虫しぐれ     134句

通夜の燈の乏しかりけり蟲しぐれ   大森春枝   獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
巌浮きあがらんばかり虫しぐれ 鷹羽狩行 199910  
虫しぐれ抱へてもどす化粧仏 川勝春 馬醉木 199911  
虫しぐれ夜更かしぐせの珈琲挽く 竹部千代 199911  
虫しぐれ眠れぬ夜に聞き分けて 林田加杜子 いろり 199911  
雨音をはじきて伊勢の虫しぐれ 鷹羽狩行 199912  
虫しぐれ入院もまたおもしろき 田中呑舟 火星 199912  
虫しぐれ心の淵を洗はれて 小澤克己 遠嶺 199912  
磔刑の既に聲なし蟲しぐれ 中原道夫 銀化 199912 長崎
櫓音断ち土橋くぐるや虫しぐれ 澤田緑生 馬醉木 200001  
耳下腺の酸つぱくなりし虫しぐれ 沼田巴字 京鹿子 200001  
廃校の一木一草虫しぐれ 小林呼渓 200009  
露天湯に導く燭や虫しぐれ 黒坂紫陽子 馬醉木 200011  
虫しぐれかすれのあとの墨にじむ 宮川みね子 風土 200011  
能果てて無音の舞台虫しぐれ 三崎由紀子 遠嶺 200012  
近道のこの藪騒の虫しぐれ 大西正栄 雨月 200012  
遅かりし朝の厨の虫しぐれ 福田みさを いろり 200111  
虫しぐれ妄言多謝と稿を締め 田辺レイ 200112  
わが辿り来し方見えず虫しぐれ 落合伊津夫 馬醉木 200202  
虫しぐれ牛蛙とのシンフォニー 早崎泰江 あを 200210  
も一人の私が嫌ひ虫しぐれ 木田千女 200211  
野坡本の翻刻一刷虫しぐれ 川口襄 遠嶺 200211  
人去りて野外劇場虫しぐれ 加藤みき 200211  
灯を消せば部屋の中まで虫しぐれ 神山ゆき子 200212  
虫しぐれうしろ手に貼る湿布薬 森茉明 京鹿子 200212  
夫留守の夜ゆたかなる虫しぐれ 津田経子 火星 200212  
虫しぐれ父との暮し終りけり 中村房枝 六花 200308  
山家にて内外もなき虫しぐれ 藤原たかを 馬醉木 200309  
家近くなりて疲れや虫しぐれ 岡本眸 200309  
岩風呂の青竹踏めと虫しぐれ 山田六甲 六花 200310  
虫しぐれ臨終の声もまじるべし 岡本眸 200310  
虫しぐれ火星大きく窓にあり 金山千鳥 酸漿 200311  
終バスの尾燈遠のき虫しぐれ 竹腰千恵子 200311  
読みつぎて栞をはづす虫しぐれ 渡辺昭 200311  
虫しぐれ家あればこそ父帰る 堀内一郎 あを 200311  
虫しぐれ自問自答のまなこ閉ぢ 閑田梅月 馬醉木 200312  
潮満つるごとく広がり虫しぐれ 永井収子 200312  
虫しぐれ私儀と書き筆を止め 内海はるか 200312  
雨風の一日のあとの虫しぐれ 沖汐妙子 火星 200312  
虫しぐれにはかに墓の闇深む 渡邉友七 あを 200312  
蟲しぐれ分けて終電車庫に入る 内藤三男 ぐろっけ 200401  
虫しぐれ灯を消せば闇のしかかる 山下昇士 200410  
手放せぬ酸素ボンベや虫しぐれ 小柳順子 帆船 200411  
一山の主役変はりて虫しぐれ 木原紀幸 河鹿 200412  
浅間嶺も見えなくなりし虫しぐれ 島すが子 200412  
虫しぐれ夫の筆遅々資産表 金澤明子 200412  
たづたづしき夫の起居や虫しぐれ 相沢有理子 風土 200412  
雲が雲重ねて暮れて虫しぐれ 岡本眸 200412  
蟲しぐれ冴ゆとしづかに遺書は言へり 瀧春一 菜園 200509  
虫しぐれ闇ふくらみつ凋みつつ 坂本京子 200510  
虫しぐれ一つ枕をうら返す 宇都宮滴水 京鹿子 200511  
寝間も浮くかと山中の虫しぐれ 鷹羽狩行 200512  
コンサートホール出づれば虫しぐれ 藤田登久 百鳥 200601  
瞑れば刻もどりゆく虫しぐれ 西口万佐子 200601  
虫しぐれお伽の王はみな愚か 品川鈴子 ぐろっけ 200608  
電車待つ電車の窓べ蟲しぐれ 佐藤喜孝 あを 200610  
心頭を鎮めてよりの虫しぐれ 小澤克己 遠嶺 200611  
箱膳の一汁二菜虫しぐれ 岩崎真理子 遠嶺 200612  
澄江堂寢ねしにあらず蟲しぐれ 瀧春一 200706

文藝家追慕展にて

芥川龍之介「忙中

謝客」の掲札

川に出れば川をへだてゝ蟲しぐれ 瀧春一 200706 古利根良夜
豊国描く虫売の虫しぐれかな 岩岡里子 春燈 200707  
虫しぐれなべてこの世は粗悪なり 小澤克己 遠嶺 200711  
ひとりとてわが家は良けれ虫しぐれ 岡本眸 200711  
衣摺れに添うて八尾の虫しぐれ 高畑信子 遠嶺 200712  
虫しぐれ楽しく誤植みつけたり 村田菊子 遠嶺 200801  
虫の名を忘れてゐたり虫しぐれ 外川玲子 風土 200801  
季よせ繰る音その他は虫しぐれ 西口万佐子 200801  
鎮魂の虫しぐれかも郷遠し 岸田爾子 200812  
箸置に箸休ませて虫しぐれ 宮内とし子 200812  
池越しの管絃遠し虫しぐれ 高橋宏行 遠嶺 200901  
庭更けて一枚となる虫しぐれ 鷹羽狩行 200910  
虫しぐれ止みたる間ひを母の声 外川玲子 風土 200911  
顔のみの大仏さまや虫しぐれ 山田春生 万象 200911  
海あれば陸ある硯虫しぐれ 千田敬 200911  
荷揚場の残る運河や虫しぐれ 岸田爾子 200912  
暗闇の膨らむばかり虫しぐれ 尾崎みつ子 雨月 200912  
街川の火影五彩や虫しぐれ 小川玉泉 末黒野 200912  
虫しぐれしばし離れて心置く 小島とよ子 遠嶺 201004  
喪の帯を手熨斗にたたむ虫しぐれ 栗原公子 201012  
宿坊の枕なじまず虫しぐれ 大文字孝一 春燈 201012  
深更にワグナーのアリア虫しぐれ 武田ともこ ぐろっけ 201012  
虫しぐれ雨後の一山包みけり 中島伊智子 酸漿 201012  
虫しぐれ指揮者ゐるごと瞬時止む 太田良一 末黒野 201101  
虫しぐれ彼の世の祭聞え来る 山口天木 雨月 201105  
読み返す追伸二行虫しぐれ コ田千鶴子 馬醉木 201110  
虫しぐれ子規のその塚その堂に 密門令子 雨月 201111  
街灯に伸びる吾が影虫しぐれ 宮田香 201112  
入相の鐘に始まる虫しぐれ 曽根京子 春燈 201112  
頬杖はいつも左手虫しぐれ 島田尚子 馬醉木 201112  
蟲しぐれゴーシユのセロも混じるかに 山田をがたま 京鹿子 201112  
亡き夫の声は空耳虫しぐれ 戸田澄子 末黒野 201112  
やや傾ぐ柱にやまぬ虫しぐれ 田中文治 火星 201112  
ひとり身の高菜の茶漬け虫しぐれ 相沢有理子 風土 201112  
虫しぐれ止む大粒の雨の音 長崎桂子 あを 201211  
警報の解除よろこぶ虫しぐれ 長崎桂子 あを 201211  
目瞑れば廣野や雨後の虫しぐれ 成田美代 201212  
此処も又ポストの失せて虫しぐれ 村田とくみ ぐろっけ 201301  
足元に迫る夕闇虫しぐれ 尾崎みつ子 雨月 201301  
此処も又ポストの失せて虫しぐれ 村田とくみ ぐろっけ 201301  
西空にふるさとを置く虫しぐれ 井上信子 201311  
高灯しの味醂工場虫しぐれ 甲州千草 201311  
ひと雨のなぎ倒す草虫しぐれ 黒坂紫陽子 馬醉木 201311  
更けし夜の息を一つに虫しぐれ 友松万寿美 馬醉木 201312  
虫しぐれ日の出待ちゐるカメラマン 笹井康夫 201312  
虫しぐれ窓灯りなき隣家 井上信子 201312  
虫しぐれ記憶なくせし人に添ひ 今田清三 馬醉木 201312  
寝つかれぬ平屋仏間の虫しぐれ 松崎雨休 風土 201312  
門跡寺に尼憎の影や虫しぐれ 笠井清佑 201312  
眠られぬ里の一夜や虫しぐれ 山本とく江 万象 201312  
世のことのたちまち遠く虫しぐれ 井上浩一郎 ホトトギス 201401  
先師への思ひに更けぬ虫しぐれ 小川玉泉 末黒野 201411  
虫しぐれ文字薄れたる道しるべ 野畑さゆり 201411  
嬬恋村去りて峠の虫しぐれ 相沢有理子 風土 201412  
自販機の煌々として虫しぐれ 加藤タミ 末黒野 201501  
廃坑の錆びし鉄路や虫しぐれ 中村千久 万象 201501  
「虫封じ」掲ぐる寺の虫しぐれ 峰崎成規 201512  
夜も干す網の匂ひて虫しぐれ 深川淑枝 201512  
ぽちぽちと御詠歌始む虫しぐれ 松井季湖 201512  
最終バス発ちたるあとの虫しぐれ ふじの茜 201602  
寝つかれぬままの故郷虫しぐれ 井上和子 201611  
虫しぐれ縫はず忘れずお針箱 渕上千津 201612  
満山の仏眠れる虫しぐれ 森藤千鶴 馬醉木 201612  
五階まで闇をせりあげ虫しぐれ 森清堯 末黒野 201612  
耳鳴りの耳をいやして虫しぐれ 出口誠 六花 201712  
喪の家の裸電球虫しぐれ 井上和子 201802  
虫しぐれ充電中の灯の小さし 栗原公子 201812  
城址能の間合の闇や虫しぐれ 鈴木静恵 春燈 201812  
虫しぐれ音無く落つる砂時計 中上馥子 春燈 201812  
山峡の闇の濡れゐる虫しぐれ 早川俊久 馬醉木 201901  
楽章と楽章に透き虫しぐれ 川高郷之助 201901  
遺されし文箱に眼鏡虫しぐれ 井上和子 201904  
きれぎれの夢に人あり虫しぐれ ほんだゆき 馬醉木 201910  
虫しぐれ一瞬止めて猫と人 出口誠 六花 201912  
終曲の余韻を醒ます虫しぐれ 北川孝子 京鹿子 202009  

 

2020年9月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。