夕牡丹      56句

夕牡丹これよりの知己信ずべし    藤田湘子

牡丹  緋牡丹  白牡丹  黒牡丹  大牡丹  夕牡丹  

牡丹園  牡丹散る  牡丹崩る  ぼうたん  牡丹焚  ぼたん

作品
作者
掲載誌
掲載年月
音階の崩れゆくやう夕牡丹 吉岡純子 199807
夕牡丹とは刻々の姿あり 稲畑汀子 ホトトギス 199904
手挟めば緋のひんやりと夕牡丹 品川鈴子 ぐろっけ 200106
観音の背に濤音や夕牡丹 環順子 遠嶺 200108
一日の空のかるさや夕牡丹 水木沙羅 銀化 200207
閉ぢもせぬ夕牡丹とはなりにけり 三村純也 ホトトギス 200209
捨て灰に残る消し炭夕牡丹 久保知音 対岸 200309
笈摺をぬぐ宿坊や夕牡丹 池田光子 風土 200311
馥郁と身の解かれゆく夕牡丹 橘沙希 月の雫 200404
ひとときの癒しの香り夕牡丹 橘沙希 月の雫 200404
明日あることを約せし夕牡丹 稲畑汀子 ホトトギス 200505
夕牡丹しづかに靄を加へけり 水原秋櫻子 馬醉木 200505
夕牡丹やさしき風の吹きにけり 五十嵐美穂 帆船 200507
夕牡丹鬼の匂ひとすれ違ふ 栗栖恵通子 200509
夕牡丹田仕事明日にはじまると 瀧春一 菜園 200509
夕牡丹左右の澤水ひびきあふ 瀧春一 常念 200606
夕牡丹愛に渇くといふことあり 安住敦 春燈 200606
しばらくは風戯るや夕牡丹 大久保恵美子 遠嶺 200608
夕牡丹「今生我身二つ無し」 安住敦 春燈 200709
萎むにはしぼむ力や夕牡丹 工藤ミネ子 風土 200711
長居詫び潜る耳門や夕牡丹 博多永楽 雨月 200807
推敲の朱筆を加へ夕牡丹 渡辺昭 200906
夕牡丹しまひ忘れし雛人形 遠藤実 あを 200907
夕牡丹木魚の音に崩れけり 大信田梢月 万象 200908
葩を重くする雨夕牡丹 和田森早苗 201007
酒を酌む李白想へり夕牡丹 鈴木阿久 201007
あづまやの席の空かずや夕牡丹 杉原ツタ子 201008
弥陀へ戸を少し開けあり夕牡丹 宮平静子 雨月 201008
傾国の白さとなりぬ夕牡丹 近藤喜子 201108
宦官のおほかた細目夕牡丹 栗栖恵通子 201110
濡れ縁に妹とゐる夕牡丹 福永みち子 馬醉木 201207
人恋へば闇にとけゆく夕牡丹 河崎國代 春燈 201208
お背戸より女でてゆく夕牡丹 川井秀夫 ろんど 201208
夕牡丹地に置く影を濃くしたり 藤岡紫水 京鹿子 201208
大法会果てたるしじま夕牡丹 宮原悦子 雨月 201208
夕牡丹てふ新涼の句集かな 岡田史女 末黒野 201311
悪戯に鐘つく幼夕牡丹 高橋明 末黒野 201408
白といふ無償の重み夕牡丹 菊地光子 201507
夕牡丹みほとけへ戸を少し開け 岡淑子 雨月 201508
風の出て揺るるひとひら夕牡丹 山内繭彦 ホトトギス 201510
夕牡丹一片崩れそめにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201605
青空を残して暮るる夕牡丹 布施まさ子 風土 201608
借景の山をけぶらす夕牡丹 笹村政子 六花 201608
微酔ほど影のゆらめく夕牡丹 柴崎英子 201707
人声を溜めて重たき夕牡丹 高橋和女 風紋 201709
一風に牡丹身を処す夕間暮 岩波千代美 馬醉木 201807
剥落の仁王へ百の夕牡丹 松本三千夫 末黒野 201808
刻少し余し立寄る夕牡丹 岡井マスミ 末黒野 201808
夕牡丹をみな漫ろに佇める 今村千年 末黒野 201908
やはらかく人を拒みぬ夕牡丹 大杉映美 馬醉木 201909
文反古の灰のただよふ夕牡丹 石川桂郎 風土 202105
あしたへと花弁たたむ夕牡丹 岡田桃子 202108
濡れ縁の会話のとぎれ夕牡丹 本郷公子 京鹿子 202109
踏み石は女の歩幅夕牡丹 高村令子 風土 202207
告ぐるべき言葉を持たず夕牡丹 増成栗人 202208
凭れ合ふひと日の疲れ夕牡丹 梅田武 末黒野 202209

 

2023年5月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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