増え来し朝の家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 202004
囀に山路深まるところかな 稲畑汀子 ホトトギス 202004
囀や吉野の宿でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202004
囀のはじまる朝の吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 202004
囀を浴びをり人を愛したし 成瀬櫻桃子 春燈 202004
囀を集め裏山膨める 太田良一 末黒野 202004
囀りの塊となる一樹かな 後藤久美子 202004
囀りの空はいちまい建礼門 鈴鹿呂仁 京鹿子 202005
囀りの一樹となりの一樹にも 安藤久英子 やぶれ傘 202005
囀りのときに争ふこゑかとも きくちきみえ やぶれ傘 202005
囀や四角四面の五線塀 鈴鹿仁 京鹿子 202005
廃校に残る胸像囀れる 早川俊久 馬醉木 202005
卵割る囀の窓すこし開け 柴田佐知子 202006
みすずかる信濃の山に囀れり 中村洋子 風土 202006
囀や鈴ふるやうに雀どち 青木まゆ美 202006
見舞ひ終へたもとほる町囀れる 伊藤美緒 末黒野 202006
囀や同じ木にくる同じ鳥 斉藤マキ子 末黒野 202006
囀りの早き夜明けや昨日今日 増田裕司 やぶれ傘 202006
囀りやほくろは右にあつたはず 辻響子 202006
囀やひら飼ひの鶏跳びあがる 上村葉子 風土 202006
円墳の小山揺らしつ囀れり 上村葉子 風土 202006
囀やふつくら焼けし卵焼き 松本胡桃 風土 202006
囀やひら飼ひの鶏飛び跳ねて 上村葉子 風土 202006
囀りのたまる障子の内に居り 岡尚 風土 202006
聞き覚え無き囀りに目を凝らす 門伝史会 風土 202006
樹木医の大きてのひら囀れり 門伝史会 風土 202006
囀りにユニバーシティ・ハウスかな 山田暢子 風土 202006
やはらかき胸を反らして囀れり 柴田佐知子 202006
囀の中で頬ばる握り飯 小林共代 風土 202007
囀や切株に置く方位計 浅田光代 風土 202007
囀りのひとかたまりに移りけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 202007
囀りの高まりに猫落ち着かず 本郷美代子 やぶれ傘 202007
囀や日に十便の渡し舟 太田良一 末黒野 202007
囀の糺の森にをりにけり 前田美恵子 202007
囀りや仏足石のひびりにも 住田千代子 六花 202007
囀や大樹しきりにきらめきて 西岡啓子 春燈 202007
囀や生まれてすぐ立つキリンの子 渡辺若菜 春燈 202007
囀や目覚めの気持ちととのへて 森清堯 末黒野 202007
囀の翔ちたる空の青さかな 森田節子 風土 202007
囀やメレンゲの泡ピンと立ち 松本胡桃 風土 202007
要塞の囀る島となりにけり 森清信子 露の堂 202008
囀や供物をねらふ鴉どち 菅野日出子 末黒野 202008
囀のかきまぜてゐる空のあり 湖東紀子 ホトトギス 202009
囀や注ぎ分けゐるハーブティー 土井ゆう子 風土 202010
囀りや砂噴き上ぐる伏流水 井上和子 202010
囀のかたまりとなる夜明けの樹 小倉征子 202104
囀や常の御膳の鉢と皿 矢口笑子 春燈 202105
囀のひと日ひと日の勢ひかな 篠原幸子 春燈 202105
囀のまだ整はず空青し 佐藤まさ子 春燈 202105
囀や構へてためす鍬使ひ 能村研三 202105
囀へ応へさうなる石仏 木村あさ子 202105
屋外の囀り増して雨上がる 湯本正友 やぶれ傘 202105
囀のはみ出してゐる雑木山 石原孝人 京鹿子 202106
囀は迦陵頻伽や畑仕事 園部蕗郷 春燈 202107
囀や五百羅漢の大き耳 尾野奈津子 春燈 202107
囀や窓開け放し深呼吸 久津摩英子 春燈 202107
囀や寝足りしはずが床の中 森清信子 末黒野 202107
囀や一途の恋を蒼天へ 長尾タイ 末黒野 202107
登校の途絶え囀さかんなる 小田嶋野笛 末黒野 202107
囀やたぶの木四方に枝ひろげ 東小薗美千代 末黒野 202107
停まりのなき囀や四半刻 小倉純 末黒野 202107
囀の止むや一羽の飛び立ちぬ 毛利直子 末黒野 202107
囀の真ん中にゐてもの忘れ 門伝史会 風土 202107
囀りの遠く近くにありにけり 亀岡睦子 やぶれ傘 202108
囀りを集め大樹のゆふまぐれ 小池一司 やぶれ傘 202108
いつせいの囀りの音が森の音 荒川心星 202108
囀や養老先生思索中 服部早前 202108
囀りや手繰りしホース輪を重ね 原友子 202108
囀りを零さぬやうに日記閉づ 山中志津子 京鹿子 202108
囀や寺裏の土軟かき 加藤静江 末黒野 202108
囀や小谷戸の森の小暗がり 谷貝美世 末黒野 202108
囀りと葉のさざめきと鳥の影 足立枝里 202110
囀がどこかに路線図を見上ぐ 森祐司 202110
刀鍛冶の立派な墓や囀れり 三井所美智子 202112
囀や草もて拭ふ靴の泥 横田敬子 202112
囀や揃ひの赤きティーカップ 大西乃子 202112
閉ざされし園囀の湧き出づる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202203
囀りの真つ只中にゐて独り 増成粟人 202204
囀や島の生活のみりん干し 中野陽路 薫風 202205
囀や昔も今もながら族 矢口笑子 春燈 202205
早朝のキャンパス広し囀れり 坂本依誌子 春燈 202205
朝々の囀確か大公孫樹 森ふく 春燈 202205
図書館はしばらく休み囀れり 安藤久旋子 やぶれ傘 202205
囀やキャッチャーミットぽんと打つ 近藤真啓 春燈 202206
囀や間口の広きジーンズ店 辻泰子 春燈 202206
囀や湯守の長き湯かき棒 鈴木れい香 春燈 202206
囀りや鎮守の杜をふくらます 小林共代 風土 202206
囀りや子に起こさるる日曜日 小泉里香 やぶれ傘 202206
海苔弁当ひらく囀りしきりなり 小島正士 京鹿子 202206
囀りのひととき激し橅林 増成栗人 202206
川原の小石踏む音か囀りか 水谷はや子 202206
囀や姉妹の語る里ことば 鈴木千恵 末黒野 202206
囀や真白に乾くズック靴 中田みなみ 202206
鴉来て囀る二羽の飛びたてり 菅野日出子 やぶれ傘 202207
囀や選りて越えきし一生かな よしの公一 202207
囀やアールグレイのジャンピング 深川敏子 春燈 202207
囀や傘雨の句碑の流れ文字 金山雅江 春燈 202207
悼 囀の大樹はなるる一羽かな 小倉陶女 春燈 202207
囀や句集を贈る宛名書 荒井慈 春燈 202207
囀のそれぞれの声聞分くる 櫻井理恵 春燈 202207
囀に応へ小川の歌ひ出す 府川昭子 春燈 202208
囀の真つ直中や一里塚 石黒興平 末黒野 202208
囀りを真似て囀り失くしけり 西村安子 京鹿子 202208
囀のくすぐつてゐる夢の端 山田佳乃 ホトトギス 202209
囀や個室にチョコが一粒づつ 中田みなみ空 202211
囀や産着にあつる手アイロン 宮井知英空 202211
囀りや堆肥鋤きたる土の色 原友子空 202211
囀や方五寸なる樹木葬 原友子 202302
囀→ 1

2023年4月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。