牡 丹 3      

蛇の頭に日のさしてゐる牡丹かな    岸本尚毅

牡丹  緋牡丹  白牡丹  黒牡丹  大牡丹  夕牡丹

  牡丹園  牡丹散る  牡丹崩る  ぼうたん  牡丹焚  ぼたん

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神官の白く過ぎたる牡丹かな 柴田佐知子 200306
牡丹は非情を隠しもつてをり あさなが捷 200306
ひとりより二人がよしと牡丹寺 堀内一郎 あを 200306
朝日射し翳のひきしめたる牡丹 橋田憲明 円虹 200307
閉づ力なかりし雨露の牡丹かな 橋田憲明 円虹 200307
享けし掌にしとどの濡れの暁牡丹 橋田憲明 円虹 200307
牡丹の支へきれざるおのが花 加藤あけみ 円虹 200307
檀家衆寺の牡丹へ日傘を立つ 小山梧雨 200307
尼さまに男客ある牡丹かな 葛馬房夫 雨月 200307
今日もまだ蕾のままの牡丹かな 菊地恵子 酸漿 200307
眼裏に牡丹ひらきて眠りおつ 神蔵器 風土 200307
牡丹のかすかにきしみ開くなり 南うみを 風土 200307
女坂男坂にも牡丹咲く 米谷香恵子 築港 200307
最高に咲かせし牡丹宝なる 大木よしえ 築港 200307
農の庭牡丹咲かせて老夫婦 加藤サヨ子 築港 200307
牡丹の花曼陀羅に咲き満ちて 細原由起子 築港 200307
一斉に炎となりし牡丹かな 小林朱夏 200307
千姫の牡丹の雨の雫かな 元田千重 火星 200307
顔程の牡丹咲かせし浜離宮 鈴木てるみ ぐろっけ 200307
老人の部屋は日だまり牡丹咲く 高倉恵美子 200308
島晴れて牡丹日和と言ふべかり 浜田南風 200308
牡丹の風の中なる石光寺 渡辺政子 雲の峯 200308
蕊ふかく虻の躍動紅牡丹 石田智江子 200308
牡丹の大輪を祝ぎ米寿祝ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200309
夕翳をとぢ込めそめし牡丹かな 志賀青柿 ホトトギス 200311
牡丹解く懐ごこちの日溜まりに 高橋ちよ 200404
河川工事の人牡丹をふり向かず 大貫鬼灯 帆船 200404
牡丹や縁なき事務所の掛鏡 大貫鬼灯 帆船 200404
色ほどくとは香をほどく牡丹かな 稲畑汀子 ホトトギス 200405
牡丹の雨とは容赦なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200405
牡丹の咲きしと聞きて香を愛でぬ 鈴木白洋 雲の峰 200406
水無月や庫裡見通しに庭牡丹 水原秋櫻子 馬醉木 200407
咲き切つて牡丹の雨に叩かるる 難波澄子 築港 200407
牡丹傘竹継ぎ足して継ぎ足して 木下栄子 築港 200407
先駆けて薬師寺に見る牡丹かな 渡辺玄子 酸漿 200407
黄牡丹の名もハイヌーン日の高し 土田祈久男 200407
さ迷ひてのち牡丹の寺のあり 黒田咲子 200407
牡丹の呪縛にかかり疲れけり 永井孔雀 200407
掌にのせてなほ白炎の牡丹かな 外川玲子 風土 200407
増やしたる三面鏡の牡丹かな 遠野萌 200408
牡丹の中や真青な海荒るる 小澤克己 遠嶺 200408
みほとけの腋にも牡丹明りかな 水野恒彦 200408
数千の牡丹あかりに浮かれをり 近藤喜子 200408
牡丹果つ練絹の白うち重ね 佐藤雄二 万象 200408
牡丹を塀の途切れに眺めたる 岩田半寒 草の花 200408
華やぎし牡丹くづるる夕灯 橋口礼子 河鹿 200408
牡丹のほとりに放つひかりかな 板坂道子 200408
牡丹寺に見習牡丹托しけり 奥田筆子 京鹿子 200409
牡丹名残りただそれだけの寺詣 伊藤希眸 京鹿子 200410
牡丹の底より暮れてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200411
蕾より紅唇覗く牡丹かな 都留嘉男 八千草 200412
牡丹の風に張りゐる猫のひげ 中村葉子 帆船 200501
牡丹供養中将姫の像匂ふ 小田元 六花 200503
背に寒さ走り牡丹より離れ 伊藤佳代 対岸 200504
風の使者来て牡丹を持ち去りぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200504
牡丹咲く日まで待てざる旅仕度 稲畑汀子 ホトトギス 200504
牡丹の寺ぼうたんの庭繋ぐ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200505
牡丹に雨容赦なき日なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200505
邂逅や牡丹一片づつほぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 200505
牡丹の色を明かしてゆく蕾 稲畑汀子 ホトトギス 200505
牡丹の庭に又出て目を休め 稲畑汀子 ホトトギス 200505
夜は睡る牡丹に明日のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200505
光源氏と名付けうつむく牡丹かな 栗山恭子 帆船 200505
転居して牡丹一株植ゑにけり 庄野房女 築港 200505
牡丹咲く日本武尊かな 神蔵器 風土 200506
うすうすと昼月育つ牡丹かな 神蔵器 風土 200506
牡丹咲く十日のほどの太郎冠者 神蔵器 風土 200506
狭き島道縦横に牡丹客 浜田南風 200507
鎌倉街道左へ左へ牡丹咲く 神蔵器 風土 200507
牡丹の「黄冠」二輪雲におく 神蔵器 風土 200507
千と咲きし牡丹見上ぐに踏鞴踏む 室伏やすし 200507
和傘さしゆつたり歩く紅牡丹 内堀京子 河鹿 200508
絵巻とくさまにほぐるる牡丹かな 中桐葉子 春燈 200508
牡丹の蘂熱くせり翅の音 林昭太郎 200508
雨激し牡丹に傘をさしかくる 加藤正子 酸漿 200508
牡丹咲く昼を昼湯に来て浴す 村越化石 200508
留守の間に凋落したる庭牡丹 山本漾子 雨月 200508
矢印にそうて進みし牡丹寺 原田英子 築港 200508
副賞の牡丹紅白鉢並ぶ 鈴木石花 風土 200508
坂を来て牡丹の闇濃かりけり 柴田久子 風土 200508
つんつんと尖る牡丹の蕾かな 高倉恵美子 200508
牡丹や樹下のつめたさ花びらに 長沼三津失 200508
牡丹の渦に溺れし羽虫かな 稲岡長 ホトトギス 200509
世は事もなし牡丹の微動だに 稲岡長 ホトトギス 200509
牡丹燃ゆ勘三郎の江戸おねり 吉澤利治 遠嶺 200509
山の雨牡丹の庭にしぶきつつ 瀧春一 菜園 200509
牡丹見るに人を厭へり人絶えざる 瀧春一 菜園 200509
完璧な青天となり牡丹剪る 遠藤真砂明 波太渡し 200510
謀反めくひとひら牡丹開き初む 田所節子 涼しき嵩 200511
鉱山跡野生となりし牡丹咲く 北原東洋男 200511
牡丹のふりむきざまの餘息かな 吉弘恭子 あを 200511
咲かせたる牡丹に寄する息づかひ 糸井芳子 200601
日の牡丹星のぼたんと語り継ぎ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200605
牡丹の盛りを案内したかりし 稲畑汀子 ホトトギス 200605
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2021年5月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。