年用意 1     

病僧やかさりこそりと年用意   川端茅舎

数へ日 年惜しむ 年の内 年の暮 年用意 行年 極月 年歩む 年移る 年送る 年守る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
エレベーター使ふ生活も年用意
岡本眸
199901
船底にむしろ一枚年用意
久崎富美子
199901
穴掘りしあと見とどけで春支度
保坂加津夫
いろり
199906
年用意いつもながらの軸替へて
松尾緑富
ホトトギス
200001
青きもの青く茹であげ年用意
長谷川千枝子
200001
振込みの順番待ちも年用意
品川鈴子
ぐろっけ
200001
非常用水汲みかへる年用意
品川鈴子
ぐろっけ
200001
局二階赤き自転車年用意
松崎鉄之介
200002
思ひきり捨てることより年用意
酒井多加子
俳句通信
200002
伝へつぐ家風あらねど年用意
辻のぶ子
俳句通信
200002
のつけから予定のくるひ年用意
伊与田秀一
200003
植木糶るくせの多きに年用意
上田かつみ
京鹿子
200003
年用意のレトルト多しミレニアム
杉谷文江
200003
年用意虫食ひのごとやり残す
北原東洋男
200003
器用なる夫の昆布巻年用意
村瀬初実
春耕
200003
年用意父母あるごとく続きをり
斉藤秀子
遠嶺
200004
卒寿なる祖母に見習ふ年用意
小林光美
春耕
200004
障子拭く土産物屋の年用意
三浦喜久子
ぐろっけ
200004
要らぬ手を出して叱られ年用意
松崎幹
200101
餅網の錆を落として年用意
竹村良三
200102
通勤の靴など替へて年用意
保坂加津夫
いろり
200102
同じこと出来るしあわせ年用意
篠田三七子
いろり
200102
猫缶と云ふもたつぷり年用意
三代川次郎
俳句通信
200102
方丈に手伝ひそろふ春支度
香川はじめ
春耕
200102
年用意丹波黒豆升で買ふ
藤武由美子
春耕
200102
千代紙の鶴の箸置年用意
芝尚子
あを
200102
病室の夫に聞くこと年用意
山田弘子
円虹
200103
切替へて心にもある春支度
山田弘子
円虹
200103
書斎派の炊事洗濯年用意
品川鈴子
ぐろっけ
200103
改まるつもりなくとも年用意
稲岡長
ホトトギス
200104
路地に住み昔のままの年用意
林敏明
200104
四君子を買ひ揃へたる年用意
足利徹
ぐろっけ
200104
古机塗りかへもして年用意
稲畑汀子
ホトトギス
200112
定石のじとき手順の年用意
佐々木踏青子
200112
省くこと巧くなりたる年用意
品川鈴子
ぐろっけ
200201
大甕の底を洗ふも年用意
藪敏子
200202
垣を結ふ縄目正しき年用意
山田弘子
円虹
200202
幸福の竹買ふことも年用意
黒崎よし江
雲の峰
200202
味気なき書斎となりぬ年用意
山田六甲
六花
200202
年用意居間だけ模様替へて見る
大平保子
いろり
200202
年用意せねばとこころせかされて
保坂加津夫
いろり
200202
年用意牛肉だけは手を出さず
保坂加津夫
いろり
200202
仏具拭く事より始め年用意
侭田伊都希
いろり
200202
夫の背を息子越えたり年用意
武田美雪
六花
200202
年用意ちよつと気になりつつ外出
栗林眞知子
円虹
200203
飛行機の飛び交ふ音や年用意
田中洋子
200203
年用意男女の名前書いてみる
桑原敏枝
いろり
200203
老ぬれば嫁も手伝う年用意
塚村素代
いろり
200203
物捨てることより始め年用意
侭田伊都希
いろり
200203
年用意済ませて靴を揃へけり
網野茂子
酸漿
200203
賜りしこのよき日和年用意
金山千鳥
酸漿
200203
大ぶりの千両買へり年用意
小黒加支
酸漿
200203
昨年は夫の声在りし年用意
西村咲子
六花
200203
筧竹あをあを茶屋の年用意
飯塚雅子
200203
この日和逃してならじ年用意
橋本佐智
円虹
200204
駅長が時刻表拭ふ年用意
金田美恵子
ぐろっけ
200204
年用意賓銭箱の位置正す
金田美恵子
ぐろっけ
200204
年用意故郷便で揃ひたり
山口和子
ぐろっけ
200204
年用意犬の首輪を買ひにけり
波田美智子
をりをりに
200208
少しづつ思ひ出しては年用意
稲畑汀子
ホトトギス
200212
一葉井戸のさらし袋も年用意
中村洋子
風土
200301
指のちから衰へにけり年用意
芝尚子
あを
200301
火を奢り水を奢りて年用意
長井順子
200302
年用意机の上は触らせず
塩川雄三
築港
200302
古き絵馬はづされ宮の年用意
塩川雄三
築港
200302
年用意壁塗り替へる家多し
青木光子
築港
200302
一病とうまく付き合ひ年用意
岡村容子
築港
200302
明日ありと一途に母の年用意
中村公代
雨月
200302
お揃ひの旗の立つ街年用意
桜井和子
遠嶺
200303
師の短冊掲げて終る年用意
岩林勇雄
築港
200303
髪少し茶色に染めて年用意
揚原れい子
築港
200303
年用意特に贅沢するでなし
阿部一彦
築港
200303
犬やらひ竹取り替へて年用意
井上輝男
築港
200303
老いゐても得手のありけり年用意
水谷とく
築港
200303
年用意持山の竹伐りにゆく
芦澤一醒
200303
年用意歌舞伎音曲テープで聴き
金升富美子
200303
玻璃拭いて空のととのふ年用意
柴田近江
200303
年用意手抜きを叱る人のなし
柳沢典子
酸漿
200303
年用意しきたりいくつ省きたる
和田祥子
馬醉木
200303
年用意血圧計の電池替ふ
吉田多美
京鹿子
200304
模様替するはすなはち年用意
稲畑汀子
ホトトギス
200312
帰り来る子の部屋を先づ年用意
稲畑汀子
ホトトギス
200312
片付けることよりはじめ年用意
稲畑汀子
ホトトギス
200312
簡単にいつもの如く年用意
稲畑汀子
ホトトギス
200312
青竹の匂ふ古刹の年用意
館容子
200312
撥ね橋の鎖検すも年用意
品川鈴子
ぐろっけ
200312
水拭きのあとの空拭き年用意
細川知子
ぐろっけ
200312
あれこれと気ばかり急いで年用意
塩川雄三
築港
200402
奉納の絵馬掛け替へて年用意
塩川雄三
築港
200402
変哲もなき生活に年用意
塩川雄三
築港
200402
苦手なる日曜大工年用意
大石登志美
築港
200402
年用意手を抜く事に慣れゐたり
大石登志美
築港
200402
恋指南しつつされつつ年用意
東亜未
あを
200402
母日がな納戸に在し年用意
岡本明美
雲の峰
200402
熨斗袋一束買ふも年用意
清水かつ
酸漿
200402
てのひらに乗る鉢花も年用意
村田さだ子
酸漿
200402
柚子狩の里山すでに春支度
松元末則
酸漿
200402
江戸前の甘露煮買へり年用意
田中きよ子
酸漿
200403
カーナビの声聞き流す年用意
中谷喜美子
六花
200403
流感のワクチン待つも年用意
塩田博久
風土
200403
日当たらぬ場所より清め年用意
柿沼盟子
風土
200403
年用意はやばやと終へ老夫婦
澤藤蓑助
200403
姑の寝間に日入るる年用意
天野れい子
雲の峰
200403
衣食住三位一体春仕度
中田征二
ぐろっけ
200403
父母の話をしつつ年用意
堤陽子
遠嶺
200404
杖突きつハミングしつつ年用意
花房敏
ぐろっけ
200404
レシートの裏にメモする年用意
橘沙希
月の雫
200404
年用意墓地の掃除を為すことも
橘澄男
山景
200408
余命なきことを知りつつ年用意
内藤ゑつ
ゑつ
200411
俳誌祝ぐ余韻に浸り年用意
稲畑廣太郎
ホトトギス
200412
年用意うそも方便ついてみる
安部里子
あを
200502
年用意気がかりありてぎくしゃくと
芝宮須磨子
あを
200502
整理下手下手なるままに年用意
塩川雄三
築港
200502
年用意所詮男は男にて
塩川雄三
築港
200502
何もせぬと言ひつつしたる年用意
永川絢子
築港
200502
いつまでも母に任せる年用意
永川絢子
築港
200502
年用意子を手伝はせ手間の増え
重藤慶
築港
200502
ひとりとて女は多忙年用意
清水澄江
築港
200502
狛犬を刷毛で洗ひて年用意
石橋萬里
ぐろっけ
200502
年用意整ひ神馬嘶けり
長谷川通子
雲の峰
200502
年用意終へたる髮のうす湿り
岡本眸
200502
妻一人厨にこもる年用意
橋本貞二
酸漿
200503
ねんねこの幼が覗く年用意
大塚民枝
酸漿
200503
白紙に刃を入れて春仕度
加藤みき
200503
夫の性の性急の声年用意
滝川あい子
雨月
200503
筆一本買うて男の年用意
川崎洋吉
遠嶺
200503
掘抜井戸一葉もせし年用意
都築繁子
200503
来年の手帳が届く春支度
福山至遊
200503
息かけてバイク磨くも年用意
細川知子
ぐろっけ
200504
置物を蔵に捜して年用意
河原昭子
六花
200504
緻密なるメモに從ふ年用意
野中啓子
200504
年用意帰りたる子に任せけり
高倉恵美子
200504
定年の無き主婦の座や年用意
佐々木恭子
遠嶺
200504
年用意一任せしと生返事
渡辺隆
遠嶺
200504
関白も指図をうけて春仕度
荒川清司
遠嶺
200504
提灯の点る参道年用意
浦川哲子
200504
娘に季節を送り年用意
佐藤稲詩
200504
老犬の座布団替えて年用意
川口松生
200504
年用意まずは葉書の手配して
佐藤利夫
200504
薪小屋にすき間なく積み年用意
村井節子
200504
蛸舟のあがりし浜や春支度
浜福恵
風土
200505
鉢植をひとつ買い足し年用意
前川りょう
200505
ツリー先づ片付けてより年用意
稲畑廣太郎
ホトトギス
200512
年用意やうやく主婦の顔となり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200512
境内に火のあかあかと年用意
斎藤くめお
対岸
200602
戦禍のがれし色鍋島も年用意
田口俊子
200602
年用意椅子の座面も貼り変へて
赤木真理
ぐろっけ
200603
言いわけを二人ながらに年用意
中村みち子
ぐろっけ
200603
年用意まづ散髪をすませけり
石川英利
百鳥
200603
母想ふ仏具磨きや年用意
斉藤阿津子
百鳥
200603
捨て難き物の数々年用意
梅田秀子
酸漿
200603
とにもかく庖丁みがき年用意
小野寺節子
風土
200603
年用意といふ程もなく暮しけり
芝尚子
あを
200603
買ひしこと忘れまた買ひ年用意
池田美佐代
200604
仏具みな磨きあげたる年用意
師岡洋子
ぐろっけ
200604
年用意母は一際母らしく
石川英利
百鳥
200604
若松の匂ひ立ち込め年用意
ことり
六花
200605
年用意築地の雑踏かきわけて
島田宣子
八千草
200607
姑の顔剃りまゐらすも年用意
大橋麻沙子
雨月
200612
手出し拒む障害妻の年用意
秋葉雅治
200702
俎板を削りし事も年用意
加藤梅窓
200702
産み終へて旬日にして年用意
谷榮子
雨月
200702
塗椀の光淋梅や年用意
田下宮子
200703
文机をひつくりかへし年用意
荻原正三
200703
年用意巫女にもありぬリハーサル
山田ひさし
馬醉木
200703
燻製の鍋をまづ出す年用意
岡本敬子
万象
200703
身籠りし犬に藁敷く年用意
鈴木石花
風土
200703
身をいとひほどほどにせん年用意
青垣和子
雨月
200703
年用意まづ八頭買ひにけり
佐藤喜代子
200703
泥縄を抜け出せぬまま年用意
岩崎可代子
ぐろっけ
200703
まちがひの天丼届く年用意
斉藤裕子
あを
200703
風呂桶を檜に替ふも年用意
今井忍
ぐろっけ
200703
病む人も枕辺正す年用意
三浦ひろみ
ぐろっけ
200703
これ以上手抜きの効かず年用意
村上沙央
200704
右腕のことに働き年用意
小椋夏
200704
疎水から苔採つてくる年用意
山田六甲
六花
200801
年用意せずと言いつつ何やかや
西口万佐子
200801
二病も身の内と決め年用意
小城綾子
200802
年用意言はねばならぬこともあり
高尾豊子
火星
200802
喪の内のさりとて少し年用意
木村茂登子
あを
200802
喜寿といふ実感のなし年用意
安部里子
あを
200802
松の夫婦伐り出すことも年用意
野中亮介
馬醉木
200803
人それぞれ急ぐことなく年用意
鈴木勢津子
200803
神鈴の紐新しや年用意
谷村幸子
200803
ひとり住みといへど種々年用意
細川コマヱ
雨月
200803
懇ろに仏壇清め年用意
廣瀬義一
雨月
200803
退院して年の用意にかかりけり
星佳子
200803
大島の羽織紐買ふ年用意
牧野睦子
200803
母となる娘と共にする年用意
小田部友子
200803
年用意はじめ縺れし紐ほどく
風間史子
200803
百歳の爪剪り揃へ年用意
緒方佳子
火星
200803
年用意山側の窓開け放つ
緒方佳子
火星
200803
背中より押さるる如く年用意
久永つう
六花
200803
炊飯器磨きて終る年用意
金山千鳥
酸漿
200803
一つづつ片付く中の年用意
大野ツネ子
酸漿
200803
年用意先づ泥葱を囲ひけり
野口みどり
酸漿
200803
小屋掛や作務衣の僧の年用意
小松渓水
酸漿
200803
錆しるき釘に吊るもの年用意
村上沙央
200804
消防組喞筒磨いて年用意
岡本幸枝
ぐろっけ
200804
鶴島の五葉の松も年用意
奥田妙子
ぐろっけ
200804
年々に年の用意を怠れり
岸野美知子
酸漿
200804
少しづつ省くさみしさ年用意
佐藤なか
遠嶺
200805
ペン皿の整理男の年用意
勝原文夫
ペン皿
200811
天守閣基礎工事てふ年用意
稲畑廣太郎
ホトトギス
200812
年用意明治の玻璃戸てふ歪み
稲畑廣太郎
ホトトギス
200812
落書きの石洗ひをり年用意
山田六甲
六花
200812
振り返る猫の落着き年用意
日山輝喜
200902
新札の両替すます年用意
伊藤憲子
200902
腰の鈴鳴らして谷へ年用意
坂口夫佐子
火星
200902
青竹の一升徳利年用意
森理和
あを
200902
貰ひ来し野菜囲ふも年用意
橋本貞二
酸漿
200902
先づ捨てることに始まる年用意
高谷栄一
200903
黒豆の煮ゆる機嫌も年用意
平野伸子
馬醉木
200903
年用意鰻の精を胃に収め
布川直幸
200903
年用意父母の墓への日を加ふ
久本久美子
春燈
200903
重箱は要らぬ二人の年用意
木村美猫
ぐろっけ
200903
きりもなき女の時間年用意
東芳子
酸漿
200903
濡縁に色々干して年用意
高倉和子
200903
簡単に予定を立てゝ年用意
松尾緑富
ホトトギス
200904
昔ほど気負ふことなき年用意
上原和子
200904
もう齢重ねぬ父母へ年用意
岩永充三
200904
夫の手を借りるばかりの年用意
高倉恵美子
200905
土地に馴れ独りにもなれ年用意
木村公子
花貝母
200911
一人にはお一人様の年用意
木村茂登子
あを
201001
夫の手を借りねばならぬ年用意
小西和子
あい
201002
丈足らぬ母の帯出す年用意
村上光子
馬醉木
201002
酒樽を大きく積むも年用意
安居正浩
201002
魚河岸に包丁買ふも年用意
藤原はる美
201002
積置きの本積直し年用意
林紀夫
春燈
201002
猫の爪切りそろへるも年用意
森下賢一
春燈
201002
体調に合はせ早めの年用意
和泉重一
201002
旭涛之鶴の軸掛け年用意
古田考鵬
雨月
201002
向き合ひて子と窓を拭く年用意
村井洋子
酸奬
201002
にんげんの形状記憶年用意
阪本哲弘
あい
201003
通販で済ます独りの年用意
中川すみ子
あい
201003
古釘の出番となりぬ年用意
城台洋子
馬醉木
201003
年用意端の紛れしセロテープ
杉本光祥
201003
一つ成し一つ忘るる年用意
岩永充三
201003
今年はや和紙の寅折る年用意
堺昌子
末黒野
201003
年ごとに母に似て妻年用意
塩山博久
風土
201003
年用意料理長なる嫁姑
黒澤登美枝
201003
双清の色紙掲ぐや年用意
中村春宵子
春燈
201003
年用意文字美しき仕入帳
今井弘雄
春燈
201003
開き直るも一計なるや年用意
竹内慶子
春燈
201003
老い二人手抜きは法度と年用意
明石文子
ぐろっけ
201003
年用意磨く鏡に生きる顔
石川政男
201003
デート気分の夫と買出し年用意
土井くみこ
あい
201003
年用意とろ火といふを教へけり
高橋喬子
201004
舞殿の釘隠し拭く年用意
渡邉孝彦
やぶれ傘
201004
氏神の旗立ててゐる年用意
高倉恵美子
201004
年用意鳥居に括る榊かな
奥井あき
201004
晩年や蔵書捨つるも年用意
塩田博久
風土
201004
暗証を替へて万端年用意
山﨑青史
ろんど
201004
年用意ことに仏間に囚はれて
佐藤弘香
ろんど
201004
荒神の露店で揃う年用意
島純子
ぐろっけ
201004
幸呼ぶてふガンコ魚買ふ年用意
陳妹蓉
春燈
201004
独り居のひとりに適ふ年用意
神谷さうび
末黒野
201004
老松の一枝剪りて年用意
三浦百合子
201004
たくましき虎を飾りて年用意
中村輝子
酸漿
201004
物忘れ許し合ひつつ年用意
木場田秀俊
201005
年用意ともなく出でて腰に鉈
冨山俊雄
山居抄
201008
懇ろに印泥練るも年用意
能村研三
201101
居間飾る鉢植ゑ一つ年用意
西田史郎
201102
年用意逝きて久しき母のこと
和田森早苗
201102
干支となるラビットランド年用意
鈴木石花
風土
201102
雪見障子修理に出すも年用意
上原重一
201102
痛む足そろりそろりと年用意
和田政子
201102
蓬莱山の掛軸とする年用意
赤座典子
あを
201102
老眼鏡磨きしよりの年用意
水原春郎
馬醉木
201103
年用意藁灰入るる大火鉢
山村幸苑
馬醉木
201103
息吐いて残る日数や年用意
三上程子
春燈
201103
三年坂に七味を購ふも年用意
宮沢治子
春燈
201103
日の本のいづれの浦も年用意
岩下芳子
201103
秘仏なる不動明王年用意
飯出ひでを
201103
辛うじて半日を割き年用意
大橋晄
雨月
201103
年用意冷凍ものを使い切り
羽生きよみ
ぐろっけ
201103
デパ地下に妻の後追う年用意
渡辺和夫
ろんど
201103
偕老を神佛に謝し年用意
大西よしき
ろんど
201103
選りて剪る庭の千両年用意
伊藤一枝
酸漿
201103
正直に真面目に生きむ年用意
大塚民枝
酸漿
201103
年用意夫と墓参の花を買ふ
斉藤裕子
あを
201103
まづ母の髪を切りたる年用意
樋口みのぶ
201104
買ひ物はメモを手にして年用意
上林富子
やぶれ傘
201104
活えびの籾殻散らし年用意
笹村政子
六花
201104
宮裏の竹切る音も年用意
松田明子
201105
磯宮の開かれゐしは年用意
上﨑暮潮
ホトトギス
201106
年用意軒に棒だらの顎尖り
コ田千鶴子
花の翼
201111
境内に提灯吊られ年用意 吉成美代子 あを 201201
店と店行きつ戻りつ年用意 松本信子 かさね 201202
年用意メモに俳句の片言も 品川鈴子 ぐろっけ 201202
子に暮し譲りし安堵年用意 紀川和子 うらら 201202
空気圧ぱんぱんにする年用意 安居正浩 201203
抽斗の小部屋仕切りも年用意 菅谷たけし 201203
歯医者より築地へまはる年用意 石田康明 春燈 201203
ふとき棒探してゐたり年用意 高橋将夫 201203
膝頭ポンとたたいて年用意 中島昌子 201203
身ほとりのものを捨つるも年用意 塩田博久 風土 201203
夫逝きてより用殖えぬ年用意 小野口正江 末黒野 201203
うなづきつ何やかやとの年用意 岡田愛子 京鹿子 201203
雑踏の中の孤独や年用意 松本恒子 ぐろっけ 201203
火伏せ護符背伸びして貼る年用意 八田マサ子 馬醉木 201204
ふるさとの畑つ物もて年用意 三橋玲子 末黒野 201204
手控へのメモ書き移す年用意 藤田かもめ ぐろっけ 201204
竹山に竹のさざなみ年用意 柴田佐知子 201205
一手間の豆のふくらみ年用意 岡山敦子 京鹿子 201205
刈り込める木々名苑の年用意 稲畑汀子 ホトトギス 201212
替へておく電球幾つ年用意 稲畑汀子 ホトトギス 201212
年用意メモの隅には尿パッド 品川鈴子 ぐろっけ 201212
袖口に輪ゴムのたまる年用意 林昭太郎 201302
年用意仕分けて午前午後夜間 千田百里 201302
年用意友の作りし軸とする 赤座典子 あを 201302
年用意陽のあるうちに外回り 木村茂登子 あを 201302
ひとつづつ仕来り省き年用意 能勢栄子 201303
「歩」とならむ妻が指図の年用意 笠井清佑 201303
玻璃の空丹念に拭き年用意 中井登喜子 201303
簡素化に乗りたるもよし年用意 前川ユキ子 201303
年用意妻の指揮下に入りけり 阪本哲弘 201303
ひとつづつ仕来り省き年用意 能勢栄子 201303
年用意ネジ巻き直す古時計 和田政子 201303
妻と「よいしよ」生きる息吹の年用意 遠藤真砂明 201303
小銭からふくる財布年用意 池田喜代持 六花 201303
眞直に晩年が来て年用意 三浦澄江 ぐろっけ 201303
年用意妣の口ぐせよみがへる 近藤紀子 201304
無理きかぬ吾が身知りゐて年用意 足利ロ子 ぐろっけ 201304
一日の長を重ねて年用意 高橋龍 201304
年用意刃物研ぐコツ教へもし 宮田千優 京鹿子 201305
男手なく家具動かさぬ年用意 村田とくみ ぐろっけ 201305
窓拭きの夫と向き合ふ年用意 亀田やす子 ははのこゑ 201306
先づ予定表より埋め年用意 稲畑汀子 ホトトギス 201312
あるがままとは年用意にも及ぶ 稲畑汀子 ホトトギス 201312
銀座八丁ピンからキリまで年用意 山本鬼之助 201401
竹垣の竹を洗ふも年用意 頓所友枝 201402
年用意もう限界てふ同じ愚痴 呂秀文 春燈 201402
ガラス拭き峠を越えし年用意 森理和 あを 201402
箸袋揃ひの干支や年用意 横山さくら 春燈 201402
年用意終へて畑を見廻りぬ 大木清美子 201402
年用意軍手荒縄棕櫚箒 近藤紀子 201403
年用意仕来り伝へよとラジオ 菅野蒔子 末黒野 201403
年用意小指の傷の癒えぬまま 呂秀文 春燈 201403
年用意篭に購ふ文庫本 藤沢秀永 201403
夫なしの気まま一人の年用意 三代川玲子 春燈 201403
夕闇を小走りに行く年用意 山本茂子 末黒野 201403
僧総出白装束の年用意 岩木眞澄 ぐろっけ 201403
玄関に金のなる木や年用意 涼野海音 火星 201403
常備薬あれこれ買ひて年用意 岩田登美子 ぐろっけ 201403
年用意即ち身辺整理から 中島知恵子 雨月 201403
今更に気負ふ事なし年用意 棗怜子 春燈 201403
思ひ切り捨つることより年用意 大橋晄 雨月 201404
思ひ断ち捨つることより年用意 布施由岐子 末黒野 201404
裏方にまはる齢や年用意 河合とき 末黒野 201404
新札に替ふるこころも年用意 上家弘子 末黒野 201404
天袋閉まる間の無し年用意 升田ヤエ子 六花 201404
もうすでにつまづいてゐる年用意 山田閏子 ホトトギス 201405
まだ旅を残し手つかぬ年用意 稲畑汀子 ホトトギス 201412
無国籍料理も交へ年用意 藤見佳楠子 201502
今年又一つ減らして年用意 須賀敏子 あを 201502
海苔だけは上物にして年用意 斉藤裕子 あを 201503
急くことももうおよばずに年用意 大内幸子 六花 201503
懇に内仏清め年用意 本多正子 雨月 201503
縫ひ溜めし母の雑巾年用意 佐野つたえ 風土 201503
年用意欠礼状のやりとりも 塩田博久 風土 201503
年用意この法螺貝をどうしやう 直江裕子 京鹿子 201503
薪を積み産土神の年用意 萩庭一幹 馬醉木 201503
古ガラス一枚ずつの年用意 佐藤みらい ろんど 201503
むらさきの葉牡丹買ふも年用意 原田しずえ 万象 201503
綱一本締めて終はりぬ年用意 間島あきら 風土 201503
省略のわが家なりけり年用意 外山節子 末黒野 201503
斜交ひに断つ青竹や年用意 生田恵美子 風土 201503
七宝の羊を買ふも年用意 十時和子 201503
三輪神の注連を鳥居に年用意 北村千代子 雨月 201503
年用意あらかた死語に老い二人 佐々木新 春燈 201503
砂糖壺に小さき匙や年用意 今井春生 201504
神棚は長子にまかす年用意 井浦美佐子 201504
足元に猫の絡まる年用意 亀井紀子 201504
年用意「金の成る木」を居間に入れ 久世孝雄 やぶれ傘 201504
和紙で折る干支の羊や年用意 菊池洋子 やぶれ傘 201504
厨より何やら叫ぶ年用意 比嘉半升 万象 201504
枝銜へ園の鴉も年用意 橋本くに彦 ホトトギス 201505
年用意稲穂匂へるもの買ひて 後藤立夫 ホトトギス 201505
米を蒸す農民市場年用意 福島せいぎ 万象 201505
朱の位牌浄め嫡子の年用意 比嘉半升 万象 201508
年用意進まぬ日々の二度寝かな 大口堂遊 春燈 201601
清貧の吾も心の年用意 小林はじめ 六花 201602
ひとりとは自由で不便年用意 青野安佐子 201603
便利なる世にて躓く年用意 山ア靖子 201603
御僧の首筋太き年用意 相良牧人 201603
歳時記を開きしままに年用意 斉藤裕子 あを 201603
あれそれにこれと応へし年用意 松本文一郎 六花 201603
床の間の軸を変へるも年用意 萩原久代 やぶれ傘 201604
善き年を乞へぬ手抜や年用意 西川みほ 末黒野 201604
二人とて取立ててせぬ年用意 山咲和雄 末黒野 201604
男居て男手の無き年用意 山内碧 201604
ホームセンター曽てよろづ屋年用意 甕秀麿 201604
古家には神様多し年用意 横田敬子 201605
庭手入れよりはじまりし年用意 稲畑汀子 ホトトギス 201612
年用意→2      

 

2020年12月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。