年送る     62句

やかなけりたつぷり使ひ年送る    堀内一郎
作品
作者
掲載誌
掲載年月
月清く七星和して年送る 林翔 199903
その一つ浮世繪に憩ひ年送る 山田耕子 京鹿子 199904
あるだけの星出揃ひて年送る 山田久子 200005
洋燈延子北迷美和佛年送る 堀内一郎 あを 200102
二〇〇〇年送る五山の炎立つ 橋添やよひ 風土 200104
シンフォニー九番もて年送り出す 小川匠太郎 200201
身の前に遠山を置き年送る 村越化石 200202
ぺース・メーカー埋込みし年送らなむ 古田考鵬 雨月 200202
満月に星つぶらなり年送る 伊藤一枝 酸漿 200203
天窓の真ん中に月年送る 村上沙央 200204
シャンペンの泡見つめつつ年送る 孝子フォン・ツェルセン 円虹 200204
年送るいよいよ細き夫の足 滝口美代子 200304
年送る穢しつつ剥くゆで玉子 佐藤喜孝 青寫眞 200304
携帯電話泣くも笑ふも年送る 堀内一郎 あを 200401
節電の暗き廊下に年送る 佐藤彰 築港 200402
紅白嫌ひ第九も嫌ひ年送る 塩田博久 風土 200403
三つ指をついて茶の湯の年送る 山田六甲 六花 200412
捨て迷ふ一冊もなく年送る 山田六甲 六花 200502
観世音枕頭に年送らむと 大橋敦子 雨月 200503
夜の茶の澱まで啜り年送る 宮脇ちづる 200503
様々な声を覚えて年送る ことり 六花 200504
年送る幇間塚の煤の面 松村多美 四葩 200602
年送るなさねばの用うっちゃりて 大橋敦子 雨月 200602
起き臥しのこの居間に趺坐年送る 村越化石 200602
窓に星机上豊かに年送る 吉野のぶ子 遠嶺 200604
事無きをよしと心得年送る 久永淳子 春燈 200702
大いなる計を胸中に年送る 三輪温子 雨月 200703
年送る汽笛港の近ければ 木村茂登子 あを 200802
ちちははの知らぬ齢の年送る 佐藤國夫 馬醉木 200803
馬酔木誌の弥栄祈り年送る 佐藤國夫 馬醉木 200803
抽出に記憶とぢこめ年送る 船越美喜 京鹿子 200903
受けながすことを覚えて年送る 鎌倉喜久恵 あを 201002
爪の色新しくして年送る 赤座典子 あを 201002
癌告げ来し声耳朶にあり年送る 山田をがたま 京鹿子 201003
冠雪の比良ヶ嶺仰ぎ年送る 松村富子 201003
一年の心放して年送る 長谷川歌子 春燈 201003
何もかも人まかせなり年送る 高倉恵美子 201004
寄附箱に釣銭入れて年送る 岡部玄治 201102
人生の大掃除なる年送る 森山のりこ あを 201102
軒にブイ吊す蜑の家年送る 坂上香菜 201103
亡夫思ふ月日重ねて年送る 松村富子 201103
得しもあり置き来しもあり年送る 飯田角子 酸漿 201104
解体の決まりし家と年送くる 今泉あさ子 末黒野 201204
寄せ書きの国旗広げて年送る 宮地静雄 末黒野 201303
友垣の厚き誼や年送る 原田たづゑ 春燈 201403
宝くじはづれし苦笑年送る 陳妹蓉 春燈 201403
山四方に川見下して年送る 鈴木石花 風土 201503
友ら逝く傷心の年送りけり 原田しずえ 万象 201503
オラトリオ流るる部屋に年送る 森礼子 雨月 201604
受けし恩思ひ返して年送る 押田裕見子 201703
年送る繁昌亭のばれ太鼓 浅田光代 風土 201803
年送る都のへりに半世紀 木戸渥子 京鹿子 201803
無駄な句は一句もなかり年送る 岩岡中正 ホトトギス 201805
年送る前髪少し短かめに 須賀敏子 あを 201902
平成の残照しばし年送る 藤原若菜 春燈 201903
年送る長湯にわが身労りて 有松洋子 202003
夜席のとりの芝浜年送る 松川昌義 末黒野 202104
七転び七起きの年送りけり 山田六甲 六花 202201
年送る鼓の遠音励みかな 伊藤希眸 京鹿子 202203

 

2022年12月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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