虫の闇     108句

閂をかけて見返る虫の闇   桂信子   読本・歳時記

  虫時雨  虫しぐれ  虫すだく  虫の声  虫の音

虫の闇  虫の夜  虫売  昼の虫  残る虫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
真はだかがとってもいいな虫の闇 田中空音 海程 199812  
風冷えてきし佐比売野の虫の闇 坂中紀子 円虹 199901  
虫の闇抜けて峠を越えてをり 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
潮騒の高まりゆくや虫の闇 加藤あけみ 円虹 199912  
虫の闇力士の尻の動きをり 吉野裕之 200002  
虫の闇一つの音色透きとほり 西山胡鬼 京鹿子 200010  
城山といふ大いなる虫の闇 上崎暮潮 円虹 200012  
投函の音の確かに虫の闇 小林あつ子 火星 200101  
森深き一戸の点る虫の闇 池田草曷 雨月 200101  
松虫の闇に岩噛む瀬音かな 鵜飼紫生 雨月 200102  
物の怪をある時信じ虫の闇 岡本まち子 馬醉木 200110  
虫の闇錨下ろさば眠り来む 千代田葛彦 馬醉木 200111  
素通りの仲見世虫の闇が待つ 藤木竹志 馬醉木 200112  
虫の闇百葉箱のある港 深澤鱶 火星 200112  
別れ来し一人の家路虫の闇 稲畑汀子 ホトトギス 200209  
虫の闇分け入りたしや道無しや 林翔 200212  
まなうらに文字のひしめく虫の闇 谷口みちる 200311  
虫の闇置いてけぼりの傷みかな 鈴鹿仁 京鹿子 200311  
書を伏せて今日の灯を消す虫の闇 丸山美奈子 馬醉木 200312  
地流しの三味遠ざかり虫の闇 水谷芳子 雨月 200312  
留守がちの荒庭虫の闇深し 溝内健乃 雨月 200312  
猫の目の二つ光れり虫の闇 高木智 京鹿子 200312  
もの思ふ歩幅となりし蟲の闇 柴田朱美 京鹿子 200312  
蟲の闇ミャンマー料理はこばるる 佐藤喜孝 あを 200312  
塔にライト気高く聳え虫の闇 丹生をだまき 京鹿子 200412  
湖の闇のつづきに虫の闇 江崎成則 200412  
病む虫のゐるやも知れず虫の闇 向山雅子 200501  
藍甕の藍の深さの虫の闇 岡崎桂子 対岸 200501  
娘等の帰り独りの虫の闇 小林美恵子 築港 200511  
川音を包んでしまふ虫の闇 鹿野佳子 200512  
波の音畳めば虫の闇となり 河内桜人 京鹿子 200601  
胡弓の音遠のく露地や虫の闇 三澤いつ子 万象 200601  
虫の闇へと垂直に寝落ちけり 岩岡中正 ホトトギス 200603  
虫の闇なほ濃き方へ入りゆきぬ 市場基巳 200603  
虫の闇近づけて旅心かな 稲畑汀子 ホトトギス 200609  
読みかけの本の繚乱虫の闇 中村恭子 200612  
古備前に水を満たせり虫の闇 宇和川喬子 200612  
虫の闇潜りて水の匂ひけり 木内憲子 200702  
草原の一枚にして虫の闇 稲畑汀子 ホトトギス 200709  
われわれを出てわれひとり蟲の闇 竹貫示虹 京鹿子 200709  
虫の闇忍びに似たる歩きやう 長崎桂子 あを 200711  
豪邸の解体されて虫の闇 泉田秋硯 200712  
虫の闇こんがらがつてゐる話 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809  
服薬の数おそろしき虫の闇 吉田政江 200812  
救急車虫の闇へと消えにけり 吉田政江 200812  
献灯の消え虫の闇深まれり 山田春生 万象 200901 大国魂神社秋祭
灯を消すや胸にかむさる虫の闇 栗下廣子 万象 200902  
声かけてすれ違ひたる虫の闇 鷹羽狩行 200910  
虫の闇丸めて棄てる週刊誌 毛利すみえ 炎環 200911  
沖島の百三十戸虫の闇 深澤鱶 火星 200911  
指で唇封じこゑ聴く虫の闇 藤原はる美 200912  
幌獅子の去り虫の闇深まりぬ 山田春生 万象 200912 石岡祭
へそあって戸惑いもあり虫の闇 中谷仁美 船団 200912  
虫の闇その先にあり海の闇 嶋田一歩 ホトトギス 201001  
寝返れば群雄割拠虫の闇 高木智 京鹿子 201001  
虫の闇しばし補聴器外しけり 松本文一郎 六花 201001  
肉炙る煙這ひけり虫の闇 浜口高子 火星 201012  
虫の闇鼓一打の破りけり 小林洋子 万象 201101  
虫の闇果てに富士あり灯もありし 嶋田一歩 ホトトギス 201102  
虫の闇とぎれて海の波の音 嶋田一歩 ホトトギス 201102  
虫の闇ブラックホールは身の内に 冨松寛子 201102  
経蔵を閉ぢてたちまち虫の闇 松田明子 201104  
鉤の手に廊下曲がれば虫の闇 苑実耶 201112  
オカリナの音の吸ひ込まる虫の闇 早川八重子 末黒野 201112  
目つむれば目蓋とろけり虫の闇 山田六甲 六花 201209  
外海の荒れてをりけり虫の闇 山田六甲 六花 201210  
一湾を占めてをりけり虫の闇 山田六甲 六花 201210  
虫の闇北斗七星燦とあり 村上美智子 雨月 201212  
移ろひをしばし留めし虫の闇 松山潤子 京鹿子 201301  
なかなかに選句進まず虫の闇 山崎稔子 末黒野 201302  
夜流しの過ぎて深まる虫の闇 浅木ノヱ 春燈 201312  
虫の闇うつすら浮かぶマリア像 上原重一 201410  
おもろうてやがてもどりの虫の闇 石井耿太 火星 201411  
虫の闇仄と大河のシルエット 宮田香 201412  
歩まねば溺るる思ひ虫の闇 松田泰子 末黒野 201501  
まつすぐにわたくしへ鳴く虫の闇 前田貴美子 万象 201501  
羊が七匹まで数ふ虫の闇 神戸京子 ろんど 201501  
人恋へば肩に重たく虫の闇 布川直幸 201509  
人恋へば肩に重たく虫の闇 布川直幸 201509  
虫の闇天動説のただ中に 円城寺清 201512  
一歩にて深しと思ふ虫の闇 松田泰子 末黒野 201601  
もらひ湯の足もと軽き虫の闇 割田容子 春燈 201601  
山寺の夜は更け易し虫の闇 安原葉 ホトトギス 201602  
灯を消して俄に重き虫の闇 熊岡俊子 雨月 201611  
虫の闇途切れてふひに大通り 松本正生 やぶれ傘 201612  
一雨に虫の闇から山の闇 安居正浩 201711  
生き残る証しとばかり虫の闇 犬塚李里 201711  
ほとぼりを横たへ虫の闇浮かす 山本正 京鹿子 201801  
共喰ひの音も混じれる虫の闇 柴田佐知子 201801  
望郷や声高くなる虫の闇 田代貞香 201804  
虫の闇静かに甕が割れている 火箱ひろ 船団 201806  
足音を聞きしと虫の闇の宿 山田六甲 六花 201810  
ネコバスを待つ虫の闇抜けて来て 井尻妙子 京鹿子 201812  
雨止みぬすぐに火のつく虫の闇 黒滝志麻子 末黒野 201812  
終列車の尾灯虫の闇残し 本郷公子 京鹿子 201901  
深夜バス降りて家路や虫の闇 戸田澄子 末黒野 201911  
虫の闇思へば手足捥がれけり 善野行 六花 201912  
虫の闇村は大きな耳となる 能美昌二郎 201912  
虫の闇蹴つて少年の声がはり 斉藤玲子 馬醉木 201912  
隣る家とつなぎて虫の闇なりき 足立典子 雨月 201912  
足音の吸ひ込まれゆく虫の闇 門伝史会 風土 202001  
佇めば虫の闇てふ磁場にあり 千田百里 202001  
終列車の尾灯虫の闇残し 本郷 公子 京鹿子 202001  
奥嵯峨は虫の闇また竹の闇 熊川暁子 202001  
非常口午前零時の虫の闇 市村明代 馬醉木 202001  
虫の闇とぎれしところ海なりし 嶋田一歩 ホトトギス 202003  
一匹となる鈴虫の闇夜かな 秋千晴 202005  

 

2020年9月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。