牡 丹 8      73句

薄紙にひかりをもらす牡丹かな  急候

牡丹  緋牡丹  白牡丹  黒牡丹  大牡丹  夕牡丹

牡丹園  牡丹散る  牡丹崩る  ぼうたん  ぼたん

作品
作者
掲載誌
掲載年月
腰元の襦袢の色といふ牡丹 今井千鶴子 ホトトギス 202009
白牡丹塩の盛られし料理茶屋 石塚清文 やぶれ傘 202009
夕暮は徐々に来るもの白牡丹 嶋田一歩 ホトトギス 202010
夕暮の影が先づ来て白牡丹 嶋田一歩 ホトトギス 202010
白牡丹より日の暮れて来たりけり 嶋田一歩 ホトトギス 202010
歳月も牡丹も散り易きかな 岩岡中正 ホトトギス 202010
散りぎはの牡丹見てゐてふとめまひ えとう樹里 202010
人影のふれて崩るる牡丹かな 石原孝人 京鹿子 202101
地に下ろしたる牡丹の芽たくましく 稲畑汀子 ホトトギス 202103
花の色未だ明かさぬ牡丹の芽 稲畑汀子 ホトトギス 202103
尼僧らの足首細し牡丹の芽 武藤節子 やぶれ傘 202103
牡丹の芽膨らんでくる雨のあと 山口民子 202104
文反古の灰のただよふ夕牡丹 石川桂郎 風土 202105
声明の高む牡丹の芽のほぐれ 柴ア英子 202105
くれなゐの息吹整ふ牡丹の芽 五十畑悦雄 202105
牡丹剪り私の手にや静心 牛島晃江 202106
友の忌が近し燃えたつ牡丹の芽 中里よし子 春燈 202106
対すれば完敗の感白牡丹 武田未有 202107
反骨の隠れてをりぬ牡丹の芽 松下道臣 202107
ふはふはと牡丹膨らむ日和かな 伊藤照枝 202107
白牡丹重たき弱を揺らしをり 里村梨邨 202107
二上山を揺する牡丹の大笑ひ 熊川暁子 202107
生き死にの話聞きをる緋の牡丹 中島昌子 202107
大輪の牡丹を切れば雨兆す 森高武 風土 202107
祥月の母に剪りけり白牡丹 林いづみ 風土 202107
ぼうたんにぼうたんの夢白牡丹 根岸善行 風土 202107
隣人に叙勲の沙汰や牡丹咲く 黒澤次郎 やぶれ傘 202108
長谷観音百の牡丹の息遣ひ 中西富士子 202108
あしたへと花弁たたむ夕牡丹 岡田桃子 202108
大輪の牡丹や重き雨ひと日 大川暉美 末黒野 202108
吉事日の人を迎ふる牡丹かな 尾崎千代一 末黒野 202108
濡れ縁の会話のとぎれ夕牡丹 本郷公子 京鹿子 202109
鬼瓦据ゑある地面牡丹散る 岡野里子 末黒野 202109
何ほどの事なき八十路牡丹咲く 志方章子 六花 202110
朝風に散る一片の牡丹かな 安原葉 ホトトギス 202201
出し惜しみなき人生や初牡丹 沼田巴字 京鹿子 202203
乙訓の華の助走や牡丹の芽 鈴鹿呂仁 京鹿子 202204
乱心の君に牡丹崩れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
牡丹の一片風の使者となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
羽衣の如一片の牡丹散る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
寺門入るより牡丹の崩れ初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
牡丹哀しもとより草の深ければ 久保田万太郎 春燈 202205
古井戸の堅く閉ざされ牡丹の芽 岡野里子 末黒野 202205
つややかに日照雨に濡れて牡丹の芽 小原芙美子 風土 202205
待つといふ恋の美学や牡丹の芽 三上程子 春燈 202206
一日中の風と雨牡丹をよろこばす 松本峰春 春燈 202206
庭先にやうやく赤き牡丹の芽 高橋詩 202206
昨日雨や紅映ゆる牡丹の芽 佐々木永子 末黒野 202206
踏み石は女の歩幅夕牡丹 高村令子 風土 202207
白牡丹夕べは白を極めをり 小林共代 風土 202207
牡丹の花瓶を隠すほど開く 渡辺とくゑ 202207
一弁を欠きし牡丹の紅褪せず 能村研三 202207
やはらかき風にととのふ白牡丹 稗田寿明 202207
牡丹の白き大輪雨の中 神山市実 やぶれ傘 202208
緋牡丹や今を生きるは歓喜なる 阪倉孝子 202208
牡丹崩る崩るる音にまた崩る 菅原健一 202208
告ぐるべき言葉を持たず夕牡丹 増成栗人 202208
寂として牡丹虚空へ色解きて 犬川暉美 末黒野 202208
雲上に立ちたるやうや牡丹園 五味紘子 末黒野 202208
夕風に牡丹崩れ闇崩れ 佐藤千恵 京鹿子 202208
まなかひに父の温顔白牡丹 佐藤千恵 京鹿子 202208
白牡丹諦観といふひとりごと 梅原ひろし 京鹿子 202208
白磁割るごとくおののき牡丹散る 上野紫泉 京鹿子 202208
悔いいくつ墓前に置けり白牡丹 若泉真樹 202209
糸ほどの雨に震へて白牡丹 岡野里子 末黒野 202209
白牡丹閻魔見てきし夕つ方 岡野里子 末黒野 202209
凭れ合ふひと日の疲れ夕牡丹 梅田武 末黒野 202209
雅なるときの短き白牡丹 大沼経子 202209
下町のバケツの鉢に咲く牡丹 草場つくし 六花 202209
はらはらと指で弾かれ散牡丹 草場つくし 六花 202209
控へめな庭に一輪紅牡丹 草場つくし 六花 202209
雅なる名ばかり城の牡丹園 石田蓉子 202211
牡丹の終の一花を供へけり 河原敬子 202302
牡丹の大輪といふ孤独かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
牡丹の崩れ地に置く気品かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
牡丹→ 1

 

2023年5月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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