虫の夜     129句

虫の夜の洋酒が青く減つてゐる  伊丹三樹彦  読本・歳時記

  虫時雨  虫しぐれ  虫すだく  虫の声  虫の音

 虫の闇  虫の夜  虫売  昼の虫  残る虫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
そば殻の枕が好きで虫の夜 鹿野佳子 199901  
一ときの安らぎ虫の夜の更けて 松尾緑富 ホトトギス 199908  
虫の夜の近き忌日でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
ファックスの音消え虫の夜でありし 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
虫の夜やこころに襞のあることを 浅井勝子 199911  
虫の夜や和紙の表裏を手で探り 柳生千枝子 火星 199912  
虫の夜の灯をりんりんと鉄工所 木内憲子 199912  
蟲の夜や戸を叩かれてゐる不安 柴田朱美 京鹿子 200001  
虫の夜や父そっくりの兄の声 田中藤穂 水瓶座 200002  
虫の夜の婆が手帳を開きけり 大山文子 火星 200011  
虫の夜の野に二・三灯動きをり 保坂加津夫 いろり 200110  
ごたごたのつづく日々なり虫の夜 保坂加津夫 いろり 200110  
虫の夜や横顔美しき占ひ師 高村洋子 遠嶺 200112  
そばに居るだけでよかりし虫の夜 花島玲子 風土 200201  
青虫の夜に肥るらし誘眠剤 芝尚子 あを 200207  
稿債に向ふ一人の虫の夜 稲畑汀子 ホトトギス 200209  
虫の夜書に伏す肘のしびれけり 斉藤由美 ぐろっけ 200210  
虫の夜の一会しみじみ般若湯 荒木英雄 対岸 200212  
虫の夜のどこかで車庫の閉まる音 古川洋三 遠嶺 200212  
蟠り解けし二人に虫の夜 小島左京 ホトトギス 200302  
忌日過ぎそれより虫の夜を重ね 稲畑汀子 ホトトギス 200309  
人に蹤き人を離れて虫の夜 稲畑汀子 ホトトギス 200309  
今生の火星接近虫の夜 竹内悦子 200312  
次の間も檜の匂ひ虫の夜 井口光雄 200312  
積まれたる蛸壺虫の夜となれり 木下玉葉子 酸漿 200312  
足もとへふとん掛け替ふ虫の夜 沖汐妙子 火星 200312  
夫の座に夫ゐる虫の夜の長き 生方ふよう 200312  
虫の夜や術後の手帳白きまま 諸星美智恵 200312  
虫の夜を何か忘れてゐるやうな 生方ふよう 200401  
菓子買ひに妻をいざなふ地虫の夜 水原秋櫻子 馬醉木 200404 玄魚
蟲の夜の御櫃の箍の弛みかな 八田木枯 夜さり 200409  
虫の夜や五右衛門風呂の記憶ふと 岡本眸 200410  
海鳴りに馴れ虫の夜の岬宿 櫻井幹郎 百鳥 200411  
半跏思惟の形をしてみる虫の夜 内藤ゑつ ゑつ 200411  
子と遊ぶとんとん相撲虫の夜 山路紀子 風土 200412  
虫の夜へ出でゆくをんな帯たたく 雨宮一路 200412  
蟲の夜の六つ重ねし茶碗 佐藤喜孝 あを 200412  
虫の夜看護日誌の涙文字 松本恒子 ぐろっけ 200412  
二人ゐて思ひを異に虫の夜 木村仁美 馬醉木 200501  
宥めつつ母の爪切る虫の夜 野口孝子 栴檀 200501  
虫の夜となる熊笹に雨の跡 坪井洋子 200501  
虫の夜へ刈り残し置く草の丈 鈴木栄子 酸漿 200511  
虫の夜やペンを転がす青二才 伊藤希眸 京鹿子 200511  
虫の夜や告知の言葉見つからず 足立みどり 栴檀 200602  
半蔀の能始りぬ虫の夜 芝尚子 あを 200611  
ひとつ家に灯を異にして虫の夜 横田初美 春燈 200612  
補聴器を外して母の虫の夜 笹村政子 六甲 200612  
虫の夜や来し方などを娘に話し 金田きみ子 200612  
長病みて命ふかまる虫の夜 松崎牧子 200612  
惑星の一つ減りたり虫の夜 舩越美喜 京鹿子 200701  
虫の夜ひとり外へと出でにけり わかやぎすずめ 六花 200701  
灯を点けず湯浴みしてをり虫の夜 水谷ひさ江 六花 200710  
虫の夜半雨戸しづかにたてにけり 水谷ひさ江 六花 200710  
虫の夜や陶土に粗布のかぶせある 蘭定かず子 火星 200711  
虫の夜のオンザロックの瑠璃の音 七種年男 200711  
虫の夜や人肌といふ熱きもの 七種年男 200711  
波音のするまで歩く虫の夜 笹村政子 六花 200711  
奈良太郎聞ゆる虫の夜の舞楽 萩谷幸子 雨月 200712  
虫の夜の電光文字が文字追うて 西口鶴子 遠嶺 200801  
虫の夜や人が動いてをりにけり 小林正史 200801  
虫の夜の赤湯に漬かる湯掻棒 垣岡暎子 火星 200802  
むなしさのまたも襲へる虫の夜々 杉本綾 200810  
難聴の吾も包みて虫の夜 苑田ひろまさ 200901  
虫の夜や聞きやるのみに子は足らひ 間宮あや子 馬醉木 200912  
無気力に下着の干され虫の夜 関根誠子 炎環 200912  
虫の夜や播くこころとり戻し 水田壽子 雨月 200912  
飛車といひ王手と言ひて虫の夜 伊藤希眸 京鹿子 200912  
一歌手の小さき訃報虫の夜 中村紘 ぐろっけ 200912  
虫の夜の更けては綴る一行詩 船橋とし 200912  
抱き上げて嬰の泣きやむ虫の夜 岡村尚子 火星 201001  
返信に筆すすみけり虫の夜 高木千鶴子 酸漿 201001  
強がりの姿勢くづるる虫の夜 小倉正穂 末黒野 201002  
先づソロで始まる虫の夜さりかな 竹内悦子 201011  
虫の夜を沢市木偶は目を伏せて 塩路隆子 201012  
乾杯はノンアルコール虫の夜 高橋芳子 火星 201012  
虫の夜を師の安らかに眠りをり 山田春生 万象 201012  
虫の夜の追伸長しつまらなし 井上信子 201110  
糸尻でナイフ研ぎゐる虫の夜半 山田六甲 六花 201110  
虫の夜五人の孫に絵手紙を 山口美貴子 火星 201111  
顔上げて妻のひとこと虫の夜 松嶋一洋 201112  
卓はさみ妻と二人や虫の夜 松本三千夫 末黒野 201112  
アセロラと言ふはむづかし虫の夜 井上信子 201112  
夫に肩叩いてもらふ虫の夜 杉浦典子 火星 201112  
虫の夜の左右に揺れつ皿沈む 荒井千佐代 201112  
生中継の「宇宙の渚」虫の夜 清水佑実子 201112  
置き時計文鎮にして虫の夜 ことり 六花 201112  
虫の夜や言葉を選ぶ見舞文 大橋伊佐子 末黒野 201201  
万の翅見えてきさうな虫の夜 後藤桂子 万象 201201  
良き方に思ひは動く虫の夜 高倉和子 夜のプール 201203  
釦付け糸のからまる虫の夜 井村和子 風花 201206  
虫の夜にもどす熱気の画像消し 秋葉雅治 201211  
虫の夜の箱に戻らぬ玩具かな 浅田光代 風土 201212  
虫の夜のひとりを余し歯をみがく 山田美恵子 火星 201301  
虫の夜の畳に沈む鉄亜鈴 蘭定かず子 火星 201301  
虫の夜の北斗七星かぞへけり 石橋邦子 春燈 201311  
虫の夜の話上手と聞き上手 原田しずえ 万象 201312  
虫の夜のこむら返りを恐れをり 原田しずえ 万象 201312  
止静中いつしか虫の夜となれり 瀧春一 花石榴 201312  
虫の夜や映画に泣きし妻連れて 上野進 春燈 201411  
虫の夜眠くなるまで辞書読んで 杉浦典子 火星 201412  
虫の夜の避難袋にもの足せり 湯谷良 火星 201412  
虫の夜や客衣でまじる友の葬 橋本榮治 馬醉木 201512  
とりどりのこゑの身に添ふ虫の夜 安立公彦 春燈 201512  
認知症の番組またも虫の夜 原田しずえ 万象 201512  
虫の夜の音量上げて「未完成」 田中藤穂 あを 201512  
めぐりくるものに忌日や虫の夜 鈴木庸子 風土 201512  
虫の夜や道にこぼるる忌中の灯 斉藤マキ子 末黒野 201601  
虫の夜と気づきてよりの詩心 稲畑汀子 ホトトギス 201609  
地のほてり残りて虫の夜となりぬ 能美昌二郎 201611  
父の手を握る別れや虫の夜 江見悦子 万象 201611  
白髪の妻におどろく虫の夜 山田春生 万象 201612  
色褪しモノクロ写真虫の夜 今村千年 末黒野 201612  
虫の夜や長き手紙に知るこころ 清水節子 馬醉木 201701  
めぐり来るものに忌日や虫の夜 鈴木庸子 風土 201701  
虫の夜いよよ一人と思ひけり 高倉和子 201612  
虫の夜年々若くなる遺影 岸洋子 201702  
戦の愚語り継ぐべし虫の夜 高橋和女 風紋 201709  
戦の愚語り継ぐべし虫の夜 高橋和女 風紋 201709  
戸締りの早目に虫の夜を一人 稲畑汀子 ホトトギス 201709  
虫の夜や水たつぷりと水仕妻 松本三千夫 末黒野 201711  
虫の夜やそんな言葉は似合はぬと はしもと風里 201712  
その一言の多きが仇に虫の夜 清水美子 春燈 201712  
灯を消して濁世離れて虫の夜 及川照子 末黒野 201804  
試し鳴きのごと始まりぬ虫の夜 新海英二 春燈 201911  
ふるさとの話は尽きず虫の夜 清水節子 馬醉木 201911  
バーボンをチェイサーにして虫の夜 谷口一献 六花 201912  
復旧の灯またたく虫の夜 岡井マスミ 末黒野 202001  
虫の夜を更かす家居を楽しみに 稲畑汀子 ホトトギス 202009  
一行事済みてくつろぐ虫の夜 稲畑汀子 ホトトギス 202009  

 

 

2020年9月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。