牡 丹 5      100句

送り出て牡丹に跼む妓生かな    朴魯植

牡丹  緋牡丹  白牡丹  黒牡丹  大牡丹  夕牡丹

牡丹園  牡丹散る  牡丹崩る  ぼうたん  牡丹焚  ぼたん

作品
作者
掲載誌
掲載年月
箒目のみちよぎり行く牡丹の香 片野光子 ぐろっけ 200809
訪へば父牡丹に傘を結へをり 岡本高明 船団 200809
牡丹や横座りする弁財天 有賀昌子 やぶれ傘 200809
回覧板とどけ牡丹の客となる 平野伸子 馬醉木 200810
牡丹の溺るる雨の止まぬなり 木村享史 ホトトギス 200811
垣根越し牡丹ほめゆく郵便夫 木下忠雄 酸漿 200811
野牡丹も供華の中なり閼伽の桶 中山皓雪 200811
招ずるに牡丹一輪年わすれ 水原秋櫻子 馬醉木 200812
隣家は小さき主牡丹植う 島青櫻 炎環 200901
うしろより闇のぞきけり牡丹焚く 神蔵器 風土 200901
牡丹焚き終りし燠と示さるる 清水幸治 200902
牡丹と在りしこの数日に悔はなし 安住敦 春燈 200903
禁色の修羅のとなる牡丹焚火 西村純太 200904
白の牡丹左右に立てし金屏風 松本美智子 炎環 200904
羽音寄せ牡丹襞を整へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
牡丹の咲き終はりたる名残あり 稲畑汀子 ホトトギス 200905
牡丹の花弁散らせし静心 稲畑汀子 ホトトギス 200905
考へるとき牡丹の花の中 稲畑汀子 ホトトギス 200905
牡丹の心に届く風少し 稲畑汀子 ホトトギス 200905
牡丹のくるひはじめの夕まぐれ 高橋道子 200907
牡丹に雨傘差して杖立てて 須藤トモ子 200908
牡丹を崩さぬやうに歩み寄る 大信田梢月 万象 200908
牡丹や掌をさしのべて雨をみる 加藤季代 万象 200908
牡丹寺妻を立たせて写真撮る 島内美佳 ぐろっけ 200908
牡丹の一幅をなす底力 渡部次代 ろんど 200908
牡丹や語り伝へん虚子のこと 千原叡子 ホトトギス 200909
牡丹十日生の終りは風の中 沼田巴字 京鹿子 201001
牡丹の花の終りは見ざりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201005
杖抱いて牡丹の中に座しませる 山尾玉藻 火星 201005
花芽見ゆ母の遺せし牡丹に 早崎泰江 あを 201005
みどりいろの風吹き牡丹ひらきそむ 伊藤敬子 201006
しっかりと茎のととのひ牡丹咲く 伊藤敬子 201006
刻を糧牡丹は珠解きはじむ 伊藤敬子 201006
ここ三日ばかりは牡丹長者めく 伊藤敬子 201006
夕べ下りきたりて牡丹長者かな 伊藤敬子 201006
牡丹の一花剪りたる気の衰ひ 伊藤敬子 201006
牡丹剪る蕪村の鋏借りるかな 伊藤敬子 201006
牡丹を剪りてあかとき観世音 伊藤敬子 201006
牡丹寺蕾見事と言ふ他なし 阿部ひろし 酸漿 201006
牡丹に卑弥呼の色のありにけり 小林共代 風土 201007
妻の好みの牡丹ようやく開きけり 中江月鈴子 201007
躊躇なく妻に供える牡丹切る 中江月鈴子 201007
牡丹植替えこれが最後かも知れず 中江月鈴子 201007
一輪の牡丹に顔の隠れたる 小林朱夏 201007
満開の牡丹のそびら昏れゐたり 松井倫子 火星 201007
屋根厚き旧家の庭や紅牡丹 森脇貞子 雨月 201007
みちのく路ふふむ牡丹の蕾かな 田中章子 酸漿 201007
隣家より初咲牡丹届きけり 渡辺裕子 酸漿 201007
観音の御足にふれて牡丹寺 須賀敏子 あを 201007
廻廊の寺苑の牡丹百程に 久保東海司 201008
気力まだあれど牡丹の風に萎ゆ 木舩史舟 201008
竹垣の男結びや紅牡丹 伊藤敦子 末黒野 201008
牡丹剪る思ひの外の重さかな 竹村清繁 末黒野 201008
牡丹咲く正面にある大講堂 中村洋子 風土 201008
牡丹の百花の盛り建長寺 中村洋子 風土 201008
牡丹の揺れて一島ゆれにけり 浅田光代 風土 201008
牡丹一花一子のごとく育める 大橋晄 雨月 201008
庭牡丹末たのむものあらねども 乗光雅子 雨月 201008
牡丹寺見事なつぼみめぐり出づ 阿部ひろし 酸奬 201008
牡丹に天道虫の出合あり 芝尚子 あを 201008
満開の牡丹に今日のひと日述べ 伊東和子 201009
堂塔を掲ぐ牡丹の力かな 冨松寛子 201009
牡丹や何処を踏みても鳴る廊下 泉田秋硯 201009
紅牡丹名園長の退官日 伊吹之博 京鹿子 201009
老いらくの華とどめ咲く牡丹かな 安立公彦 春燈 201009
咲き満ちて孤独を託つ夜の牡丹 中野さき江 春燈 201009
緋も冴えて大根島の牡丹咲く 田宮勝代 酸奬 201009
知らぬ人語りかけ来る牡丹展 清水侑久子 201010
先づ招く庭の牡丹百花かな 河野美奇 ホトトギス 201010
重ね来し月日牡丹にとどまれる 稲畑汀子 ホトトギス 201102
晩年が大事の牡丹囲ふべし 安住敦 春燈 201103
牡丹の香り集まるところかな 稲畑汀子 ホトトギス 201104
咲き終へし牡丹に月日とどまらず 稲畑汀子 ホトトギス 201105
牡丹に華やぐ玻璃の一ところ 稲畑汀子 ホトトギス 201105
旅の間に咲きし牡丹のあることを 稲畑汀子 ホトトギス 201105
剪るに惜しとて牡丹に雨至る 稲畑汀子 ホトトギス 201105
牡丹に雨の狼籍見るばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201105
萎えたるは艶とも見ゆれ紅牡丹 稲畑汀子 ホトトギス 201105
くづほれる雨の牡丹となりゆけり 稲畑汀子 ホトトギス 201105
声高のこゑに牡丹の囲ひ解く 神蔵器 風土 201105
牡丹の葭簀影曵く夕べかな 山下青坡 201105
牡丹の蕾傍ら余震に耐ふ 森さち子 201106
惜し気もなく牡丹の二花切り賜ばる 大橋敦子 雨月 201106
賜ばりたる牡丹の二花誕生日 大橋敦子 雨月 201106
牡丹の二花の大輪机上とし 大橋敦子 雨月 201106
牡丹百耳のうしろのしんかんと 神蔵器 風土 201106
牡丹に男の佇つは豊かなり 天野みゆき 風土 201106
牡丹籠背負ひて島へ行商女 田下宮子 201107
目の前に萌ゆる牡丹の競ひ咲き 松田和子 201107
咲き誇り牡丹日和や恋多き 松田和子 201107
牡丹の白のしづけさ夜が来る 西村博子 馬醉木 201107
牡丹の香のやさしさよ花の冴え 原田たづゑ 春燈 201107
牡丹の鉢の一つを寺の門 竹久みなみ 風土 201107
蟻のゐし牡丹くづれてしまひけり 西畑敦子 火星 201107
友逝きて久しき庭の牡丹かな 青木陽子 酸漿 201107
数を咲く牡丹よ夫も見をるらむ 井上幸子 酸漿 201107
牡丹に立ち止りゐて遅参せり 田中藤穂 あを 201107
画材屋の入口狭し紅牡丹 篠田純子 あを 201107
絵筆では出せぬ色調牡丹燃ゆ 西垣順子 201108
牡丹籠背負ひて島の行商女 田下宮子 201108
牡丹 →6      

 

2021年5月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。