牡 丹 1      95句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
牡丹の襞深うして夜の深き 山田弘子 春節 199503
ぺたんと坐って牡丹のことが心配で 橋場千舟 船団 199811

 祝 「岳」二十周年記念

咲けば色明かす牡丹の朝かな

稲畑汀子 ホトトギス 199903
牡丹のカメラにポーズとる如く 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
日向より日陰を選びゐて牡丹 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
仰山の階段登り牡丹かな 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 199906
牡丹の咲く静寂の夜の訃報 赤松弘光 いろり 199906
牡丹の刻の止まりしごと静か 赤松弘光 いろり 199906
初牡丹妻には妻の日向かな 小澤克己 遠嶺 199907
眉細く剃りたる朝の牡丹かな 岡和絵 火星 199907
牡丹の精佳人なりせばふくよかに 水澤竜星 199907
牡丹を咲かせ安住の灯を細く 栃内和江 199907
夫の忌に玉の蕾の牡丹かな 山城やえ 春耕 199907
醋乱の牡丹に少し手を貸しぬ 伊藤希眸 京鹿子 199907
牡丹蕾む家に嫁の荷届きけり 高田幸枝 199907
九十種千株越ゆと牡丹守る 大橋宵火 雨月 199907
牡丹の風それぞれに色のあり 芳賀雅子 遠嶺 199908
下駄箱に牡丹はなびら置いてあり 山村桂子 遠嶺 199908
牡丹の前のキャンバスまだ真白 吉村玲子 円虹 199908
牡丹切る音に快晴なりにけり 坂井まさき 六花 199908
牡丹の風やほとけに亦われに 山村桂子 遠嶺 199909
牡丹に倦みしか昼に倦みしかと 後藤比奈夫 ホトトギス 199909
牡丹の花芯覗けり二日月 二本松輝久 風土 199909
一輪の牡丹を床に山の宿 秋野火耕 船団 199909
牡丹の前のキャンバスまだ真白 吉村玲子 船団 199909
牡丹咲くぼうたん愛した母在らず 小川花久 いろり 199910
浄土図に二上山あり牡丹あり 丸山海道 海道全句集 199910
牡丹見て曼陀羅界も入日どき 丸山海道 海道全句集 199910
虻去りて蟻のこりたる牡丹かな 立石萌木 雨月 199911
百千の牡丹を見たる酔ひごこち 能村登四郎 芒種 199911
牡丹の今充電の時とおもふ 能村登四郎 芒種 199911
ためらひの末に剪りたる牡丹かな 片山喜久子 雨月 200001
人偲ぶために牡丹と籠り居る 田中藤穂 水瓶座 200002
明日のこと知らず牡丹の囲ひ解く 神蔵器 風土 200005
牡丹の囲ひを解いて慰まず 瀬戸悠 風土 200005
牡丹に明日なき日和なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200005
咲く心ひそめきれぎる牡丹かな 稲畑汀子 ホトトギス 200005
丙子椒林剣を蔵せり牡丹咲く 神蔵器 風土 200006
差しかけし傘の内より牡丹の香 吉田島江 火星 200006
山門に牡丹咲きしと女文字 辻井桂子 俳句通信 200006
牡丹見し残像かさね観世音 白澤よし子 馬醉木 200007
真間山の三里の灸や牡丹咲く 神蔵器 風土 200007
岡本太郎の巨き眼や牡丹咲く 田村すゝむ 風土 200007
牡丹の明日咲く月見守れり 小林共代 風土 200007
肯定は水のうへなり牡丹なり 神田夏果 海程 200007
高野口狐の牡丹咲きにけり 小形さとる 200007
牡丹見の一行に尼ありにけり 大橋敦子 雨月 200007
牡丹百庭滝の音いづこより 大橋宵火 雨月 200007
真白の牡丹ひらけり湖の風 河内孝子 酸漿 200007
牡丹寺門に立て掛く猫車 横林誠二 200007
賑はひは牡丹花芯の比にあらず 中原道夫 銀化 200007
俳人の誇大妄想として牡丹 華明日香 銀化 200007
牡丹をひとりじめしてひとりごと 保坂加津夫 いろり 200007
牡丹に番傘さしてありにけり 中野辰子 いろり 200007
牡丹や鉄舟円朝眠る寺 高橋鹿秋 春耕 200007
一日で開ききったる紅牡丹 三橋早苗 ぐろっけ 200007
牡丹描くひとの後を通りけり 石島蓼花 風土 200008
はなびらに風添へてあり牡丹売り 田口武 銀化 200008
白をもて牡丹の香を確認す 田口武 銀化 200008
大牡丹風に噛みつくところなり 田口武 銀化 200008
しその名知るべく牡丹に真向へり 坪井洋子 200008
牡丹のぽつてりとまたぼつてりと 岡本高明 200009
酩酊に似たり牡丹の園にゐて 杉山瑞恵 雨月 200009
林立の牡丹の裏側を歩く 岡本眸 200009
須賀川や牡丹は仰ぐ花とこそ 岡本眸 200009
「思ひのまま」は牡丹の名称 岡本眸 200009
あどけなし思ひのままといふ牡丹 岡本眸 200009
手ばさみに牡丹の顔を仰向かす 岡本眸 200009
牡丹や夜空は雨意を含みつつ 岡本眸 200009
牡丹の明けゆく影のかさなりぬ 岡本眸 200009
牡丹に傘貸ししまま逝きにけり 二瓶洋子 六花 200009
牡丹牡丹おかしな二人鳴り始め 中原幸子 船団 200010
骨の子に身延は牡丹の真盛り 阿部寒林 「夢」 200010
牡丹や地中に眠る古代壺 真保喜代子 200101
我が臥所大輪牡丹に見おろされ 能村登四郎 200104
広縁を拭きて下照る牡丹あり 水原秋櫻子 馬醉木 200105
牡丹の綻びも亦祝ぎのもの 松本松魚 円虹 200105
牡丹の昏れ一山の暮れにけり 松本松魚 円虹 200105
牡丹のこと追伸に及びけり 松本松魚 円虹 200105
色剪りて牡丹の庭でなくなりし 稲畑汀子 ホトトギス 200105
牡丹のあとかたもなく花終へし 稲畑汀子 ホトトギス 200105
ぼうたんをてのひらで受け牡丹剪る 栢森定男 あを 200105
一株の牡丹にはなし弾みけり 柴田美佐子 いろり 200106
さきがけて万の牡丹の第一花 神蔵器 風土 200106

 『丹後」を祝す

牡丹咲く美したにはの晴れわたり

神蔵器 風土 200106
誕生日の牡丹一輪切りにけり 加藤真起子 火星 200106
牡丹燃ゆ登廊寂びて風通す 鈴鹿仁 京鹿子 200106
牡丹の咲き満つ風をふところに 渡辺友七 あを 200106
牡丹の剪られし茎の吹かれをり 松本恭昂 火星 200107
牡丹のぼてぼてと咲き故郷なり 大橋敦子 雨月 200107
月光を得たり牡丹の白王獅子 神蔵器 風土 200107
わが庭の牡丹の三つ四つがよし 阿部ひろし 酸漿 200107
園半ば廻りてすでに牡丹酔ひ 吉田政江 200107
牡丹の華美たしなめて通り雨 泉田秋硯 200108
枕辺に牡丹を置くねむりかな 禅京子 風土 200108
牡丹→ 2      

 

2021年5月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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